久しぶりに電子書籍自炊ライフに衝撃をもたらすiPhoneアプリを発見しました。その名は「bREADER」。青空文庫向けだとばかり思ってスルーしていたんですが、なんと自炊電子書籍、つまりスキャナで読み込んだビットマップ画像で構成されたファイルのリフローに対応しています。リフロー、つまり画像を文字単位で認識して画面のサイズにあわせてレイアウト(改行位置)を変えて読みやすくする、といえばMetilTranが有名です。これはWindows向けのソフトで、事前に画面サイズを指定してリフローした画像を吐き出してくれるので、それをzipで固めるなりPDFに変換するなりして各種リーダーで読む、というものです。一方、bREADERの場合、WindowsまたはMac用のサポートアプリbrcを使用しますが、このツール自体は画像を解析した情報をd.brdというファイルでzip内に加えるだけの非破壊処理。実際のリフロー処理はiPhoneアプリ側でリアルタイムに行います。なので、画面ピンチで動的に文字サイズが変えることができますし、単一のファイルでPCでの閲覧とiPhoneでの閲覧に対応できます。
そして、今のところ試した感じでは、MetilTranに比べて誤爆が少ない。多少ルビが欠けることはありますが、行が真っ二つに割れてしまうような致命的な誤爆はいまのところ遭遇していません。挿絵のページが無駄にバラされるような誤爆もなさそう。ルビ欠けも画像のガンマ値を調整すれば減らせそうな感じ。今後新しくスキャンする時に少し試行錯誤してみるつもりですが、今まで少し文字を濃くハッキリよめるようにガンマ調整してたのが、あまり必要なさそうな印象です。
リーダーとしての使い勝手もまずまず。というか、
- 表紙画像に対応した本棚ビュー(リストビューも有り)
- アクセスしやすい明るさ調整
- 白黒反転、セピアカラーなど表示色カスタマイズ
- OpenInで他のアプリでダウンロードしたzipファイルを開ける
- 自動スクロール
とよくできてる部類。自動スクロールは最低速にしてもちと速いのが玉に瑕って位かな。
MetilTranというWindowsオンリーなツールに頼らずともMacのみで完結できるところもポイントですね。それでも個人的にはeTilTranで傾き補正などの下処理はする気がしますが。
なおbrc(解析ツール)の対応ファイルはJPEGまたはPNGが入ったZIPもしくはフォルダ。PDFで作ってしまった場合はバラして連番ファイル名で出力しておく必要があります。またおそらd.brdファイルが必要なので最終的にbREADERで読ませるにもPDFではダメでzipのみでしょう。なのでOCRなどとの両立は不可能です。また縦書きのみ対応、二段組みはOKのようです(未検証)。
これは小説積ん読消化が大幅に捗りそうです。