BambuLab製3Dプリンターのビルドプレート使い分けメモ

新たに導入した3Dプリンター、BambuLab X1-Carbonの関連記事です。

たくさんあってどれ使えばいいやら…

ビルドプレートは標準では「常温プレート」(=Cool Plate)/「エンジニアプレート」のリバーシブルなものが付属してきます。その他に別売りで「高温プレート」(=High Temprature Place)、「両面スムーズ PEI プレート」「両面テクスチャード PEI プレート」などがあります。これらは一長一短あってややこしいです。

  • 使える素材
  • 糊の必要/不要(素材毎に異なる)
  • 天面のガラス蓋の開放の要/不要
  • 耐久性
  • 表面にPEIシートが貼ってあるものとそうでないもの(貼り替え可能)
  • 表面がテクスチャード(ザラザラ)なものとフラットなもの

といった観点があります。見やすい一覧表みたいなものが見当たらず、ビギナーは混乱しますね。以下、自分の気になる点をまとめておこうと思います。

TPU、ABSも視野には入れつつ、主にPLA系、PETG中心で眺めてます。あとAMSがあるので、天面ガラス開けはしんどいなということでデメリットとして考えてます。手前を持ち上げて隙間をあけるMODパーツがあるようなので、それで足りるならそこまで気にしなくていいかもですが…。また業務で毎日ゴリゴリ造形するわけではないので、耐久性はコスパはそこまで優先度が高くないと思っています。そんな視点でグリーンは長所、ピンクは短所、注意点な感じでハイライトしておきます。

常温プレート&エンジニアリングプレート

標準付属品で裏表で2種類の異なる特性をもったプレート。約4千円。

英語ではCool Plateですが日本語では常温なんですね。PLAでも糊が必要。またPETGやABSなど高温素材は不可でその時は裏返してエンジニアリングプレートを使ってねと。

エンジニアリングプレートについては商品説明が少なくメリデメが不明です。手触りは常温側よりはわずかに粗いですが、テクスチャーというほどではなく。ABSやPETGも対応。糊はなくてもダメージにはならないが、剥がしやすさの面では推奨だそうです。また剥がす時は10分ほど冷まし、鋭いスクレーパーを使ってくれと書いてありますね。ガラス開けの要不要が不明。常温プレートの説明が「エンジニアリング プレートまたはテクスチャード PEI プレートより耐久性が低い」となっているので、非テクスチャードの中では耐久性があるという感じ?

常温プレートは「優れた接着性とモデル剥がしも容易」とはありますが、たぶんこれといった大きな優位点がなく、良くも悪くも標準付属品の並グレードということなのかなと理解しました。PLAを常温側、それ以外はエンジニアリング側と使い分けは必要だけど、一応1枚でマルチに対応できてガラス開けも不要という平均的、汎用的な位置づけなんじゃないかと。付属品にはピッタリ?

エンジニアリング側の平滑度がいい感じに低いので、糊なくても剥がれやすくてガラス開けも不要なら普段使いにはベストになり得るかも?

高温プレート

お値段は常温&エンジニアリングプレートよりちょっと高い約5千円ほぼ同じながら、表面シートだけを3千円弱で貼り替え可能。

対応素材が多いのが特徴。常温&エンジニアリングプレートのように素材で裏表使い分けなくて良い点はシンプル。ただしよく使うPLAで糊「お勧め」(「はい」よりは弱い表現)、ガラス開けも必要なのが惜しい。ただYoutube動画をみていると塗らなくて平気、温度設定を下げればガラス開けもしなくてOKという声もあったので買ってみました。それが本当ならこれ1枚でマルチに使えそうかなと。やや耐久性は低いぽいがシート貼り直しができる点もコスパでは有利?

2024.3.26追記:

高温プレート使ってみました。低温プレートはかなりガッチリ貼り付いて造形物の取り外した大変だったのと比べると、剥離性はとても良いです(液体糊あり)。ただ文字通り温度高めで造形するせいか、動作中のファンの音がかなり大きくなります。ガラス開けしてもしなくても明らかに低温プレート使用時よりうるさいです。

両面テクスチャード PEI プレート

テクスチャードというのは文字通り表面がザラザラしているタイプ。MagicianXでも別売りで愛用していました。造形物が剥がれやすく糊の必要性が低い(TPU以外)のがメリットですが、その分、造形物の底面にザラザラが転写されてしまいます。普段触れたり目にしたりしないような用途ならそこまで気にならないんですが、やはり「3Dプリンターで作った」感はあります。

またX1-Carbonとの相性でいうと、LiDARセンサーでの検知時に影響があるぽいのと、PLAでもガラス開けが必要なのが微妙。当面は使わない方向で考えています。

2024.4.2追記:未確認ですが、ファームウェアアップデートでテクスチャードプレートでもLiDARセンサー使えるようになったとか。日本の公式サイトが更新を怠ってるらしい。

