2021年末に奇跡の店頭在庫ゲット α7c導入編

年末経費ダメ押し、でもないけど、悩んでいたα7cが半導体不足で受注停止になる中、奇跡的に所要で出かけた船橋のビックコジマでレンズキットが各色1台ずつ在庫ありと言われ気絶しました。

■本当は10bit、4K60pにも興味あったけどサ…

RX100系を3台使った後、α6600を買って久しぶりのレンズ交換機に帰ってきた時、「フルサイズには絶対行かないぞ」という固い決意をしたはずでした。その前提でAPS-C専用レンズも何本か揃えてしまいました。概ね満足してましたが、利用シーンとして一番多い室内ブツ撮りの時にF1.4レンズでも感度不足を感じていて、Lightroomでノイズ除去をゴリゴリにかける必要がありました。F1.4だと対象ガジェット全体にピントがあったパリっとした絵にしづらく、結局さらに絞ったりしますし。

少なくとも軍艦のあるデザイン好きではないので、FX3なら…と思いつつも使用頻度考えるとボディだけで50万はちょっとなと、、。iPhone Pro Maxで4K60pの解像度とヌルヌル感の両立はとても魅力なので、いつかはミラーレスでも撮ってみたいと思いつつも、たいした”作品”撮るわけでもないので、いくら「写真よりもカメラが好き」な物欲系オタクでもコスパ悪すぎる。あと動画で動物瞳AFも使えないので買っても結局ZV-E10の方ばかり使うのでは?という懸念も。最初から動物対応の正直α7IVは結構ゆれましたが、軍艦デザインだし(仕様的に)ローリングシャッター歪みもFX3/α7SIIIよりヒドいはずとか言われ、レビューみないで特攻もできないなと見送り。

GH5M2とかも候補に挙がったけど、やっぱりあのカメラカメラしたデザインにモチベーションわかなかったのと、センサーサイズを落とすこと、レンズマウントが変わることに思い切れず。fpやBMPCCシリーズもAF系の弱さが懸念で除外。

そんな中でα7cは

  • α6×00系と同じ系統のデザインとコンパクトさ
  • USB-C化
  • Wi-Fi 5GHz化

なども含めて発売当初から気にはなっていました。動画記録スペック的にはα6600と大差ないので踏み切れずにいました。

■マクロレンズがほしくてフルサイズも視野にいれたSEL50M28を導入

これっていうフルサイズ機を決めきれないながらも、次に買い換える時はフルサイズの可能性が高いかなという気分で、今後買うレンズはフルサイズ対応にしていこうと決意。ちょうどブツ撮りのクオリティあげたくてマクロレンズがほしまり、SIGMA 70mmと悩んだ挙げ句、コンパクトさと画角でSEL50M28を購入。

APS-Cで1.5倍すると70mmは100m超えてくるので、別に離れた距離から昆虫とかを撮るわけでもないのでそこまでワーキングディスタンスいらないだろと。作例は別記事にて。

これでまたちょっと「フルサイズへの心理障壁」が2目盛りくらい下がりました(なんというマッチポンプ)。

■空前の在庫切れとα7cの動物瞳AFの動画対応

そんな年の瀬、最新型のαIVやお手頃エントリーのZV-E10のみならず旧型機種も次々と生産終了or受注停止祭りに。気がつけばAPS-C機全滅ですよ。そしてα7cもその対象に。価格.comでチラホラ在庫はあるものの、量販店は全店舗在庫×が並ぶ状態。

それと前後してZV-E10、α7IVに続いてなんとα7cが動物瞳AFの動画対応へ。おいおい、てことは7cならZV-E10とα6600の上位互換としてリプレイスもできるのでは?という話に(正直バリアングル液晶嫌いなのでチルトのα6600は捨てがたいけど)。ZV-E10、α6600ともに受注停止対象で空前の売り抜けタイミングだし、2台処分すればそんなに追い金しなくても済むんじゃね?と。

■家電量販店でまさかの在庫発見

たまたま別件でいったららぽーとTOKYO BAYのビックxコジマで在庫聞いたら冒頭に書いたようにレンズキットのみ各色ラスト1台あり。これを逃すともうα7IVより先になりますよと。別にネット通販否定派ではないですが、気分がアガった時にお持ち帰りしてすぐいじりたい派なので、ちょっと割高だったけど特攻してしまいました。26万ちょうどに1.5万Pt。現時点の価格.com最安が22.9万なので、1.6万ほど高かったですが、高額商品で安全感もあるし、全損保証もつけられたのでヨシ!神奈川の店舗なら”かながわペイ”の還元があるのでなお良かったですが、船橋のは上限金額がショボくて誤差レベルでした。

色はシルバー。出た当時は正直古めかしくて「ダッさ!」って思ってたんですが、ここんとこ店頭で見たりいじったりしているうちに何故か愛着が出てきてしまいました。

■同時購入アクセサリなど

コンパクトさにこだわっておいてなんですが、もうトップハンドルの便利さからは抜け出せません。ぬっこをローアングルで撮るためにZV-E10につけてみたんですが、使ってみるとひょいと持ち上げたり運んだりするのに指でひっかけるだけで済むのでポータビリティ爆上げです。バッグに入れて持ち出すみたいな時には嵩張ってしまいますが、今の自宅メインの使い方ならメリットの方が上です。

SmallRig Sony A7Cカメラ専用ケージ-3081

SmallRig Sony A7Cカメラ専用ケージ-3081

7,590円(11/27 02:51時点)
Amazonの情報を掲載しています

α7cはα6600よりもグリップの出っ張りが少しだけ小さいので、グリップカバー付きのタイプも検討しましたが、価格差分の価値はないかなと却下。

その代わりに、こちらのハンドストラップを装着。

これで持ち出す時や、トップハンドルを外してECM-B1Mをとりつける必要がある場合でもハンドリングを向上できるかなと。

ソニー ショットガンマイクロフォン ECM-B1M ILCE-1対応

ソニー ショットガンマイクロフォン ECM-B1M ILCE-1対応

39,000円(11/27 04:08時点)
Amazonの情報を掲載しています

(このマイクも長いこと受注停止なんですよね。あんまり使ってないので喉から手が出るほど欲しがってる方には申し訳ないですが、処分する思い切りもつかず)

