今更ながらSurface Goを衝動買い

今年最後のPCにMicrosoftのSurface Goを買ってみました。

マイクロソフト Surface Go (128GB/8GB) MCZ-00014

マイクロソフト Surface Go (128GB/8GB) MCZ-00014

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発売からだいぶ立ってるのに新しいモノ好きのσ(^^)が何故かというと、まず簡単な打ち合わせなどにもっていくメモ機が欲しかったから。MacBook 12’はあるものの、たまにWindowsがいいなとかペンやタッチが使えるといいなと思うこともあり。iPad Pro 12.9′ 2018でLTEが内蔵なのでこれにキーボードを足すということも考えましたが、やはりiOS/iPad OSのIMEではストレスなくがしがしメモを取るには厳しいかなと。エディタとしても慣れたVisual Studio Codeが使いたかった。ということで「LTE搭載機」というのも優先度の高い要件でした。で、それで考えるとあんまり選択肢がない。Let’s Noteやトラックパッドが狭くてイヤ。VAIOも悪くなかったけど13インチとかになるとMacBookとそんなにかわらず。現行機種では実質Surface Go一択という感じでした。UMPC系もガジェット的にはそそりましたがやはりサイズだったり英語キーボードだったり高速で無心にメモをとるには不足かなと。

ちなみに1月に発売予定のSurface Pro Xはデザイン的にはツボですしLTE対応で薄くてヨサゲだと思ったんですが、プロセッサがARMベースで64bitアプリが使えなかったり32bitアプリもエミュレーションで、フルなWindows機としては互換性やパフォーマンス的に不安が拭えませんでした。まぁ待ちきれなかったというところもありますが。これは出てみて評判次第ではもしかすると、と今でも思っています。

でまぁSurface Goです。10インチでキーボード(タイプカバー)つけても700g台とかなり軽い。ペンも使える。メモリ8GB/SSD 128GBモデルなら悪くなさそう(4GZB/64GBモデルはeMMC)。タイプカバーはキーボードとしては理想的とはいえないですがまぁ底をテーブルにペタっと下げればそこそこ打てそうかなという評価(店頭では!)。ちょうど店頭でタイプカバー無料キャンペーンをやっていたので半ば衝動買いしてしまいました。

■日本でのSKU構成がクソ

散々語り尽くされてたことですが、日本での店頭モデルはOffice 2019 Home & Business(永年ライセンス)がバンドルされてLTEモデルだと10万くらいします。一方でOSはWindows10 Home S。わかってる人にはダメすぎる仕様です。Office 365を契約していて5台分くらいラインセンスもってる人には、2019止まりの永年ライセンスなんて無用の長物です(実際速攻でアンインストールして365版を入れました)。法人モデルにはOffice無し、Windows 10 Proのラインナップもあり若干お安めで、Amazonなどで1台からでも買えたことは買えたんですが、まぁタイプカバー無料キャンペーンでだいぶ価格差は縮まったり、衝動買いしたかったので妥協したんですが。Proじゃないという差は残りなんとなく損した感は否めません(特に自宅でデスクトップ機からRDPしてセッティングしたい事とかある)。

■タイプカバーも結構厳しいかも

店頭ではそこそこ妥協範囲だと思ったキーボードですが実際に使い込んでみるとそこまで快適ではありませんでした。タッチ自体はiPad ProのFolioキーボードより幾分マシながら、どうもキー配列が微妙におかしいらしい。山口真弘さんの記事にわかりすい写真が出ています。なるほど、これはトラップ。地味に誤タイプが発生するわけです。なんだかなぁ。

5chとかみてるともうタイプカバー止めてELECOMやAnkerなどのBluetoothキーボードを使っとけ、みたいな空気ですね。キックスタンドで自立はするので、重ねてもってけるモバイルキーボードでえぇやんと。確かにそうかも知れません。

■性能面

Atom機よりは確実に良いですが、たまにもたつきは感じます。ストレージがボトルネックなのか、OSの起動直後などアクセスが集中する時に顕著な気がします。あとはデフォルトの電源プランではCPUクロックが非常に低いところで固定されてしまい固まったかのように重くなることがありました。今は最低クロックを上げて使っていますが、これだとバッテリーは保たない感じ。これはバグなんでしょうか。改善してくれるといいなと思います。外部給電していればクロックも上がるのでモバイルバッテリーを組み合わせるのもアリかも。まぁそれだと軽量PCにした意味がなくなるんですが…

