VPNより安全高速?ポートを開放せずCloudflare Accessでプライベートサーバーにアクセス

■ゼロトラストセキュリティとは?

テレワークブームでオフィスのPCやNASへのリモートアクセスニーズが高まっている今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。リモートワークといえばVPNが主流だと思いますが、昨今「ゼロトラストセキュリティ」とか「ゼロトラストネットワーク」という言葉が流行りだしているのを耳にされたことはありますでしょうか?VPNはファイアウォールの境界で認証をして、一旦くぐり抜けてしまえばあとは社内ネットワークに直接つないでいるかのようにLAN内のリソースにアクセスできる、というものです。一方ゼロトラスト(信頼)は社内ネットワークの端末や利用者も基本的に信用しないぞ、って考え方に基づいたセキュリティポリシーです。実際、情報漏洩事件の多くは社内LANへのアクセスが可能な人の犯行が最も多いんだとか。同じ社内につながっていても、各ファイルやWebアプリケーション(例えば経費申請とか人事管理とか)へのアクセス権は人それぞれで、結局そこでまた認証があったりして二度手間ですしね。またVPNがあることで、利用者に要求される手間やリテラシーやトラブルも増えますし、そもそもクラウドサービスとか使った社内システムだと社内LANにあるわけでもないし、とか、VPNは色々と時代にそぐわなくなってきているといえるのかも知れません。 ゼロトラストセキュリティの厳密な定義はググっていただくとして、今回はその考え方に基づいた実装の1つであるCloudflare Accessの紹介をしてみたいと思います。ゼロトラストはあくまで考え方なので、他社製品だと実装方法からして異なる場合もあるかと思うのでご了承ください。 利用者目線での価値としては、

  • 社内リソースにアクセスするたびにVPN接続操作や使用後の切断操作がいらない
  • 全てのデータを暗号化する負荷がない分、軽い、速い
  • 会社ネットワークのファイアウォールに内向きのポート開放をしなくて良い
  • 個人的な追加ポイントとして、
    • 固定IPアドレスが1つでも複数のWebサービスを(80番ポートで)公開できる
    • v6プラスのような使えるポートが制限されているサービスでも(80番ポートで)サーバー公開できる

などかなと思います。特に2番目はルーターや自分の端末の性能がボトルネックになりがちで、せっかく速い回線を使っていても頭打ちになったりします。そもそも昨今の通信はHTTPS/TLSなどアプリケーションレベルで暗号化されていることがほとんどなので、それをさらにVPNの入口と出口で暗号化するのも無駄といえば無駄。雑な設定でZoomなどのクラウドサービスを利用するにもVPNを通って一旦社内LANを経由とかしてたらヒドいものです。

■Cloudflare Access

サービスを知ったきっかけはInternet Watchのこちらの記事です。

CloudflareといえばCDNの大手ですね。普通の人は直接意識することはないかもですが、世界中のコンテンツを世界中でキャッシュしていて、地理的に遠いサーバーの情報でも近所の複製サーバーからデータをもってきてあたかも近くのサーバーにアクセスしているかのように快適にしてくれるものです。動画配信サービスやゲームソフトのダウンロードなどが快適に利用できる下支えをしてくれるCDNの業者のひとつ。Akamaiほど老舗ではないけど、個人サーバーでも比較的手軽に利用できる無料サービスなどが充実している(ここポイント!)会社です。あと個人レベルだとオープンなDNSサービスとしてGoogleの8.8.8.8と並んで有名な1.1.1.1を無償提供しているのがCloudflareですね。

さて、このローエンド向けの無料サービスが得意な Cloudflare が提供しているゼロトラストセキュリティサービスが Cloudflare Accessを含むCloudflare Teamsとなります。50ユーザまで使える無料プランが提供されていて気軽に試して見ることができます。

以下、ある程度サーバ-構築をしたことある人向けですが設定手順に基づいて動作原理がイメージできるように解説していきたいと思います。前提として、いくつかのWebアプリケーションを社内または自宅内LANで運用しており、外からのアクセスにVPNまたはポート開放で賄っているとします。これをVPNを使わず、ポートに穴も開けず、より手軽に使えるようにできるというのが主旨です。ぶっちゃけゼロトラストセキュリティ云々は二の次です(笑)。

ポイントはDNSを委譲するところ

Cloudflareにアカウントを作り、最初にする作業は自ドメインのネームサーバー管理を Cloudflareに移すことです。 Cloudflareがドメインレコードを自由に書き換える権限を持つことで、様々なサービスを実現しているのです。

例えば、hogehoge.comという自ドメインがあったとして、こんなドメインレコードが登録してあるとします。

hogehoge.com123.123.123.1
mail.hogehoge.com123.123.123.2
private.hogehoge.com123.123.123.3

ネームサーバーをCloudflareに移すことで、Cloudflareはこれを自由に書き換えたり、新しいホスト名を追加できるようになります。ただし、Cloudflareのサービスをバイパスしたいレコードについては個別にロック指定しておくことができますので、メールサーバーは触らないで欲しい、みたいなことは可能です。こちらがCloudflare TeamsのDNS管理画面です。