2024.8.7追記:公式ストアの送料無料条件に届かせるために買ってみました。もっとも愛用しているスムーズPEIプレートだとPETGなどが割とガチっとくっついてしまうので、底面に模様ついても構わないものはこちらを使おうかなと。あとASAも使ってみることにしたので、そちらで糊不要なのもいいなと思って同時に買いました。Bambu Studioのプレート選択メニューに「テクスチャード」というのがなく、単に「PEIシート」というのがあるのみですが、消去法的にこれなんだろうなぁ。

両面スムーズ PEI プレート

非テクスチャードの中でも特に平滑度が高いものがスムーズのようです。表面はPEIシートになっていて、PLAなら糊が不要だがそれ以外では必須仕上がりの質感はヨサゲですが、造形後に数分覚ましてから剥がさないと損傷するとか定期的に洗剤と水でクリーニングが必要などデリケートさがあります。ABSなど反りやすい素材で大きなプリントをしても反りにくいんだとか。お値段も純正の中ではもっとも高い(6千円超えで1.5倍ほど)。天面ガラス開けの指示もないし、普段使いのPLAでは扱いだけ気をつければ楽そう。しまった、これ買っておけば良かったかな?

こうして整理してみると、PLAメインなら「両面スムーズPEIプレート」は1枚持っておいても良かったなぁという感じ。本体とセットで割り引かれるセールやってたので買えば良かった。ただ公式見解はさておき使っている人の声では「高温シート」でもそこそこマルチに使えそうなので、まずはそっちを失敗覚悟で活用してみる感じかな。両面スムーズはセールとかあったら買ってみよう。

2024.4.18追記:

「両面スムーズPEIプレート」が再入荷していたので買ってみました。現時点では最高です。PLAで使う分には糊塗らなくても平気。剥がれもないし、定着しすぎて剥がれない、ということもない。また高温プレートほどファンがやかましくなることもなし(ちなみにBambu Studio上では高温プレートとスムーズPEIプレートは設定は共通、でもあきらかに高温プレートの方がファンがうるさい気がします)。「冷ましてから剥がす」という指示だけ守れば、底面も綺麗だし最高。糊を塗らないのでプレート表面は綺麗なまま。寿命はわかりませんが両面使えるので、片面がエンジニアリングプレートになる常温プレートや高温プレートよりも実質コスパも悪くないんじゃないかと思います。公式サイトには天面開けについて指定はないですが、画面ではドアをあけるよう表示が出ます(PLA)。

連続で造形したくて冷ます時間が惜しい時のために、これをもう1枚買って交互に使うのが究極な気がしてきました。少なくともPLAメインならそれでよさげ。

あとは常温プレートや高温プレートを推奨を無視して糊無しで使ってみてどうかなというところも気にはなります。スムーズPEIプレートがあれば最悪常温/高温はダメになってもいいので試してみようかな?両者とも造形後の剥がしが大変(特に常温)なんですが、これが糊がなかったらどうなんだろうというところなんだと思います。

現状まとめ(PLA想定)

公式糊指定剥がしやすさファン音
常温プレート必要悪い静か
エンジニアリングプレート
高温プレート推奨やや悪いうるさい
スムースPEIプレート不要良い静か
テクスチャードPEIプレート不要とても良い静か

エンジニアリングプレート(常温プレートの裏面)はまださほど使ってないので空欄にしときます。底面のフラットさはどれもテクスチャードほどではないですが、糊を重ね塗りするとどうしてもガタガタしてくるので定期的に洗浄が必要になります。その意味でも糊を塗らなくて良いスムーズPEIはスムーズさを維持しやすくもあります(ただし定着力が落ちてきたら要洗浄やヤスリがけとある)。

あとサードパーティのプレートなんかも結構出てて、あえて模様をつけるみたいなのも面白そうかなと思っています。

なんやかんやでビルドプレートは枚数が増えそうで、スタンドとかもモデルデータがたくさん公開されているので、そのうち用意しないとです。

こんだけややこしいと、できればプリントしようとしてる素材に応じて、「このプレートがオススメ、糊塗れよ、ガラスあけろおよ」と都度画面にガイドを出してほしいものです。

一応、プレートとフィラメント素材のアンマッチングがある場合、こういう警告が出るみたいです。日本語UIにしていても現状まだここは翻訳されてないみたいですね…

内容的にも、糊やガラス開けについての指示は含まれてないようです。

3Dプリンターをアップグレード Bambu Lab X1 Carbon Combo

2022年末に購入した初3Dプリンター、Migda社のMagician Xをリプレースすることにしました。

ここ1年ほど、毎日というほではないですが、ちょくちょくと便利小物をつくり3Dプリンターというものが生活必需品となりました。回数でいえば紙のプリンターの10倍以上は出していると思います。もう手放せない生活家電でありないものを作るというカルチャーが染みついてしまい、ない生活には戻れません。

しかしこの3万台で買ったMagicianXもコスパは充分高くオートレベリングのおかげで、A4の紙をはさんで〜みたいなことも一度も経験することなく稼働してくれましたが、いくつか不満点や要望が見えてきました。例えば

