[3Dプリント] 給湯器買い換え。SwitchBot用治具も更新

少し前から給湯器の調子が悪く、蛇口を捻っても水流が検知されず湯沸かしされないという状態。一度水を止めて出し直すといったことを何度かやってるとオンになったり。最初キッチンのシンクで気付いたんですが、徐々にお風呂のシャワー時にも気になるようになり。ググってフィルターの掃除とか屋外本体の再起動とかしても変化なし。冬になっていよいよこれは不便だし、年末に完全に逝ったらシャレにならないということで管理会社に連絡(賃貸です)。

幸い即日ガス機器業者を手配してくれて作業員の方が来てくれました。部品を磨いたとかで応急処置としてはバッチリ治ったんですが給湯器の製造年が2006年で来年20年選手。給湯器の一般的な耐用年数は10年ということではるかに超えているので大家さんに交換を推奨しておきます、と言ってくださり無事交換が確定しました。一度、交換する給湯器が宅配遅延のせいで予定日に届かず延期を経て、本日無事交換と相成りました。2時間予定が少し早く終わったかなくらい。

さて、当家ではSwitchBotを使ってスマートスピーカー経由や外出先から湯沸かしを開始できるようにしています。その際、SwitchBotを貼り付ける位置がフタしかなく、ボタンを押した反力でフタが開いてしまうという面白い状態でした。

そこでこういう固定具を3Dプリンターで作っていました。

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ノーリツ製給湯器リモコンにSwitchBotを取り付けるマウンター

ノーリツ製給湯器リモコンにSwitchBotを取り付けるマウンター

参考価格: ¥1,500(別途消費税、送料がかかります)

在庫: あり

今度の給湯器リモコンはメーカーもかわりボタン配置に互換性がないので作り直しです。

今回は写真のように「ふろ自動」ボタンがセンターにあり、サイドにマウンターを作るというアプローチは難しい。試しにこのようにフタに貼り付けてみましたが案の定、ボタンを押す反力でフタがパカっと開くだけでボタンを押せません。色々位置を工夫するとフタは開かなくなるものの、それでもフタがたわんで浮いてしまうので、結果的にボタンに充分な力がかからず反応しない。しかも左右の片側を押させるだけでは全体がナナメにたわむので両サイドをしっかり浮かないように抑える仕組みが必要でした。一方で、フタの中の温度調整ボタンとかも不自由なくアクセスしたい(シーズン境目くらいしか触らないけど)。

ということで、初日のクイックハックとしてストッパーを作ってみました。

試作1号 TPUバネ方式

グレーの部分はスマホケースなどに使うTPUというゴムライクな素材を使用で、外側にグニっと曲げてロックを外せる仕組み。奥行き方向に長さを持たせることで、横にはグニっと曲がるけど、前後にはそこまで曲がらないという構造を狙いました。フタを開ける方向の力には抗うけど、左右には曲がるというコンセプトです。左右両方を一度に開かないといけないのでやや慣れが必要ですが、SwitchBot自体が持ち手になるのでなんとか成立する感じです。スイッチの手前面に傾斜をつけて、フタで押し込むと左右に一瞬逃げて片手で締められる機構も可能かなと思ったんですが、爪のサイズをかなり絶妙に詰める必要がありそうなので一旦断念。爪が小さすぎると本来の目的を果たせなさそうなので。

実際に貼り付けてみると、TPUバネが短かったせいで、思ったよりもたわまない。また左右に開く方向に力を入れるので両面テープが剥がれやすい。これでいけるとなったらもっと強い両面テープで貼ればいいんですが、一旦保留。やっぱり両側を同時に開いて、さらにフタをあけるという3箇所同時操作はめんどい…

試作2号 マグネット方式

もともとこのリモコンのフタはマグネットで固定されてるっぽいですが、さらに追いマグネットをして吸着力を強めるアプローチ。

締めた状態
開いた状態

こちらはSwitchBotをつまんで手前に引くだけでフタが開くので操作感は段違い。ボタンもしっかり押せました。動作の様子をショート動画にしておきました。

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リンナイ給湯器リモコン用SwitchBot補助具

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xTool F2ファーストインプレ(F1をリプレイス)

新しいレーザー加工機xTool F2が届きました。F1を一ヶ月ほど使った経験も踏まえて簡単にレビューしてみようと思います。

買い換え経緯はこちら。

F2が予約解禁の翌日発送連絡が来まして、2台並べるスペースはないのでその日のうちに返品のため梱包。なので同時比較はできません。

梱包面で違ったのはF1は段ボールの中にさらにカラー印刷された化粧ボックスがあったのに対し、F2は段ボールの中はすぐに梱包材という感じ。付属品箱もF1は本体色にあわせたであろう鮮やかなグリーンでしたが、F2は段ボール色。ギリギリまでコストを削って価格を揃えたのかなという印象。

サイズは少しだけ違うようですが感覚としては同じでそっくり入れ替えという感じ。端子類のレイアウトも同じなので最低限の時間で設営できました。

スマホから使えない?