■使い勝手

液晶を開くだけのノートPCと違って、1) キックスタンドを立てる、2) キーボードを開く、という2アクション必要になるのは「サッと開いて使う」とう面ではやや不利ではあります。また起動も若干待たされる感じ。顔認証(Hello)があるのでその後は早いんですが。LTEもログインして数秒から十数秒くらいしてつながる感じ。スマホやiPadのような常時接続感はなく、この辺りはやはりスマホ向けプラットフォームで作られるSurface Pro Xに期待、という感じでしょうか。

USB-Cポートがあり、こちらでも充電可能でした。専用コネクタのACアダプタや変換ケーブルを持ち歩かなくて良いのは有り難い。ただ1ポートしかないのでハブは必須かも知れません。とりあえず、USB-A/C、HDMI、Ethernetのついたこちらのハブを購入してみました。

持ち運べるWindows環境としてはかなり軽量なのは満足ですが多少の我慢も必要かなというところですね。うーむ、やはりSurface Pro XもVisual Studio Code特化のPCとして有りなのかもなぁ。でも現状ATOKが動いていないという書き込みも見かけたのでARM版を待つしかないのかも。

カッティングプリンタ CraftRobo C330-20を2019年のPC環境で利用する

■無駄に長い前段

同居人がネットショップを開くにあたり、商品に貼るラベルを印刷したいと。そこでCanonのカラーレーザーLBP612cとあらかじめ丸などの形にカットされたラベル用紙を買ってきてチャレンジしたんですが位置あわせが上手くいかず。ラベル印刷ソフトやプリンタードライバーには上下左右に指定㍉オフセットさせる補正機能がついているのですが、実際にやってみると毎回ズレ幅が違うので補正しきれてない様子。今時のプリンタでここまで毎回の紙送り精度が低いとかもはや紙送り精度を疑うレベルですが、ローラーのメンテナンス情報もないしお手上げ。このレーザーはカセットも手差しも前面給紙で中で一度紙がターンする方式なのでラベル印刷には向かないという結論。特に円形ラベルは少しのズレがデザイン的に気付きやすいのでシビアです。外径と同心円的な意匠は中心がちょっとでもズレると丸わかりです。四角のラベルに文字を入れるだけならそこそこです。ただやはり技術的な理由でデザインが制約されるのは望ましくありません。

次に買ったのはEPSONのPX-M885F。

  • 背面給紙トレイ
  • 増設カセット
  • 通常インクカートリッジとエコタンクの中間的位置づけ(?)なインクパック方式
  • ネットワーク周りは必要充分に充実

という仕様。ランニングコストを抑えつつ専用用紙をセットしっぱなしにして伝票印刷などにも使いたいということでカセット2段に増設でき、なおかつラベル印刷に相性のよい背面給紙(中で紙がターンしない)も使えるとなるとエコタンク機には選択肢がなく、インクパックというレトルトパウチのようなものにインクを入れたもので補充する形式のものになりました。初めて使ってみましたがカートリッジよりも交換が簡単だし、エコタンクのように液体を移す手間(こっちも使ったことないので想像ですが)もなくバランスの良いシステムだなと思いました。一点気になったのは、EPSONインク伝統の「イルカ」とか「チューリップ」みたいな型番知らなくても憶えやすい識別ラベル&写真が割り振られていない点。業務用だからということでしょうか。

で、ラベル印刷の紙送り精度としては大幅に改善しましたが、まだピッタリにはなりませんでした。紙の上寄りと下寄りでズレ方が違います。つまりスケールがあっていないということ。試しにドライバーの拡大縮小設定で101%にしてみたところ今度はズレ幅が逆転。1%単位では大雑把すぎる誤差なわけです。結局、ラベル印刷ソフトからPDFに出力し、Adobe Ilustratorで読み込んで100.5%と0.5%だけ拡大するとほぼ一致することがわかりました。ラベル屋さんなどのラベル印刷ソフトには是非こういうレベルの微調整機能も実装してほしいものです。

さてなんとか位置は合わせられそうになってきましたが、やっぱりインクジェットということで普通紙ラベルに印刷した時の品質ではレーザーに劣ります。滲むし色もなんか薄くて沈んでいる。M885Fは顔料インクなのでもう少しマシかと思ったんですが慌ててスペックを確認するくらいにはインクジェットインクジェットした画質。やはり商品の顔となるラベルとしてはレーザーを使いたいなということになりました。

■もう印刷にあわせてカットしたらイイジャナイ!