トップハンドルはZV-E10用に買ったのを移植。

そんなこんなでα7cのコンパクトさがだいぶ毀損されている気がしなくもないですが、取り回しはよく見た目もガジェット感溢れていて満足度高いです。シルバー部がアクセントになっててヨシ。

速攻SmallRig製パーツでゴテゴテになったα7c

あとSDカードがUHS-II対応ということに気付いて予想外の出費でしたがせっかくなので買い換えることに。考えてみると今まで使っていたUHS-I世代のSanDisk Extreme PROだと仕様上は4K30pの100Mbps書き込みに間に合わないってことですね。固定ビットレートではなく常時100Mbpsは出ないってことなのか、今まで短時間のショットを撮る分には困ったことはなかったですが、せっかくMacBook Pro 2021ともども対応したということで書き込みが100Mbps以上を謳うUHS-IIモデルからこちらをチョイス。

SONY純正なんて贅沢な!という感じですが、意外とコスパ悪くないというかSanDiskの同等性能のものより安いくらい。また珍しくAmazonと家電量販店の実勢価格にもそんなに開きがなく、久しぶりに実店舗でSDカード買いました(かながわペイで!)。

またこのカードには他にはないユーザビリティ上の付加価値があります。以下、マクロレンズSEL50M28の作例も兼ねて別記事にて。

■ファーストインプレ

α7c自体は発売後かなり経過していて本体のレビューは今更目新しくもないと思いますが、SmallRigのリグ周りも含めて。

操作系はGUIはZV-E10やα6600と基本は同じBIONZ X系。2段タブの数が無闇に多くて目的の機能をなかなか見つけられないのも同じ。はやくα7SIII/7IV/FX2の新世代GUIを使ってみたいものです。また項目が食い違ってたり、ハードのカスタムキーの数や配置も違うので混乱しますが、共通項目だけでいいので設定移行の仕組みがあればいいなと思います。よく使う項目を集めるマイメニューを全部再登録するだけでも一苦労(まだ終わってない)。

ハード操作系としてはダイヤルがα6600比で露出専用とはいえ1つ増えたのでマニュアル写真撮影は楽になった気がします。ただMENUボタンは真ん中寄りになり右手片手持ちで押すのは難しくなりました。上述のハンドストラップがあれば平気ですが、裸だと本体落としそうで恐い位置です。貴重なカスタムボタンをMENUに割り当てる手もありますがもったいない。バリアングル液晶を起こすための凹みのせいと思われますが、もともとバリアングル否定派なので「いらんことしおって…」という気が強まります。もともとボタン類が少ないZV-E10とは比べるべくもない快適さ。

SmallRigケージをつけた場合、ダイヤル部分にフレームがかぶって若干操作しづらくなります。

ケージ ダイヤル周り。少し隙間がある。
ケージ ダイヤル周り(上から)

さすがに回せないことはないですが、モードダイヤルを人差し指と親指で挟んで回そうとする時、人差し指側がつかみづらい感じ。また動画スタート/ストップボタンも見辛く押しづらくなるのが難点。

ZV-E10だと隙間をあけずに上手く処理している感じでした↓。その分、ネジ穴はなくなってますが、個人的にはここにネジ穴いらないのでZV-E10方式にしてくれた方が良かったかなという感じ。

[参考] ZV-E10用ケージ

地味に嬉しいのはSDカードスロットが底面のバッテリードアの中ではなくサイドに移った点。ただまぁUSB-Cや5GHz Wi-Fiで本体からの転送も高速化されるのでそれほどSD出し入れしないかも?という気が。結局どの方法に落ち着くかは色々試してみてです。FTPアップロードができるようになった点も既有2機種からの進化なので活用してみたいと思います。

フリッカーレス撮影も、何度か室内動画撮りで失敗してしまった身としては有り難い。

USB端子がType-Cになり、転送も充電も高速化されたのはもちろん、なんとなくコネクタの作りに安心感が得られるのも嬉しい。惜しいのはHDMIがmicroのままな点。業務現場では継続してリグに変換コネクタを固定して使うことになりそうです。

期待の感度面では別記事にてあらためて評価しますが、第一印象としてはだいぶノイズが減ってる実感があります。室内ブツ撮りでLightroomで等倍でみるとガッカリ、みたいなことがあまりないような。F値だけでみるとF1.4からF2.8になっているもののボケも含め実効的なところで不便はないような。いまんとこあんまり頑張ってF1.4とかF1.8のレンズを買い漁らなくてももいいかもという気がしています。ただ50mm固定だけだとなんなので、室内で一番常用していた30mm前後でキットレンズよりは明るいものが欲しいなと思います。

■作例

とりあえずフードコートで撮ってきたカツ丼とぬこ貼っときます。白身のトロトロ感がいい感じに再現されてるかなと。

α7c + SEL50M28 RAW現像
ぬっこ

■まとめ

世界的な半導体不足で在庫払底する中、運良く店頭在庫を見つけられて半ば勢いで導入してみましたが、今のところ価値ある買い物だったかなと思っています。動物瞳AFに対応してくれたことで、完全上位機としてZV-E10とα6600をリプレイスしていけそうです。フルサイズのレンズが高いので、そんなに増やせないとは思いますが、手持ちのAPS-Cレンズを組み合わせて使う価値があるかは追々実験しつつ最適化していきたいと思います。