2025.11.10現在、スマホアプリのxTool Creative Space Mobileで認識されません。バージョンは2.2.0で10ヶ月前に更新されたきりなのでF2のプロファイルを持ってないと思われます。他PCからWi-Fi設定を済ませてIPアドレスを直打ちしてもエラーになります。最近PCツールもxTool Creative SpaceからxTool Studioにリニューアルされたようなので、モバイル版もいずれxTool Studio Mobileみたいなのがリリースされるのかな?このまま廃止ってことは、、、

正直モバイルアプリは使ってなかったのでそれほど困ってないですが、PCと本体設置場所が離れている関係で、F1のセットアップはスマホで済ませたんですが、今回はそれができずに、MacBook Proを本体近くまでもっていき一時的にUSBケーブルをつないでWi-Fi設定する必要がありました。

プラスチック(3Dプリント品)加工では出力/速度の恩恵は控えめ

自分の用途は主に3Dプリンターで作った造型物にマーキングをすること。

その意味では、4,000mm/s→6,000mm/sの高速化とレーザー出力の強化は今のところ恩恵は感じないです。5~6,000mm/sの速度域だと早すぎてほぼ色が付きません。また出力も30~60%位が一番オイシイ領域な気がします。それを複数パス繰り返すのが一番綺麗に出るかなという感じです。ただこれは黒いフィラメントに対して白化で色を出す時の話で、もともとあまり上手くいってなかった白いフィラメントに濃い色を出す方は未検証です。もしかすると出力を上げることで改善できるかなとは思っています。

カメラが超絶便利!

我が家ではPCと加工機本体の設置場所が2mほど離れておりWi-Fi経由で接続しています。なので、本体の側にいってレーザープレビューを確認したりスタートボタンを押すのが微妙に手間でした(運動にはなる)。

それが今回F2にカメラが搭載されたことで、xTool Studio上で位置あわせをできるようになり、最終的にスタートボタンを押す時だけ本体前に行けばよくなりました。この価値はプライスレスです。

例えばこんな文字をマーキングをするとします(水色線は位置あわせだけで刻印したいのは文字のみ)。

従来のレーザーによるプレビュー

これまでは弱い出力のブルーレーザーを出して位置確認をしていました。描画方法としては、

  • 長方形:すべての描画オブジェクトを囲う長方形のエリアをプレビュー
  • 輪郭:個々のオブジェクトの外形を描くプレビュー

もちろん輪郭の方が正確に位置が確認できるのですが、レーザーの軌跡が長くなるため一周する時間がかかり、肉眼でみると途切れ途切れで見づらいのが難点でした(写真ではシャッタスピードを落として露光しています)。

そこに今回から「ポリゴン」というのが加わりました。つまり多角形で外見を描画する形です。2つの中間のモードという位置づけじゃないでしょうか。写真では下の形状がシンプルなので長方形とあまり違いがないですが、右端がAの文字に沿って斜めになっているのがわかります。もしかすると今後これをデフォルトにするかも知れません。

長方形モード
輪郭モード
ポリゴン(多角形)モード

ただ、F2ではそもそもこのレーザーを使ったプレビューを使う機会はあまりなくなるかも知れません。レンズに隣接するカメラが搭載され、xTool Studio上で位置あわせできるようになったからです。その様子がこちら。

もはや位置あわせの線すら不要で、オッサンUI屋風にいうとWYSIWYG(What You See is What You Get)です。この状態でオブジェクトを位置調整してスタートすれば良いのです。歴史が一歩動いたという感じ(上位機種には以前から搭載されてましたが)。一時F1を使ったおかげでこの有り難みをひしひしと感じることができます。

バッチフィルが神

カメラを搭載した恩恵はそれだけではありません。これも上位機種には既に実装済みではありましたが、バッチフィルという量産に有用な機能が使えるようになりました。素材を無造作に並べてもAIが認識してくれて同じ加工を施すための位置決めをしてくれるというものです。

プレートに同じ造型物を3つ置いて、1つだけ彫刻オブジェクト(テキスト)を位置あわせします。適当に置いたので微妙にナナメっているのがポイントです。テキストも1.5°反時計回りに回転しています。

アプリケーションメニュー(左サイドバーの下から3つ目)から「バッチフィル」を選択します。(Network required)となっているので、認識処理はクラウドで行うようです。

結果はこう。残りの2つにも傾きも含めていい感じに彫刻オブジェクトをコピーしてくれました。感動。フリーダムガンダムのマルチロックオンみたいで燃えますねw。

信頼性はこれから検証ですが、おおまかに合わせてくれるだけでも大助かりだと思います。L字位置あわせ治具を使って1つ1つ加工していくのが基本でしたが、複数個を一度に加工できるのも便利。スライドエクステンションでも使えるはずなので、さらに大量の一斉加工もできそう。ただ最初に一個は手動位置あわせが必要なので、本当に同一品を機械的に量産するのであれば、3Dプリンターなどでパレットを作って完全固定配置してデータも固定で造形する方がもしかしたら効率的かなとは思います。

あとカメラ撮影用に照明が装備されたのも地味に嬉しいかも。

一緒にボタンスイッチも購入

公式ストアで注文するついでに、気になっていたボタンスイッチ(xTool F1/F2 Button Switch)も購入しました。F1/F2では本体右側面の上奥にあるボタンで加工スタートや再実行を行います。スタートは1回、同じ内容の再実行は2回押します。これが場所が奥にあるので手を伸ばすのが面倒だったり、さらに本体の高さが高いのでテコの原理で本体が倒れそうになったりして地味に不便でした。

xToolはそれを見越して業務などで盛々加工するユーザ向けにリモート操作のボタンと足踏みペダルを用意しています。我が家の場合、床面にいい場所はなかったのでボタンをチョイス。有線式でケーブルが本体脇を通るとスライドエクステンションやロータリーユニットを脱着する時に邪魔になるなと思って、ラックの下を通して設定。これ実際にはケーブルが背面から生える形になりますが前後逆向きでの設置になりました。キートップが普通のMX互換ステムで刺さってるだけならキーだけ前後逆にはできるかも知れません。→できました(写真は反転前)