  • 遅い(というか最新機の速さがスゴい)
  • Wi-Fi非対応で、USBメモリで印刷データを渡さないとならない
  • エンクロージャー型という外周が箱に囲まれているタイプにしたい
    • ABSなど匂いや温度管理が難しい素材に挑戦してみたい
    • 猫がいたずらしない安心感
  • サポートを別フィラメントにするなど、サポート剥がしを楽にしたい

など。

今のところ猫がプラットフォームに飛び乗ってフィラメントのじゃれついて肉球ヤケドしたとか、出力品を途中で破損させた、ということはないですが、紐状のフィラメントくずはオモチャとして目がないので、万一を考えて部屋からは出して、ドアには「プリント中。にゃんこ入室させないで」という札を出して、家族もうっかりドアを開けないようにしています。

ちなみにFDMを買う前に検討していた光造形式は現状だいぶ興味が薄れています。造形痕が目立たないのは羨ましいですが、やはりフィギュアよりは部品を作るのがメインなので、目的に応じて色々な色や素材のフィラメントを使い分けられるメリットの方が大きいです。

■Bambu Labに決めた!しかしX1 CarbonかP1Sか…

機種選定に於いて、メーカーは早々とBambu Labにほぼ確定していました。それ以外は名前くらいは眺めつつ、具体的な機種や機能、価格などはまったく調べずに終わりました。

Bambu Labは比較的新しいメーカーですが注目すべき特徴をいくつも備えています。まず各モデルの共通の特徴として、

  • 民生最速レベルで速度が速い、それでいて品質も定評がある
  • AMSという4本のフィラメントリールをセットして置き、自動で印刷途中に切り替えて多色印刷などが行える
    • AMSは4台までつながるのでMaxでは16色
  • Wi-Fi対応でPCから直接印刷データを送り込め、Web UIで各種操作も可能
  • スマホアプリもあり、印刷中の内部のカメラ映像を見られたりタイムラプス録画可能
  • ノズルやホットエンドなどのパーツは独自仕様だが、公式ストアで比較的細かい部品まで購入可能
    • サードパーティ品もプレートはかなり出ていて、ホットエンドもちらほら出始めている
  • 有志が作ってデータを公開しているModパーツも豊富で、公開されたデータを自分で印刷して細かなユーザビリティを向上していける楽しさ

そんな共通の特徴をもつ機種として最上級のX1系、ミドルレンジのP1系、小型のA1系があります。まず小型のものはオープン型で、これまた小型のAMSが上に乗らないので設置場所のフットプリントが大きく必要になり、我が家の事情的に置けないので却下。

ミドルレンジのP1PとP1Sは日本ストアだと1万円しか違わないわりにP1Sの方が色々アップグレードしてるのでこれから買うならP1S一択。P1Pはクロージャーの壁がなくて自分でプリントして作る、デザインも色々選べる、という点は楽しげな点は唯一魅力。AMS付属セットモデルはP1Sのみ。

そして現状最上位のX1 Carbon(現時点でAmazonでは扱いなし)はP1Sに比べて、

  • GUI操作ができるタッチパネルと4GBの内蔵メモリで、プレビューをみながらファイルを選んで出力できる。
  • 内部カメラが720p→1080pに高画質化
  • ホットエンドやノズルがより高温に対応したものに交換されておりより多様なフィラメントに対応
  • LiDARセンサーで1層目の定着具合を診断し、フィラメントの吐出量などを自動調整して更に精度向上
  • 外装が黒からシルバーに

という感じ。

LiDARセンサーがあることでさらなる品質向上や失敗検知ができるのは聞こえはいいですが、実際問題P1Sも充分綺麗であるという評価で、業務グレードの品質を求める人向け、ということはあるらしい。自分に必要かといえばウーンというところ。

やはり一番惹かれたのはタッチ式GUIの操作パネルですね。Webからほとんどの機能はリモートで設定できるっぽいので、これも必須ではないんですが、やはりガジェット好きには刺さる。ただサードパーティでワイヤレスコントローラーも出てくるみたいなので、タッチパネルだけが理由ならP1Sにして差額でこれってのもありかもとか。

タイムラプス動画もきっとすぐ飽きるんでしょうけど高画質厨としては720pよりは1080pじゃん!と思いがち。

ホットノズル周りはX1用がP1で使えるか不明。

外観は正直シルバーより黒が好みかも。

あとA/P系はAmazonで買えますがX系はなぜか売ってない。公式ストアのみです。まぁ値段は同じなんですが、やはり支払い手段の豊富さとか経理的にAmazonで完結したいとか色々です。P1Sならワンチャンいつかセールやるかもと期待があったとか。

結局、X1かP1SかとAMSをつけるか少し資金繰りに余裕ができた頃に買い足すかを一ヶ月くらい悩んでいました。X1とP1SのAMS無しの価格差が9万円、AMSはセットで買うと+4万くらいですが後日単品で買うと6万くらいと1.5倍くらい。こんな感じの2×2マトリクスの中でどこにするか迷いまくり。

AMSなしAMSあり
P1S11.9万15.9万
X1 Carbon20.9万24.9万
本稿執筆時点の公式ストア価格関係(P1SはAmazonでもクーポンで同価格になるぽい)

P1Sでも今よりは間違いなく精度が高いので、LiDARまではいらないかもだけど、なんかあると安心な気はするし、いずれABSやナイロン(PA)といった耐久性の高い素材を使いたいこともあるなら、X1よなぁ、とか。

AMSも今なにか多色出力したいというより、サポート材を別素材で構築して剥がしやすくしたりできると便利かなぁくらい(それなら本当はフィラメント切り替え式よりもデュアルエクストルーダー機のが向いてるはず)。ただ1.5倍も値段違うなら思い切って買っておく方がいいかーとか。

■X1 Carbon Comboにキヨミズダイブ!