タフで破損しにくいSDカード SONY TOUGH フォトレビュー

α7c用にSDカードを新調しました。既有のα6600、ZV-E10がUHS-Iまでの対応だったのに対し、α7cはUHS-IIまで対応。また10月に購入したMacBook Pro 2021(M1Max)もUHS-II対応なので、導入する価値ありかなと。

■αシリーズとUHSの関係

最近のαシリーズの4K30pは最高で100MB/sとなります。バッファーがあるとはいえ長時間連続で書き込むにはこれ以上の書き込み速度が維持されないとならないということです。実際には可変ビットレートなのか、バッファーで足りていたのか、α6600やZV-E10にUHS-IのExtreme Pro(読み込み90MB/s)でも特にエラーになることはありませんでした。長時間連続で撮ることもなかったですし。なので、まぁ同じ100MB/sが最高のα7cになってもUHS-Iで足りるかもですが、

  • PCへのコピー速度が速まる
  • 連写時の保存ウェイトタイムが短縮される

といったメリットはありそう。

ちなみにUHS-Iの理論転送速度は104MB/s、UHS-IIなら312MB/sのようです。

■UHS-IIのSDカードはAmazonでもそんなに安くなかった

通常SDカードはAmazonで並行輸入品を買うのが、国内家電量販店に比べてかなり割安で、量販店で買うのは論外という感じでした。Amazonで売られているSDカードは偽物であるリスクもありますが、実績ある有名なマケプレ店舗を選べば個人的にはそこまで不安には思ってませんでした。

しかし(一級ブランドの)UHS-IIモデルの製品はどこのメーカーも量販店とそこまで開きはないかなという感じ。ちょうど「かながわペイ」で還元も受けられたし、すぐに欲しかったのもあり、何年ぶりだというくらい珍しくビックカメラで購入してしまいました。

■SONY TOUGHシリーズとは?

今回購入したのはこちら。

黄色がシンボルカラーのSONYのTOUGH(タフ)シリーズ。文字通り高耐久性を謳うモデルです。単にフラッシュメモリとしての書き込み寿命が長いというだけでなく、物理的な破損を防ぐデザインだったり防水防塵性能だったりがウリです。書き込みが150MB/sのMシリーズと、300MB/sのGシリーズがあります。同じ256GBで3割くらい価格差があり、α7cで使う限りは動画性能としてはMシリーズで充分なのでお財布の紐を締めることにしました。

さてせっかくマクロレンズを導入したので、TOUGHの目に見える特徴を写真で比べてみたいと思います。

α6600 + SEL50M28 (クロップ)
α7c + SEL50M28 (クロップ)
iPhone 13 Pro Max 標準レンズ マクロ ProRaw

ちょっと画角が揃ってないのでアレですが、やっぱりα7cが綺麗ですね。等倍に拡大した時の印刷のドット感までしっかり見えます。iPhone13 Pro MaxはProRawで撮ったにもかかわらず拡大すると塗り絵感。いやぁα7cでガジェットレビューのブツ撮りが思惑通り捗りそうです。

で、TOUGHですが表面は黄色のカラーが新鮮なものの形状は至って普通。違うのが裏面です。

UHS-IのExtreme Pro(左)とUHS-IIのTOUGH M(右)比較

まず気付くのは接点の数が違うこと。これはTOUGHのというよりUHS-IIの特徴です。2段目の接点群があることで並列通信できて高速化が可能、ってことですかね。

次に違うのがなんと書き込み保護スイッチがない点!あったものをなくしたわけですが正直これは大変嬉しい変更です。いままで何度カード挿入時に引っかかって書き込み保護状態になってしまい、舌打ちしながら挿し直しをしたことか。意図してこのスイッチで書き込み保護をしたことなんてないので忌々しいだけの存在でした。下手にセロハンテープや瞬間接着剤などで固定したら厚みが増して最悪抜けなくなるなんてこともありそうで手を出せず。本当に清々します。

更に違うのが接点と接点の間にあるリブと呼ばれる仕切り板のような出っ張り。これがなくなってフラットな形状になっています。これはとても薄いので破損しやすい点でした。また従来のSDカードは上下2枚のプラケースで基板をサンドするような構造でこの2枚も剥がれて分離してしまうことも(Extreme Proで)実際に経験しています。こういう物理的な脆さを回避するため、TOUGHシリーズでは一体成形、リブ無し構造を採用したとのことです。一体構造故に水やホコリの侵入リスクも低減しIPX8を実現。これは非常に頼もしいです。理屈を聞くだけでアガります。

ちなみにフラットだからといって挿抜のスムーズさはさして違いは感じないですw。

■まとめ

ここのところ動画撮影用のSDカードは基本的にSanDiskのExtreme Proシリーズを指名買いしてきましたが、今後相当な実勢価格差が開かない限り、できるだけTOUGHシリーズにしていきたいなと思う所存です。並行輸入品でいいのでさらに安く手に入るようになると嬉しいですね。

また書き込み保護スイッチレスはTOUGHシリーズ以外にも採用していってほしいなと思います。

悲願の木造2F建てフロア間 有線LAN化

昨年夏に引っ越した木造2階建ての現家ですが、どうにもWi-Fiが安定せず困っていました(前の家も前の前の家でも同じこと言い続けてアクセスポイントを散々乗り換えてきてるので、なんか呪われた(異常電波を発してる)デバイスでも一緒についてまわってるんでしょうか…)。先日BUFFALOのWXR-5950AX12がついにEasyMeshに対応したもののいまひとつ。玄関先のGoogle NestCamなどもちょいちょい切断通知が届く状態。

