機械音痴の家族(シニア)にキャッシュレス還元を受けさせるのに最適解は?

いよいよ始まったキャッシュレス・ポイント還元事業。いままでクレジットカードすらたまにしか使っていなかった家族に安心して使える決済手段を選んでみました。

登場人物

父:クレカは普通に使う。メインはセゾンカード。電車で交通系カードは使用。スマホ決済は未経験。ニュースでPayPayを知り関心はあった。機械音痴

母:日頃クレカ、スマホどころかプリペイドカードもあんまり。最近甥がローソンのオーナーになったのでなるべく応援で買い物にいっているらしい。機械音痴

妹:一度クレカで不正使用され敬遠してたがさすがに通販とか不便で最近楽天カードを作った。メルカリは使うがメルペイは知らん。以前LINE Payカードは作らせたけどたぶん使ってない。機械音痴

全員iPhone7/Plus。ApplePayに対応していつつもまったく活用されておらず。

クレカでいいじゃない?

Facebookで書いたところ某クレカ博士からそうツッコミを受けました。まぁ確かにそうなんですが、政府同様、私も家庭内でもっとキャッシュレス、ひいては個人間送金を普及させたいという思惑があり乗せてみようかと。

また母についてはクレカ自体にあまり良いイメージがないので、それ以外の手段で5%もらえるなら使わせてみようかなくらい。妹も「使いすぎが不安」という感覚をいまだ持っている派。

あとモバイルではない交通系カードというのも検討はしたんですが、残高確認やチャージなどが手間すぎて使わなくなるかなと思って除外しました。クレカも「使いすぎが不安」とかいうクラスタなので、むしろスマホで履歴や残高が簡単に閲覧できる、というところに訴求力があるかなと。

スマホQR決済は早々に無理だと思った

母から、父がPayPayのやり方教えて欲しいって言ってたよ、と聞かされた時、直観的に「無理だ!」と思いました。仕事でPowerPointやWordは使うけどExcelは無理。ファイル共有はいまだにメール添付しかわからない、くらいのリテラシー感です。デスクトップの決まった場所にショートカットがなければ目的のフォルダーまで辿り着けないレベル。

まず店頭でPayPay使えるかどうか確認し、そこがスキャン払いなのかコード払いなのかも読み取り、それに応じて操作を変え、あまつさえなんかの折りにログインセッションが切れてID/パスワード画面になる、とか絶対使いこなせません。店員さんや後ろに並ぶ人に迷惑をかけるし、その場でこちらに電話かけてくる姿しか思い浮かびません。

ということで三人とも多少還元率が良かろうとQRコード決済は(少なくとも私からは積極的に)使わせない方針を固める。地元の対象店舗みると古くからある魚屋さんがPayPayのみ対応、みたいなケースがあるにはあったんですが、まぁそういうのは諦めてくれと。

実際に母にだけは店頭でスキャン払いするところを実演して見せたんですが「めんどくさい」の一刀両断でした。

ApplePayでポストペイかプリペイドか

ある日きまぐれにログイン画面が出るようなのは論外」とすると、やはりApplePayとなります。有効期限が切れるか機種変更でもしない限り再ログインなどの手続きは発生しません。

短い帰省期間中に、そもそもネットバンキングすらしてない状態でデビットは手続き間に合わなそうだったので、残るは クレジットカードを登録して使うポストペイ系(iD/QuicPay+)か、モバイルSuicaか、ということになります。

それぞれの長所をまとめるとこんな感じになるかと思います。

ポストペイのメリット

  • チャージ操作がいらない
  • 還元も多くのカード会社は自動で請求額から相殺で手続き不要
  • 不正使用に強い(毎回Touch/Face ID認証が必要)

モバイルSuicaのメリット

  • エクスプレスカードに設定すれば操作不要で決済可能
  • (関東圏で電車に乗ってれば)オートチャージも可能
  • 複数枚作って財布小分け運用も可能

というところでしょうか。またSuicaの場合はJREポイントによる後日還元で、それをSuica残高に変換するのにWebから操作が必要になりますが、まぁこれはある程度溜まった頃に私が代行すればいいか、と判断。ちなみにモバイル記名Suicaを作るだけではダメで、JREアカウントを作ってそこにSuica番号を登録しないと還元は受けられません。ご注意ください。