確定申告も終わり少し金策に目処が立ったので、結局X1Carbon Combo(=AMSあり)に特攻しました。後から機能や性能が足りなくて歯噛みするよりは、ちょっともったいなかったなーって思う方がマシかなと。次に買い換えようって時の下取り価値も上がってくれれば、最終的なコスパはそう変わらないかなとか。

2営業日以内発送ということでしたが、深夜1時に注文して朝10台時には発送連絡が来ました。これくらいスムーズなら今後アクセサリや消耗品を買うにも選択肢に入りそうです。

で、佐川さんが翌日に配送してくれました。階段が狭くて下手な持ち上げ方すると腰をやりそうだったので、玄関で開封して、AMSを取り出してから別々に運びました。Before/Afterでサイズ感比較。

Before: Mingda Magixian X
After: Bambu Lab X1-Carbon Combo

スチールラックの奥行きが足りなくて置いていた板の幅も増す必要がありましたが、全体ではそんなに違わないかもという感じ。AMSを入れても高さは同じくらい。MagicianXのスプールホルダーにスプールかけたらそっちの方が高いくらい。

本当はもうちょっと共振しなさそうな土台の方がいいんでしょうね。目下のところ他に置く場所がなく。追々防音や制震もしていきたいところです。

運搬時の破損防止でネジ止めされてる箇所が多く、説明書(英語)をみながら手順通りに開梱、組立てを行いました。時間はかかりましたが難しいところはないかな。最初のキャリブレーションをしたらZ軸のネジ柱にグリスが塗ってないよ、って言われたけど、すごいな。どうやって検知してるんだろ。使い切りパックがいくつか付属しているのでそれを塗りたくってベッドを上下に動かして馴染ませます。

この手のIoTデバイスでありがちなネットワークがつながらなくてつまづく、みたいなことも全くなく、スマホアプリで本体を自分のアカウントに紐付けるところもトラブルなくできました。その状態でPCアプリBambu Studioでもログインすればもうデバイスが見える形です。

■ファーストプリント

推奨に従って、

  • 付属フィラメントで、
  • プレインストールのサンプルモデルデータを、
  • ビルドプレートにスティック糊を塗って、

テスト印刷。個人的にあまりスティック糊は使いたくないし、Magician XではテクスチャードなPEIプラットフォームを使ってたんですが、説明書によると「最初の1回は必ず塗らないと固着してビルドプレートにダメージが行くかも」とのことだったので仕方なく塗りました。

塗らなくても結構いけるはずの高温プレートも買ってあるので、基本的にはそちらで、できるだけ糊なしで運用してけたらなと思います。あとスティック糊よりも綺麗に濡れる液体糊も純正のを買ってみてます。スティック糊は早々に使い切って、基本は液体糊かなぁと思っています。

初めての感想としては、

  • キャリブレーション長い!
  • 音と振動がスゴい!

という感じ。普通にスタートしてもまずはキャリブレーションで10分近くガーガーやってます。キャリブレーションも様々なフェーズがあって、どれは毎回(あるいは頻繁に)やった方がよくて、どれはスキップしてOKなのかよくわからず。あえて振動をさせてチェックするところもあるので、正直毎回はしんどいなという印象。

そしてキャリブレーションも造形もかなり動作音は大きいです。特に細い面積を塗りつぶしてくようなヘッド(エクストルーダー)が小刻みに往復する動きになる時、設置したスチールラックごと揺れるような振動を発します。これはなんか真面目に制震とか静音とか考えたいレベル。ちなみに動作モードとして、「サイレント」「標準」「スポーツ」「超高速」の4つが選択でき、深夜など音が出ては困る時は「サイレント」の使用も検討してもいいかも知れません。当然スピードは落ちるんでしょうけど。今まで使っていたMagician Xは「うるさい」と感じたことは一度もなく、仕事中に動いていても「頑張ってるなぁ」という感じだったんですが、これはもう「工事中。ご迷惑をおかけします(ペコリ)」って印象。ノイキャンヘッドフォンでもしてないと気が散りそう。「標準」でこれなら「スポーツ」とか「超高速」って、、でもカタログスペックで謳っている速度ってそれらのモードを使ってはじめて出ますって感じなんですかね。床置きできればいいんですが、棚やデスクの上に設置を考える人はその安定性も気をつけた方が良さそうです。