もともと入居直後からなんとか1Fと2Fの間や他の居室を有線LANにできなか検討はしていたものの、古い木造だからか電話やテレビアンテナ線のところに配管が通っておらず、賃貸なので手を出せる範囲も限られていて悔しく思っていました。お風呂場に点検口がありそこにテレビのブースターがきて各部屋にスター型にケーブルが延びているのは確認できたものの、配管は通って無くて同軸ケーブルが壁に直打ちで固定されていってる感じ。壁でも剥がさなければどうにもならないだろうという雰囲気。

BSはサッシにニンジャケーブルを通してバルコニーから各部屋に屋外経由で通したんですが、LANケーブルの同じ様なものはツイステッドペアになってないせいか極端にノイズに弱く100MbpsでしかリンクしないとInternet Watchの記事でみていて除外。

PFCも進化は止まっているし、CATVのようにテレビの75Ω同軸ケーブルの重畳して通信するという同軸モデムでも1Gbps。しかも子機がどこにも在庫なし。

現時点で階下のリビングなどにはマルチギガビットイーサ以上のデバイスはないですが、どうせなら10Gbps通るようにしときたいなぁと。

■残るはエアコン配管を伝っての屋外配線のみ!

いちかばちか業者に依頼したらなにかミラクルな方法で通線してくれるかも!とか思いつつ、現実的には望み薄だろうなぁということで、最終手段としてエアコンの穴を通して外壁に出し、同じくエアコンの配管カバーの中を伝って1Fにおろして、再びリビングのエアコン穴から部屋に引き込むという方法にチャレンジ。なんとか年内に結構するぞと情報とパーツと道具を集め始めました。

2Fの高さにあるエアコン用のダクト。並のハシゴでは届かない高さ…

まず2Fの光ファイバーを引き込んである私の仕事部屋のエアコンは室外機が地上置きでした。作業のためにカバーを外したりするには5mクラスのハシゴが必要になります。しかしそんな二度と使いそうにないもの買っても置き場所に困ります。そしてなによりかなり危険になります。ちゃんとやろうとするとヘルメットやら安全帯やら買い揃えてかなりの額になります。しかもそれらも作業後使い道があるとは思えない。そこだけエアコン業者とかにお願いしてみようかとも思いつつ、まずななんとか室内側から頑張ってぶっこんで通線できないかチャレンジ。

最初に購入したのはこの通線ワイヤー。安くて細い。

当初は細い方がわずかな隙間でも通りやすくて良いかと思ってのチョイスでした。しかしいくらやっても通る気配なし。レビューにも書かれていますが「コシが弱い」ためなにかにぶつかるとフニョンと曲がってしまい、貫通力がありません。最終的にどこかおかしなところに入っていったまま絡んで引き抜けなくなり、途中で切断して壁の中に残置するハメになりました…

ちなみにワイヤーやケーブルを滑りやすくするために、こちらの潤滑剤も購入。あるとないとでどれくらい違ったかは不明ですが、まぁ気持ち的には塗って良かったかなと思います。パラフィンワックスと書いてあるのでロウを塗ってる感じですかね。乾いたあとも無駄にベタつかず悪くなかったです。迂闊に5-5-6とかぬっちゃうと後でホコリやゴミがついてエラいことになるでしょう。使い終わったワイヤーも雑巾でぬぐってやれば特に残ってる感じはしなかったです。

デンサン 入線潤滑剤 デンサンウェット 0.5L ND-55S

デンサン 入線潤滑剤 デンサンウェット 0.5L ND-55S

1,470円(11/27 10:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

次に買ったワイヤーはこちら。ケースがついてない分安いですが、10年くらい前に横浜市の公立小中学校のネットワーク配線ボランティア(ネットデイ)に参加した時に触った業務用ワイヤーの記憶と同等の使用感でした。

エアコン下部パネルをあけてダクトから入線

先端がより柔らかいワイヤーのパーツと、単なる金属ヘッドの側があり使い分けができます。結果的にはサムネで下側にある金属ヘッドのみの方が貫通力があって実用的でした。

ケースがないので縛りを解いた時点や解いていく過程で突然びよーんと飛び跳ねることがあるので不便且つ危険です。こういう時にやはりケースがあればスムーズに出し入れできて良いかなと思いますが、これが以外と高いんですよね。1回しか使わない場合は悩ましいですが、単に保管用というよりは作業自体が楽で安全になるものなので買うのもアリかと思います(セットのものもあります)。

さて、残念ながらこのワイヤーだけでは通せませんでした。エアコンの陰で見えている壁穴からいくらつっこんでも外壁側に出てくる兆しなし。いわゆる貫通スリーブというものが使われておらず、ワイヤーの先端が内壁と外壁の間に入ってしまい延々と壁の中に潜ってしまっている感じ。

因幡電工 ツバ付貫通スリーブ FPW-65

因幡電工 ツバ付貫通スリーブ FPW-65

289円(11/27 10:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

ブラインド作業ではどうにもならないということで、次に購入したのがこちらのファイバースコープカメラ。前にも買ったはずですが見付からないので。

この手の商品は、

  • 専用モニター付き
  • スマホで受信できるWi-Fiトランスミッター付き
  • 単なるUSBカメラ

の順にお値段が安くなっていきます。うちにはモニター代わりになるタブレットなどはたくさんあるので一番安いUSB型をチョイス。カメラがサイドにもついているタイプが状況把握に便利かなと思ったんですが、8千円〜1万円以上と高かったしカメラユニットの径が大きくなることで入れない場所も出てくるかなということで、この安いのでダメだったら追加で買うということに。

結果、この安いカメラだけで劇的に効率があがり見事通線に成功しました。今回の場合は穴からほんの十数cmの外壁側の口が見えれば充分でした。そこに防水の粘土が持ってあり、そこを正確にワイヤーで突くことで貫通できました。2Fから1Fにのびる化粧カバーのうち、地上から既有のハシゴで届く部分までを外し、なんとかそこまでワイヤーを通すことができ、1Fのエアコン穴から再びリビング室内に通線できました。