連日の失敗ラベル量産にうんざりした同居人はついにコレで手でカットするとか言い出します。

へぇ、こんな道具あるんですね。コンパスみたいなのと違って中心に針穴も開かないらしい。しかしいくらなんでも非効率すぎます。

そこで候補に挙がるのがカッティングプロッター。製図などに使うX-Yプロッターのペンのかわりにカッターを使い、ベクターデータに従って紙をカットするデバイスです。家庭ユースのものはGraphtec、brother、Rolandなどが3~5万円で販売しています。

それぞれできる事はほぼ同じなんですが、注力してる用途が微妙に違う感じ。CM110は専用の粘着台紙に素材を貼り付けて台紙側のマーカーを使って位置あわせをしているっぽい。クラフト向けという感じ。紙のラベルを大量にカットするにはちょっと面倒くさそう。粘着台紙の消耗品代も気になります。スティカはサイズが選べるのが特徴ですが、雰囲気的にはロール式のカッティングシートを切り抜いて文字通りステッカーを作るのがメインかな?位置あわせの方法はよくわかりませんでした。そしてブランド、メーカーの知名度は一番低いかもですがグラフテックは結構老舗で、粘着台紙もあるんですがその他に紙に印刷したトンボを光学センサーで読み取ってそれを基準にした相対位置でカットする位置あわせができます。どうしてもトンボの分だけラベル用紙の端っこはロスになりますが、トンボとラベルを一緒に印刷してあれば済むので作業の手間はヨサゲ。

あとはどうやってカットするパスのデータを作れるか。それぞれ独自ツールももっていますが、少し複雑な形状の切り抜きとなるとIllustratorなどのベクターツールで作りたくなります。各製品ごとに

  • 専用ツールにSVGやEPSなどの汎用ベクターデータを読み込む
  • IllustratorやCorelDRAWのプラグインとして直接出力

といった選択肢があります。カッティングプロッターは大雑把にいえばプリンターの一種で、OSからもプリンタードライバーを介してプリンターとして見えています。あとはカット圧などの制御情報だけ足して制御するだけなので、例えばIllustratorなどでカットしたいパスのレイヤーを作ってそれを”印刷”してやればパスをなぞるようにカッターの刃が動いて切ってくれるというわけですね。印刷する図柄のレイヤーとカットするパスのレイヤーを1つのファイルで管理できるという点ではドローツールのプラグイン式は管理が楽です。

またもうひとつの観点としてUSBメモリやSDカードにデータを格納してカットを実行できるか、というものがあります。業務などで定型のものを繰り返しで切り抜く場合、いちいちPCから行うよりも、本体上の画面でフォーマットを選んでカットを実行できた方が便利です。PCのない場所で作業できますし、例えばPCが使えない作業員でも最低限の手順を機械的に実行すればいいことになります。またOSの更新によって非対応になりがちなプリンタードライバーの互換性の問題も気にしなくてよくなります。ブラザーなんかはそこを突き詰めていて、もはや制作ツール自体がWebアプリになっているようです。ブラウザ上で専用サイトにログインしてデータを作成し、それをダウンロードしてプロッター本体にセットして実行します。クライアントのOSに依存しないやり方ですね。長期に使うデバイスとしてはアリです。サービス自体が消滅しなければですが(笑)。

もしこれからカッティングプロッターを選ばれるのであれば、その辺りの仕様に着目してみるといいんじゃないでしょうか。

■あれウチにグラフテックの製品あるんじゃね?