もろもろ勘案すると関東圏ではない我が家ではポストペイの方がメリットが多そうだったので、一旦は母のiPhoneにセゾンカードを登録してQuicPayで使えるようにして一緒にお店まで練習に出かけました(ちなみにネットIDの登録などというものもしておらず、電話認証が必要で翌営業日を待つ必要がありました。自分は全てのカードはネットト照会できるよう登録済みなので完全想定外でした)。

指紋を当てながらリーダーにかざす、すら難しい

さて店頭でいざ決済!となったわけですが、予想外にTouchIDを含めた操作に手間取りました。普段も「ホームボタンに触って」と「ホームボタン押して」の区別が曖昧で「触りながらリーダーにかざす」という行為に難航。私ももう2年以上FaceIDを使っていてTouchID(指紋認証)の操作感を完全に忘れていたので上手く説明もできず(指紋が違うので実演もできない)。しかも母は手帳型ケースをつけているので、都度開いて操作が必要というところが面倒くさそうでした。

また店員に決済手段を伝える時に「クイックペイで」と言わなければならない点もハードル。さらにはよく行くローソンで仮想Pontaカードも意識せずポイントを貯められるように良かれと設定しましたがこの時は「アップルペイで」と言わなければなりません。

結局モバイルSuicaに落ち着いた

ということで、チャージの操作は頑張って覚えてもらう前提で、Suica一本に絞ることにしました。Pontaは諦めるかカードを出してもらうかです。「ローソンでは”アップルペイで”といい、それ以外では”スイカで”」というのは難しすぎます(なにが難しいのか?と思われる方もいるでしょうけどガチのシニアはそんなもんです)。あわよくばよく行くローソン店員なら憶えてよしなにしてくれるかも知れません。

Suicaで良いのは決済時にiPhoneの操作が不要な点です。とりだして当てるだけです。手帳ケースを開く必要もありません。さすがにこちらはスムーズに決済完了。その後も一人で買い物にでかけ、初回チャージの5,000円をほぼ使い切って帰ってきました。

ただし私が実家を離れて関東に戻った後、チャージしようとした時点でSuicaアプリの生体認証が効かずにログイン画面になってしまいました。どうも一度はIDでログインしてからでないと生体認証が有効化されないようです。テレビ電話越しになんとか設定完了。ここは事前に動作確認しておくべきでした。今後もなんかの表紙に無効にならないことを祈るばかりです。

父と妹については一緒に店頭までいって練習するところまではいきませんでしたが、それぞれクレカとモバイルSuicaを作り、エクスプレス指定にして、チャージ手順を図解入りで壁に貼ってきました。もちろん普通にクレカで買い物しても還元になることは伝えて。妹の場合はメルペイをiDとしてApplePayに登録して残高を使うこともできるよ、とは説明しましたが反応薄かったです。まぁApplePay自体に慣れてくればそのうちメルカリ売上金で買い物したいと思って聞いてくるかも知れません。

本当は個人間送金ができるプラットフォームにしたかった

離れて暮らしているので、たまに金銭のやりとりが発生します。なにか通販で代理注文するとか。そんな時に振り込み手数料払ってまで送金するのもバカらしいですが、一方で「今度帰省した時」とかいってるとだいたいそのまま忘れますw。

願わくはいずれかの個人間送金を使いやりとりできるようになってほしいわけです。PayPayは上述の理由で論外なので、LINE PayかKyashあたりで向こうではプラスチックカードで使ってもらう位でしょうか。一応母と妹にはLINE Payカードを作らせてはあるんですがいまいち活用されてなさげ。ApplePayに登録できるようになってくれるといいんですが。

[参考] Androidの場合は?