「プロキシステータス」の列で「DNSのみ」というのが勝手にプロキシ(後述)を割り込ませないでねという意味になります。

逆に「プロキシ済み」となってるサーバーでアクセス制限の設定をすると、IPアドレスが別のものに差し換えられます。つまり利用者がホスト名でアクセスをしようとすると、一旦Cloudflareが用意するプロキシサーバーにつながります。そこに然るべき認証画面を割り込ませることでアクセス制限を実現するわけです。認証はホスト単位ではなく、パス毎に設定できます。例えば、「private.hogehoge.com/calendar/」を指定してやると、/calendar以下へのアクセスだけが対象になりますが、private/hogehoge.com/index.htmlなどは素通しのままです。1つのサーバーの異なったディレクトリに異なったWebサービスを動かしている場合、それぞれに別個の認証ポリシーを割り当てることができます。

実際にアクセス制限をしたページを開こうとすると、こんな認証画面が立ち塞がります。

ロゴや配色はカスタマイズ済み

認証方法も色々選べます。標準で一番簡単なのはワンタイムパスコードをメールに送る方式(Get a login code emailed to youのとこ)。メールアドレスを入れて「Send me a code」すると1回使い切りの数字列がメールで届きます。そのメールアドレスを受信できる人ならそれを読み取って次の画面に貼り付けて送信すれば認証完了です。これだけだと自分のメアドをもっている人なら誰でも入れてしまうので、設定画面で制限するメールアドレスやドメインを指定しておきます。例えばhogehoge.comドメインで制限すれば、なんちゃら@hogehoge.comのメアドをもつ人にしかコードが届かないということになります。ただこれだと毎回メールを開く必要があったり、下手するとVPNより面倒くさいですね。

なので私はMicrosoft 365の法人アカウントを作っているので、Azure ADが利用可能でしたので、それを設定しました。これで(企業や学校向け)Microsoftアカウントでログインすることができます。そちらで二要素認証などをしていれば当然ここでも要求されます。認証方法は他にもGoogle、Facebook、GitHub、G-Suiteなど名だたるSSO(シングルサインオン)システムが並んでいます。GoogleやFacebookが個人アカウントで使うかは不明。G-Suiteが別にあるからできるのかな?

ここまで元からあるサーバーにはなにも手を加えてないのに、サクっとMicrosoftの強固な認証システムを実装できてしまうというのがスゴいところです。ログインの有効時間も設定できるので、一度ログインしておけば一定時間はこの認証をバイパスして、あたかもVPNに入った状態かのようにサービスを利用することができます。またアクセス元のIPアドレスや国で制限することも可能です。Apacheのディレクティブでしていたような制限もGUIで簡単にできちゃうわけですね。

内向きポートを開放せずに実現する

さて、既存ホスト名でアクセスしようとした場合に、Cloudflareが書き換えたプロキシサーバーに転送され、そこで認証手続きを代行してくれる、ということがわかりました。社内のあらゆるシステムに共通の認証基盤を簡単に実装できるという点でも素晴らしいです。

しかし鋭い方ならお気づきでしょう。元のIPアドレスを直接叩かれた場合のアクセスについてはなにも防御されていない、と!Cloudflare側で認証してくれるから二度手間になると、元のサーバーの認証を切ってしまったりしたらエラいことになります。元サーバーへは常にCloudflareのプロキシーサーバーのIPアドレスからのアクセスだけを受け付けるようにアクセス制限をかけるのも手かも知れませんが、IPアドレスだけを条件にするのは危険でしょう。そもそもCloudflareのプロキシサーバーのIPアドレスブロックについても記述は見当たりませんでした。サーバー証明書などの類も同様です。しっかり探せばあるかも知れませんが。

2022.11.24追記: IPアドレスブロックはたぶんこれですね。

で、これには別の対処方法があります。Impressの記事でも紹介されているcloudflaredというトンネリングプログラムを使う方法です。Linux、Windows、Macなどなんらかのローカルネット内部で可動するPCで起動させておく必要がありますが、社内サーバーの出力情報をCloudflareのプロキシーサーバーに中継してくれます。Cloudfrareのプロキシーがこちらにデータを取りに来る場合、待ち受け(IN方向)ポートを開放してやる必要がありますが、cloudflaredならそれが不要になります。社内に連絡員を常駐させるようなものですが、門は閉じておくことができるというわけです。

この方式を使う場合、Cloudflare上のDNSレコードに仮想ホストのレコードが割り当てられます。例えば、社内にプライベートIPでアクセスできるカレンダーシステム(192.168.0.200/calendar)をvirtual.hogehoge.com/calendarみたいなURLで公開できます。virtualというホスト名のホストマシンは実在せず、常にcloudflaredが中継するデータを(認証を通した上で)見せる専用のホスト名となり、CloudflareがDNS編集権を握っていることで、cloudflared側からの設定ひとつで簡単に追加することができるのです。

■待ち受けポートがいらないことの副次効果がスゴい!