たかだかUSB-Cケーブルが生えたキー1つのユニットで4,100円はなぁと躊躇しましたが、はやり雑に二度押しなどしても本体を揺らさない安心感はアリだなと思います。必要かどうかはさておき、塗装など質感は高いです。

まとめ

F1を買って1ヶ月でF2が発表になってしまいますがxTool社の神対応で返品&買い直しができました。

カメラ機能はとても便利で非常に満足しています。これから買うならF2をお勧めします。IRが不要な場合だけF1 Liteと悩む、という感じじゃないでしょうか。

一方で、既にF1をお持ちでしたら、ことプラスチック加工に限っていえば実効的な性能差は小さく、量産効率はパレットを作るなどの工夫で埋められるしなぁ、という気もします。特にPCと本体を隣接して設置していればそこまでカメラ必須でもないかもは知れません。

[3Dプリント] トヨタスマートキー小型化ケース刷新、IGLA2キーフォブ一体型もあるよ!

車のスマートキーってなんであんなにデカいんですかね?あらゆるものが技術進歩で小型化する中、自動車のスマートキーはちっとも進化しないというかなんなら大型化しています。イモビライザーに要求されるセキュリティ機能が高度化する中で仕方ないことなのかも知れませんが。また昨今はスマホを使ったデジタルキーなども搭載が進んでいますが、特にバックグラウンド動作に厳しいiOS(iPhone)では実用上まだまだ難アリだと思います。せめてBluetooth機器のように複数の車両とペアリングできれば良いのですがそれすら実現する気配もなく、複数台の車を所有している場合はこのデカいのをいくつもぶら下げるはめになります。

■スマートキーの構造について

ところで、皆さんはスマートキーの電池交換などでケースを開けたことはありますでしょうか?ディーラーやカー用品店でやってもらうという人もいるでしょうし、意外と中を見たことがないという方もいると思うので、写真を貼ってみます。

スマートキーの中身

写真の赤枠部分がメインの基板(電池含む)です。そして青枠は非常用のメカニカルキー(物理鍵)です。電池切れの時などに引き抜いてドアの鍵穴に刺して昔ながらの開け方をするものです。このようにメカニカルキーが外周に格納されているため一回り大きくなっています。その他、衝撃吸収とか浸水のマージンとか色々設計上の都合はあると思いますが、実際の動作に必要な基板は思いの外小さいということです。

以前このブログでは、30プリウス(ZVW30)のスマートキーを小型化する試みをしました。

メカキーを廃して基板ギリギリサイズのケースを3Dプリンターで自作したのです。今回はメイン車両である新型クラウン用のものについても改めてチャレンジしてみた、という記事になります。先の写真のスマートキーはトヨタの現行車種の多くでも使われているタイプです(ハリアー、カローラシリーズ、ヤリスシリーズなど、電動ハッチバック非搭載車は2ボタン)。

■新たにクラウンなど現行車種用も製作

今回の進化ポイントは、

  • 従来格納できなくなっていたメカキーに鞘状のカバーを製作し、一緒に鍵束にぶら下げられるようにした
  • レーザー刻印機を導入したので、ボタンのアイコンなどをフィラメント交換式に比べより精緻に入れられるようになった
  • カーボン模様転写ビルドプレートを使い、表面と背面にカーボン柄(微細な凹凸)を入れてみた
  • 動作LED部分は薄く造形して透かしていたのから、透明レジンによるクリアパーツ化で視認性アップ

という辺り。現状の仕上がりはこんな感じ。

現行スマートキーの基板は長方形ではないので、それに沿わせて凹凸のある外形になっています。メカキーのカバーを作るというのはある方にいただいたアイデアなんですが、やはりメカキーも携帯しないと不安だという方や、鍵束にぶら下げないまでも周りに傷をつけない形でバッグの底などに入れておきたいという方にも刺さるんじゃないかなと思います。ついでに同じ製法でプリウス用もリニューアルしてみました(レジンパーツと鞘ケースは除く)。

IGLA2のキーフォブも一体化

我が家のクラウンクロスオーバーにはAUTHOR ALARM社のカーセキュリティIGLA2+を搭載しています。乗車時の自動セキュリティ解除のために、小さなタグ(キーフォブ)を携帯しておく必要があるのですが、これも樹脂カバーを外すと電池と小さな基板で構成されていますので、ついでとばかりに本ケースの底に搭載できるようなバージョンも作成しました。

基板が二階建て構造になり電波干渉が起きないか不安で、アルミ板をシールドとして挟むことも検討しましたが、現時点では特になにもせずとも動作は良好な気がしています。

二階建てになった分、厚みは少し増していますが、それでもポケットの中での収まりは良いんじゃないかなと思います。

こちらがメカキーを収める鞘ケースです。とりあえず凝ったロック機構などは設けず、穴のキツさだけで固定しています。滅多に使用するものではないので、結構固めで不意に外れないことを優先。