おサイフケータイ対応のAndroidの場合は、ポストペイ系でも指紋認証いらずで使用できるのでそれらも選択肢に入るかも知れません。プリペイド系ではEdyやnanaco、WAONなども選択肢に入るかもですね。

 

家電目線でキャッシュレスポイント還元事業を眺める

いよいよ消費税10%がスタートし、同時に目くらまし政策(笑)のキャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)も期間限定で開始されました。キャッシュレス積極派なので思惑通りキャッシュレス決済の普及促進になるといいなと思います。実家の家族(iPhoneユーザ)には扱いが簡単なSuicaを設定してやりました(これについては別記事で)。

さて、この制度はいくつかの主旨がありますが、そのひとつとして「(消費増税で苦労が増える)中小企業のサポート」があります。なので大手家電量販店は軒並み対象から外れています。本事業は決済手段(クレカ、電子マネー、スマホ決済)側の事業者が参画しているだけではなく、小売店側も対応してなければならないわけですが、高額商品を大量に在庫できる体力はどうしても大手にしかないので、結果的に家電量販店で対象になるのは難しいようです。

ざっと調べたところ、埼玉のデンキチという家電店が「家電量販店で唯一5%還元」を謳っています。なにをもって家電量販店と言うかは不明ですが、街の電気屋さん規模のお店でなければ基本的に家電製品で還元を受けるのは難しそうです。ただそういうところは在庫が少なかったり量販店との差額が5%どころではなかったり、そもそも近所で見た覚えがなかったりして、実質利用は困難です。

唯一というか厳密には政府による還元ではなくそれに競合して独自にやっている還元ですが、ヨドバシが同社クレジットカードユーザ限定で+4%還元を今年一杯は実施しています。上限3万/月ですが、すでに個人規模の家電店が絶滅しているようなヨドバシ商圏ではありがたいです。このカードは+1%還元なので一応作ってはみたものの、他のカードでも同等の還元はあるので休眠扱いでしたが、今年一杯は活用した方がよさそうです。

ビックは系列の楽天ビックが政策の主旨をみて辞退などといっているので、独自還元もやらない感じかな?ビックSuicaなどのページをみても特にそれらしいキャンペーンはなさげ。まぁ、楽天ビックはもともと一旦は申請登録してたみたいなので、あくまで資本は別の小規模事業者の体で動いていたんでしょう。

逆にヤマダはその楽天と組んで楽天ペイでの5%還元にのっかるというのが興味深い(10/11から)。楽天ペイは「政府還元5%なら独自0%、2%なら3%、0%なら5%」というようにどこで買っても5%になるという施策を打っているので、これはどちらかというと楽天側からの還元という感じですね。

その意味では楽天ペイはエディオン、ケーズ、ジョーシン、ビックとカバーしているのでこれ使っとけば、と思いがちですが、いかんせん期間を通じての還元上限が3,000楽天ポイント(しかも期間限定ポイント)なのでビミョー。期間も12月末で、ポイントは1月末までに使わなければ失効します。それ系ではd払いも見かけの還元率は大きそうですが期間は半月ほどですぐ終わるし上限も似たようなもの。つまるところQR系の独自還元は家電などの大きい買い物にはあんまり役に立たない感じ。ちょっとした消耗品用ですかね。

気を取り直して、通販では同じくらい家電製品、PC製品を買っているAmazonが対応店のマーケットプレイス商品に関しては5%値引きがあります(後日還元ではなく即時値引き)。家電製品がどれくらい対象になるかは不明です。検索して個々の商品を見て、値段や納期など次第では選んでもいいかもというくらいですね。上限は明記されてなさげ。そもそもマケプレ業者って普段は敬遠しがちですが、政府に申請して加盟店になってる時点で一応それなりの実体は担保されてるんでしょうかね。

あとはPCパーツショップとかより特化した業態のお店だったらドスパラとかもいけるようなので選択肢に入るかも知れません。

ジェネリック・RIZAP牛サラダを毎日手軽に作るためのFOOD SAVER

吉野家のライザップ牛サラダという文字通りRIZAPとのコラボメニューがあります。牛丼ではなく牛サラダでありご飯無しのロカボメニューです。味はなかなか好みだし、毎日一食これにできたら良かろうなという感じがします。

ライザップ牛サラダの写真

お値段もまぁアリっちゃアリなところなんですが我が家からは最寄り店舗でも距離的に微妙だったり同居人が吉野家をあまり好きではなかったりして、そうそう頻繁には通えません。

