Bluetoothで測定値を送信できるシンワ デジタルノギス 19810

3Dプリントのモデリング作業をする時、精密なサイズを測るノギスは必需品です。なにかにピッタリはまるものを設計しようとすると、そのなにかの正確なサイズデータが必要だからです。定規などのミリ単位の計測だと精度も不足ですし、例えば円筒形状のものや穴などの正確な直径を測ったり、凹みの深さを測ったりといった用途には定規やメジャーでは不向きです。

写真は数年前に購入して使って来たノギスです。2016年になんと1,400円+送料で購入したもののようです。

数年前に購入したもの

お値段の元は充分に回収できるほど活用してきましたが、1つ不満点がありました。電池がメッチャ減る!というか、ふと使おうとすると電池が切れている、ということが起きまくりでした。電池はボタン電池のSR44なので、他であまり使わず予備が自宅にない!なんてことも多々。SR44と同形状のLR44ならワンチャンコンビニでも手に入るのですが、特性が違うためSR44想定の機器にLR44を使うとより電池入れしやすいということもあるようです。自分はそれを知ってSR44を買うようにしていましたが、それでもちょいちょい電池切れしてました。写真にもあるようにケースにわざわざ予備電池を入れておくスペースがあるくらいなので、メーカーとしてもスペア必須であることは織り込み済みなんでしょうか。なんなら「使わない時は電池外してここに入れとけ」くらいの意図かも知れません…

ともあれ使いたい時に使えないのもストレスですし、廃棄ボタン電池を量産するのも心苦しいと感じていました。

先日キレたというか、まぁこれだけよく使うものだしもうちょっといい製品があったら買い換えるのもアリか、と決意。まずはいまどきUSB充電のできるものはないかと思って探してみました。しかし見付からない。まぁ充電池内蔵だと寿命が来たら使い捨てになる可能性も高く、こうした業務機器には馴染まないのかも知れません。

結局購入したのはこちら。

シンワ測定製の19810という型番の製品。使用電池はSR44の公称容量165mAhに対し220mAhのCR2032です。クルマのスマートキーなどに使うので入手性も高め。

ちなみに世の中にはCR2032Hという240mAhのものがあるらしいですが、コスパがどうかは不明。

国産だとマクセルが出してるぽい記事が散見されますがAmazonではこれくらいしか見付からず。メタデータがノーブランドになってたり、2032Hと明記されていないものの、写真をみると刻印にHとついてますね。海外品だと多少ありますが、もとが1割以下の差なので国産一流メーカーの220mAhの方がきちんとスペック通り出て実質長持ちなんてこともあったりするかも?

あとサイズというかどれだけのものを測れるかという違いで150mm、200mm、300mmと派生モデルがありましたが、数年使ってて150mm以上必要だったことはなかったので今回もコンパクトさと価格を優先して150mmモデルにしました。

あと液晶の数字表示が大きくなるのも老眼はいってきてる目にはやさしいかなというのも買い換え理由のひとつ。

■Bluetooth経由のデータ送信機能!

電池容量が大きくなったとは言え、倍も違わないのでSR44を使う既有品と実効的にどれくらい保ちが違うかは未知数ですが、本製品にはもうひとつ特長があります。Bluetoothキーボードとして動作し、PCやスマホ(専用アプリあり)に計測値を送信することができるのです。

似たような話では以前購入したレーザー測距計がありました。

精密測定をすると桁数も増えるので、誤記なくPCに転記できることは楽チンかつ安心です。

このノギスも同じようにスマホアプリやPCに測定値送信ができるのです。少し前に探した時は2万くらいする印象で手が出なかった記憶があるんですが、今回改めて1万円しないものを見つけたので、電池容量の件と合わせて買い換える価値ありと判断しました。

PCとペアリングして使ってみた

専用スマホアプリもあって、写真と組み合わせて測定値を記録できるようですが、当面の用途としては、Fusion 360でモデリング作業をする時の数値入力になります。PCとBluetoothペアリングをして使ってみました。

PCからみるとBluetoothキーボードとして認識されるわけですが、少し惜しい点も。テキストエディタにカーソルを置いて送信してみると、どうも「(半角スペース)計測値(改行)」が送られてくるぽいです。

下の写真はFusion 360のスケッチで矩形を作成する場面です。

縦と横のサイズを入力するフィールドがあり、TABキーでキャレットを行き来してEnterで生成実行です。つまり、どちらかの欄にキャレットを置いてノギスからデータ送信すると、もう片方を入れる前に確定してスケッチオブジェクトが作成されてしまうのです。もちろん後から編集はできるんですが、二度手間になる感じ。円とか押し出しとか値が1つしかない場面も多く、その時は改行コードで確定してくれてもいいっちゃいいんですが、場面によってそれを使い分けるのもちょっとなという気がします。個人的には数字だけ送信してくれればいいんじゃないかなというのが現時点の印象。使い込んでいくとまた意見もかわるかもですが。

バーコードリーダーとかだと設定で、値の前後にどんなキーコードを付与するか選べたりするんですが、通常PC側からBluetoothキーボードにデータを送り込む仕組みがないので、やるとすると別のデバイスクラスを実装したりとかなりコスト高になるんですかね。