ぬっこも興味津々

ともあれ、思いのほか造形が始まるまでに時間がかかったのと、音や振動にビビったものの、付属フィラメントで、初期データを使って最初の造形が完了しました。6つのピースを使うパズルらしいです。

プリインストールモデルのパズル。しばらくいじってみたけど全くわからんw

これまでテクスチャーありのプレートを使っていたせいもあいますが、底面以外の面も含めて滑らかでビビります。とても同じPLAとは思えない。もちろん寄ってまじまじと見れば積層痕はあるし爪の先でカリカリすればひっかかりもするんですが、パっと見のツルっと感は段違い。これはテンション上がります。

■ビルドプレートいろいろ

長くなったので別記事に移動しました。

■Bambu Studio

とりあえずWi-Fi(2.4GHz)経由で設定、監視ができるのは念願でした。Webインターフェイスはないので個別にアプリのインストールは必要ですが、stl/3mfの読み込み、着色、デバイスの設定、温度監視やカメラ映像のモニタリング、キャリブレーション、ファームウェアアップデートなどありとあらゆる機能がリモートでできてしまいます。確かにこれならタッチパネルのないP1Sでも良かったかーって感じ(LiDARなど目に見えずらいメリットは別として)。

後述のMakerWorldとの連携も良いし、stlや3mlといった拡張子を対応付けておけば、ブラウザでダウンロードしたモデルデータをすぐに開けて良い。CURAと同じく新しいウインドウ(インスタンス)がどんどん開いていく仕様。Fusion360からダイレクトに開けるのも、「カスタム」でBambu Studioの.exeファイルを指定してやれば大丈夫でした。その際、.3ml形式だと位置情報が上手く渡らずプレートの端っこにはみ出るように配置されてしまうようで、Fusion360から渡すのは.stl形式にしておいた方がよさそう。

CURAと設定箇所が違いすぎてまだ細かい設定はまごつきますが、プレビューがCURAよりも自由な角度でグリグリ回して確認できるのは大きい。3Dマウス(SpaceMouse)も使えるっぽいけど、なにかちょっとFusion360と操作感が違う印象。またCURAはフィラメント毎の設定管理がちょっとやりづらかったんですが、こちらはまだ未知数。というか社外フィラメントでも今のところデフォルトの汎用プロファイルで問題を感じてないので、素材種類を選ぶだけ、という感じ。温度を5℃上げて様子見て、、というのが、各種自動制御のおかげかエンクロージャーのおかげか、このまま開放されるなら最高なんですけどね。Mingdaはリストになかったですが、一応他社プリンターでも使えるっぽい。次にもしなにかの事情でサブ機を買うことになったらこれに対応してる中から選ぶかも?

MagicianXを使ってる時に、Simplify3Dも買ってみようか迷ってたけど、当面はこれで生きていけそう。

■Bambu Handy

スマホアプリもあります。Bambu Studio同様にデバイスの状態やカメラ映像をみたりできますし、なにかエラーが起きたら通知が来ます。例えば別の部屋にいてもトラブルに早めに気付けるので時間を無駄にしなくて済みます。「そろそろ出来たかな~♪」といって見に行ってスパゲティになっていた時のがっかり感といったら…

もちろん正常に完了したことも通知で把握できます。まぁ出先でそれがわかっても、次の出力を始められるわけでない(機能がないのではなく、物理的に完成品をどかさないとならないから)ので、次から次へとリモートで出力できるわけではないですが、やはりできあがりを知れることは便利には違いありません。

後述のMakerWorldを出先でBambu Handyから眺めていて、良いモデルを見つけたので出力しとこう、みたいな世界観は興味深いですね。AMSがあるとフィラメントも4つから選べるのでなお良しです。

■モデルデータ共有サービスMakerWorld

ここまで何度か名前を出したMakerWorkdですがPrintables.comやYeggiみたいなモデルデータ共有サービスです。Bambu Labが運営してるのかな?ともあれBambu StudioやBambu Handyのホーム画面からとぶようになっていて、世界中の人が投稿したモデルデータを取得することができます。PrintablesやBambu Handyのようにstl/3mlをダウンロードできるだけでなく、直接ソフトに読み込んで出力に進むことができるのでスマホから完結でプリントできるのもスゴい。作者が指定したプリントパラメーターも一部反映されてるっぽいです。さすがにフィラメントは選び直さないとですが。

実績に応じてキックバックがあるらしく、Bambuストアでフィラメント等を買えるギフト券などももらえるので、リメイクという名で名前を書き換えただけのような贋作投稿が多いところがXのインプレゾンビみたいな微妙ではあります。

また結局「PrintablesやYeggiにもっといいモデルないかなー」とか結局ググることになるので、「MakerWorldで見付かればちょっと便利」くらいな感じ。ロボット除けしてるのかGoogleでMakerWorkdの作品はヒットしない気がしていて、二度手間っちゃ二度手間。まだBetaサービスなのでこれからシェアが伸びていくと期待。