遡ること10年前、痛ガジェット作りに興味をもって買ったカッティングプロッターがまさにこのグラフテック社(当時と名前かわってた)の製品でした。XPとかVistaとかいう時代の遺物。当然サポートも終了していて、「もう使えないだろうなー」と思いつつ、投資額に対して活用した機会があまりに少なかったため、捨てる踏ん切りもつかずに2回の引越しでもそのまま持ち越していました。Windows10とかmacOS Mojaveなどでは動かないかもだけど、仮想化とか駆使すれば一応使えるんじゃね?ということでベランダのコンテナから引っ張り出してきました。

■CraftRobo CM330-20おさらい(ようやく本題)

私が買った製品は旧ブランドCraftRoboのCM330-20という製品でした。主な仕様は、

  • A4まで対応
  • 光学センサーによるトンボ読み取り対応
  • SDカードからの設定ファイル読み込みに対応

というまずますのスペック。さすがσ(^^)。

利用ソフトが多くてややこしいのでこちらのサポートページを参考にまとめてみます。すべて執筆時点のものですので将来変更になる可能性があります。

・ドライバー & ROBO Controller

いわゆるプリンタードライバーに相当するのがこの2つです。USBで接続したプロッタを直接制御します。ROBO Controllerでカット圧やトンボ読み取りの有無など細かい設定をしたり、テストカットなどを行います。幸いなことにWindows10は64bit版も含めてサポートされています。一方Macは双方とも存在しません。標準プリンタードライバーでOKなんでしょうかね?

そしてポイントなのは、SDカード経由でデータを渡すのであればこの2つは対応版が存在している必要がないということです。

・ROBO Master 5.30

専用エディターです。独自形式のGPDファイルを作成し、ROBO Controllerへ送信してカットを行います。またSDカードに書き出すGSP形式ファイルも出力できます。

編集機能としては基本的なドローツールのように基本形状を作成できます。サイズ指定も可能。ビットマップ画像を貼ったりスキャナから読み込んだしして、それにカット線を重ねていく感じ。そしてトンボを追加することができます。まず画像とトンボをプリンターで印刷し、同じ紙をプロッタにセットして今度はカットを実行すると、トンボで位置あわせをして適切に切り抜いてくれるというわけです。

Windows7までしか対応していないことになっていますが幸いWindows 10の1903でも動きました。ただ一点ROBO Controllerを起動するには管理者権限での実行が必要でした。また一応互換モードもWindows7にして使用しています。

ちなみにインストール途中でROBO MasterかROBO Master Liteかを選ばされますがC330 -20はLiteってついてない方でいいみたいです。

・Cutting Master 2 for CraftROBO

Adobe IllustratorやCorelDRAWなどから直接出力するためのプラグイン形式のツールです。対応バージョンが古くて動きそうになかったので今回は試していません。検索した感じではやはりCC2014はOKだけど2017ではダメだったっぽいです。

 

つまるところ、専用ツールでデータを作って、SDカード経由でカットするだけなら、このROBO Masterだけあればヨサゲってことです。そしてこいつが無事Windows10で動いたので、C330-20は現在でも一応使えた、ということになります。一方MacはCutting Master頼みですが現代のIllustratorでは使えなそう。古いCS6も一応もってますが試していません。どうしてもMacで使いたい人は古いIllustratorとそれが動くOSバージョンを用意する必要がありそうです。そろそろ32bitアプリが動かなくなるのでなかなか難しいと思います。

・サードパーティのツールを使う選択肢

今回のリサーチの途中で、CTグラフィティMという汎用ツールを発見しました。プロッタ-の仮想化ドライバを使って上記に挙がっているような複数社の製品に対応しており、我が古のC330-20もトンボ認識含め対応しているようです(逆に現行機種ではトンボ非対応)。ROBO Masterに比べた優位点はEPSデータが読み込めること。つまりIllustratorなどでデータ作成ができるわけです。お値段9,000円と(現行ハードが3万強で買えることを思うと)ちょっと勇気がいる価格なのでまだ手を出せていません。今後より複雑なデータを扱うようになったら検討するかも知れません。

■Robo Masterでのデータ制作の実際

以下、今回のワークフローをウォークスルーしてみます。Robo Master(以下RM)でテンプレを作り、Illustratorでその上に画像や文字を追加。カットはSDカード経由で行う想定です。

1. Robo Masterでテンプレート作成

新規でA4サイズを選び、「トンボの印刷を行う」をチェックして新規ファイルを作成します。

これが空の新規ファイル。左上、左下、右下の三箇所に位置あわせのトンボが追加されます。これは動かしたり消したりできません。

「円」ツールで最終的にラベルとして切り出したい形を置いていきます。サイズ指定をしたい時は少しわかりにくいですが、オブジェクトを選択して「作図」->「位置」を選ぶと数値入力できます。今回は48mmの正円ラベルを作ります。トンボがある分全面をくまなく使用はできないですが、15面とることができました。パスだけだとイラレ上でなにも見えないので、塗り色をグレーにしておきます。