購入したケーブルはこちら(実際には白を買いましたが執筆時点で売り切れなので別色にリンクしてます)。

カテゴリとしては、7,8は論外として、5e、6、6Aのどれかになるかと思います。5eは10Gbpsが使えないですし、6Aになるとコストが上がるのとノイズ対策でしなやかさが劣るため通線作業が難しくなるのを懸念して間をとったCat6にしました。Cat6も50mまでは10Gbps通信が可能で、今回の経路ではそれを超えることはないので問題なし。またちょうどこの作業をする1週間くらいまえに出たこの記事で、6も6Aも速度に差が無かったという実験結果だったので。

100mはどう考えてもいらなかったですが、これ以下も見付からず。ただこの巻きから調子のってスルスルと引き出していったところどんどんねじれが貯まってグチャグチャに絡んで大変なことになりました。途中で作業を中断して、反対側を全部巻き取りなおすハメに。なにか丸太みたいなものに通した上で回していけば良かったのかも知れません。そう考えると、こういう中にリール(?)が入っていて穴から引き出す梱包タイプのものにすれば余計な苦労しなくて済んだかなと思います。

節約して上のケーブルにする時は、よくよく慎重に引き出すようにしてください。

ついに階下のリビングに引き込み成功!

大昔に買った成端工具はCat5eまでしか対応していなかったのでこちらも新調しました。

サンワサプライ かしめ工具(ラチェット付) LAN-TL8

サンワサプライ かしめ工具(ラチェット付) LAN-TL8

4,855円(11/27 10:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

ハサミ型ではなく、憧れの爪の反対側から垂直にかしめるタイプ。8本の芯線に均一に力が入るため仕上がりがよい(通信品質が良くなる)というヤツです。昔はPANDUITとか1万円以上して手が出なかったんですがいつのまにかお手頃になっていました。ラチェット付きなので握りが足りずに半端なところで緩まって失敗、なんてこともなく既定の深さまできっちりかしめることができます。

あとはコネクタとスリーブ。コネクタはCat6の単線に対応しているものを選べばOK。今回2経路ひいて4箇所の成端が発生したので10個入りで足りました。

サンワサプライ モジュラーカバー(先付けタイプ) ADT-MC7L

サンワサプライ モジュラーカバー(先付けタイプ) ADT-MC7L

314円(11/27 10:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

スリーブは先にケーブルに通しておかないと詰むヤツ。今はパカっと開いて後から挟むようにつけられるものもあります。爪も保護されるタイプなのでこれから買うならこっちの方がオススメです。

エレコム ブーツパック(グレー・6個) LD-ABLG6

エレコム ブーツパック(グレー・6個) LD-ABLG6

395円(11/26 15:47時点)
Amazonの情報を掲載しています
久しぶりの成端

■ついに有線開通!

EasyMeshのエージェント(子機)も有線バックホールになりました。

リビングのAppleTVも有線で速度バッチリ。YoutubeやNetflixの4Kコンテンツも解像度落ちせずに快適に再生できるようになりました!

リビングのAppleTVでもルーターのある部屋のデスクトップ機と遜色ないスピードを達成

■まとめ

やろうやろうと思いつつふんぎりがつかなかった有線LAN配線ですが、最近とみに他室での通信状況が悪く、ついに重い腰をあげ、色々購入費用は嵩み、「最初から業者に依頼した方が安くあがったんじゃね?」という疑念はありつつ、今は達成感で一杯です。

工具も買ったし部材もだいぶ余っているので、実家とかも折を見て再配線、追加配線などしたいものです。

ついに我が家のBUFFALOルーターもEasyMesh対応更新、他社製品ともメッシュを組んでみた

我が家のWi-Fi環境はBUFFALOのWi-Fi6 (4803+1147Mbps)、有線WAN/LAN 10GbpsのWXR-5950AX12です。スペックだけは立派なもののとにかく不安定で突然の再起動などしょっちゅう。夏は外部冷却ファンでずっと風を当ててないとまともに使えないシロモノですが、なかなか同格スペック(特に有線LAN仕様)のものがないので買い換えられずにいます。最近ではせっかくのWAN 10Gbpsを無駄にすることになりますがルーターをYAMAHA RTX1210に戻し、本機はWi-Fiアクセスポイントのみと役割分担させることにしてだいぶマシになりました。熱負荷の問題なのか、ルーター部分に致命的なバグを抱えていたのか不明ですが、かなり再起動の頻度は減った気がします(ログをみても起動時の記録が出ないというハンパ仕様なので気付かないだけかもですが)。

ちなみに現在は消費電力値だけわずかに落ちたWXR-6000AX12が登場しています。

あまりに熱暴走がヒドいのでなんらかの省電力対策をした(だけな)んじゃないかと疑わしいモデルですが、少しはマシになってるんでしょうか。

また我が家は木造2階建てなんですが、こんな立派なアンテナでも全然電波が行き渡らず、(当時同型機のみしか中継機能が使えなかったため)なんとこれを2台も設置しています。それでもトイレや風呂場など微妙なところが多々あります。「3F建て対応」とはなんなのか。

■BUFFFALOのWi-Fi6モデルが全機種EasyMesh対応することになった

そんなこんなで騙し騙し使いつつ、良い代替機種が出たら思い切って買い換えかなぁなどと思っていた折り、BUFFALOから見出しのようなアナウンスがありました。EasyMeshとは業界標準方式でメッシュ(中継ネットワーク)を組む規格です。従来メッシュWi-Fiは各社独自規格でしたがEasyMesh対応を謳う機種同士ならばメーカーが違っても使えるようになるわけです。BUFFALOがWi-Fi6世代のモデルは既発売製品も含めすべてEasyMeshにアップデート対応するぞといいだしたわけです。ということは将来的に中継端末を増やす選択肢が増えたり、徐々に様子を見ながら入替をしていったりと自由度が高まることになります(メッシュモデルはまとめ買いすると高いので)。

