LiveShell Proを買ってみた

単体でHDMI入力を720pでUstreamやニコニコ生放送などRTMPサーバーに映像送信ができるLiveShell ProがファームウェアアップデートでRTSPサーバー機能を追加されたので買ってみました。RTSPはDarwin Streaming Server等と同じストリーミング用プロトコルで、PCではVLCやQuickTime Playerで見ることができる形式です。無印のLiveShellの倍ほどしますが無印が480pまでなのに対しProでは720pのHD送信が可能な上、出力形式がH.264になるので、iOS等とも親和性が高いのがポイントです。またRTMPに関してもUstreamなどの外部サーバーだけでなく、Wowzaなどのプライベートなサーバーを使うこともできるので、業務でユーザテストの中継など守秘性の高い用途にも使えるだろうということで購入してみました。

さてビデオカメラをつないでUT中継などに活用する話は別途お仕事ブログの方で近いうちに。まずはプライベートで動画ファイルを数人で同期視聴する用です(ここではベランダの植木の観察記録映像とでも思っておいて下さいw)。現在は、1280pで保存してあるファイルを事前に480p、600pあたりに再エンコして、HTTP Live Streaming形式で配信しています。低画質とはいえそれなりに時間がかかるし、480pと600pを動的に切り替えられるようにインデックスを用意するとそこそこ手間です。またチャットしてて「ちょっとアレも見ようぜ」とかなった時に急に準備ができないのも残念。その点、HDMI入力を直接変換して送出できるLiveShellならPCのモニタ出力を直結して、各種プレーヤーで再生するだけです。ソースがAVIだろうがtsだろうがwmvだろうが即配信可能です。VLCでリアルタイムエンコードする手は、HDMI映像を仮想WebカメラにみせかけるMonsterX Live+Ustream系配信ツールでゴリゴリリアルタイムエンコードしながら、という手も考えはしたんですが、 色々考えてシンプルな機材構成にできた方がいいかなということで。

ちなみに2013年4月中旬現在、わりと品薄な感じでしたが、こちらのショップで在庫があり、しかも限定セットで+3,000円程度で4.3インチ液晶モニターがついてくるというので決めました。4.3インチというとiPhone5より若干大きいくらいで、比率は16:9です。どうも元々は車載用のようで、赤黒のコネクタの何もついてない裸配線が入ってました。もちろんショップ側で別途ACアダプタをつけてくれています。アナログビデオカメラでよく使われていたミニ->赤白黄ケーブルもついてきますが、このうち黄色ではなく赤色をつなぐという辺り、色々と間に合わせ感がw。まぁ安いから良し。

さてではLiveShell Proの話。とりあえず、MacBook AirからThunderbolt->HDMI経由で入力した映像は余裕で認識しました。Windows機のGeForceのHDMI出力もOKです(著作権保護のかかったBD/HDレコーダーの映像とかはダメかも知れませんね)。入力は最高1080iまでのようです。初回電源投入ですぐに(RTSP対応の)ファームウェア更新があり、実行した最初の動作はかなり不安定でした。特に操作パネルが全く操作を受け付けなくなり電源すら落とせない状態に。内蔵バッテリーを外そうにも爪がひっかかってなかなか外せず。ドライバーでこじろうとしたら火花が散ってあわは開封30分で逝ったか?!と冷や汗まで。その後も操作を受け付けなくなる現象は発生し、結局初日は電源ケーブルを抜いてバッテリーがなくなるまで放置して寝ました。明けて今日はそれなりにまともに動いているようです。

IMG_3160

公式サイトでHandyCamの上にマウントしてる写真が出ていてカッチョいいですが、ウチのCX520にはさすがにデカいかも。HandyCamのアクセサリシューは独自形状なので単なる三脚ネジをつけたい場合でも、HandyCam用となっているものである必要があり、あまり選択肢がないようです。今のところ見つけたのは右のFV-HCAC2(の下の部品)と、UN UNX-8232の2つ。ただ前者はさすがに低すぎて、たぶんCX520だと本体上部のズームレバーがつかえなくなりそう(その場合でもタッチ画面でズームは可能ですが)。UNX-8232は逆にバウンスシューアダプタなので関節があって重心高すぎ&不安定そう&高い。どちらも若干問題ありなので保留中。今のところ室内利用がメインなので無理に一体化せず長いminiHDMI-HDMIケーブルでどこかに置いて使うのがいいかなと。

■Ustream

さすがに売りの機能だけあって比較的安定してつかえます。エンコードパラメーターは割と細かく調整できます。設定はWeb画面から行えます。本体がWebサーバーになっているのではなく、公式サイトからDashboardというページにアクセスして操作すると、自動的に本体と通信して反映される仕組みです。遠隔地からでも色々設定ができるので便利です(最新ファームだとDashbordを使わないでクローズドなネットワークでもつかえるようになったみたいです)。設定画面はこんな感じ。

liveshell_setting

音ズレ補正があるのは有り難いです。実際ちょこっとズレたりするのでこれで再生しながら補正ができます。個々のパラメーターについてはマニュアルには説明がなく、いくつかよくわからないものもありますが…。「配信キューの長さ」ってなんですかね?最大GOP長?

■RTSP

初日はやたら不安定でまだファームが熟成されてないかなとも思ったんですが、いちどバッテリー空になるまで使ってからはまぁわりと普通に動いています。今までDarwin配信のRTSPはiOSアプリでまともに視聴できたことがなかったんですが、LiveShell Pro公式サイトで検証されているGood PlayerならiPhoneでは割と安定して見られてます。さすがに途中で配信パラメーターをいじるとクラッシュしがちですが。一方iPadだと同アプリを使ってもなぜか視聴できずクラッシュします。PC/MacからのVLCでの視聴はほぼ問題ないかな。

ちなみにインターネットに配信する時はルーターでTCP/554番ポートをあけて本機に差し向ける必要があります。またVLCでは設定で「RTP over RTSP」をオンにする必要があります。Good Playerでは設定項目はないですが見えてるので対応しているのでしょう。

さすがに720pだとLAN内でも少し詰まる感じがします。インターネット配信なら480p以下が実用的かなと。パラメーターを追い込めばどうにかなるかもですが。また同時配信数も3までが推奨値とされていますので、同時接続数が増える時は画質も落とす必要が出てくるでしょう。これをソースにDarwinなどのストリーミングサーバーに渡し、配信自体はそっちまかせにできるといいんですが、いまのところDarwin(UDP)ともAppleのHLS変換ツール(UDPでMPEG2-PSコンテナが必要)とも互換性がないようです。VLCのパイプ機能を駆使すればいけそうかなーという気もしてるんですが未検証。

Wowza Media Server

まだ実際に試したわけではないですが、Ustreamなどと同じRTMP形式の最新サーバーをプライベートに立てられるサーバーソフトです。買い切りだと10万円ほどしますが、1日$5の利用権を買って使うことができます。また更に$2のアドオンを使うと、適応ビットレート配信用の複数レートの変換もやってくれるようです。そしてそのエンコにはCUDAやIntel QuickSyncも利用できるそうで(Windows版のみ)。またFLASH向けもHLS向けも同時に配信できるので開いてがPC/MacでもiOSでもいけます。

月に何度かビューイング会を開催するだけならこれもアリかなと思ってます。そのうち試しに入れてみようかと。

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