そこでジェネリックメニューを自宅で再現することにしました。キーアイテムは冷凍の牛丼の素です。

吉野家 冷凍ミニ牛丼の具10袋セット

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お茶碗サイズの「ミニ」が10食2,980円。より数の多い割安パックがあったり、たまにセールしてたりします。これなら味がまんま吉野家の牛肉&タマネギなので、後は

  • キャベツ千切り
  • 茹でブロッコリー
  • 鶏ササミ
  • 茹で豆
  • 温泉卵

があればほぼ完璧な再現となります。ササミは安い生肉を買ってきて茹でればOK。茹で豆は缶詰でいいでしょう。

温泉卵も面倒くさいので出来合いで。それでも毎回これを全て用意するのは手間です。時間のない朝とかにサッと作って食べたい。ということで、ちょうど同居人が仕事に使うのに物色していた真空パック機に出資して使わせてもらうことに。特にキャベツが自分で千切りにするにしろカット済みのを買ってくるにしろ足が速いので、一回分の個包装にできれば使いやすいんじゃないかという仮説。

少し前までコストコに置いてあったらしく買いにいったら春頃に取り扱い終了してシンプルなモデルに置き換わってました。なのでAmazonにて購入。2万円強。

このFM5460の特徴は、3種類のパックに対応している点。

  1. 使い捨てのロールから好きなサイズに切って上下を熱で封じて作るパック(幅が2サイズ)
  2. 繰り返し利用可能なジッパー&空気弁のついたジップロック的なバッグ
  3. 樹脂容器

の3つで、後ろ2つは右上にある吸引器を使って空気を抜きます。それぞれ冷凍可否や水分量による向き不向きがあります。下位モデルではこれらのうち1つ、2つだけだったりするのに対し、全部入りがこのFM5460になります。

今回のジェネリック牛サラダについては、とりあえず味的に別になくてもいっかなという温泉卵は保留にして、牛丼以外の具材をあらかじめ1)で1パックにしておき、牛丼は冷蔵庫解凍しておき常温程度にあたためて2つを混ぜるだけ、という形にしようと考えました。

こんな感じ。今回はブロッコリーが高かったので見送り。まぁこれもなきゃなくてもと思ってます。

使ってみての感想は、まず音が結構うるさいという点。集合住宅では夜中に使うのは憚られます。あとロールをカットする時にかなりマージンをとっておかないと吸い取り口にセットできないという点。ロールの消費を抑える為に内容物の容量のギリギリを攻め過ぎると失敗します。あと素手で開封できるような切り口がついてるといいなぁと。

あとキャベツが他の具材の水分を吸ってしまうとアレなのでもしかしたら垂直にも加熱して仕切りを作ってやったらキャベツとその他の具材で別にパックできていいんじゃないかなとか。次回試してみようと思います。

 

場所を結構とるのとうるさくて夜作業できないのが難点ですが、これから色々なものに活用していこうと思います。

チョップドサラダをもりもり食べたいので専用プロセッサーを買った

最近、夜中の間食というかアニメとかみながら無駄にものを食べてしまうのが止まらず体重増加に歯止めがかからないのが悩み。そんな折り、デニーズでPREMIUMデニーズサラダというメニューが気に入って、一定の腹持ちはしつつもロカボなサラダを自宅でも食べればイイジャナイ!?と思い立ちました。問題は毎日続けられる手軽さ(と美味しさ)。なにかガジェットを衝動買いすることで解決できないかとリサーチ。

そこで辿り着いたのが流行のチョップドサラダ。文字通りなんでもみじん切りで混ぜちゃう系。お店ではクリンゴンのバトラフみたいな専用包丁でザクザクやるみたいですが(行ったことないから知らん)、自宅ではもうちょい手軽にやるための製品があります。それがこちら。