■現状の課題

夜間の視認性がイマイチ

レーザー刻印によるマーキングは明るいところでみるとかなりクッキリしていて綺麗なのですが、真っ暗に近いところだと反射面積が少なくてやや見づらいかなと感じています。カーボン柄の反射に埋もれがちなのもあるかも知れません。基本的にここのボタンを操作するのはたまにバックドアを手動で開けたい時くらいなので致命的とまでは行かないですが、素材カラーや刻印のデザイン、サイズ、太さなどで改善できるならしたいなというところです。

白字に黒は見やすいが、レーザー刻印では難しく研究が必要

形状での判別しづらさ

似たような話ですが、ポケットに手を入れて操作しようとした時に、向きや裏表の判別を手触りだけでするのがやや難しいなと思います。向きは鍵束のリングの付き方などでまだなんとかわかりますが、裏表に関してはどちらも全くのフラットなのでちょっと困ります。これまた使用頻度が低いのでどこまで突き詰めるかは思案中。

3Dプリントなので自由に凹凸をつければいいんですが、3Dプリンターの構造上、やはり一番綺麗に面が作れるのはビルドプレートに押しつける底面なんですよね。ここの凹凸をつけるということは、その面を上にして造形するとか、下にサポート材という捨て部分を作ることになり、結果的に表面の滑らかさが犠牲になります。そうするとレーザー刻印も綺麗に出なくなったりとデメリットも多いのです。表面のフラットさをキープしつつ、上手く裏表が判別できる形状を考えたいと思います。

  • 裏面だけにモールドをつける
  • 側面の形状を工夫する
  • 後から凸部品を貼り付ける
  • 初期プリウス用みたいにボタンパーツを別体化する
オリジナルのボタンパーツを流用した例

スナップフィット(パチ組み)の強度

プリウス版では外側に爪を4箇所生やしてパチっとロックする機構でしたが、今回はそれを内側に隠蔽する構造を採っています。当初6箇所にしていましたが、小さい突起なので何度か開け閉めしていると折れてしまうことがありました。3Dプリンターの積層方向の関係でどうしても剥がれやすい向きでもあります。

スナップフィット部分の拡大図(初期版)。3Dプリンターが造形する層毎の筋で割れやすい

現在は爪から全周囲む形にして強化を図っていますが、いずれにせよ

  • 意図せずパカっと開かないこと
  • 電池交換時には労せず開くこと(純正スマートキー同様、メカキーでこじって開くスリットを設置)
  • 繰り返し開け閉めしても破損しないこと
  • 落下などの衝撃でも破損しないこと

などが要件となり、まだまだ検証が必要そうです。

防水性

純正スマートキーではボタン部分をカバーするシリコンシートが挟まっていますが、本品ではボタン部品がなく、表面のたわみだけで内部スイッチを押す構造なのでシリコンシートは流用していません。ただキャスト(金型に溶けた樹脂を流し込んで作る方法)と違って、3Dプリント品な層と層の間に微細な隙間が空きがちなので、どうしても完全に水分を遮断するのは難しいです。層の厚さや温度(溶かし具合)で改善はできるのですが、他の造形上の都合との両立も難しかったりします。

トヨタのスマートキーは「飛沫は平気だけど洗濯したらアウト」というスタンスのようで完全防水とはなっていません。現状はそれに準じるくらいの防滴性能くらいが目標かなと思います。

3Dプリントで造形する以外の方法での防水も考えています。

  • 防水スプレーなどでコーティングする(表面は摩耗するので内側?)
  • 内部基板をリモコンなどを水滴から保護する熱収縮フィルムで保護?
    • ドライヤーやヒートガンで基板を炙ることにリスクもあり

技適問題

前記事でも触れましたが、電波を出す製品は検査を受けて技適(技術基準適合証明マーク)を取得して販売されます。これを改造することは基本的にできません。ただ調べた限りスマートキーの技適番号は内部の基板に刻印されています。つまり基板単位で認証をとっており、外装ケースは認定に含まれていないのでは?という指摘があります。事実トヨタの異なる形状のスマートキーで内部基板と技適番号は共通だった、というパターンが存在するようです。ただまぁこれについてはなにもみても誰に聞いても「大丈夫です!」というお墨付きは得られにくく、どこまでもグレーだと思います。あくまで樹脂ケースだけ頒布して組み付ける(改造する)のは自己責任でヨロ、という逃げも可能かもは知れませんが、まぁあまり大っぴらにはできず、個人で使うだけに留めるのが無難かなぁと。なのでショップには陳列しないかもです。

■まとめ

メカニカルキーを一体化して携行できないという点を犠牲にすることで、よりコンパクトなキーカバー(シェル)を自作してみました。常時2つ持ち歩く私としてはポケットの中が劇的に”スマート”になった気がします。また今回は外したメカニカルキーにも鞘をつけることで一緒に鍵束にぶら下げたり、バッグの中などに入れておくことができるようにもなりました。

大手を振って販売できると喜ぶ人も少なくないとは思いますが、法律的なところ誰か詳しい方教えてください。

2025.11.08追記: メカニカルキー収納Ver試作

とはいえメカニカルキーも一緒に格納しつつ最小サイズを目指してみるということで、写真のように差し込めるものを試作。

メカニカルキー格納版の内部レイアウト

トヨタのメカニカルキーは樹脂のヘッドパーツが割と大きいんですよね。そこを持って捻るのでそれなりに大きさがないと力が入らない。普通の鍵みたいに平たいプレートすると収まりが悪いということでこういうL字的な形状ではあるんでしょう。これを削ったりして除去して独自ヘッドをつけるというのは、頒布を考えると現実的ではないので一旦断念。元のヘッドのまま格納できるレイアウトを考えるとこんな感じになりました。