せめてノギス側にEnterボタンとTABボタンが物理で備わってると嬉しかったかも。短押しだとTAB付加、長押しするとEnter付加、とかとか。

Fusion360側でキーボードによる確定動作をカスタマイズできないか設定画面を探ってみましたがこれも不発。

ちなみにExcelでは値入力後、Enterで下へ移動、TABで右へ移動なので、やっぱりノギス側で使い分けできるといいかなと思います。Excelは設定でEnter時に右へ動くようにもできますが、普段の操作に影響が大きすぎるので変えたくはないものです。

また頭に半角スペースが入るのも謎ですが、実害はなさそうです。Fusion360でもExcelでも無視してくれます。でもなんか気持ち悪い…

■その他のちょっと惜しいポイント

付属ケースが惜しい

既有品も本製品もハードケースが付属しています。精密機器なのでショックから保護する意図があるんでしょうか。写真の上が既有品、下が本製品のものです。

本製品はロックが二箇所になっているので、片手でサッと開けることができなくなってしまったのが残念ポイント。

電池交換に工具が必要なのが惜しい

本製品は電池スロットがSIMカードのようなトレイ型をしており、引き出すにはマイナスの精密ドライバーが必要です。付属はしているんですが、ひと手間に感じます。既有品のように、「気付くと電池がなくなってるので、普段は抜いてしまっておく」となった時にはかなりしんどいです。これはそもそもその問題が解消していることを期待するしかないですね(抜いておく必要がないならそれにこしたことはない)。

またドライバーをケースに格納しておくにもケース内でもカラカラいいそう。せめて既有品の電池スペースのように、ドライバーと予備電池を固定して格納できる空間があると良かったなと思います。

■まとめ

レビューとしては文句ばかりになりましたが、文字が大きく、Bluetooth送信もできるので基本性能としては満足しています。自分のように激安品からステップアップしようかという方にはお手頃な製品なのではと思います。

あとは「電池がいつのまにかなくなってる問題」が起きないといいなと思います。

ケースはそれこそ3Dプリンターで理想のものを自作するのもいいかも。いや百均とかでちょうどいいプラケースを見つけて、ウレタンスポンジを切り抜いて詰める方がいいかな?

Synology DS1517+をext4→Btrfs移行

■Windowsのバックアップソリューション探索

同居人も含めWindows PCがだいぶ増えて来たので、コスパとユーザビリティの高いバックアップ方法を検討しました。以前はWindows Home Server/2011を愛用していましたがサポートが切れ、Windows Storage Server 2012のThecus製のNASに移行。こちらも今年でサポート終了です。

それ以前にThecusやその国内代理店のサポートもまともに機能してない様子でしたり、Windows ServerやActive Domainも使い勝手が悪く、管理画面もなにをするにもかったるくてほぼ使っていませんでした。

ただWHSやWindows Strage Serverの良かった点は複数PCのバックアップを重複排除して保存できる点。つまり、OSやアプリなどの重複ファイルを別個に格納せず、完全一致するファイルについては1つ分の容量でバックアップできるということです。何台もWindows PCをバックアップする際にはバカになりません。

そしてファイル単位のリカバリーとベアメタルリストア(OS環境まるごと復元)ができる点などを要件として検討しました。

またノートや携帯機もあるので個別にUSBなどでストレージをぶらさげるのは使い勝手が著しく悪いですし、それぞれの空き容量を無駄なく管理することもできないので最悪です。ということでNASによるバックアップ一択で考えました。

■Synology Active Backup for Businessという選択と障壁

もろもろ加味して調べると身近なところに良い選択肢があります。Synology製の上位NASで無料で扱えるSynology Active Backup for Businessです。重複排除やファイル単位/ベアメタルの両立、ファイルバージョン管理など必要な要件は揃っています。ハード自体も既に我が家にはあるので、ストレージ領域さえ用意すれば良いことになります。

実は存在自体はかなり以前から知っていました。しかし導入してこなかったのには理由があります。(昔は有料で結構高かったような気がするのと)ファイルシステムがBtrfsでないと使えないという点です。Btrfsは従来のext4よりも新しいファイルシステムで、重複管理やバージョン管理などの機能はこのファイルシステムに基づいた実装となっています。廉価モデルでは利用自体が非対応ですが、我が家のDS1517+はOK。ただ現在稼働しているext4のボリュームをそのままBtrfsにコンバートできないというのが問題でした。変換には一度ボリュームを削除して再作成する必要があります(裏技もあるにはあるっぽいですが上手くいかないリスクも)。つまり稼働しているNASに対して行うには、一度データをまるごと待避する必要があり、それをするだけの空きディスクを用意しなければなりません。これが手間やコストの問題で躊躇していました。DS1511+からDS1517+に乗り換える際に、HDD 5台をまるごと新調するコストもかけづらかったので、そのままディスクを刺し替えて移行し、ext4も引き継いでしまっていたくらい。

ちなみにBtrfs自体のメリットは公式ページにまとめられています。ext4よりわずかにパフォーマンスが劣るらしく、今でもext4はサポートされてますしBtrfsの機能を不要と考える人や非対応モデルの人はext4もまだまだ現役のようです。