さて、長々とCloudflare Accessの概要を書いてきましたが、ここからは個人的な副次効果についてです。先に書いてしまうと、

  • グローバルアドレスが1つかないような環境でも複数のWebサービスをポート番号指定なしで公開できる
  • v6プラスのような使用ポートに制限がある環境でも任意のポートで公開できる

というところです。

ウェルノウンポートを使う難しさ

ウェルノウン(well known)ポートとは、主要サービスがデフォルトとするポートです。例えばhttpなら80番、httpsなら443番などと決まっています。本来、URLでは「http://hogehoge.com:80」とか「https://hogehoge.com:443」などとコロンで区切ってポート番号を指定することでウェルノウンポート以外を使うことは可能です。省略した場合にウェルノウンポートが使われるのです。しかし世の中ポート番号の指定などという事例は認知度が低く使ってもらいづらかったり、実際問題としてスマホのキーボードだと記号や数字の切り替えが面倒だったりします。

例えば、社内にプライベートIPでアクセスできるカレンダーシステム(192.168.0.200/calendar)と経費精算システム(192.168.0.201/keihi)があったとします(別々のホストで運用)。外向けのIPアドレスが1つしかない場合、80番ポートも1つしかないので、片方をhogehoge.com:8080/keihiなどとすることになります(若い番号は他のサービスでウェルノウンポートに指定されてることが多いので、ケタが多くなりがち)。これを回避してすべてを80番ポートでアクセスさせたいと思えば、リバースプロキシサーバーを建てて、内部で振り分けるなどの工夫が必要になります。Cloudflare Accessはまさにこれを外注できるという見方もできるでしょう。別々のホスト名を割り当てることも簡単です。オープンソースのApacheなどで動いてVirtualHostなどを簡単にいじれるものなら1台で済ますこともできますが、例えば市販のネットワークカメラを複数公開したいなんて時はそれもできません。外部のプロキシならこれも簡単です。

次にフレッツ系の光回線とかで最近主流になっているIPv6 over IPoEをについて考えてみてみます。IPoEでIPv6通信をできるようにし、なおかつMAP-EやDS-LiteなどでIPv4 over IPv6が利用可能になると、従来のPPPoEを使ったIPv4よりも幾分高速になります(IPoEも利用者が増えてきて以前ほどPPPoEと比べて劇的に速いということもなくなってきてはいるようですね)。我が家のプロバイダはMAP-E方式のv6プラスです。この方式は自宅側のIPv4に変わってプロバイダ側でIPv4通信を受け取るIPアドレスが共有されている為、65536個あるポートの全てを自由に使うことができず、4096~65536番のうちの割り当てられた240個しか利用できません。ウェルノウンポートを含む4098番以下は公平に誰も利用できません。なので、どうしてもウェルノウポートを使いたい場合、通常、

  • 設備側でも専有の固定IPv4アドレスが付与されるプランを使用する(高い)
  • 別にPPPoEで固定IPv4アドレスが付与されるプランを使用する(遅い)

のどちらかを選ぶことになります。ウチが使っているプロバイダでは前者は+3,000円ほど。後者は1,000前後で契約可能なので、我が家は速度を妥協して後者にしています。ちなみに後者の場合、通常の内から外へのインターネット利用にはIPoEを使い、外向けサーバーの通信はPPPoE経由というより振り分けができるYAMAHAなど業務用の機能を備えたルーターを使ったりする必要もでてきます。

Cloudflare Accessを使えば、80/443番ポートのサービスがいくつでも

私はこのブログも含め一般向けのWebサイトはConoHaのレンタルサーバーに置いています。自宅のIPアドレスではあくまで自分や身の回り向けの非公開サービスを運用するのみです。それでもできれば80/443番ポートにしてURLをシンプルにしたいし、せっかくあるIPoE側に速いスピードで使えるようにしたい。またごく簡単な自作サービスにBASIC認証だけでない強固なセキュリティも装備したい。そんな事情にこのCloudflare Accessがカチっとハマった気がします。あらためてまとめると、

  • 自宅のファイアウォールはIN方向のポート開放が必要ない
  • 異なるホストでもすべて80/443番ポートで公開できる
  • IPoE経由でPPPoEより高速な経路を使って公開できる
  • SSO、IP制限など高度な認証システムを付与できる
  • LAN内アクセスとWAN経由でブックマークを共通化できる
  • 無料

という感じ。とはいえ3つ目についてはまだ評価段階なのでなんとも。PPPoEを経由しなくていい代わりにCloudflareのプロクシサーバー(地理的位置は不明)を経由するので差し引きで本当に速くなるかは微妙。それでも時間帯で数Mbpsに落ちることもあるPPPoEよりはマシのはず、という現時点での想定です。またCloudflare側は当然IPv6に対応しているので、自宅からのトンネルがIPv4 over IPv6ではなく直接IPv6同士で通信したらさらに効率的なんだろうと思うんですが実際にどうなっているかは不明。cloudflaredのステータスだと相手先サーバーとしてはIPv4アドレスが見えているのでIPv6かどうかはなんとも。OSの優先設定やルーターのIPv6の外向きフィルターでブロックしていないかとか、cloudflaredにIPv6経路を強制するオプションがないかなど追々検証/調査していく予定です。とりあえず現状で使っている限りでは、「海外サーバー経由してんな」ってレベルの遅延は全く感じられません。様子見てよさげなら順次Cloudflare経由にして、PPPoEサービスは解約できたら1,000円/月浮かせられるなという感じ。