この状態でRMの専用形式である.GSDファイルでマスターデータとして保存します。

2. カットデータをプロッターに保存する

ツールバーのSDカードのアイコンをクリックし本体へ転送する.GSPファイルを書き出します。この時注意する点が4つあります。

  • SDカードはSDHCやSDXCといった最近のタイプは非対応なので、「SD」としか書いてない2GB以下のものを使用
  • SDカードはFAT形式でフォーマットする(FAT32でもダメ!)
  • ルート(一番上)フォルダに「Graphtec」という名前でフォルダを作成し、その下に.GSPファイル置く
  • .GSPファイルのファイル名は半角英数名で保存する(本体側の液晶で全角文字は表示できない)

将来的に色々なテンプレートのカットファイル(.GSP)をSDカードに置いて本体で選ぶことになるので、なにがどの形式かわかりやすいファイル名ルールを考えました。今回の例では「C48mm15P.GSP」という感じ。Cはサークル、直径48mmで15面、という意味です。四角ならR(ectangle)とか三角ならT(riangle)とかいうイメージ。まぁこの辺はご自由に。

3. Illustratorで画像を載せる

RMの上でも文字やJPGやBMP(PNGはダメなのが時代を感じる)を載せていき、プリンターに印刷することはできます。単純なデザインならそれで充分でしょう。今回はイラレで作成済みのデザインをできるだけ綺麗に(ビットマップにせずに)印刷したかったので以下の手順を採りました。

まずRMはPDFやAIに出力できませんので、WindowsやAdobe Distillerなどの仮想プリンタドライバ経由でPDF化します。「ファイル」->「出力設定」でプリンターを選び、「ファイル」->「プリンタ出力」でPDF保存します。

それをIllustratorで読み込むと、ガイド文のフォント「CIDFont+F1」がない場合は警告がでますが作業に支障はないので無視するか、適当なフォントに置き換えてしまいます。開くとトンボと丸が15個、バラバラのパーツとして配置されています。トンボと丸の相対位置は絶対に動かしてはいけないので、レイヤーを分割してロックしておきます。最後にグレーの円は非表示にするので、トンボと円も別レイヤーにしておくと便利でしょう。で印刷物を配置するレイヤーとして3つ目の「印刷ラベル」というレイヤーを作ってそこに部品を置いていきます。

デザインが完成したらプリンターにラベル用紙(フリーカットタイプ)をセットし印刷します。その時、グレーの丸を集めた「カットパス」レイヤーを非表示にしておくのがポイントです。

つまり印刷工程においてはRMに戻る必要はなく、Illustrator上での作業として完成します。要はトンボの位置が保持されて一緒に紙に印刷されていればOKなわけです。Illustratorである必要すらありません。

4. いよいよカット!

いよいよカットします。まずはカッターの刃の出方をかえる赤青黄のアダプタを紙の厚さに合わせて選びます。一般的なラベル紙なら青で良いでしょう。ただしウチは長期保存で欠品していたので黄色を使っています。

カッターの替え刃とセットでまだ購入できるので注文はしました。

カッターの受けとなるゴムパーツもまだ買える。刃を無駄に出しすぎるとこちらの痛みがヒドくなるんじゃないかと。

本体はもう壊れたらお終いなのであとどれだけ使えるか予測不能ですが消耗品も現品限りとなるはずなので買えるうちに買っておきました。

で、適切に刃をセットしたら図柄とトンボを印刷したラベル用紙をセットします。↓の向きにセットするので図柄と反対向きになりますが気にしなくてOKです。気になる人はイラレの時点で180°回転してから図を載せていっても良いでしょう。

専用台紙を使わないので「ダイシナシ」を選びます。すると紙の先端部が1cmくらい引き込まれます。2つの白いローラーで紙を送り戻しするので、両端がしっかりこの範囲内に入っていることを確認します。

「ファイルセンタク」でENTERを押すとSDカード内のファイルが左右で選べます。ファイルが見えない時はSDカードの形式や保存フォルダ名を確認しましょう。

またファイル名選択画面の左下に出る整数はカット圧です。数字が小さいほど弱い圧でカットします。ラベル用紙の場合、強すぎるとカット途中で部品が抜け落ちてしまい用紙送りの障害になるので、シールは切れても台紙は切れない、くらいの微妙なラインを狙います。経験上、「ウスイカミ」のデフォルトの2だと少し切り残しが出るので3くらいかなという感じ。もちろん紙の厚さやカッターの刃の飛び出し量(アダプタの色)にもよるので適宜調整です。この画面では直接数値はかえられず、かなりわかりにくいですが、一応ファイル毎に最後に使った数値を憶えてくれるようです。