WXR-5950AX12のファームウェア更新もしばらく途絶えており、「このまま不安定さの抜本的解決もなされないまま放置かー」などと諦めてましたが、少なくともあと1回は更新が確約されたことになり、もし貯まっていた修正などもあれば一緒に適用されるかも!などと期待は高まります。「よし、じゃぁその更新までは付き合って、それでダメなら買い換えだ!」と決意し、更新を待つことにしました。

■適用してみた

そしてそれは9月末の予定だったのが大幅に延期されて11月末となり、なんのアナウンスもないまま本当に11月末日ギリギリの配信となりました…。長かった。実はその発表を受けてほぼ即座にこちらの中継機も購入済みでした。

もともと同居人の仕事部屋で内蔵Wi-Fiが2.4GHzオンリーだったりWi-Fi6以前のプリンター類などを高速化するためのイーサネットコンバーターとしてTP-Linkの製品を使っていたんですが、こいつも「日に複数回電源を入れ直さないと通信が切れる」とクレームがあり、本機であれば将来的にEasyMeshに組み込めるのでよかろと思って先行して買い換えをしてありました(こちらはすでにEasyMesh対応済み)。TP-Linkよりは安定したもののやっぱりたまにつながらないと言われます。なんか他にもGoogle Nest MiniとかNature RemoとかEchoがつながらなくなるんですよね。なんか大元のアクセスポイント(AX12)がなんらかの理由で再起動した後に再接続できないでつながらないままになる端末がちらほらいる感じ。どいつが原因か不明なんですが仕方ないのでそういう端末を再起動してしのいでいる状態です。

さて、ということでWXR-5950AX12を2台と、WEX-1800AX4EAの3台でEasyMeshによるメッシュネットワークを構築。

・設定は簡単だが使い勝手は微妙…

設定は割と簡単でわかりやすいです。各機種の設定画面でEasyMeshを有効にし、一旦有線LANでつないで放置するだけという感じ(他にもWPSを使う方法もできるぽい)。注意点としてはEasyMeshを有効にした状態ではバンドステアリングなど従来機能の一部が使用不可になる点。例えばAX12の場合、バンドステアリング画面で端末毎に2.4GHz/5GHzのどちらに優先的に接続するか指定したりできたんですが、EasyMeshにするとそれができなくなります。まぁメッシュの考え方はそこら辺を難しく考えなくても最適な電波を使ってくれる、というシロモノなのでわからなくはないですがちょっと悔しい。

設定画面ではこんな感じで接続機器を一覧できます。上の表がコントローラー(メインの親機)とエージェント(メッシュ子機)で、1〜4の番号が振られています。

その下の「デバイス」が個々の端末で、「接続先」の列でどのコントローラー/エージェントにぶらさがっているかを判別できます(画面は途中で見切れてるので全て1ですが)。

EasyMeshの端末一覧画面

またバグなのか仕様なのか、従来のバンドステアリング画面で個別につけられた端末名が適用されず、すべて「Unkown」となります。しかもEashMesh画面側で新規に名前をつけることもできず、Unkownから変えようがない!IPアドレスもほとんどの端末で「不明」となり、どの端末がどのアクセスポイントにつながっているかを知るにはMACアドレスで照合するしかなく事実上役立たずです。バグだと思いたい、アップデートで直ると信じたい!

とりあえずブラウザ側でMACアドレスをもとに端末名を書き換えるJavaScriptを作ってしのいでいます(そのうち別記事で公開するかも)。

・本当に他社製のEashMesh製品を追加できるのか?

中継機のWEX-1800AX4シリーズはAX4なのでアンテナが4本ということですが、2.4GHzと5GHzでそれぞれ2本になるので、5GHzは1202MbpsとAX12の4803Mbpsに比べると抑えめ。その割に9,000円前後するのでやや割高感があります。どうせEasyMesh子機(エージェント)にしか使わないならルーター機能とかいらないんですが、量産効果なのか中継機よりルーターの方がお得ですね。これはほぼ同じ値段で2401Mbps。ちょっと失敗したかも。

ともあれすでに購入してしまった1800AX4はは階下のトイレやお風呂などの「多少遅くても2.4GHzでもいいから確実に届いてほしい場所」用にして、同居人の仕事部屋に確実に速度が出そうなメッシュ子機を導入してみることにしました。こういう柔軟性のある使い方ができるのはメッシュならではです。

同居人が「BUFFALOはなんとなく信用できない」というので、他社製品にすることに。しかし現在、国内市場でみるとBUFFALO以外ではEasyMesh対応機はそれほど多くありません。結局購入したのはこちら。

これまたWEX-1800AX4と変わらぬ値段で5GHzが4802Mbpsと高コスパです。(LinkSysもすべてEasyMesh対応済みというわけではなく、他のモデルでは独自規格採用だったりするのでご注意ください)。

結果としては一応つながりはしたものの、オススメはしづらいという感じです。なぜなら同じEasyMesh規格順序品のはずでも設定フローが統一されておらず、素直に画面指示に従って接続設定が完了しないからです。LynkSysは同製品をペアで使うことを想定しており、子機として設定を進めていくと「親機側で操作しろ」みたいな表示になって先へ進めなくなります。一方BUFFALOは(EasyMesh機能を有効にした上で)有線LANでつないで放置しろ、みたいな感じで噛み合いません。結果としてはBUFFALO側でWPS待機状態にした後、LinkSysもWPSボタンを押したり有線つないだりしているうちにいつのまにか登録されていた、という感じ。LinkSys側を何度もファクトリーリセットしましたし、接続後にLANアドレスを既存LANのセグメントにあわせるのは手動で管理画面に入ってIPアドレスを設定したりDHCPサーバーをOFFにするなど専門的な手順が必要でした(LynkSysの初期IPは192.168.79.1)。メッシュの規格としては統一を目指したものの、設定操作までは及んでない感じで、どちらのマニュアルをみても解決せず手探りで試行錯誤するはめになりました。ちなみに管理画面上で「Other」と表示されているエージェントが本機です。このあたりのデバイス名のやりとりも統一されていない感が伺えます。おそらくなにかあってもどちらからもサポートも受けられない予感。

増設子機としては素直にWSR-3200AX4Sか4800Mbpsにこだわるなら少し奮発してWSR-5400AX6S辺りがいいんじゃないでしょうか。

・で、安定性は?