■まとめ

1年入門機を使ってみて、3Dプリンターは令和の三種の神器だぞという確信がもてたのでステップアップとして少しお高めの高評価モデルを思い切って導入しました。

今のところ満足しているし、Modもたくさんあってカスタムが楽しいです。iPhone Proモデルよりもお高いので商売でもしないとなかなか元はとれませんが、精神的には充足感が高いです。

これからも気付きや良かったMod、トラブルシュートなどの記事をいくつか上げていきつつ使いこなしていきたいと思います。

庭のGoogle NestCamを常時給電化する

我が家には2台のGoogle NestCam(バッテリー型)が屋外に仕掛けてあります。

この製品はバッテリー充電式なので、一度屋内に持ち込んで充電してやれば2,3週間くらい稼働します。それでも手間には違いがないので、賃貸戸建ての条件下でなんとかDIYで電源を給電する方法を考えました。

幸い屋外コンセントが家の反対側には1つあり、そこから防水ケーブルを引き回すことで実現。

まずケーブルをカメラの位置近くまでこれを使って延長します。

先端が3股になっているタイプもあるので、上手く分岐しつつ2台のカメラ位置まで引き回しました。

NestCamの充電ポートは専用コネクターになっています。しかも付属ケーブルでは短すぎて足りなかったのでAliExpressで安い7mのケーブルを購入。電源側はUSB Type-Aです。7mは余りまくりですがまぁ仕方なし。日本のAmazonにも何種類か出品されていますがドチャクソ高いです。

またGoogleの純正のAC電源ケーブルもありますが、長さとコンセントプラグの形状が防水ケーブルにあわなそうなので除外。

で、コンセント部分をどうするかですが、防水の箱に収めてしまいます。

元々ケルヒャー用に屋外に出ていたので防水ケーブル側が汚い…

Sサイズでこんな感じで収まりました。両側の穴からケーブルを出しますが、その部分にクッション性のある素材がついているので雨水を防ぐことができるようです。締めてしまえば黒い箱なので庭の一角に落ちていてもさほど目立ちません。

ここを防水ボックスに収めてしまうならばもっと安い普通の延長コードでいいんじゃないかという説もありますが、やはりケーブル自体も耐候性が考えられているはずなので、きちんと屋外対応のケーブルを使うのが吉でしょう。何年かして皮膜が日差しや雨風で風化してショートでもしたら大変です。

ただ難しかったのは、防水キャップを外した状態でもリング状の縁があるので、ちょっと大きな充電器だと刺さりません。ある程度小さいものを選ぶか、極短いショート延長ケーブルを挟む必要があります。

とりあえず今回はNestCamに付属の充電器(1.5A)は使えました。無事給電できると、Google Homeアプリの表示が「∞」になりました。

しかし1つしか見付からず、家中を捜索した結果、ChromeCastの付属品と思われる充電器がフィットしたものの出力1.0Aまでなせいか、充電中マークはつくものの、「∞」にはなりません。

やはり真面目に純正充電器を発掘しないとダメそうです。もしくは1.5A出力でありつつ小さいものを探して買うか。

ともあれ、これで定期的な充電の手間から解放され、電力をケチらず画質や録画時間設定を上げることができ、なおかつ退去時に問題なく原状復帰ができます。

自転車のナンバー錠のノブが取れたので3Dプリンターで直した話

最近また乗り出した2017年頃に買った自転車ですが、今度は鍵が壊れました。この自転車は前のものから気に入って使っていたGORINのナンバー式リング錠を使っています。4桁の数字ボタンを押し込むと開錠できるタイプで鍵を持ち歩く必要がないので超便利です。

ゴリン(GORIN) 大型ボタン式リング錠 ブラック GR520-K

ゴリン(GORIN) 大型ボタン式リング錠 ブラック GR520-K

732円(12/19 07:33時点)
Amazonの情報を掲載しています

(ハリヤのようなVブレーキ装着モデルは「Vブレーキ用」となっているものを買う必要があります)

これのグレーのノブの部分が外れてなくなってしまったのです。ある駐輪場でなにか軽いものが落ちたような音は聞いたんですが、その時はなにが落ちたのが気づかず、移動してからノブがないことに気付きました。

レバーの先端がない!

押せなくはないですがかなり細い金属棒なので指辺りはよろしくありません。

ロック自体はそれほど高くもないし、脱着もそんなに大変ではないので買い換えればいいかなと思ったんですが、このナンバー錠は開錠のための4桁の数字が固定なのを思い出しました。今のナンバーはとても覚えやすくて気に入っているので、できれば替えたくありません。店頭在庫の中からゾロ目があって覚えやすいものを厳選して選んだ記憶があります。もし通販で買ったら完全にランダムになってしまいます。さりとて店頭巡りをするのも面倒くさい。

ということで3Dプリンターで代替部品を作成してみました。

あえてのオレンジ色

元の部品を紛失しているので見よう見まねで適当に。差し込む金属棒部分のサイズだけノギスで測って、それが通る穴だけきっちり作り込み。それでも誤差か自分の設計ミスか全く刺さらず。今回は刺さってくれさえすればノブ自体のサイズは多少違っても問題ないので、Fusion360まで戻らずにスライサーのCura上で1.1倍サイズにして再印刷。かなりきつかったですがなんとか押し込んで完成。逆に勝手に抜けることもなくて良いでしょうw