そしてカットを開始すると、まず紙とヘッドが大きく動き、三箇所のトンボ位置を「ふむふむ」と確認します。途中でうまくトンボを認識できないとエラーで止まります。紙のセット位置などを微妙にズラすなどしてみましょう(白のローラーがしっかり紙をつかめるギリギリを狙います)。トンボのチェックに成功すると最後にカット実行の確認がもう一度出るのでENTERをおしてGOです。

試した限りはRobo ControllerからUSBで制御する時に比べて、SDカードからのカットは数倍速い気がします。やはり大量の定型カットを繰り返す場合は、SDカード方式を採った方が効率的でしょう。

 

ということで10年ぶりに引っ張り出してきたカッティングプロッターを現在のOS環境で稼働させることができ、数万円の出費を抑えることができました。修理不能モデルなのであとどれくらい働いてくれるか不明ですが大事に使っていきたいと思います。

 

 

EaseUS Todo Backup 無料版を使ってシステムドライブを移行してみた

仕事用マシンのCドライブがずっと赤ゲージ。なんとか最新のWindows10バージョンである1903アップデートは入れられたものの、そろそろなんとかしようということでSSD換装することにしました。SSDはセルごとに書き換え可能回数が決まっているので、十分な空きがあればファームウェアが使う領域を散らしてくれるのですが、常に残量不足で使い続けると少ない空き領域の部分だけが繰り返し使われてグングン消耗していきます。残量が少ないことは不便なだけでなく寿命面でもよろしくないわけです。

Cドライブの残量警告表示現状はSATA接続のSamsung 850 PRO/256GB。少し前にM.2の970EVO/500GBを空きスロットに増設しましたが、システム移行が面倒くさくてデータドライブとしての追加に留めていました。SATAはどんなに高性能なSSDをつけてもインターフェイスの性能上限がシーケンシャル550MB/s辺りになってしまうので、できればより高速なM.2 SSDをシステムドライブにしたいところ(まぁ体感差はないと言われまくってるのを承知で)。

ということで、今回はM.2の970EVOをシステムドライブに昇格させ、新規に1TBのMX500をデータドライブとして増設することとします(850PROは退役)。

移行計画

現状移行後
C850PRO/256GB (SATA)970EVO/500GB(M.2)
DHDD/1TBHDD/1TB
E970EVO/500GB (M.2)MX500/1TB (SATA)

つまり、SATAの850EVOからM.2のMX500にWindows10システムをクローンすることになります。さて、毎度これがスムーズにいくのがドキドキなわけです。前回の移行時はBIOSからUEFIへの移行で少しハマりました。今回は既にUEFI化してあるのでそこは大丈夫なはず。ただしM.2によるブートにも色々と制限があるらしく、そこら辺をリサーチする時間がなくて前回は日和ってしまった分けです。ざっくり調べるとBIOS設定でAHCIからRAIDモードにして、IRST(Intel Rapid Strage Technology)がインストールしてあればヨサゲと理解。調べてみるとすでにIRSTが導入済みでした。とりあえずこのままいってみようかな?

■新ドライブのベンチ

作業前にベンチとっておきましょう。購入したのはこちら。1Tが1万円ちょいで買えるとか胸熱ですね。TLCです。さらに安く寿命が短いとされるQLCと近い値段でTLCならマシかなと思いチョイス。

ちなみにσ(^^)が2008年に始めて買ったSSDは64GBで14万円くらいしました(遠い目)。

ベンチ結果です。

MX500のベンチマーク結果
今回購入したMX500のベンチ
システムドライブにしているSAMSUNG 850PRO

やはりシーケンシャルが550MB/sくらいですね。それ以外も以前計測した850PROより劣るようです。やはりシステムドライブとしてより動画置き場、エンコード用テンポラリとした方が向いてる気がします。