今回ようやく重い腰を上げ、今のボリュームまるごとを待避できる12TBのHDDも導入し、Btrfs移行を敢行することにしました。

モデルはSynologyのサポートが手厚い(印象のある)IronWolf。今回は外付けで使うので同Proである必然性は薄いと判断してコスパ重視で。それでも同モデルを2021年に買った時は3万切っていたのが今回4万以上しており円安や部品不足の影響を強く感じました。

こちらを元々外付けにつかっていたeSATAケースに入れ替えてマウントし、これまたSynology謹製のバックアップツールHyperBackupでボリュームや各アプリ設定をまるごとバックアップしました。ちなみにUSB3.0の方が速いならケースもこの機会に買い換えようと思ったんですが、理論値とは裏腹にeSATAの方が速いという情報ばかりだったので継続して使用することにしました。USBに変換するオーバーヘッドの方がロスが大きいってことなんでしょうかね。まぁどのみちHDDのスピードが頭打ちになるのであんまり差は出ないのかも知れません。

これでバックアップが正しくできていなかったら復元もできないのでかなり不安です。整合性チェックなども走らせたりしました。まぁ最悪でも重要な共有フォルダは実家に遠隔バックアップもしているので、いつまでもはビビっていられずボリューム削除と再作成に踏み切りました。

こういう神経のすり減らしを避けたい方は、新ハードとHDD一式を買い揃えてコピー移行するのがオススメです…

■削除までの手順

ストレージマネージャーでボリューム(ストレージプール)を削除しようとすると、こんな画面が出ました。

削除しようとするボリュームが依存している(されている)パッケージがあり、先にそっちをどうにかしろ(消せ)という主旨です。一応これらもバックアップされてるんじゃないかと思いつつも、まぁ最近使ってないものばかりだったので粛々とパッケージをアンインストールしました。2番目のrsyncのエラーはコントロールパネルで無効化するだけで大丈夫でした。

DockerとNote Stationはなくなればなくなってもいいけど、復元されるならそれにこしたことはないなということで結果を見守りたいと思います。

いよいよエラー内容も克服し最終段階。警告や確認のパスワード入力を経て削除実行。そしてSHR & Btrfsで新しいボリュームを全容量で作成。その後、ドライブチェックが自動で走って終了まで15-20時間と出ました(総容量は17.4TB)。同時にHyperBackupからのリストアもできたかも知れませんが、余計な一時負荷をHADに与えて壊れてもイヤだし、仮にこのドライブチェックでエラーが出るようならドライブ交換も必要になるかもなので、大人しく一晩放置することにしました。

チェック完了後、さてリストアしようかと思ったらなぜかHyperBackupパッケージがなくて肝を冷やしましたが、パッケージセンターで再インストールをしたらきちんとeSATAドライブ上のバックアップを認識してくれました。ので、復元パッケージではHyperBackupのチェックを外してそれ以外を全部選択した状態で実行しました。パッケージ復元中は当該サービスが止まるよ、という警告が出たくらいなので、HyperBackupでリストア中にHyperBackupが止まったらアカンやろという判断です。まぁさすがになんも考えずに全部オンにしてリストアした時のことを想定してないわけはないでしょうが、もう少しリストアウィザードのUI表記がこなれてほしいなと思った点です。

リストは丸一日かかりました。一応抜けたデータはざっと見た限りなさそうですが、通知をみると「復元できませんでした」という不穏かつ役に立たないイベント記録があります。

具体的にどのファイルが、いくつくらい失敗してるのかわかりません。「詳しくはログを見ろ」とあるので、開いて見るも、情報は全く増えません。選択したら詳細画面に行くかと思いきやなにも置きません。1件1行の情報しか残ってないようです。

2行目はアプリのリストア失敗なので良いとして、その後の1行目が「リストアが失敗」となっていて影響範囲がわかりません。2行目のエラー発生を受けて、満点ではないという意味なのか、具体的にファイルに影響があるのか、もやもやが残るリストアです。

もやもやは残るけどもはやどうしようもないので、一応リストアできたと思って使って行くしかなさそうです。

ちなみにストレージの利用量がガサっと減ってるのも恐いですw。8TBくらいあったのが6.5TBとかになっています。ヒリヒリします(^^;)。軽くホラーです。ゴミが減ってクリーンアップされたのか、本当に復元できていないファイルがあるのか、はたまたext4とBtrfsの差やセクターサイズによる違いなのか、理由は謎。まぁでも6.5TBという数値はバックアップのサイズと同じくらいです。抜けができてるとしたらリストア段階ではなく復元段階なのかも知れません…だとすると復元はやりなおしても同じな可能性が高いです。気にしてもしょうがないので、空き容量が増えたことを喜んでおくしかなさそう。

■外付けドライブでBtrfsを使えるか?