普通のフードプロセッサと違うのは中に紫色のメッシュ状の部品がついてる点。ここに材料を詰め込んで回転ブレードで切ったもののうち、編み目を抜けられるサイズのものが下に落ちていきます。落ちたらもう刃は届かないので、ミンチになるまでつぶれてしまうことはない、という寸法です。固いものと柔らかいものが混ざっていてもOKということなので、葉物野菜だけでなく生の人参やナッツ系なども気にせず混ぜてカットすることができます。一人なら下のカップ部分に直接ドレッシングなども入れてスプーンで混ぜて食べるのも洗い物が減ってあり。

ラインナップには冷凍素材にも対応した別ブレードがついたものもありますが、多分使わないだろうなと思い下位モデルをチョイス。余計な部品がキッチンに溢れずに良いです。ちょうどモデルチェンジ時期なのかヨドバシは販売終了。コジマ店舗にいったら8,000円弱でしたが在庫なし。ただし系列のビックカメラで3,880円(税別)になってるので取り寄せでよければ同じ値段で、と提案されたので決断しました。

操作は簡単で上の本体(白い部分)を中蓋をセットしたカップにのせて、上から押しつけるとその間モーターが回転します。きちっとハマってないと回らないので安全生も高そう。本体以外のパーツはすべて食洗機対応です。肉などを入れるとかなり油でべっとりするので食洗機で丸洗いできるのは有り難い。本体が一番ずっしりしているので、見た目のシンプルオシャレさよりは握りやすさ、落としにくさをもう少し追求した形状だったら良かったなと思います。

パワーは問題なし。ナッツ類も面白いように砕いていきます。ただし水分や油分が多い食材は苦手。うまくカゴから落ちなくてそのままミンチ状になってしまうことも。例えば豆腐は無理でしたw。あと照り焼きチキンなどは油で貼り付くのでこれも下に落ちにくく、手で洗うのも大変です。

なんでもかんでもチョップしようと思わず、肉や魚といった食材はちょい手間ですが包丁で適当にスライスして盛る、とかの方が結果的に片付けも楽だし食感も腹持ち感もいいんじゃないかなと。当面色々な食材やドレッシングを組み合わせるだけで楽しめそうです。

オーブン電子レンジを買い換え ビストロ最上位機種の前年モデルがお買い得

2005年製の重量センサーオンリーの電子レンジに嫌気がさして買い換えを決意。重量センサーオンリー機のなにが問題かというと、食品の量を文字通り重さでしか検知しないのです。凍ってるのか常温なのかもわからないのはもちろん、難しいのはお皿の重さがどれくらいの比重を占めるのかわからないで温めようとする点。わからないので、計測重量の半分程度が食器の重さと仮定し、1/2程度の質量の食品がそこにある、と考えて温めてるようです。なので、タッパーのような計量な器に入ってたり、そもそもラップに包んだだけの冷凍肉とかでは全然見当違いの加熱をしてしまいます。

また長年の夢として「常温に温められる電子レンジ」というものを誰か作ってくれよ、と思っていました。例えばパックのお寿司とかをスーパーで買ってきたとします。さすがにそのままでは冷たいのですが冷蔵庫から出して常温に戻るのを待ってもいられません。仕方なく電子レンジに入れるんですがうっかりするとアツアツ寿司のできあがりです。なぜ常温くらいのいいとこで止める電子レンジがないのか!と憤ってたわけですが、これもやっぱり温度センサー未搭載だからという結論になるわけです。最近の温度センサー搭載機種にはちゃんと温度を指定して温めるモードがついていました!例えばカチカチのアイスをスプーンが刺さるくらいまで解凍するなんて設定も。

ということで、

  • マルチセンサでオート温めが賢い
  • 温度指定温めができる

といった要求仕様を定義して機種選定したのですが、ややはりセンサー類が充実してるのは高級なオーブンレンジ(過熱水蒸気モデルなど)ばかり。温度センサーをスイングして広範囲の温度分布をチェックするものや、64眼センサーを謳うものまで。もちろん、前述の食器のみの重さを検知できる仕組みは現在のセンサー技術でもないのですが、かわりに温度センサーや蒸気センサーなどで食品の状態を複合的に計測することで温めすぎ、不足を補う発想です。