ブックマークの共通化についても補足します。例えばネットワークカメラにLAN内からアクセスするのに192.168.0.200だったとします(ポートは80から変更不可)。これを外からも見られるようポート開放するとすると、ルーターのIPマスカレード機能でグローバルIPアドレス:8080を192.168.0.200:80に変換します。ポート番号が違うので、仮に内向きDNSでprivate.hogehoge.comをいうホストを192.168.0.200に振り向けたとしても、LAN内では80番ポート、外からは8080番ポートを指定することになり、ノートPCやスマホなど内でも外でも使う端末ではそれぞれをブックマークして使い分けることになります。しかしすべてCloudflareのプロキシを使ってポート番号を共通化することで、この問題も解決します。内向きDNSでローカルIPを指すレコードを作っておけば、内部アクセスなのに一旦Cloudflareを回ってくる、といった経路になることもありません。

80/443番ポート以外は?

とりあえずWebサービスは使えそうだということがわかりました。では他のSSH(22番)とかRDP、VNC、SMBといったプロトコロルはどうなんでしょう?Internet Watchの記事によるとRDPはできるっぽいけど、接続元の側にもcloudflaredを入れて接続先LAN上のローカルIPアドレスも指定してやる必要がありそう。接続元も固定のネットワーク(例えば実家とか)ならRaspberry Piとかにゲートウェイ運用とかさせればヨサゲですが、ノートPCをモバイルルーターや公衆Wi-Fiで使うなんてことを考えるとやはりPC上にcloudflaredを稼働させて、localhostに向けてRDPする、みたいな形になりそう。それだとVPNの方が簡単じゃね?って感じになるような気もします。コロナ禍ではあまりノマドや帰省をしないので、RDPやVNCでリモートデスクトップ接続をする機会自体がほぼないのでこちらは保留。どちらかというとSMB(ファイル共有)くらいはしたいかもですが、これはローカルのファイル共有とポートがかぶるのでちょっとややこしいようです。たぶん次に試すとしたらSSHかなと。今は1つだけ外から入れるホストにSSHで入って、そこを踏み台に別PCにSSHするという感じ。まぁそれであんまり困ってないですが、個別ホスト名で直接入れるとやはり内外同じ感覚で使えるので便利かなと。ただまぁSSHは侵入を許すと危険なので、もともとウェルノウンポートで運用しないのが鉄則みたいなところもありますし、どうでしょうね。

そもそもWebアクセス時にWeb認証画面が出るのは手間として違和感ないですが、RDPやSSHする時都度認証するとしたらどうなんだろ。Web認証の必要な公衆Wi-Fiみたいな煩わしさはないんでしょうかね?

■まとめ

背景説明もしたのでかなり長くなってしまいましたが、とりあえずクローズドなWebアプリケーションをより使いやすく安全にすることが、アプリケーションに手を加えることなく実現できるので非常に有用なサービスだなと感じています。まだまだ機能がたくさんあり、もっと便利な使い方もきっとあるんだろうなと思いますが、何分公式も解説記事も日本語によるものがあまりなくて、少しずつ試していこうかなというところです。また続報などあればお知らせしていきたいと思います。オススメの使い方などあれば是非教えていただければ幸いです。

GutenbergでWPアソシエイトポストR2の挿入ボタンが反応しない問題

ふとWordPressでMarkdown記法が使いたいなと思い調べると、なんとWordPress 5.0から採用されたブロックエディタGutenbergなら標準で使えるとのこと。いままで何度か触りつつもしっくり来なくてClassic Editorに戻ってましたが、改めて真面目に取り組んでみるかと試用開始。

しかしいきなり問題にぶち当たる。Amazonや楽天の商品リンクを貼り付けるWPアソシエイトポストR2を使おうとするも、商品選択後の「挿入」ボタンが効かない。クリックしてもなにも反応がない。バージョンは執筆時点最新の4.1。

このボタンを押してもなにも無反応

WPアソシエイトポストR2 自体は専用ブロックまで提供しているくらいでGutenbergにはバッチリ対応済み。さすがにこれだけメジャーなプラグインがバグ持ちであるとは考えづらく、ウチの環境の問題だろうと。なにかのプラグインとバッティングしているのかな。

開発者ツールでJavaScriptのコンソールをみてみると、クリックした瞬間にこんな感じのエラーを吐いていました。

Uncaught ReferenceError: wpActiveEditor is not defined quicktags.min.js?ver=5.8.1:2
挿入ボタンを押した時のエラー

とのこと。quicktags.min.jsはググるとWordPress標準の機能クイックタグに関するスクリプトっぽい。wpActiveEditorというオブジェクトがないぞという感じのエラー。名前からして使ってるエディターがGutenbergかClassicかを取得するメソッドかプロパティでしょうか?ここで特定のプラグインを示す名前が挙がってくれると簡単だったんですが…

■なんとClassic Editorプラグインが原因だった!