今回、12TBという真っ新なHDDを用意した機会だったので一時的に待避ドライブとして使ってBtrfs化を図りましたが、実のところActive Backup for Businessのストレージとしては内蔵部分は使うつもりはありません。サイズの大きなバックアップ領域をSHR(RAID)で冗長化するのはコスパが悪いし、バックアップのバックアップまでは必要なかろうという判断です。最終的には待避に使ったHDD自体をBtrfsでフォーマットしてそこにバックアップできればいいんじゃないかと考えました。

ただ現行のSynology NAS(DSM7)は外付けドライブをBtrfsで初期化することはできない模様。公式ページによると、「Synology NAS は次のフォーマットを認識します。Btrfsext3ext4FAT32exFATHFS Plus、and NTFS.」とBtrfsを含む一方、「外部ドライブは Synology NAS で ext4 または FAT32にフォーマットできます。」という記載もあり、”使えるけど自分で初期化はできない”という状況ぽい。ということは、他のPCでBtrfsでフォーマットしてからもってくる必要がある。めんどくさー!

現状、自宅にLinuxが稼働しているPCがないので悩ましい。こういうフォーマット関係を仮想化PCでやるのもちょっと心配、というかめんどくさそう。調べてみるとWindowsでBtrfsを扱うオープンソースプロジェクトはあるみたい。いやーどうしようかなー。どれくらい枯れているのかわからない。

別PCでLinuxからBtrfsボリュームを作成

ということで、安全をとってPCでUSBブートでLinuxを動かしてBtrfsドライブを作成することにしました。手間を省くのに、最初からBtrfsパッケージを含んだUSBブータブルなディストリビューションを選びたいところ。Bing Chatで聞いたところ、openSUSEかFedoraは標準ファイルシステムとしてBtrfsを採用している、またArch Linuxはファイルシステムの選択肢としてBtrfsをもっている、ということがわかりました。なんとなくRedHat系に馴染みがあるので今回はFedoraを使ってみることに。UNetbootinで選べる最新の30_Live_x64を適当なUSBフラッシュドライブに書き込みました。

しかし当該ISOはDLできないとエラーになり、結局、ArcLinuxで実行。

Synology NAS単体でBtrfsボリュームを作成(SSH)

後から判明したんですが、SSHでログインしてコマンドラインからなら外付けドライブもBtrfsできました。普通にmkfs.btrfsコマンドが入っているので、

既存パーティションがある場合はfdiskなどで開放する必要があるかも知れません。

しかしマウントできず、Active Backup for Businessから使えない?

どちらの方法でフォーマットした場合でも、残念ながら現状でABBで使えていません。

まず物理的に接続すると通知で「外部デバイス External SATA Disk1 のパーティション 1 をマウントできません」と出ます。一方、ストレージマネージャーではきっちりBtrfsであることは認識してるっぽいんですが(下記画像)。またコンソールからみてもマウントできてるぽくlsして中身も見られます。

それでもFile Stationでは見えないし、当然ABBでもデスティネーションとして選択できません。

Synologyのコミュニティで4年前のスレッドで公式サポートに問い合わせてABBのストレージとして外部メディアはサポートしてない、と回答されたという書き込みがありました。情報も古いし、別途こちらでも問い合わせてみようかとは思いますが、ともあれ現時点ではBtrfsでフォーマットした外付けドライブ(eSATA接続)はABBの保存先として使えていません(マウントすらできてるかあやしい)。

残る選択肢としては、

  • RAID/SHRのメインボリュームを使ってバックアップ(管理は楽だが、冗長化されてる分、コスパは悪いし、本来のファイルストレージを圧迫する)
  • ドライブの1台を12TB HDDに交換して冗長化のないボリュームを作る(スワップして復旧した場合、元のTB数から増えた分がSHRでどう使われるんだっけ?任意設定できたかどうか不明。まと10TBフルでバックアップ領域に割り当てられず4TBくらい目減りしてしまう)
  • もう一台ハードを買ってバックアップ専用機にする

くらいです。

■今追加でバックアップ機を買うなら?

今回購入した12TB HDDを活かす想定だと、1ベイか2ベイ機になりますが、そもそもABB対応モデルでというと、現行ならDS224+、DS723+でしょうか。どちらもメモリ増設は可能ですが10Gbps NICを増設できるのはDS732+だけのようです。

んー、当座1Gbpsでもいいかもですが、数年使うことを考えると拡張性は残しておきたい気がします。

■まとめ

とりあえず当初の目的である、内蔵メインボリュームのBtrfs化は果たせました。これでABB自体は使えます。しかし目論みだった外付け12TB HDDへの保存は現時点ではできなそう。

とりあえずしばらくABB運用してみて問題ないか、どれくらいストレージを消費しそうかなどを検証して、対策を考えようと思います。

ABBの使用感もまた別途記事にできたらと思っています。現状気になってるのはバックアップから除外するフォルダーを指定できない点でしょうか。完全にテンポラリなフォルダや、OneDriveやDropboxで保全できてるフォルダ、Office、Adobe系、Steamのゲームタイトルなどクラウドから再インストールすればいいだけのものについては除外しておきたいところ。そこだけがWHSと比べて難点かなーと思っています。