■EaseUS Todo Backup Freeをインストール

以前にも何度か利用させてもらったことがあるEaseUS Todo Backup Freeを利用。いつも思うんですがここの製品は有料版に対して制限が少なく、どうやって稼いでいるんだろうとw。ちなみにインストール中に出る比較表がこちら。

エディション選択画面

なるほど、バックアップ&リカバリーの速度とかも違ってくるんですね。差分を検出するアルゴリズムが違ったりするのかな?てことは今回のような一発フルクローンでは違いがないということ?まぁ放置しておくだけなのでもし差があっても良しとします。

旧バージョンがアンインストール済みだったけど警告がでました。フォルダを辿ると残骸ファイルだけっぽかったので構わず続行。続けてこんな画面が出ました。これもクローン作業には関係なさそうですね。Sドライブは今回増設したBX500です。一番容量(あるいは残量)の多いドライブを自動選択してくれてるみたいですね。

バックアップフォルダ指定画面

■システムクローンを実行

ではいよいよクローンを実行します。EaseUS Todo Backupを起動すると、左に水色のバーが出てアイコンが並んだ画面になります。一番上のハンバーガー「三」ボタンを押すとアイコンの横に文字ラベルを出現するのでわかりやすくなります。

ここで使用するのは下から2番目の「システムクローン」です。その上がただの「クローン」で、厳密な違いは不明ですが、システムクローンだとクローン元としてOSの入ったドライブが自動選択され、クローン先ドライブの選択のみで済みます。それ以外にもOS起動にまつわる処理をおまかせでやってくれそうだったので今回は「システムクローン」を使用しました。

「ソース」がコピー元(古いディスク)、「ターゲット」がコピー先(新しいディスク)と心に刻んでおきましょう。間違えると大変なことになります。その意味で、「システムクローン」なら片方を強制選択してくれるので間違えようがなく安心と言えます。

ということでやるのはターゲットのドライブです。サイズからして500GBに一番近いハードディスク0だとわかったのでチェックします。続けて左下の「高度なオプション」を開いて「SSDに最適化」チェックをONにしておきます。おそらくアライメント調整などをしてくれるのでしょう。SSDの場合これが狂った状態だとパフォーマンスがガタ落ちになることがあります。ほぼマストな選択だと思いますがここだと知らないとスルーしてしまいそうですね。もっと目立つ位置に選択肢を置いたり、自動でSSDかどうか調べて有効化してほしいなと思います。

そして元のウインドウに戻って「実行」!

と思ったらこんなエラーが出ました。どうやらクローン先のディスクはあらかじめパーティションを削除して未割り当てにしておかないとダメなようです。今回は970 EVOが使用済みのドライブだったのでこの後パーティション削除にめっちゃハマりました。通常はクローン先は新品のディスクであることも多いと思うので問題にはならないでしょう(いちいち自分で新ディスクにパーティションを作る必要すらない、ということです)。パーティション削除の顛末については別の記事にまとめます。

残念ながらクローン中のスクショも撮ったのですがそれがクローンされてなかったので省略。最初予想時間が3分台でスゲー!と思ったんですが実際にはどんどん伸びて行きました。終了したら自動でシャットダウンするというチェックボックスがあり、それを選択しておいたので最終的な時間はわからず。15分くらいだったように思います。クローンが終わったあとは旧Cドライブはなるべく使わない方が良いので、この自動シャットダウンは活用すると良いでしょう。その他にもなるべく常駐ソフトなども終了しておきます。クローンが終わったあとの変化は新ドライブには反映されないので。

■ブート設定の変更

シャットダウンされた状態から再起動し、BIOS/UEFI設定画面に入ります。ここで事前にリサーチしておいた起動メニューなどの変更を実行。しかし事前に調べた情報と違い、ドライブモードはRAIDにしたらダメでした。AHCIに戻して普通に起動。ブート優先度もさほど必要でなかった気がします。数分焦りつつあれこれいじりましたが、なんとかWindowsが起動しました。

■パーティションサイズの拡張

さて起動はしたものの、Cドライブのサイズ、パーティション名が以前のままです。画面左下のスタートボタン(Windowsロゴ)を右クリックして「ディスクの管理」を開きます。

すると、(先頭の100MBの隠しパーティションは仕方ないとして)クローンしたCドライブの後ろに228.17GBの未割り当て領域が残されています。そこでCドライブの領域を右クリックして「ボリュームの拡張…」を実行します。

これでCドライブが容量一杯まで拡張されて465.66GBとなりました!