まだレーザーマーキングもしていない試作レベルですがサイズ感はこんな感じ。

キーの厚みの分、横幅が増し、ヘッドの分全長が伸びた形です。結果として純正スマートキーとそれほど変わらないフットプリントになってしまいました。厚みは抑えられているので、ポケットの収まりは多少マシではあるんですが、インパクトは弱まっちゃいますね。

玄関ポーチライトの制御をSwitchBotからSesameボット2へ移行

玄関ドアの外側の屋根のある部分(以下ポーチ)の照明をIoT制御したいと思って、クラウドファンディングで買って余ってたSwitchBotを使っていました。壁スイッチはPanasonicのコスモワイドシリーズ21の3ボタンタイプで、そのままだとSwitchBotと相性が悪かったので、3Dプリンターで固定具を作りました。

照明スイッチコスモワイド21用SwitchBotマウンターの自作

しかしこれがどうも安定動作にもっていけず。設置時点で大丈夫そうだと持ってもしばらくするときちんとボタンを押し込めず。基本的にオートメーション機能で日没前に点灯し、日の出で消灯みたいな自動化をしてるんですが、スイッチは1つのトグルなので、きづくと点灯消灯が逆転していたり…

そこで、ついに重い腰を上げてSesameボット2に乗り換えてみました。こちらの方がアームの稼働(回転)範囲が広いし、ボディ外側に出ているアームを交換したりカバーパーツを付けたりもできるので、最悪でもまた3Dプリンターでオリジナルアームを作ってみたりできるんじゃないかと。ソフト面ではSesameアプリ単体ではオートメーション機能がなく自動化ができませんが、Matter対応なので、Google Home/Alexa/Apple Homeに登録すればそちら経由でなんとかなるだろうという目論見。

CANDY HOUSE キャンディハウス Bot 2 ホワイト

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早速3Dプリンターで固定具を製作

CGの左がSwitchBot用、右がSesameボット2用です。Sesameボット2の方が若干フットプリントが小さく、さらに両面テープが貼ってある部分は小さいので、固定プレートは小さめ。アームの位置も異なるので位置もかなり下がります。これでも3連の一番上のスイッチの真ん中あたりを押す想定です。

実際に取り付けた様子がこちら。

レイアウト的に3つボタンそれぞれに3台のボット2を配置するのは難しそうですね。左側に配置して引っ張るアダプタをつけるとかですかね。

SESAME Bot 2用コスモワイド21マウンター

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・セッテイングには少しクセがある

SwitchbotとSesameボット2に大きな違いは、前者がアームを倒して戻すという往復動作をするのに対し、後者(本品)はアームを360°回転する仕組みです。そのお陰でモデルカーの車輪を回すみたいな応用も効くのですが、ことスイッチを押すという目的だと逆に少しまどろっこしく感じることも。

具体的には「0.x秒正回転」「0.x秒逆回転」みたいな動作を時系列に組み合わせて「台本」というもの作ります。角度ではなく時間で指定します。例えば今回のセッティングでは試行錯誤の結果、

  • 0.3秒回し、
  • 0.2秒戻す

という台本になりました。「おなじだけ0.3秒戻す」んじゃないの?と思われるでしょう。これが本品の面倒くさいところです(^^;)。まず本体を基準にした絶対角度で指定できません。あくまで今のアーム位置から相対的にn秒間回すことしかできないのです。回転速度は一定時間の通電である程度一定の角度を得られそうなものなんですが、それでもなんらかの外的要因でアームの角度が変わってしまうとアームがきちんとボタンを押しきらない、ということも起こりえます。手で回しても簡単には回りはしないのですが、ボタンをグっと押し込んだ後とかにノックバック(反動)で大きめに戻ったりしがち。そんなこんなで綺麗に毎回同じ動作を繰り返すということがそもそも苦手な製品だと感じました。

そんな中でどうにかやりくりをして見出したポイントが、

  1. 長めに回して確実に押す
  2. 押す力を緩めるくらいの意味でほんの少し戻すステップを入れてやると、あとは勝手に反動で戻る
  3. 本体の固定をしっかりする

という3つ。アームがどんな角度からスタートしても確実にボタンまで到達するように長めにします。すると当然早くタッチしてしまった場合も続けてグイグイ押し続けることになります。でもそうするしかない。この時、本体が負けて滑落しないよう3.のしっかり固定しておくというのが大事になります。そして充分な時間をかけてボタンを押したあとで、同じだけ戻すとまたアーム位置が不確定になります。その代わりに0.1秒という極短時間戻す動作を入れると押す力がふっと抜けて、ボタンのバネの力でいい感じに跳ね返されて、概ね一定の位置に戻ることを発見しました。

跳ね返って戻るという不確定な動作に頼るのは甚だ気持ち悪いのですが、現状上手くいきそうなのはこのパターンのみでした。

ちなみに公式も含めてググると「回転モード」みたいなのが選べる設定画面が出てきますが、これは初代ボットにあったもので、ボット2からは削除されているぽいです。あくまで、正回転、逆回転、止めるの組み合わせに秒数を組み合わせて「台本」を組むのがボット2です。