妹宅のテレビを緊急買い換え 〜東芝 55C350X

先日帰省した時に、妹宅のテレビの電源が点かなくなったから診てほしいと言われました。このテレビは自分が2013年に買ったREGZA Z7を譲ったものです。

ググると液晶タイミングコントローラー(通称TCON)を安く購入して自分で交換する修理がメジャーっぽいですが、ウチはどうもそれではなくメインの電源基板の方が逝ってるぽい。電源ランプが赤で3回点滅。こちらの方の症状に近い。

概算で4,5万かかるということなら安い4K TVに買い換えてしまおうということになりました。

しかし、自分の実家滞在日数が限られており、通販で安いテレビを注文しても間に合うか微妙。ということで、その日のうちに深夜営業しているドンキに母と姪を連れて物色に行きました。

要求仕様としては、

  • 今が42インチなのでそれよりワンサイズ位アップ
  • 必然的に4K
  • Youtubeやネトフリなど配信がメイン(スマートTV機能)
  • 妹がたまーにTVも見る(ドンキのチューナーレス機ではダメ)

といった位。

正直エントリークラスは普段視野に入っていないので事前の商品情報はほぼゼロの状態で、店頭にあるTCLやSHARPなどを比較して検討。リモコンの展示すらなく、お店がポップとして貼ってある仕様○×表が主な情報源。必要に応じてググったり。

でまぁ、国産メーカーの方が修理対応体制が整ってるだろう、今が東芝なのできっと操作感が似ているだろう、くらいの理由で東芝の55C350Xに決定。ラスイチの在庫をゲットできました。値段もその時点の価格.com最安より2千円くらい安く、深夜12時過ぎにゲットもできたので、MEGAドンキマジ助かる。

Android TVではないので後々新興配信サービスが立ち上がったときアプリが追加される望みが薄めですが、まぁ最悪またFireTV Stickとかを外付けにしようと。あとやっぱり東芝は映り込みが激しいのが心配でSHARPとも迷ったんですが、使う当人(姪)に視野角なども含め店頭での見えを確認してもらい意見を聞いて決定。

後部座席が倒せないクラウンクロスオーバーだと絶対に積めないので、妹のルーミーで買いに行ったんですが、それでも3人乗車だとかなりギリギリでした。縦にして運転席と助手席の間に差し込むみたいな積み方でなんとか持ち帰ることができました。

また足が両端に独立で生えてる形なので、もともと使っていたカラーボックスに乗らないことが懸念されましたが、こちらは相談の結果、最終的には壁掛けにするということに。残念ながら否かの家電店は壁掛け金具を在庫しておらず、通販は間に合わないということで次回に持ち越し。とりあえずホームセンターでカラーボックスの上に置く木の板をカットしてもらって間に合わせておきました。

■設置と画質チェック

とりあえず床置きで配線と動作チェック。もとから有線LAN接続だったので、電源、アンテナ線、LANケーブルを刺し替えるだけでOK。チューナー設定などもさくっと済みました。

仕様としては、HDR対応で、倍速対応ではないが、4Kダイレクトモーション120という曰く「高輝度のLEDを高速で明滅させることで、液晶表示の残像感を効果的に低減し、動きの速いシーンでもクリアな映像を実現します。」という倍速対応と優良誤認させるような名称の機能を搭載。実際Netflixでアニメを再生したところ、なかなかいい感じにヌルヌルでした。フレーム補完がないせいか破綻したコマもなく綺麗にスクロールしていて、姪も感激してました。輝度や発色はそれなりという感じですが一般的なリビング環境では充分だし、42→55インチのサイズアップと4K化しただけでも10年前のフルHD機からすればかなりの進歩。妹からしたら臨時出費ですが、子供達からするとラッキーな買い換えになったんじゃないかと思います。本体に配信視聴機能がついたことで、FireTVをなくせて1つのリモコンで操作が完結できるようになったのもスッキリ。

■壁掛けしてみた

父親の入院絡みで帰省サイクルが早まっているため、早速壁掛けも実行しました。

購入した金具はこちら。スイベルなどの機能はいらず、できるだけ壁ピッタリにしてほしいという要望で決めました。

また壁の裏の柱を探すのにこちらを購入。

しかし結果は微妙。反応があるところに印をつけまくっていきましたが混乱するだけ(写真でみるとシャーペンで書き込みまくってますw)。結局近くのホームセンターに針で刺して確認するタイプの下地探しを買ってきてブスっと刺して確認する作業が必要でした。最初からこれで良かった気がします。

想定よりだいぶ手間取りましたがどうにかベースをネジ止めした様子がこちら。かなり太いボルトを柱にもりもりねじ込むので、柱の木材が避けてしまわないようドリルで下穴を開ける必要があります。説明書を捨ててしまいましたが確か5.5mm指定だった気がします。手持ちが5mmしかなく、少し締め付けが大変でした。ボルトは6角でサイズは13辺りだったような(うろ覚え)。苦労の甲斐あってかなりガッチリつきました。

そしてついにテレビをかけ、配線をモールで綺麗に整えて完成です。

置くのラックは撤去予定で、下のボックス上にBDプレーヤーとNintendo Switchドックのみ設置

テレビの裏はセンター部分が厚いので、端寄りはなんとかおっさんの腕が入るものの、コネクタ類の抜き差しはそのままではかなり厳しいくらいの壁ピタ感です。必要が生じたら一度外す方が楽じゃないかと。テレビ側の金具はH字の形をしていて、壁側の金具にひっかけるようにして留まっています。2箇所から紐が垂れていて、それを引っ張るとロックが外れてフリーになる感じ。左右位置は壁側金具の幅の範囲内で動かせます(厳密にはセンター部分はまたぐのでそこまで端っこに寄りはしないですが)。