LinkSysを含めた4台体制になってからまら2,3日ですが今のところ通信断はない気がします。ただ経路は全自動で”最適化”されてしまい、AX12同士が直接つながらないで、1202MbpsのAX4を経由してつながるなどもったいない感じのつながり方をすることがあります。あくまで途切れない(電波が強い)ことを基準に経路選択されているのかわかりませんし、実際速度的なロスがどれくらいあるかも定量的にわかるわけではないですが、気分的には悔しいw。この気持ちの同調できる人は、迂闊に低速端末を参加させない方がいいかも知れません。従来は同規格のメッシュ端末をセットで使うことが普通でしたが、今後色々な性能、メーカーの端末を混在させるようになってくるとこういう問題も気にかかってくるんだな、と思った次第です。

■まとめ

EasyMeshという業界標準(?)規格に準拠したメーカー、モデルを異にする端末でメッシュ環境を組んでみました。もともとバックホールの有線LANは引き回せない環境なので、とにかく電波が弱いなと思うところにメッシュ端末を自由に配置して試行錯誤をしている感じですが、こういう自由度はさすがだなと感じています。できれば「コイツとコイツは常に5GHzで直結」など任意で固定できる部分もあるといいなとは思いますが、それでつながらなくなったら元も子もないのでやはり規格上の「最適化」を信じるしかないんでしょうかね。それらが電波の強さ、バンド、速度などなにをもとに判断されているのか明示してくれると納得感も得られるんじゃないかなと思います。ユーザーがなにを優先したいか重み付けをすることができるとなお良いのですが。

ともあれもう少し様子をみつつ、位置やアンテナ向きをチューニングしていきたいと思います。

気付けば骨伝導ヘッドセットAfterShokzが3モデル揃ってたので比較

■OPENCOMMを1年使っての感想

テレワーク最強ヘッドセットと名高いAdterShokzのOPENCOMMを購入して1年が経ちました。

私は仕事柄、リモート会議よりもリモートインタビューで、一日に90分を3,4件と集中して使うことが多いので、耳を塞がないで長時間使っても疲れない骨伝導ヘッドセットはとても重宝しています。カナル(耳栓)型のイヤホンもたくさん使っていますが、これらはノイズキャンセルなど音楽を聴くということには優秀ですが、長時間、しかも自分もしゃべる作業の時には違和感が大きく我慢なりません。その点、骨伝導は耳は完全にフリーなので違和感ないし、なんなら飲食してもモゴモゴしないとかサイコーです。オーバーヘッドヘッドフォンのように重さや締め付けが気になることもないし、完全独立ワイヤレスイヤホンのようにポロっと落ちないかドキドキする不安もありません。

そんな中でも特に評価が高いAdterShokz社のテレワーク(オンライン会議)特化モデルOPENCOMMはこの一年とても重宝しており買って良かったと思っています。強いて言えばさすがに丸一日つけていると耳の上辺りが痛くはなります。これは平気というレビューも多いので、自分がメガネを使っていることとも関係しているのかも知れません。ちなみに自室ユースなのでマスクは併用してないです。

OPENCOMMはテレワーク特化モデルなので、より口元近くで話し声を明瞭に拾うようアーム型のブームマイクが搭載しています。これも評判が高いようです。「ようです」って伝聞調なのは、自分では使っていないから(笑)。マイク自身や位置が上等でも所詮伝送経路がBluetoothな時点でビットレートが上げられないからなぁと、結局上記記事に書いたようにマイクは別にコンデンサマイクを使っているのです。オンライン会議専用であればどのみち圧縮かかるのでおそらく実効レベルで差はでないと思いますが、動画のアフレコ用などでセットアップしてあるマイクがあるので、結局そっちを使ってしまう、という感じ。本機のマイクが使い物にならないということはなく、むしろ一般的なヘッドセットよりも長いアームで口元に近いだけ優位だと思いますが、どうこう言うほど使ってないのでノーコメントで。ともあれ内蔵マイクは上に立てたままテスト程度にも使ってない。むしろ邪魔だなと思ってました…

■Amazon Black FridayセールでAEROPEXが一瞬安かったせいで…

先日終了したBFセールで、ブームマイクがないAEROPEXが結構安かったんですよね。おっと思ってカートに入れはしたものの、2,3時間後にみたら売り切れて定価に戻っていました。

でもその2,3時間の間にリサーチと検討をしたらかなり買う気になってしまったのです…

まずAEROPEXの骨伝導ユニットは第8世代で、OPENCOMMの第7世代よりも進化しているぽい。具体的には振動と音漏れが軽減されているそうな。Aftershokzは骨伝導と思えないくらいに音質が自然なんですが、音量をあげると物理振動がこめかみにビリビリくるという難点があります。オンライン会議で実用的な音量で聴く分にはほぼ気にならないんですが、たまに大声が来たりあるいは音楽や動画をみて音量があがると気になるといえば気になります。不愉快というほどでもないですがこそばゆい。また音漏れも結構あってOPENCOMM購入時に対面の同居人に聞いている曲をズバリ当てられて以来、ノマドなどで使うのは憚られるなと思い自室専用としていました。その辺りが改善してるのなら俄然興味がわきます。