なおこの台本は0番から9番まで10本作っておけます(0番始まりなのがエンジニア脳な人が作ってるなという感じで微笑ましい)。後述のSesameリモートをペアリングした場合、解錠ボタンを施錠ボタンが0番と1番に紐付く様です(逆かも)。コスモ21の場合、ONとOFFの動作は同じなので、台本0と台本1には同じ設定を入れました。そして微妙な位置調整が必要になった時のために、台本2は「0.1秒(最小単位)戻す」だけのセッティングをしました。どうしてもボタンを押し込んだままの位置で止まってしまった、といった時に使うようです。台本2~9はスマホアプリからのみ実行可能ということになります。あと台本に名前がつけられずにあくまで0~9のどれがなんだったかはユーザが覚えておかないとならないのが残念。

とまぁ、いままで色々使って来たSesame製品の中ではちょっと設定回りが惜しい気がしています。それでもSwitchbotよりは確実にボタンを押して照明をON/OFFできてるので、今の時点では替えて正解だったかなと思っています。操作の反応もSwitchbotよりクイックな印象。あっちは「あれ?反応しなかった?もう一回押すか?」ってなるレベルで待たされることありました。

ともあれ、これから長期的に安定して稼働するかどうかは見て行きたいと思います。

外での点灯にはSesameリモートnano

玄関ポーチの照明をスマート化する動機その1は、「ドアの外からも点けたり消したりしたい」です。

SwitchBotにはリモートボタンという別売りアクセサリがありましたが、Sesameではリモートやリモートnanoが使えます。今回は小さくて安いリモートnanoを買ってみました。nanoは標準でストラップもついており、キーホルダー的に鍵束やランドセルにぶら下げて使うモバイル用の位置づけなんですが、ストラップは取り外せるようになっています。

CANDY HOUSE キャンディハウス Remote nano ブラック

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Switchbotリモートボタンの時と同じように玄関にある置き配棚(ルミナスラック)に固定する治具をこれまた3Dプリントで作りました。nanoの背面はフラットなので両面テープで貼り付けるだけの簡単なものです。背面パネルはスライドできる電池ブタになっていますが、これを貼り付けたままでも問題なく開けられます。

取り付けた様子がこちら。

モバイル用ということでフルサイズのリモートよりバッテリーが小さいため、普段はスリープしているようで、ボタンを押してからボット2が反応するまで若干待たされる感じはあります。こういう固定の使い方ならフルサイズ版の方が良かったかなと思います。まぁ今回はまだ持っていないnanoを買って採寸して色々なアクセサリを作ってみたいなという意味合いがあったので。そのうち耐えきれなくなったらフルサイズに替えるかもですが、今のところ耐えられないほどの遅延ではない気がします。

本来的な用途で、例えばスマホをまだ持たせてない子ども用とかには良い製品かなと思います。バッテリーは3~10年保つとのこと。電池はやや馴染みの薄いCR1632というサイズ。

難点としては、初期設定時以外に設定画面に入れないということ。一度設定をして画面を抜けると、次にまた設定画面に行くには、裏面のリセットボタンを細いピンで長押しして再度アプリで新規デバイス追加フローをしなければなりません。省電力との兼ね合いなのかアプリ側から設定を呼びだせないのです。名前を付け替えることすらできません。そして、このリセットのピン穴がまた小さくて刺さるものを探すのが大変、、安定運用が始まればそうそういじることではないとはいえ、初日だけでなんやかんや3回くらいリセットしました。

オートメーション機能が標準アプリにはない

玄関ポーチの照明をスマート化する動機その1は、「朝晩に自動点灯/消灯したい」です。

しかしSesameはもともとスマートロック製品なせいか、現時点で標準アプリ単体ではオートメーション機能がありません。やろうと思ったら、

  • Sesameハブ3経由で、Appleホーム/Google Home/AlexaにMatter連携する
  • Nature Remoと連携する

といった座組が必要になります。Nature RemoはSesameスマートロックやSesameボットの共有キー(QRコード)を使って直接紐付けするので、ハブ3を設置してなくても使えます。一方でたぶんBluetoothを使って通信なので、物理的にSesameボット2とNature Remoが離れている場合不安定になる場合があります(ウチでは警告が出た)。Sesameハブ3を設置して経由する場合、ハブ3とSesameデバイスがBluetooth通信して、ハブ3と他のスマートデバイスはIP通信になるので、Wi-Fiは有線LANを介して家中で安定通信が見込める、という違いがありそう(ハブ3の位置だけは留意が必要)。

我が家では全てあるんですが、なぜかGoogle Homeだけはエラーになって連携できず。今回はAppleホーム(HomeKit)がレスポンスも良かったので「ホーム」アプリでオートメーションを組みました。

ただいずれにせよSesameボット2は照明の物理ボタン(コスモ21)のON/OFFを識別できないので、各アプリが認識するON/OFFを実際の点灯状態は必ずしも一致しないという制約があります。人が手動でスイッチ操作したり、ボットによる押下に失敗したりするとアプリ上のステータスと反転してしまう必要があります。日の出や日の入りでオートメーションをしたら、極力人力で操作しないようにするなどの運用が必要です。またGPSなどと連携して「帰宅したら点灯」みたいなことももし最初から点灯していたら消灯させてしまう結果になるので、あまり上手くないでしょう。これはSwitchbotも同じなんですが。きちんと物理のON/OFFを連動させたければ、壁スイッチ自体をPanasonicのリンクプラスとかに置き換えるか、トグル式ではなくシーソー式のスイッチにするしかないですね。

リンクプラスは無線ブリッジまで含めると高いし、2スイッチモデルまでしかないのでちょっと我が家にはそぐわないんですよね、、

なおシーソースイッチにする場合は、アームセットに含まれるスイッチレゴアームを使う必要がありそうです。シールを貼って引っ張ってオフ動作をする感じ。あれ、でもこれアームの絶対位置を検知しないボット2の仕様だと、連続でONとか連続でOFFしたら簡単にアーム位置がズレでおかしくなるような??公式の動作イメージに載せてくくらいだけど本当に実現できる(実用になる)のかな?

