iPad miniが来て改めてPC遠隔操作系アプリを再評価。この小さくて軽いデバイスの上でWindows機の操作ができるというのはそれだけでちょっとワクワクします。
試したのは前記事でも書いたiTap RDP(1,000円)とSplashtop 2 Remote Desktop(600円)(価格は執筆時点)。
■iTap RDP
Windows標準の遠隔操作プロトコルRDP(Remote Desktop Protocol)を使用するので、Windows側は特にサーバーソフトを入れる必要がない一方、そもそもProfessional/Business以上のEditionしか対応してない。Home系Editionの人はいきなり選から外れます。σ(^^)はもともとPC-to-PCでもこれを使いまくりで、購入するOSは全てProfessionalを選択しているので無問題。最近のバージョンからは音声もiOS端末側で鳴らすことができるようになりましたが、たまに途切れるのでゲームとかにはちょっと厳しい印象。
長所としてはタップ箇所をズーム表示するルーペ機能があり、画面全体を拡大しなくても精密なポインティングができる点。
たまに寝室でiTunes上の音楽をAirPlayで枕元のコンポに流そうとしたけど、母艦でiTunes起動してなかったわー、とかテレビの録画周りの設定いじる時とかに重宝しています。
■Splashtop 2 Remote Desktop
こちらは独自プロトコルを使用しているので、サーバー側にも常駐ソフトをインストールする必要がある一方、パフォーマンス的にはRDPよりも良い感じ。Nvidiaドライバに最適化してるということなので、GeForce派の人には特にマッチするかも知れません。Radeon機では試してません。
音声も含めて割と快適なんですが、一部のゲームで全画面表示にしようとすると「直接描画には対応してません」的なエラーになります。DirectXを使ってるといいのか使ってるとダメなのかよくわかりませんが、相性問題が発生しやすいのは確か。画面が狭いiPadで使う上、やはりゲームは余計なノイズがない全画面表示でプレイしたいので、これはちょっと厳しい。しかも、一度この状態になると、一瞬でもフォアグラウンドになる度にこのエラーになって、終了もままならないことすらあります。ALT-F4で素直に終了してくれるソフトはいいんですが、それすらフックしてゲーム画面上に「終了してよろしいですか?」とか確認するようなソフトはもはやタスクマネージャーで殺すしかなくなります。
一方でRDPではできない長所としては、電源操作ができる点。RDPだとスタートメニューの一番下の項目が「ログオフ」とかになってしまい、スリープやシャットダウン操作ができません(まぁコマンドラインやバッチファイルを駆使する手はありますが)。また試してませんが、Splashtop 2アプリ上からWake-on-LANシグナルを使ってPCをスリープからたたき起こすことができるようです。あと、マルチモニタに対応している点も優位かと。
うーん、一長一短で用途によって使い分けというところでしょうか。どちらもそれぞれマウス操作をタッチパネル操作に置き換えるにあたって独自の操作ルールを定義していて、これまた一長一短だし、片方に慣れるともう片方にスイッチする時にこんがらがるという問題も。全体的にはiTapの方が素直で覚えやすい印象です。三本指を使わなければならないシチュエーションが少ない(切断時とコントロールパレット呼び出しのみ。どちらもスワイプ。)。一方、Splashtopは画面のスクロール(表示範囲の移動)が三本指スクロールな上に、パレットの呼び出しの三本指タップの反応がいまいち渋くてイライラしがち。Splashtop2はトラックパッドモードというのがあって、これとのトグル切換に二本指タップを使います。このモードは絶対位置のポインティングではなく、指の移動量が現在のマウスカーソル位置に相対的に加算されるタイプの操作方式で、片手でデバイスを保持して親指の可動範囲だけでポインタを画面全体に行き渡らせることができます。これはとても便利なんですが、右クリック、左クリックの各ボタンが画面下に固定されているので、結局そちらに指を動かさなければならない。このボタンの位置を自由にカスタマイズできたらいいなぁと。あと紙芝居ゲーの読み飛ばしに不可欠なCtrlキーもその近くに置けたら神だよなぁとか。要望送ってみようかな…
どちらもLTEでつながっているiPhone5のテザリングを通してVPN経由でも使ってみましたが、レスポンスは充分です。ちなみにこの時iPad mini側で測定した下り速度は19Mbpsでした。