色はあえて差し色としてオレンジで目立たせてみたり。確かセールで買ったOVERTUREのマットダークオレンジ(PLA)。

■とはいえSESAME サイクル2も惹かれる

一応無事使えるようになりましたが、全体にボタン、レバーの動きもシブくなってきていてだいぶガタが来ているのは事実。

この際、SESAMEサイクル2に替えようかは悩ましいです。

(SESAMEシリーズはAmazonよりも公式サイトの方が安い場合が多いので注意)

いちいちスマホアプリ立ち上げて開錠するのは面倒ですが、たぶん探せば以前買ったNFCシールが余っているので、これをハンドル辺りに貼っておけば、スマホをかざすだけで開錠できるんじゃないかな?

あるいは更に指紋センサーのSESAME TOUCHを組み合わせば指紋開錠も実現。

しかしちょっと分厚いし、綺麗につくような平面箇所がなさげ。コメントをみると公式が取り付け器具はもう少しお待ちください」と書いてるので、それが発売された時にまた考えようかな?

SONY INZONE BudsがWindows11で音が出ない時の暫定策

ジムでデスク付きバイクで漕ぎながらゲームをするのに良いイヤホンが欲しくなってSONYのINZONE Budsを購入しました。

細かい経緯や感想は後半にダラダラ書くとして、とりあえずWindows11で音が出ない現象でハマったのでメモを残しておきます。きっと経緯や感想よりも役に立つはずw

現象としては、Windows 11(23H2)にて、

  • INZONE Buds – Game(ヘッドホン)
  • INZONE Buds – Chat(ヘッドセット、イヤホン)
  • INZONE Buds – Mic(マイク)

という3つのデバイスは認識され、マイクで音声は録れるものの、両スピーカーから音が出ない、というトラブル。特定のアプリがというレベルではなく、Windowsのシステム音量スライダーを動かすたびに「ポーン」って鳴るアレすら聞こえません。もちろん出力デバイスを「既定」からGame、Chatを個別に選択してもダメ。音もならないし、その状態でブラウザでYoutube動画を再生するとグルグルになります(音声デバイスとして応答してない?)

結論を先に書くと、現時点で設定ソフトINZONE Hubをインストールすると自動的に導入されるドライバーを消したら鳴るようになりました

スタートを右クリック→デバイスマネージャーを開き、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」セクションを開いて、「INZONE Buds – Chat」と「INZONE Buds Game」それぞれのプロパティを開いて(ダブルクリック)、「ドライバー」タブにいって「ドライバーを元に戻す(R)」をクリックします。元に戻す理由を問う質問に適当に回答して実行します。Windowsを再起動するよう言われるかも知れません。

写真は元に戻したあとのもので、ドライバーのプロバイダーがMicrosoftになっています。設定ソフトであるINZONE Hubを入れて再起動した状態では、ここがSONYになっていると思います。どうもこのドライバーが問題っぽいです。バージョンはそれぞれ1.0.24.61、日付が2023/07/06です。

なお別PCでは「ドライバーを元に戻す」がグレーアウトして押せない状態でした。この場合は「ドライバーの更新」の方を選び手動で切り替えることでもいけました。「→コンピューターを参照してドライバーを検索(R)」を選び、「→コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します(L)」と進み、「USBオーディオデバイス」を選択して「次へ」でもいけました。

検証の為他のPCで試したところ、最初は音が出ていたのにINZONE Hubを入れた途端に再現したのでもしやとドライバーだけロールバックしてみたらビンゴでした。ちなみにドライバーがMicrosoft製の状態でもINZONE Hubからの各種設定は使えているっぽいです。もし同じ現象が出ていたら試してみてはいかがでしょう?

今後のアップデートで直ると良いんですが。また進展あったら追記します。

ちなみに現象が出たPCはRyzen 9 + X570チップセットと、Ryzen Z1 ExtremeでどちらもAMD製CPUでした。偶然かも知れませんが。

■購入経緯

では、誰も得しない経緯のメモとレビュー。

最近、ChocoZAP(ジム)でデスク付エアロバイクを漕いでいます。デスクの上でタブレットやPCを置いて作業や読書、ゲームができるんですが、そこで先日買ったLEGION GOを使ってゲームをしたいなと。そしてその際にDiscordで通話もできると良いなと考えました(24時間営業で夜中に行くので大抵貸切状態)。持っていくのが大変なのでヘッドフォンは除外。ジム通いバッグのポケットにコンパクトに入れていけるものがいい。

最初今もっとも活用しているBeat Fit Proで参戦したんですがほとんど聞こえないと言われ、その他の手持ちイヤホン(ヘッドセット)を現地に持ち込んで聞こえ方を比べてもらいました。結果としてAirPods Pro第三世代と、ブームマイクがついたOpenCommが聞こえやすいよと。なるほど、TWSでありながら複数マイクを搭載してソフトウェア処理で音声をクリアにしているのでしょう。そしてそこまでの仕込みはなくてもやはりマイクが口元近くにある機種は強い!ただその日はAirPods Proは途中からつながらなくなってしまったり、OpenCommは骨伝導タイプなのでゲーム音質としては残念な感じだったりして、結局コレ!というソリューションには至りませんでした。