いずれにせよ電気工事士の資格がないと触れない工事内容になってしまうので断念。

■まとめ

重い腰をあげて(オリジナルマウントが)動作不安定なSwitchbotからSesameボット2に移行して、とりあえずは安定して動作するようになりました。これで毎日定時にON/OFFされてくれれば毎日の手動操作からは解放されそうです。ただ日の出と日の入りトリガーだと少しタイミングとして不満があるので、季節毎に時刻を調整しつつ使って行く感じになるのかな?と思っています。

LIFLEXソーラーウォールライトのバッテリーを交換する~18650電池の選び方

LIFELEX(コーナンのプライベートブランド)のソーラーウォールライトはマグネットでどこでもくっつけられる便利なLEDソーラーライトです。

写真はLED色が電球色のホワイトモデル

買って来てそこらの金属部分にバチンと(強力磁石でペタっといよりバチン!とつくので注意が必要です)つけるだけで配線不要でセンサー照明をつけられます。明るさは三段階で最大なら直視できないほど眩しいです。

気に入って我が家では庭の何か所かに設置しています。先日は木製のてすりに固定する3D プリンター製ホルダーも作りました。

[3Dプリント] コーナンLEDセンサーライトの取付治具を製作

最近光ってないことがある…

しかし最近、ふとみると充電不足なのか光っていないことがあります。単に冬場で日照時間が少ないので充電が足りないのか、そもそも2,3年経ってバッテリーが劣化して充電効率が落ちているのか(まぁ両方でしょう)。残念ながらこのライトは公式では「充電不可」となっており基本使い捨てとなります。んー、ソーラーパネルやLEDは別に壊れてないのでもったいないですね。

実は汎用規格の充電池が入っている

メーカー公式で「充電不可」といっているので、以下はあくまで自己責任の試みとなりますが、これの充電池は汎用品でかつ取り外しも比較的簡単です。

背面をみると普通に電池ブタがあります。おそらくこれは廃棄する時に分別を楽にするための配慮だと思いますが。ただ結構固いです。「廃棄時以外には開くなよ?」という強い意志を感じますw。爪でやろうとせずマイナスドライバーなどを使った方が無難でしょう。

フタをあけるとフツーに電池ボックスです。半田付けなどはされていません。そして装着されているのはいわゆる16850サイズ、3.7Vタイプのリチウムイオン充電池です。これは世の中のバッテリー内蔵機器やモバイルバッテリーでめちゃくちゃ使われている規格です。掃除機とかも分解するとこれが並んで入ってたりします。太さが16mm、長さが85mm、最後の0は円筒形タイプであることを意味するようです。以前海外製のバーコードリーダーでも使われていました。

Teraのバーコードリーダー6200のバッテリー交換

さすがに家電店やホームセンターでは売ってませんが、Amazonや楽天、アリエクなどでは普通に購入可能です。ただし注意が必要な点として、下の写真のようにプラス極に乾電池のような突起がついている必要があります。

同じ「16850」バッテリーとして売られているものの中にはプラスもマイナスも同じく平らなものや、リード線(ケーブル)が溶接済みのものがあるので注意。バーコードリーダーの時はむしろリード線付きを選ぶ必要がありました。同じ規格ですがケースバイケースで色々な加工パターンがあるので要注意。今回はプラス極がでっぱってるのが必要です。

電圧はどれも3.7Vのはずですが、容量は色々です。最初に入っていたものは1,500mAhでした。ちなみに「株式会社 大進」と書かれています。ネットで見付かるのは5,800mAhとか9990mAhとか

ホンマかいな?といいたくなります。同じリチウムイオン電池、同じ容積でそう何倍も容量アップできるなら世の中の充電式機器にとって大進化です。それとも1,500mAhのものが材料ケチって作られているんでしょうか?

ChatGPTさんに「容量が1,500mAhから9900mAhのものまで差が大きい理由は?」と聞いてみました。


18650リチウムイオン電池の容量が1,500mAhから9,900mAhといった幅広い範囲で表示されている理由は、主に以下の4つの要因が関係しています。


1. 実際のセル容量の物理的限界

現在、正規メーカーが製造している18650セルの最大容量は約3,500mAh程度です。

  • 高容量型(3,000mAh〜3,500mAh) → パナソニック NCR18650Bなど
  • 高出力型(1,500mAh〜2,500mAh) → ソニー VTC5、サムスン 25Rなど

9,900mAhなどの異常に高い数値は、詐欺・偽装の可能性が高いです。


2. 高容量 vs 高出力のトレードオフ

リチウムイオン電池にはエネルギー密度(容量)と放電能力(出力)のトレードオフがあります。

タイプ容量(mAh)最大放電電流(A)用途
高容量型3,000〜3,500mAh5A〜10AノートPC、LEDライト、ポータブル電源
高出力型1,500〜2,500mAh20A〜30A電動工具、電子タバコ、ドローン