WordPress 5.0以降でClassic Editorを継続して使用する時に使うそのまんまClassic Editorというプラグインを外したら正常に商品リンクが挿入できるようになりました。なんと、WPアソシエイトポストR2は新旧両エディターに対応しているものの、旧エディターと使い分けようとすると新エディターで不具合が起きる、ということでしょうか。ばっさり旧エディターを無効化して使うならば新エディターでバッチリ動くぞと。

うーむ、ざっと見た限りClassic Editorで作成した過去記事はClassic Editorプラグインが無効でも編集できるっぽいし、これから新規でClassic Editorを使った記事作成をしなければ問題なさげかな?しばらくこれで頑張ってGutenberg移行をしてみようかな。

docomo回線でIPv6シングルスタック接続を先行体験する

IPv6に対応したと言われて数年経つドコモ回線ですが、「接続先設備によってはIPv6アドレスが割り当てられない場合があります。」という一文があり、spモードでIPv6が振ってくるのを見たことがない神奈川県民です。IIJの中の人の調べによると、都内でひたすら機内モードを入り切りしているとつながることもあるらしいですが、逆にいえば一律のサービスとして保証はしておらず、設備更新したとこから順次提供という雰囲気で安定して使う方法はなさげ。世の中5Gの時代だというのに嘆かわしい。現状追加料金なしでIPv6を使えるのはソフトバンクかIIJmioなど一部のMVNOという感じぽいですね。

そんなドコモですが、一足飛びに2022年春からIPv6シングルスタックを導入する予定があるようです(以下IPv6SS)。IPv4/v6のデュアルスタックがまともに整備されないままv6オンリーになるということ。もちろんそれまでに世の中全てのサーバーがv4を廃止できるわけはないので、局設備側でIPv4-v6変換をして既存v4ネットワークとの接続も確保してくれるようです。光回線でIPv6 IPoEを使ってIPv4 over IPv6を提供しているようなことをモバイル回線でやるわけですね。そして各種サービス事業者向けに不具合がないか検証する用の先行確認用のAPNが2021年12月3日まで提供されています。

自鯖が正しく見えるかなどの検証も兼ねてちょっくら試してみました。iOSならば上記ページでQRコードを読み取ってプロファイルをインストールするだけ。モバイルルーターのSH-52Aは対応機種に載ってませんがAndroid用のAPN情報を自分で設定したら使えました。配下にWi-FiでつないだPCもきちんとIPv6になりました。

  • 当環境のご利用にあたっては、パケット通信料がかかります。
  • 当環境への接続により発生した通信料は、お客様ご負担となります。

などと書かれていますが、ギガホなどの対象外だよとかは明記されてないので大丈夫(対象内)じゃないでしょうか(ドキドキ)。

試した限りではIPv4通信も特に問題なくできている感じでした。自前サーバーのIPv6アドレスともばっちり通信可能でした。

一応PC(Wi-Fi6接続)から速度テストもしてみましたが、IPoEのようにIPv6経由だから速いという優位性はなさそう。下記の写真だけみるとspモードの方が速そうですが、計測する度にバラ付きが大きいのでなんともですが。ほぼ同じと言って良いと思います。IPv4サーバーへの速度目的で常用する価値はないでしょう。むしろ変換サーバーを経由しているのに遅くなっていないだけでも立派だと考えるべきでしょう。IPv6サーバーで速度を計測できるところが見付からなかったので未検証です。

spモード

IPv6SS

spモード

IPv6SS

一方、v6プラスなどのIPv4の開放可能ポートが制限される環境で、モバイルから自宅サーバーへのアクセスを確保したい人は今すぐ常用したいレベル。でも試験目的で開放されているAPNなので、常用するのは憚られますね。2022年春にどういう形で提供開始されるのかわからないですが(ある日全ユーザがIPv6SSになるのか、新機種や新規契約者から段階的にデフォルトAPNが置き換わっていくのかなど)、楽しみでなりません。

ホットクックで作るカスタム”沼”レシピメモ

先日の投稿でホットクックで”沼”を作っていると書きました。うちのは初期型ですが内鍋をフッ素コーティング付きに買いなおしたので、一段と捗っています。

あれからまたいろいろと試行錯誤したり好みの味付けにカスタムしたりしているので、一度レシピをまとめておこうと思います。

ポイントはストックしやすい冷凍食品と乾物だけでいつでも作れる体制を維持できること。足の速い材料があるとどうしても作りたい時に材料が足りなかったり、使いきれずに余ったりしてモチベーションが下がりがちなので、思い立ったらさっと作れることにこだわっています。

“沼”を簡単におさらいすると、Youtubeチャンネルのマッスルグリルさんが紹介する、たんぱく質(P)、食物繊維(F)、炭水化物(C)のバランスのとれた作り置きの効くメニューの1つです。見た目がアレなので”沼”と自虐的に名付けられたようです。言ってしまえば「鶏むね肉の入ったカレー味の雑炊/おかゆ」だと思います。