寿命はわからないですがただの鋼材の部品なのでそれほど劣化は考えられず下手をするとメーカー品の1/10近い価格を考えるとかなりコスパは良い気がします。

■まとめ

急なプロジェクトでしたが、10年以上前の42インチFHDテレビを最新の55インチ4K壁掛けスマートテレビに7万弱でアップグレードできて妹宅リビングもかなりモダナイズできたかなと思います。写真奥にあるBDレコーダーやミニコンポもこの機会に撤去予定らしいので、最終的にかなりスッキリするんじゃないでしょうか。

iPhone15でも使える格安CF Express Aリーダー

現在メインで使っているミラーレスのα7IVとFX30はどちらもSDカードに加えより高速なCF Express type Aカードを使用します。普段使う分にはSDXCカードでも足りることが多いですが、静止画の連射などでもアドバンテージがあるだろうということでCF Expressカードをメインストレージに使っています。

またこのせっかくの高速ストレージをPCに快適に読み込むために、SONY純正のCF Expreessカードリーダーを使用しています。α7IVもFX30もUSB Type-C端子は10Gbps対応ではあるんですが、なんかやっぱり専用カードリーダーを使った方が安心感あるというか。

速くて快適なのは確かですが、難点として、

  • 大きい
  • 高い

というのがあります。もうひとつメジャーなところでは、ProGradeのものがあります。

SONYのより若干小さく、若干安い。いずれにせよ仕事や撮影旅行に持ってくのに嵩張るし、デスク用と持ち出し用兼用だと、さぁ使おうって思ったらカバンの中だったぁ!なんてこともちょいちょい。とはいえもう一個買ってもっておくにはちと値が張ると思って諦めていました。

そんな折り、iPhoneが15シリーズでついにUSB Type-C化。しかもProはUSB 3(明記はしてないけど3.1 Gen2らしい)対応。大量にRAW写真をコピーするならWi-Fiよりもカードリーダーかなということで、改めて調べてみたところ、いつのまにか中華メーカーの格安品がかなり増えていました。2,3千円ならカバンに入れっぱなし用に常備しといてもいいかもと思って、こちらを購入。この値段で10Gbps対応とのこと。

あっさりiPhone15 Pro Maxで利用でき、α7IVで撮った写真を「写真」アプリで読み込めました。もちろんPC/Macでも使えると思うので、撮影旅行先で何十枚とまとまったRAW写真をLightroomに取り込んで選別/現像するのにも使えそう。

CF Express type Aリーダーライターは高い、という先入感があっさり崩れました。これでまたミラーレスデジカメでSDXCカードに固執する理由が減ったかなと思います。まぁ肝心のメディア単価はまだまだ開きがありますが…

話題のHHKB Studioを手に入れたゾ!タッチは極上だが墨字が辛い、、互換キートップも思いのほか少ない

エンジニアが愛してやまないPFUのHappy Hacking Keyboard(以下HHKB)に新顔が登場しました。私は古くは大学院生自体に同室のH氏が愛用しており存在は知っていました。OSをまたいで使えることに魅力か感じるものの、テンキーがないなどの点でそこまでブッ刺さりはしないで30年くらいスルーしていました。静電容量無接点スイッチのタッチ自体は好きで、同スイッチ採用でフルサイズのRealForceは結構愛用してきてました。そしてここ何年かはMacBookに始まる浅ストローク系にハマってデスクトップではLogicoolのMasterシリーズなどを使用。

まずは左上にダイヤルデバイスがついたCRAFTを購入。

正直この位置に1つだけダイヤルあってもそこまで活用できないんだよなーと思う中、ちょっとだけストロークが増したMX Mechanicalに転向したんのが半年前くらいだったと思います。

こちらはキースイッチが3種類から選べて、比較的静かなリニア(赤軸)をチョイス。

そんな折り、HHKB Studioが発表になりました。ちょうど出張でバタバタしていてあまりニュースを精査することなく、あのHHKBがついに

  • 静電容量無接点スイッチをやめてMX互換のメカニカルに転向した!
  • ThinkPad伝統のスティックポインターがついた!