個人的にはその64眼センサー(Panasonic)が刺さりました。同社でも上位2機種のみが採用しています。温めという一番安いレンジの機能もつきつめると結局多機能の最上位レンジになってしまうというのはいささか悩ましいことでもありましたが、どうせ買い換えるなら進化を感じたいということで同居人の反対を振り切りつつそのどちらかを候補に。

最上位機とその下の違いは、カラー液晶のGUI操作パネルとNFCによるスマホ連携、あとはドアのダンパーくらい。ので純粋なあたため性能としては2番目の機種でも良かったんですが、どのみち最新型は十数万円クラスで買えないので前年度モデルを狙っており、それだと差額もさほどではなかったので、UI研究家としてはGUI搭載電子レンジというのに触れておくのも良かろうということで最上位モデルに狙いを定めました。

それがNE-BS1300です。カラバリは黒+赤ラインと白。同社炊飯器と同じラインナップですね。炊飯器は白ですがこちらは黒にしてみました。

白黒液晶+ツマミUIの下位モデルはNE-BS903。

ちなみに2017年モデルだと数字の3が4に置き換わり、BS1400とBS904となります。詳細な機能比較はこちら

見た目は同じ。搭載メニュー数が違う程度のようです。なお、さらに前の1200になると天井のヒーターが剥き出しになるなどハード的な違いもかなりあるようです。

家電はきっちり1年でモデルチェンジしますが、違いはほとんどないことも多いので、うまく新型登場時期を狙って旧モデルの上位機を買うのが最近のお気に入りです。エアコン洗濯機炊飯器などはそれで最上位機をおとくにゲットしています。4Kテレビも新型登場直前くらいを突きましたし、スマホなどは発売日買いが基本なσ(^^)ですが、家電はコスパとレビューをじっくり見定めて買うことが多くなってます。

で、BS1300にほぼ心を決めたものの、ちょっと出遅れていてヨドバシやヤマダなど量販店では完全に品切れ。通販で買っても良かったんですが、ちょっと日程の関係でどうしても当日中に買ってすげ替える必要ができて、あちこち回ったりして結局近所のビックで近隣店舗の展示品(箱なし、付属品あり、デモモードでの通電はあるが加熱は無し)を探してくれて、7万円台、5年保証付きだったので、川崎から世田谷井草まで往復2時間かけて車で買いに行きました。

■温度指定あたためができる

目的のひとつである温度指定のあたため。5度単位で指定できます。ただし今までそういう尺度で考えてなかったので、まだ感覚がつかめてないです。例えば40度ってお風呂くらいだよなぁ、とか想像しながら試行錯誤中。ただ完璧に均一に温まるわけではやっぱりないですね。特に厚み(深さ)のあるものや、水分量にばらつきのあるもの。それでも冒頭に書いた持ち帰り寿司とかをうっかり熱々にしてしまわないよう上限が設定できるのは有り難いなと感じます。

またスチームあたための場合は温度指定ができず仕上がり調整が何段階か選べるのみ。まぁこれは原理的にある程度スチームを行き渡らせることと温度を上げることは切り離せないということなんでしょうかね。二日ほど冷蔵してパサパサになってしまったスーパーのおにぎりをスチーム温めしたら、熱々にはなっちゃいましたが、食感はとても二日前とは思えないほど自然な仕上がりでした。

動作音はとても静かで良いです。あとカラー液晶で白地に黒で残時間カウントが出ているのが、ダイニングなどから遠めで確認するのに視認性が高くて地味に便利です。また加熱終了後に電気代を表示できる(デフォルトでそうなってる)んですが、以外と電気代かからないんだなぁという感触。温めだと1円以下なことがほとんどなんですね。ちょっと面白いです。

加熱中の残時間表示
加熱終了後の電気代表示

■グリル皿の万能感(焼き、茹で)

オーブンレンジで焼き物とかトーストとかって無闇に時間がかかるイメージがあります。考えてみればガスレンジのグリルやポップアップトースターに比べるとヒーター(天井)との距離が遠いんだから当たり前です。ただ本機の場合、クッキーなどを焼くオーブン皿2枚とは別に、グリル皿というものが付属しています。これをヒーターのついた天井寄りの上段にセットすることで、高速に両面焼きを行えます。グリル皿自体がレンジの電磁波で発熱するようです。トーストが3分台で焼けるのは同クラスの他社オーブンレンジと比べてもかなり速いです。まぁそれでもポップアップトースターには適わないですが、ピザトーストなど具材を載せるトーストに必要なオーブントースターの代わりにできるならアリかなと思います。