ガッツリ食べても罪悪感ゼロ! 究極のバードめし

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Youtubeチャンネルには様々なバリエーションレシピがありますが、例えば上記のレシピ本だと、お米、鶏むね肉、乾燥ワカメ、干しシイタケ、オクラを入れ、調味料としてカレー粉と塩、そしてたっぷりの水、とうい感じ。これを炊飯器で加熱調理し、4時間保温する、という感じ。最近は、「沼の素」なるカット済の高級干しシイタケとワカメ、そしてカレー粉がセットになったキットも売られています。1度買ってみましたが、シイタケでちょっと苦手な臭みみたいなものがなく食べやすかった気がします。カレー粉はかなりガチめでした。

ホットクックの料理時間は手動メニューで混ぜあり40分。特に根拠はないけど、まぁ炊飯器でご飯炊くくらい?下記の分量だとこの時点ではけっこうシャビシャビだけど、そのまま保温モードにしてしばらく放置しておくといい感じになります。ホットクック特有のかき混ぜがあることで、レシピに記載されている投入順とか無視してもいいかなって思っています。

ホットクックいいよホットクック。9月に出たばかりの2022年モデルは型番末尾Gで左右のでっぱりが小さくなってスリムになり、高速かき混ぜで卵料理や生クリームのホイップができるようになったっぽいですがまだ6.6万ほどするので、それ以外はほぼ同じなFやE世代の在庫品がお買い得かも知れません。

■飽きないようにレシピをカスタムしてローテーション

あまり美味しさを追求して具材を変えてしまうと結局自分好みな高カロリーメニューになってしまいそうなので、食材の変更はほどほどにして調味料で味付けだけかえています。具材で唯一足しているのが枝豆。フニャ目の具材が多いので、ちょっと食感に変化をつけたくて。

標準レシピだとしいたけが「1つかみ」となってて結構多めだったんですが、風味がキツすぎるので減らしています。そして1.6Lタイプのホットクックでこんな分量で作っています。

  • 米…1合
  • 鶏胸肉…2枚
  • 干しシイタケ…1枚をスライス
  • オクラ…5,6本分
  • 枝豆…適当にザラザラっと
  • 乾燥ワカメ…1つかみ
  • 乾燥こんぶ(出汁用)[NEW!]
  • 水…1LまたはMAXラインまで

鶏胸肉とオクラと枝豆は業務スーパーで冷凍品を買ってきてストック。オクラは最初ノンカットだったので5,6本としてましたが、今はカット済みを買っているので目分量です。米、シイタケ、ワカメは乾物なので消費期限を気にせずともよく、これでいつでも作れるという状態になっています。

2021.10.21:出汁用のカット昆布を追加しました。こういうヤツですね↓。

そして味付け。カレーベースの時は、最初は普段使っているこちらのフレークタイプのカレーを入れてたんですが、やはりルー=油分なので今は純粋なカレー粉にかえました。

まぁ味はやっぱりルーの方がコクがあって美味しかった気がします。あと、高血圧なので塩を控えめにして、食べる時に胡椒系のスパイスをちょい振りして変化をつけています。

そして最近気に入っているのが和風バージョン。枝豆の代わりに栗(甘露煮)を入れます。ドンキとかにたまに安く売ってるのを買っておきます。

(訳あり) 栗甘露煮 総量 1100g

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シロップはちょい入れるくらい。そしてカレー粉の代わりにみんな大好き創味のつゆ。コイツは万能ですね。

創味 つゆ 500ml×3本

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この栗と創味のつゆで「炊き込みご飯的な味の雑炊」になります。カレー味でやや浮いていたシイタケも違和感なくマッチ。

実はまだ1回つか作ってないけど、いきなり完成形来たな!って感じで記事にしておきます。

また別案が出来たら追記します。

ZV-E10ファーストインプレ

ついにZV-E10が発売されました。

個人的に購入することにした経緯などはこちら。

まだ外に撮りに持ち出したりはしてないのですが(そもそも仕事用だし)、ざっと触ってみた感じのインプレなど。

■身軽?

大きな特徴である軽量さですが、キットレンズとシューティンググリップGP-VPT2BTに、さらに神マイクECM-B1Mまでつけるとそれなりにズッシリはします。

ソニー ショットガンマイクロフォン ECM-B1M ILCE-1対応

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これだけの装備をつけて、例えばGoProと比べてどれだけアドバンテージがあるのか?、またジンバルとかなくてもヌルヌル動画が撮れるのか?といった辺りが焦点になるかなと思います。個人的にはCatalystを使ったジャイロセンサーログによるソフトウェア手ぶれ補正も気になります。

GP-BPT2BTがリモコン操作は便利なんですが、割とゴッツくて嵩張るので微妙な気がしています。それだったらもう一回り大きくなっても小型ジンバルいっちゃうか?という。RX100系用のもっと小さなグリップがあったと思いますが、あれの無線対応版が出て欲しいですね。

■手ぶれ補正周り

前記事にも書いたとおり、購入動機は三脚室内撮り用なので、さほど重視はしてないのですが、アクティブ手ぶれ補正もCataryst対応機種としても初入手になるので試してみたいとは思います。また静止画はα6600を使えばいいやと思っているので、本機では基本動画撮影時の評価を行っています。