くらいの理解で「( ´_ゝ`)フーン」って感じでした。しかし出張から帰って落ち着いてネットを散策していると、FacebookでフレンドになっているPFUアンバサダー勢やスタパ氏のレビュー記事が目に入り、なんと左右と手前側面に4つのスライダー型ジェスチャーインターフェイス「ジェスチャーパッド」がついているということを発見。動画編集用に前述のCRAFTや、LoupedeckやSpeed Editorなどのアナログ系補助デバイスを色々試してきた身としてはかなりそそりました。本モデルは家電量販店などの販売/展示はなく、公式サイトとAmazon、楽天、Yahooの各公式ショップの販売のみ。試し打ちができる体験スポットは全国で片手ほどしかなく、キーボードは試して買いたい派の自分としては不安もありましたが、最悪キースイッチやキートップはMX互換品に交換できるからいいやということで割と反射的に注文。とはいえ初回ロットは既に売り切れ。10/31日に二次受付があるということで待ち伏せ。なんとか注文できてラッキーと思っていたものの、「システムの不具合で注文受け付けちゃったけどあんたの分は三次発送になるわメンゴメンゴ(要約)」ってメールが来て落胆。数日遅れで発送されてようやく届きました。

■HHKB Studioの特徴

改めて従来モデルのものも含め、HHKB Studioはこんなキーボードです。

  • テンキーレスのコンパクト
  • USB-C給電または乾電池(単3×4本)駆動。
  • USBに加え4台までのBluetoothペアリング(切り替えは特定のキー操作で行う)。
  • Windows、Mac、Linuxやもちろん、iOS、iPadOS、AndroidのようなモバイルOSにも対応。
  • キーのリマップは4パターンまでキーボード内のメモリに保存可能(つまりPCでカスタマイズしておけばiPhoneでも適用される)。
  • リマップだけでなくキーコンビネーションを割り付けることも可能
  • 伝統の静電容量無接点スイッチからメカニカルスイッチに移行。標準はKailhの赤軸ベースの特注スイッチ(45g)。
  • Cherry MX互換のスイッチやキートップに交換が可能。
  • ブラックのみ。キートップは墨字、LED照明は無し。
  • 英語配列モデルと日本語配列モデル。
  • ThindPadのトラックポイントのようなポインティングデバイス搭載でマウス代わりにもなる。
  • 4箇所のスライド型デバイス、ジェスチャーパッド搭載。

といった特徴があります。究極のタッチを備えたコンパクトキーボードということで、出先でノートPCにつないでまで使用するという方もいて、ノートのキーボードの上に設置する為のアクリルカバー(気ボードブリッジ)まで販売されています。

バード電子 キーボードブリッジ (スモークブラック) BRG-BM

バード電子 キーボードブリッジ (スモークブラック) BRG-BM

5,280円(01/25 01:02時点)
Amazonの情報を掲載しています

(ちなみにバード電子さんはPFUのHHKBやScanSnap向けの様々なアクセサリを販売していて面白いです)

■使ってみてのファーストインプレ

タッチは極上

自分もHHKBは始めてなものの、RealForceは使っていたので、静電容量無接点スイッチの良さはよく知っています。正直メカニカルになったことに残念さ、不安は感じていました。ただ届いた製品を触ってみて、その気持ちは霧散しました。とにかく静かでガタツキがない上品な打ち心地です。底を打った時の感触がフェルト材かカーペットでも敷かれているかという感じのふかっとした心地で例えようがない上質感があります。またRealForceにすらあったキートップに軽く触れて左右に揺らした時のカタカタいう音がほぼありません。僅かに動きはしてるのですが音がしない。通常のデスクトップキーボードって、そろばんやピアノのグリッサンド奏法みたいに指を左右にずらぁっと滑らせると、カラカラって音がすると思いますが、本製品はそれが全くといっていいほどしないんです。めちゃくちゃ良いです。

正直、浅いストロークに慣れていたので「いずれキースイッチとキートップを薄型モデルに全交換したろ」と思っていたんですが、ちょっと躊躇われるというかもったいないなと思うようになってしまいました。

ポインティングスティックは普通

ポインティングスティクの使い心地はまぁ普通ですかね。パームレスト(?)部分に3つボタンがあり、左右クリックに加え、真ん中はスクロールボタン(押しながらポインティングスティック上下でスクロールホイール動作)になっています。カーソルの動きもショートカットで簡単にスピード調整ができるのが良いです。

正直デスクトップ環境ならマウスやMagic TrackPad2を使った方が効率的な気がしますが、iPadなどでノマドするときに本品単体でキーボードとマウスとして使えるのは重宝します。狭いデスクスペースでも作業できます。

ジェスチャーパッド

正直までこれを使って動画編集作業などはしてないので実力は測りきれていません。

デバイスとして左右サイドと左右手前面の4つスライダーが搭載されていて、それぞれにキーボードショートかとのペアを登録し、スライド操作でそれらが連続入力される仕組みです。標準では、

  • 右サイド:スクロールホイール
  • 右手前:アプリケーションスイッチ(Alt+Tab)
  • 左サイド:カーソル上下
  • 左手前:カーソル左右

がアサインされています。よく練られたプリセットだと思います。強いて言えばスクロールホイールは上述のポインティングスティック+中央ボタンでもできるので、右サイドは別のものに割り当て直してもいいかなと思います。オフィス、Web用とではズームとか?

通常のキータイプをしていて誤反応するような害もないようです

キーカスタマイズ

ツールはシンプルでわかりやすいですが、現状ではPC/MacでUSB接続しないと使えません。出先でBluetooth接続だったりスマートフォン、タブレットで使用中だと「ちょっと便利な設定思いついたからやってみよ」と思ってもすぐ実行できないのが残念。

またモバイルOSでは難しいでしょうが、入力中のアプリを判別してプリファイルを自動切り替えとかできると活用の幅が広がるのにな、とは思います。なまじジェスチャーパッドの汎用性が広そうなため、アプリケーション毎に最適化してみたくなります。プロファイル4つでは足りないし手動切り替えも煩雑です。WindowsならReWASDなど使えばできるかも?