→ 高容量タイプは大容量だが放電能力が低く、高出力タイプは放電能力が高い代わりに容量が小さくなる


3. 偽装セル(フェイク18650)

AmazonやAliExpressなどで「9,900mAh」などと表示されている18650電池は、ほぼ100%詐欺です。

  • 実際には、中古セルをリパックしたものや、内部に小さなセルを入れて空間を樹脂で埋めたものが多い。
  • 信頼できるメーカー(パナソニック、ソニー、LG、サムスン)以外の超高容量表記は要注意

例:よくある詐欺セル

  • 「9,900mAh」「12,000mAh」→ 実測 800mAh 〜 1,500mAh
  • 「5,800mAh」→ 実測 1,800mAh 〜 2,200mAh

まともな18650で4,000mAh以上のものは存在しない


4. パックバッテリーの合算表記

一部の販売者が、複数の18650を並列接続した合計容量を表記していることもあります。

例:

  • 3本並列(3,000mAh × 3)= 9,000mAh
  • 4本並列(2,500mAh × 4)= 10,000mAh

→ これを単体セルのスペックとして表示する詐欺業者も存在。


まとめ

  • 信頼できるメーカー製18650の最大容量は約3,500mAh
  • 1,500mAhのものは高出力タイプ、3,000mAh以上のものは高容量タイプ
  • 9,900mAhなどの異常に高い表記は詐欺の可能性大
  • 複数セルの合算容量を1本の仕様として偽装している場合もある

→ 「9,900mAhの18650」= 99%偽物!
購入時は信頼できるメーカーの製品を選ぶのが重要です。


だそうです。さすがだ。

  • まともなのは3,500mAhまで。それ以上は容量詐欺。
  • 1,500mAh前後タイプと3,000mAhタイプは用途で使い分け。

ということのようです。今回のライトは高出力タイプが適しているとういことであえて1,500mAhタイプを採用していた可能性が高そうです。

もっともそれを見越して正規容量っぽい商品もあるかも知れませんし、大手メーカー製を騙る偽ブランド商品もあったりでこのジャンルでは小売り品できちんとしたものを買うのは難しいですね。SAMSUNGとかPanasonic、SONYみたいな信頼あるブランドはほとんど小売りはされてない気がします。

1,500mAhで探してみるとこんなのがありました。

同じっぽいブランド、同じセラーですが、2本と4本で値段差が異様に小さい…これはこれでどうなん?って感じですねぇ。

あやしい電池は発火が恐いので、結局それを見越してメーカーも「交換不可」と言っといた方が無難という判断なのかも知れません。それだったきちんと調達したものをマージンのっけてでも交換部品として販売してほしい気もしますが…

きちんとしてメーカーが一般販路で売っているものとしては、オーム電機ブランドのものがありました。同社のソーラーセンサーライト用のようです。ただこれはリチウムイオン電池ではなくリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO₄)電池ですね。発火しにくく寿命も長いということでポータブル電源とかで注目されているヤツです。電圧が3.7Vではなく3.2Vです。

ChatGPTさんのまとめてもらった比較表がこちら。

1. LiFePO₄(リン酸鉄リチウム)と一般的なリチウムイオン電池の違い

項目Li-ion(通常の18650)LiFePO₄(3.2Vタイプ)
公称電圧3.6V〜3.7V3.2V
満充電時電圧4.2V3.6V
放電終止電圧2.5V〜3.0V2.0V
寿命(充放電回数)約300〜500回約2000〜5000回
安全性発火・爆発リスクあり非常に安全
エネルギー密度高い低い
用途ノートPC、懐中電灯、Vape太陽光発電、電動自転車、UPS

まさにソーラーライト向けって感じ。これを採用しているOHM電機さんリスペクト。

OHM製なら全部そうとは限りませんが、これとかは3.2Vとなってるのでビンゴですかね。

んー、次に買うならこれにしたいかも。

それはそれとして、今回のLIFELEXのはどうしましょうかね。ダメもとでLiFePO₄タイプをぶちこんでみたい気もします。無難なのは1,500mAhタイプをまともそうなセラーから購入でしょうか。

そんなこんなしてると、同居人が以前買って放置してあったこれを出してきてくれました。

18650電池が脱着できるモバイルバッテリーです。見方を変えれば4本の18650バッテリー+充電器とも言えますw。そもそも元のバッテリーが劣化しているのか単に日照時間が短くて充電できてないだけなのかもわからないので、一旦この電池に替えてみる、あるいはこの充電器を使って元の電池を充電して使ってみる、というのが良さそう。それで電池の劣化でない場合は、ソーラーパネル別体型に買い換えて照らす方向と太陽光を受ける方向を独立で設置できるようにするかないですもんね。ちなみに付属のバッテリーは2,000mhAと記載されてました。4本あわせても10,400mAhにはならない点はさておきw、電池単体でみると無闇に盛ってないだけ好感が持てます。

あるいは一度フル充電してやればこの冬は乗り切って、日照時間が長くなってきて秋までは持たせられるかも知れません。LIFELEXのライトは実は説明書に「買った時は充電減ってるから夏は2,3日、冬は5,6日、日に当てて充電してから使ってね」と書いてあります。これ理屈はよくわからないですが、ある程度初期充電ができてないと持続的に使えない、ということになるので、たまに満充電にしてやることも意味があるのかも知れないなとか。

一旦こちらでやりくりして経過観察してみようと思います。