ボディ内手ぶれ補正がないので、レンズ内手ぶれ補正(OSS)がある場合のみ「スタンダード」の補正が効くようです。あるいは画像処理ベース「アクティブ」はどのレンズでも使えますが割とクロップ(切り取り)が起きます。スタンダードとアクティブは排他利用です。また後からPCでCatalystを使う場合はどちらもOFFで撮影しないと駄目っぽいです。アクティブとCatalystは類似の処理なので排他になるのはわかりますが、せっかく光学式手ぶれ補正がついたレンズならそれで少しでもブレを軽減しておいて、Catalystでのクロップを押さえる、という使い方ができればいいのにと思いますが、そうもいかないようですね。まぁジャイロのログから光学補正した分を取り除くようなことは難しいでしょうから致し方ないのかも知れません。

私はRAWで撮ってPCでじっくり現像するのが好きなので、手ぶれ補正についてもインボディで行わず、あとでPC上で適用量を見定めてかけることに興味を抱いていました。が、今回実際使ってみて、「思ったよりこっちもクロップするな」という感想をもちました。2up画面で比較しながら適用量を調整できますが、まず「自動」で処理させるとかなり削られます。揺れていれば揺れているだけゴリっと削って見えなくするという感じ。なのでFHDで撮ってFHDで出力する場合、実効解像度がかなり落ちて縦が800とか700とかすぐに行きます。これを最終的にFHDに拡大してレンダリングするのでちょっと厳しいなと。4K->4Kも同様でしょう。唯一FHD出力だけど4K撮影、なんて場合にはあまり害なく使えるのかなという感じ。本機を含めSONYの現行APS-Cセンサー機は6Kをダウンコンバートして4K録画してるはずなので、(実際どういう順序で処理されるか不明ですが)インボディで6K時点で補正できるなら「アクティブ」を使った方がいいのかも知れません。

Catalystによる手ぶれ補正はハードウェアエンコード支援が使えるので速度はそこまで気にならないものの、手間は手間だし、さらに後でPremiere Proなりで編集する素材とする場合、再エンコードになるのもちょっとイヤ。

もしこれで本格的に外で手ぶれのない映像作品を撮るとなったらジンバル買うかなぁという気分になっています。

少しオーバースペックですが買ったままほとんど使っていないRONIN SCを活用するか、これあたりを買うか。

■電源周り

もうひとつの重要ポイントは、仕事で長時間動作させる場合の安定度/バッテリー保ちなどについて。基本的にはHDMIまたはUSBから映像をPCに出してOBS Studioなどで他のカメラ映像と合成して録画することになりますが、本機でもバックアップの意味で録画を回しておけるにこしたことはありません。これについてマニュアルを精査したところ、以下のことが判明しました。

  • 電源がオンになってる間はUSBは給電のみになる(バッテリーに充電されない)
  • USBカメラモードをUSB給電で使ってもバッテリーが減ることがある

おそらくHDMI出力しながら本体内録画した場合の方が電気を食うと思うので、基本的には「USB電源挿すとバッテリーの減りは遅くはできるがずっとは保たない」ということになります。なるほど夏にα6600で現場に挑んだ時、なぜか突然バッテリーが0%になって切れたことがありました。てっきりケーブルや充電器の不良だと思っていましたが、これと同様な仕様だったとしたら説明がつきます。電源を切れば充電に切り替わるんでしょうが、例えば日をまたぐUT実査なんかだと、その日の最後にはカメラのような高額機材はいちど電源を外してロッカーなどにしまったりすることも多く、本番中に減り続けたバッテリーを翌日までに満充電に戻すタイミングがありません。

で、当初から気になっていた「電池抜いてUSBケーブルだけで稼働できるか」については試してみたところダメでした。なので、安定して終日レベルの長時間稼働をさせたいと思ったらやはりダミーバッテリー型の外部給電アダプタが必須となることが確定。電池の充放電のよる発熱がない分、4Kなど高負荷録画をする時にもいいかなと。ただ純正はちょっと高いんですよね。

ソニー ACアダプター AC-PW20

ソニー ACアダプター AC-PW20

10,091円(11/27 01:26時点)
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電源周りなので互換品は不安がありますが、個人的に

  • USB 5V x2ポートで給電できる
  • 全体にやや小ぶりである

ことが刺さってこちらを買ってみました。

どのみち現場にはマルチポートのUSB充電器はあれこれ持ち込むので、それを使って給電できるなら荷物をコンパクトにできるなと。純正品は7.2Vあるらしいですが、こいつは5Vのポートを2口使って電圧を稼ぐっぽくて、とりあえずちゃんと動きました。そのうち、これで終日HDMI出力しっぱなしで動くかテストしておこうと思います。

■操作UI(対α6600)

ハードスイッチ周りはかなり動画特化に変更されているので、相互運用性としてはあまりよろしくないように思います。電源の入り切りからして違います。でもまぁFメニューやメモリセットなどを駆使しておおむねやりたいことがやれるようにはできたかなという気がします。一番気になるのはモードダイヤルがなく、単一のボタンで静止画->動画->S&Q->静止画…とサイクリックに切り替える点。反応がワンテンポ遅くてつい押しすぎて通り過ぎてしまうことも。また動画にしてからさらにP/A/S/MをGUIで切り替えなければならないのも二度手間。これで良いという層がいることは理解できるのですが、せめてサイクリック動作で何を巡回するかをソフト的にカスタマイズできたら良かったなと思います。せめてM1くらいは入れたい。