グリル皿を使ってピザトースト。天井ヒーター寄りの最上段にし、かつグリル皿も発熱させることで、裏表とも熱源に近い状態で加熱

生魚もこのグリル皿で両面しっかり焼き目を入れて焼けます。開きにしてない厚みの割とあるアジを焼いてみましたがバッチリ中まで火が通ってました。某社の油も水も不要なタイプの冷凍餃子用のメニューなんかもあり、フライパン調理の多くがこのグリル皿でできるっぽいです。レシピ本でもグリル皿を使うものがかなり多い印象です。またちゃんとテフロンコートされててお手入れも簡単だし、溝がついてて油分が落ちる分、フライパンよりも良いかも知れません。パーツ単体でも売られているようなので、傷んできたら気軽に買い換えられます。

レンジで焼き物すると油がはねて庫内の掃除が大変そうですが、本機にはメンテナンス機能のひとつとして天井クリーニングモードというのがあり、加熱で油分を焼いて拭き取りやすくすることができるようです。こちらの効果は追々検証です。その辺が上手く機能するなら、

  • 余計な油分が落とせる
  • 火加減を気にしなくてもいい

などの面でフライパン使うよりいいかなと期待もしています。

グリル皿はスチーム加熱時にも使うことがあります。電子レンジでゆで卵をいえば爆発するネタで有名ですが、オーブン機能のメニューでゆで卵や温泉卵があるのも万能感ありますね。茹でブロッコリーなんかもこのグリル皿を使ってスチーム加熱をする仕組みでした。電子レンジ用のゆで野菜容器いらずです。ただ容器だと水道水にさらして粗熱とったりもそのままできるので、利便性まで含めて考えるとどうですかね。少しでもキッチンガジェットを減らしたい場合は、そういう使い方もできるよ、という感じでしょうか。

またスチーム機能というと水タンクの衛生面が気になりますが、本機はクエン酸を入れて経路含めてクリーニングする機能がついているのも好感度、安心感高いです。

■ホットクックを駆逐するのか?(煮物)

春にSHARPのホットクックを購入して愛用しています。こちらも「材料と調味料を鍋にいれてスイッチおせば火加減気にせず完成」という面で大変時短になっています。カレーとかカボチャの煮物、白菜と豚肉のミルフィーユなどがヘビロテです。ただメニューブックをみるにこれらはどれも本機でも調理可能なようです。ただし汁もの、煮物は当然プレートでは調理できないので、別途ガラスの鍋やボウルが必要とされています。純正オプションとしては用意されておらず、サイズが指定されています。

カレーを作るには「2.5〜3.0Lで深さ10cm、直径22〜25cm、レンジとオーブン両用の容器(耐熱ガラスや陶磁器)」「吹きこぼれないよう深めで側面がまっすぐなもの」とあります。深さ10cmと深めは両立しづらいオーダーですねw。ガラスの方が調理具合が見えてよさげですが、重さや強度的に難しいのか2.5〜3Lクラスはあまり見つかりません。ルクルーゼなどのホーロー(金属)のものはダメでしょうし、難しいところです。どうせならメーカー純正品やオススメ品の指定をしてほしいところです。

カボチャ煮物などで指定されている「25cm形のガラスボウル」はこれ辺りが安くてよさげでしょうか。

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いずれにせよ、煮物関係はこうしたオプションの調理器具が必要だということを意識しておいた方が良さそうです。おいおいホットクックがいらなくなるとまたひとつキッチンがスッキリするなと思います。

■GUI

本機の大きな特徴であるタッチパネルGUIについて、ガジェットオタクとして言及せねば。

タッチのレスポンスとしてはサクサクとは言わないまでも上々です。必要充分なレスポンスと言えます。

レイアウトとしてもシンプルなタブUIでシニアな方でもそんなに難しくないんじゃないでしょうか。お気に入りメニューを登録して少ないステップで呼び出すこともできます。専用レシピ本やオンラインのレシピサイトからメニュー番号で選択した場合もカラー写真が出るので正しいかどうか一目でわかる点もナイス。