またブームマイクがないせいか10gほど軽いので、もしかして終日つけていた時の耳の痛みも軽減されるかな?とか、そもそも邪魔に思っていたのでスッキリするな、とか。

一度BFセールで安い値段をみてしまうと定価で買うのが悔しくなってしばらく悩んでたんですが、結局次にはじまった楽天のセールで1,000円差くらいまで下がったので突撃しました。

購入後にまだ終日インタビューをする案件がなく、1時間程度の会議を何回かしただけですが、確かに振動は軽くなってる気がします。完全になくなりはしないですが、骨伝導ヘッドセットつけている感覚が希薄というか。重量差も聞いているのかも知れません。

その他の差は大きくはなく、強いて言えばマグネット充電コネクタの向きと形状が異なっており、AEROPEXは真下、OPENCOMMは真後ろからつける感じ。OPENCOMMの方が卓上において浮き上がらない作りですが、AEROPEXも垂直に生えるわけではないので実用上は大差ないかなと。コネクタ(充電ケーブル)自体は相互運用可能っぽいです(充電ランプは点きますが自己責任で)。

それぞれのマグネット充電ケーブルをつないだ状態のアップ写真をどうぞ↓。

AEROPEX
OPENCOMM

どちらかというと影響が大きいのは音量兼電源ボタンでしょうか。装着時、耳の後ろで手探り操作するワケですが、明らかにOPENCOMMの方が特定が容易です。「こことここにボタンが2つある!」っていうのがはっきり触感でわかります。AEROPEXはまだ慣れていないのもあるかも知れないですが、「ここら辺かな?」と不安げに押す感じ。

■気付いたらエントリーモデルのOPENMOVEも買っていたぜ…

細かい使い勝手や音質に差を感じつつも、Aftershokz全体としては確かな満足感があります。今後の想定としては、仕事部屋用のメインはブームマイクがなく聞く方の音質が良いAEROPEXにし、ブームマイクで音をしっかり拾ってくれそうなOPENCOMMを車載用にする予定。後者はそれほど頻度が高いわけではないのでやや勿体ないですが、最近家庭内Dicodeサーバーを建てて、1人で長距離運転中に音声で雑談したり待ち合わせの相談をしたりすることもあるので、そちらをよりクリアにしたいという動機付けがあります。耳を全く塞がないので通常の片耳イヤホン型ヘッドセットよりも安全なんじゃないかと。

そんなこんなで骨伝導にどっぷりハマっていると、他の場面でもそれ以外の方式は使いたくなくなってきます。階下のリビング、風呂、トイレなど(自分はお風呂はもちろん、お腹こわしやすいのでトイレに長時間こもる際にタブレットを持ち込みます)。2万円するAEROPEXやOPENCOMMはさすがにもったいないですが、エントリーモデルのOPENMOVEなら実質7,000円ほどで買えるのでアリかなと。

特長としては、骨伝導ユニットはOPENCOMMと同じ第7世代。防水も同じIP55(AEROPEXだけIP65)。お風呂でもシャワーを直接かけたりポチャンしなければ問題なさげ。値段が安いので最悪壊れても諦めがつきます。また他の上位モデルと大きく違うのは充電コネクタがUSB Type-Cであること。専用ケーブルが不要なのが良いです。我が家はトイレ内にタブレットやKindleの充電コーナーがあり、当然そこにType-Cケーブルも生えてるので、新たに専用マグネットケーブルを増やさなくても充電運用できます。端子にはキャップがあるのでそれを開いてUSBプラグを差す、という二手間にはなりますが、利用環境によっては専用ケーブル不要ということのメリットが上回ることもあるでしょう。

・メガネerにはOPENMOVEは辛いかも…

さて、なんやかんやで代表的3モデルが揃ってしまったわけですが並べるとこんな感じ。ちなみにカラーは常に黒系をチョイス。オンライン会議やインタビューで髪に紛れて目立たないからです(黒髪でない人はその限りではありませんが)。その観点でもAEROPEXは一番小さく、変に目立つ色をしたボタンもなく、そしてブームマイクがないので一番さりげないかなと思います。

OPENMOVEは耳の部分がチタン化されていない

上位のAEROPEXとOPENCOMMはフレームが「フルチタン」とされています。細い部分にチタン製の芯が入っていてグネグネとしなやかに曲がるので装着感が良いのです。比べてOPENMOVEはコスト削減なのか耳欠け部分がプラ製になっており固定形状となります。ここが地味に装着感に関わってくるようです。特に私のような眼鏡ユーザには影響が大きそう。例えば首を上下に動かした時にうなじ側で押されて耳周りにも圧がかかるのですが、その時に融通が利かないOPENMOVEはズレたり眼鏡と擦れてグググっと異音が鳴ったりします。気にならない人は全然平気かもしれないですが、個人的には眼鏡している方や装着感を気にする方には上位モデルをオススメしたい感じ。少なくとも店頭で装着感を比較してみると吉でしょう(最近ならヨドバシとかにはほぼ展示があります)。

■まとめ

ガチ音楽用ではWM-1000XM4などには及ばないですが、オンライン会議や一般的な動画視聴やポッドキャストくらいなら違和感ないくらいには自然な音質になってきている骨伝導。AfterShokzだけとびぬけてスゴいのか、他社類似品でも進歩してきているのかはわかりません。さまざまな賞ををとっているだけあってAfterShokzが鉄板な気もします。他にも水泳対応完全防水モデル、子供サイズモデル、TV用トランスミッターセットモデルなど、利用場面にあわせたラインナップが豊富なのも特長だと思います。

イヤホンやヘッドフォンの長時間使用でQoLが下がっている方、テレワークで常時待ち受けしながら家事とか他の作業をしたい方などには是非一度使ってみてほしいなと思います。