とにかく墨字刻印が辛い

現状一番残念というか不便に感じているんがキートップの墨色の文字刻印です。黒いキートップに黒い印字なのはデザイン的な意図だと思いますが、コントラストが低くとにかく見辛いでづ。暗い場所でもだめだし明るすぎてキートップが光ってしまうような場所でも厳しいです。自分は基本的にブラインドタッチができている方だと思いますが、それでも数字列+SHIFTの記号や、かなキーと変換キーの押し間違えなどは乱発します。単にHHKBレイアウトに慣れていないせいかもしれませんが、かなり作業効率が落ちます。自分のデスクトップ環境では、猫がキーボードの上に載ってくるので、こういうガラステーブルの下で打鍵しています。上に猫やものが載ってくるとキーボードの上がかなり暗くなるので余計に厳しいです。

心理学の実験で、ブラインドタッチできると思っている人でも実際にはかなり視覚や体感覚に頼っていて紙とペンを渡してキー配置を書き出させると思いの外書き出せない、というのがあったりしますが、やっぱり完全なブライドタッチって結構難しいんじゃないでしょうか。HHKBの墨や雪、無刻印モデルを好んで買う人は本当に微塵も困ってないんでしょうかね、、

少なくとも自分はもし将来LEDで刻印が光るモデルが出たら速攻で買い替えたいです。RGBでなくてもMacBookのような白単色でいいのでついてくれるといいなと思います。

交換キートップが絶望的に少ない(今後に期待)

LEDはともかく、刻印が気に入らないなら交換すればいいジャナイ!ということで遊舎工房などで物色。しかしいくつかの条件が重なり本製品にマッチするものは基本的に純正の交換用キートップセットしかありませんでした(もちろん墨刻印だから今回の場合意味がない)

Cherry MX互換ならやまほどあるはずやんけ、と思ったのですが、使えない理由としては、

  • ポインティングスティックの窪みがあるG/H/Bキーが合わない
  • JIS配列刻印の選択肢が極端に少ない
  • HHKB特有のシリンドリカルステップスカルプチャ形状に合わない

という三重苦になります。G/H/Bが合わない、JIS配列がないので諦めてモディファイアキーなどだけでも交換しようと思うと、三番目が問題になります。HHKBは横から眺めた時になだらかに円筒で削ったような形状をしています。人間工学的に配慮された設計なのですが、汎用キートップを一部だけ交換するとキーの高さや面が隣と合わない結果になってしまいます。

私は実際にモディファイアキー(CtrlやTabなどの制御キー)だけでもなんとかしたいと思ってこちらの特殊キーセットのNon-StandardとNoveltiesを購入したんですが、良いキーがあったと思っても高さのツラが揃わずに難儀しました。

あれやこれや試行錯誤して落ち着いたのはこちら。

  • カーソルキーを明確にする
  • 変換&無変換キーを明確にする
  • 全/半、Win(Command)、Alt(Option)の3つを間違えにくくする
  • 数字列をズレて押さないようにする(5と0とマイナスキーを交換)

などがこだわりポイントです。その他、せめてホームポジションで人差し指をおくFとJ(ポッチがあるキー)を目立たせたかったんですが、適当なキーがありませんでした。いずれここだけでも英語キートップセットを買って交換するかも知れません。ただモディファイアキーは結果として高さが違うことで触覚的にも区別がついてアリかなと思いますが、文字キーでどれかのキーだけ窪んだりでっぱったりしてたら気持ち悪いんじゃないかなと二の足を踏んでしまいます。やるなら英字全てのでしょうが、そうするとポインティングスティックを囲むG/B/Hがつかなくなくなる、JIS配列固有の右寄りの記号キーもない、などが障壁となってきます。ぐぬぬ、、

PFUは2024年3月にキーキャップの3Dモデルデータを公開する予定らしいので、それを受けてさまざまなサードパーティ品が登場してくるのを期待したいものです。

ちなみに中の人にとりあえずの回避策としてキートップに貼るシールを教えてもらいました。刻印が剥がれたキーボードを安価に治す商品のようです。

悪くないんだけどかな表記は要らないんですよねー。本当に純正の刻印内容で色だけきちんとコントラストがついてくれれば理想なんですが、、、

◾️まとめ

極上タッチのコンパクトキーボードを入手できましたが、

  • 墨字刻印の視認性が衰えたおっさんの視力には辛い

という点においてまだ個人的には理想とは言えない状態です。カスタマイズ性は高いので来年互換キートップが増えることに期待かなと思います。PFU公式で白文字刻印のキーキャップセットも是非販売して欲しいものです。

またキースイッチもロープロファイルで純正同等の上質な打鍵感を実現できるものがあるなら変えてみたいなと思います。

いずれにせよジェスチャーパッドを動画編集、写真編集などで使ってみて上手く活用できそうなら、そういった投資もやぶさかではないかなといったところです。