どちらかというと、しばらくZV-E10を使った後でα6600に戻った時、ズームのつもりで電源を切ってしまうんじゃないかっていう不安が(笑)。まぁズームレバーと固さが違うので気付けるかなとも。

特長である、ボケ切り替えや商品レビューモード切り替え機能はまだ活用できてませんが、それぞれのボタンはもったいないので他の機能にアサインするかなと思います。「商品レビューモード」ボタンはα6600でC4ボタンと同じ位置なので、ピント拡大とかにしようかなと。「ボケ切り替え」になってるC1ボタンは現在αではホワイトバランス調整になってますが、そこまで多様してるわけでもないので思案中。C1はシューティンググリップGP-VPT2BT側にもついているのでいい機能をアサインしたいところ。やはりカスタムボタンが少ないのは微妙に頭を悩ませますね。

■HDR周り

せっかくモニターをHDR対応にしたので、これを機にHDR撮影、Youtubeアップにもチャレンジしようと少し調べてみました。こちらのZV-1を使った解説がわかりやすかったです。

なるほど、現状Premiere ProがSONY機の書き出すXAVC SのHDRに非対応なんですね…Catalyst Browseを使っていちどSony XAVC-Intra形式変換してやる必要があるぽい。Intra形式はMPEG系の時間方向圧縮を行わずに全てのフレームをIフレーム(基準フレーム)として保持する形式で圧縮がない分、ファイルがめっちゃ大きくなります。またリアルタイムで書き込むビットレートも必要なため、α7SIIIのようなハイグレード機でないと対応していません。一方で一旦オールIntraになったファイルは再生としては軽いので編集ソフト側での対応はしやすいということなんでしょう。仮にPremiere ProがXAVC SのままのHDRに対応してきたとしても、編集するPCのストレージ速度なんかも要求されそうだし、当分はしかたないのかな。てことで、当面はというか、α6600やZV-E10でHDR編集をするには、

  • PP10で撮る(HLG 1/2/3はとりあえず2で良さそう)(この時点では拡張子は.MP4)
  • Catalyst BrowseでXAVC-Intraに書き出し、それなりに速いSSD領域などに保存する(拡張子.MXF)
  • Premiere Proで読み込めばシークエンスが「Rec.2020/HDR」になってればOK
  • 「Apple ProRes 4:2:2 HQ HLG」で書き出す(拡張子.MOV)
  • Youtubeにアップロード

という感じかな。なるほど読み込みも書き出しも.MP4ではないんですね。近いうちにYoutubeアップロードまでのワークフローにトライしてみたいと思います。

 

 

■バリアングル液晶イラネ…

操作感で一番不満なのはバリアングル液晶。個人的には猫をローアングルで撮ることが多いので、カメラ本体を低く構えて液晶だけクイっとチルトさせることが多かったんですが、バリアングル液晶になってしまうと一旦モニタパネルを左に開いてから回転させるという二度手間になるし、視線もレンズ方向ではなく脇見する感じになるので非常にストレス。急いでやると壊してしまいそうだし。唯一のメリットは液晶を内側にして畳んでおくと持ち運び中に画面を傷つけないかも、というのがありますが、実際いままでやらかしたことはないし、持ち運ぶ時はソフトケースなどに入れそうなんで実効性があるかは不明。

■良かった点と次期種への期待

まぁ色々と不満はありますが、α6600と比べて進化ポイントとして、

  • MIシューのデジタル音声接続
  • USB Type-Cによる高速通信と充電
  • 外部給電によりバッテリーレス稼働

は個人的に非常に有り難い。これらのためにα7cに行かずに済みました。フルサイズはレンズまで含めると取り回し、コスパがしんどいので自分的にはAPS-Cで踏みとどまりたい。ボディ内手ぶれ補正対応のα6600に上記を追加したマイナーチェンジモデルが出たら写真も撮るメイン機として買い換えてしまいそう。

■作例

カワスイ(川崎水族館)でHDR撮影のテストをしてきました。暗いところが多いのでキットレンズではなくSIGMA 30mm F1.4で。

実際にはもっと撮ったんですが、ピンボケが多くて取れ高少なめ。あのモニタだとピント確認は厳しいです。MFだとピーク箇所が出るんですがAFは無理。動き回る魚とかはMFでは厳しい。またタッチで指定したオブジェクトを追従しつづけるタッチトラッキングは4Kでは使えないというのも辛いですね。暗さにめげずもう少し絞って撮れば良かった。

そして案の定モードエラーをやらかした。前半知らず知らずのうちにS&Qでとっていたという失態。やっぱサイクリック動作ボタンは使いづらいです。

結論として、やはり本機は業務用のカメラデバイスとしての使用がメインになるかなと。持ち出して使うならカメラ内手ぶれ補正があるα6600でいいやって感じ。レンズまで込みで考えるとボディの重量差は誤差の範囲かなと。それよりも使い勝手や性能、バッテリー保ちの方が重要。まぁα6×00持っていてサブ機でこれを買う人はそもそもあんまりいないと思いますが参考まで。