逆にこのGUIの操作だけでレシピを検索して説明を読んで作って行くのはちょっと画面が小さくてしんどいかなぁ。防水スマホやタブレットもってればそっちの方がよさげでしょうけど、防水非対応機種だったりキッチンが狭かったりする場合にはアリなのかも知れません。

 

■作例

とてもいい焼き目がついたアジを撮り忘れたのが悔やまれますが、その他の公式レシピからの作例をば。

ごま唐揚げ。普段は電子レンジ(電磁波加熱)で作る唐揚げ粉を使ってますが、こちらはグリル(ヒーター)調理。やはり皮がカリッとします(まぁあのレンチン粉の粉っぽい食感も好きなんですが)。

焼きそば。普通に東洋水産とかの3食+粉末ソースのアレです。これもグリル皿を使用。

本当にできるのか、レシピにないウインナーに火が通るか、心配でしたがバッチリです。粉ソースは加熱後にかけて菜箸で混ぜます。フライパンと違ってサイドの壁が低いし直接もって振りづらいので混ぜるのはやや大変ですが。キャベツの火の通りが良く、芯まで柔らかくなってたのは良かったです。麺も一部グリル皿の上に落ちてた分はパリパリになっててナイス。心配したウインナーも問題なしでした。

お皿に盛る時もミトンでもって傾けるのもちょっと力いりますね。オプションのハンドル買った方がいいのかなぁ。でもどれくらいガッチリ掴むんだろ?昔のはすべってかえって危なかったイメージですが。

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2017.08.02追記

いくつか焼き物を追加でチャレンジ。

市販の生ハンバーグ4つにオマケで冷凍ハッシュドポテトを2つ載せて、4人分+仕上がり強で焼いてみたら、焼けすぎて外側カチカチになってしまいました。冷凍ハッシュドポテトの分を仕上がり調整で補正したつもりだったのですが、あんまし余計なことしないで素直に標準設定でよかったのかも知れません。

またサンマも焼いてみたんですが、開きだったせいかこちらもやや焼きすぎ。

水も油もいらない某冷凍餃子も専用メニューがあるので期待したんですが、フライパンで焼いた時よりも皮が固めの仕上がり。見た目は完璧なんですが…

ということで、なぜかここんと焼きすぎの連発。最後の以外はレシピ通りではないので文句は言えないですが、なんでもオートで完璧におまかせ!ってほどではないみたいです。

■改善希望点

もっとも多用するであろうグリル皿ですが、レールとの摩擦が低くて、加熱具合をちょっと見ようとして軽く引き出すと、あとは惰性なのか傾きなのか勝手にスルスルっと手前に落ちてきます。「あっ!」と思っても素手で押さえるわけにも行かず、一度は開いたドアの上にガシャンと落ちてしまいました。幸いガラスが割れたりキズついたりはなかったようですが。テフロン加工の弊害かとも思ったんですが、レールに乗る部分は耐熱プラスチックのようでした。スムーズに出し入れできることも重要ですが、意図せぬ事故、火傷を防ぐのに、一番手前で一旦止まるような機構があるといいなと思いました。

■使いこなせば損はなさげ。旧モデルが狙い目!

標準価格は十万円台後半と、σ(^^)のような庶民はちょっとヒいてしまう価格帯の商品ですが、実際の性能や機能はそれだけのアドバンテージをもっている商品なので、こうして旧モデルになって半額以下になってくるとコスパはうなぎ登りだと思います。特に1200->1300の時の天井ヒーター内蔵のような劇的進化が1300->1400はないので、安心して旧モデルに特攻できます。

30Lクラスというとファミリー向けとされるサイズですが、これだけの料理が簡単にできてこの価格帯で買えるならば、二人暮らしや単身でもちょっと料理する層にはあまりオーバースペックという感じはしないです。むしろ時短調理で色々できるので共働き夫婦なんかにもお勧めできます。