そもそもゲーム用としてやはりBluetoothは遅延が懸念されまる。高音質なコーデックに対応したヘッドセットを使ったとしても、大抵はマイクを使おうとした途端にHFPプロファイルに切り替わってしまい、スピーカー側のコーデックもSBCとかビットレートの低いものになってしまいます。

当初、どのみちコントローラーとしてDualSense Edgeはもってくので(LEGION GOの脱着型コントローラーはちょっと無理だったw)、そのイヤホンマイク端子にブームマイクのついた適当なイヤホンマイクを挿して使おうかなとも考えました。

【純正品】DualSense Edge ワイヤレスコントローラー(CFI-ZCP1J)

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ここらへん。

ただDualSense EdgeをUSBでWindowsにつないだ場合、イヤホンマイクもUSB経由のUSBオーディオ扱いになるのかよくわからなかったし、品質も未知数だったので躊躇。PC->コントローラー->イヤホンと有線で多段接続するのも煩わしいな、とか。

そうした経緯で選定したのがINZONE Budsです。INZONEはSONYが少し前に立ち上げたゲーミングブランドで、PlayStationに限らずPCも視野にいれた製品群が特徴。先行してヘッドフォンのHシリーズがリリースされています。USB-Aの専用ドングルが付属しており、GameとChatの2つの音声出力仮想デバイスがPCに認識されます。ゲームの音とDiscordなどのチャットの音を別々に流してやることで、ヘッドフォン上のダイヤルでバランス調整をすることができます。またドングルとヘッドフォンの通信は2.4GHzではあるもののBluetoothではない独自プロトコルなのでBluetoothにつきまとう遅延や低音質プロファイルからは逃れられます(PC用ドングルとは別にBluetoothも使えて、例えばチャットはスマホでする、みたいな使い方もできます)。自分はH9を自宅ゲーム用に使って来ました。

デザインとマイクの評判はイマイチというかまぁあくまで通話用というレベルなのが難点ですが、アィティブノイズキャンセルもSONYの音楽用ヘッドフォンの流れを汲んで優秀で気に入ってます。

そしてヘッドフォンタイプのHシリーズから遅れて登場したのがTWS(完全ワイヤレスイヤホン)対応タイプのINZONE Budsです(ちなみに色はブラックとホワイト(ツートン)があり、後者をチョイス)。

付属のドングルがUSBフラッシュメモリぽい形状でUSB-Aだったものから薄く平べったい形状になり端子もUSB-Cに変更されました。組み合わせて使用するLEGION GOにはC端子しかないのでうってつけです。

右が従来のUSB-A型ドングル(INZONE H9用)、左がUSB-C化したドングル

USBドングルを使用した場合のできることは基本H9と同じ。アクティブノイズキャンセルもありますし、GameとChatのデュアル音声出力デバイスとなっています。

Bluetoothも一応搭載していますが、BLEというレアな規格のみの対応になってしまったため、現状ではXpreriaの最新モデルなどごく一部の端末しかペアリングできないようです。iPhone 15シリーズでも無理。iPhone 15シリーズで使いたい場合はUSB-Cでドングル経由になり、たぶんGame/Chatの使い分けはできず単一のUSBスピーカーとマイクとしての認識になると思います。「PS5にUSB経由でゲーム音声、スマホにBluetoothで通話」という使い方をするにはやや厳しい後退です(後々BLE対応のスマホが増えてくれば進歩ではあるんですが…)。

自分の使い方(PCでゲーム音もチャット音も)にはBluetoothは不要で、むしろ音質や遅延に難があるBluetoothを一切使わないというのが刺さりました。都度ドングルを挿す手間やUSBポートが塞がれることはデメリットですが、まぁ音質には代えがたい。マイクもAppleと競うSONYなので期待(これは今後の相手側からの評価待ち)。

ちなみにDiscordで試した限りでは少し声が途切れがちでしたが、「エコー除去」をオフにしてやったら改善しました。

それでもファーストインプレとしてはAirPods Proほどは明瞭に声を拾えてない気がします。やっぱあれは別格。Beats Fit Proでも頑張って欲しかったw

■まとめ

ワイヤレスイヤホンはありとあらゆるブランドから出ていますが、ゲーミング用を謳う中でも2.4GHz帯の独自ドングル、専用プロトコルで通信することでBluetoothのクビキから放たれることができる製品は数えるほどしかないんじゃないかと思います。さらに優秀なANCがついてると本当にレア(ASUSが発表はしてますね)。

とりあえずWindows 11で音が出ないという最悪のトラブルはドライバーの削除で暫定的に回避できました。SONYのアップデート対応に期待。

快適なモバイルゲーム環境を構築して、ジム通いのモチベーション維持に役立てていきたいです。