当初目論み通り、

  • M.2の970 EVOがCドライブとなり、容量倍増。残量大幅増加
  • データ領域のEドライブを970EVOから1TBのMX500に入れ替え
  • 256GBしかない850PROは取り外し。ただしシステムはまるごと残っているので忘れ物があれば取り出せる

という環境が完成しました。これでまだまだ戦えます!

改めて今回もお世話になったツールへのリンクを貼っておきます。無料で本当に有り難いです。

EaseUS Todo Backup Free 11.5

 

WindowsでもMacでも読み書きできる大容量ポータブルストレージが欲しくて

ノマドや出張時に大きなファイルを持ち歩く必要があり、久々にUSB HDDを。容量はなるべく大きくということでSSDは除外して、2.5inch HDDで4TBのものから選定。

当初NASが欲しかったんだけど、いまや2.5inchドライブのNASは絶滅しており、まぁあってもWi-Fiが遅いし、Windowsにマウントして共有した方がいいかってことで普通のUSBタイプを。Thunderbolt3などより高速なI/Fのものも探したけどHDDじゃあんま意味ないだろうということで、オーソドックスにUSB3.0。購入したのはWestern DigitalのMY PASSPORT。

本体側のインターフェイスはmicro B。できればType-CだとMacBook ProにもXPS 15にも充電ケーブルと兼用でC-Cケーブルが使えて便利だなと思ったんですが、同社のMy Passport Ultraと比べて実測レビューのパフォーマンスにかなり差があるっぽかったので、端子は妥協。

またMac用パッケージだと付属ケーブルのPC端がUSB Type-Cなんですが、こちらのケーブルとセットで買ってもなおWindows用の方が安かったので、組み合わせて購入。Windows用がタイムセールだったのもあるかも。購入時の価格でご判断するとよろしいかと。ディスクのフォーマットはWindows用(無印)がNTFS、Mac用がHFS+だと思いますが、後述のとうりどのみちexFATにするので関係なし。

■Windows/Mac/NASで使いたい

持ち出すマシンは用途によってWindows10だったりMacだったりするのでexFATで再フォーマット。またSynology NAS上にあるメディアファイルをできるだけ高速にコピーする為に、NASのUSBポートに直結。SynologyのNASはexFAT対応と書いてるものの、実は有料のアプリ($3.99)が必要でした。

■パスワードロックしてもNASで使いたい

WDのHDDにはWD Securityというツールが用意されておりパスワードを入れないとマウントできないように設定可能です。これはWindows版、Mac版が用意されており、exFATなら1台を双方にマウント可能。ツールを常駐させておけば所定マシンでは自動マウントすることも可能。これは便利。

ただしNAS(Linux)はダメだろうから使用は諦めるしかないかなーと思いつつ、一応実験。一時的にWindowsかMac側でパスワードを消去しておけば再フォーマット無しでNASからマウントし読み書き可能でした。んー、こういうのって全域再フォーマットや全ファイル再保存しないと有効化/無効化できないイメージなんですがどうなんでしょう。ちゃんと実態ファイルまで暗号化されるのかな?単にマウント時点でパスワード認証してるだけ(個別のファイルは非暗号化)だったらイヤだな。でもAES 256bit暗号化ハードウェア搭載品なので、なんかしらの暗号キーで常時保存をしていて、それをパスワードで利用可能にしている、とかなんですかね。

ともあれ、自宅でNASからファイルをまとめてコピーする時だけ(WindowsかMacで)一旦パスワードを削除して、持ち出す直前にまたパスワード設定、という運用ができそうなのはなにより。大量のファイルをまとめてコピーするのは多分最初だけなので、以後は差分だけWindows/Macから入れれば良さそうだし。

■その他ツールも充実

その他にも当面試す予定はないですが、自動バックアップツールやS.M.A.R.T.監視ツールなども提供されており、コスパは高いと思います。

■参考ベンチマーク

AmazonのレビューでSeq Readが400MB/sとか出てましたがそこまではいきませんでした。exFATだからかな?書き込みは同じ位。

パスワードロックなし

またSynologyのDSM上でFile Stationを使ってRAID5(SHR)のボリュームから大きなファイルをコピーした時のレートは85~87MB/s程度で推移しています。

ANIME LOCKERのdrop問題、ついにチューナー追加

ブースター入れたり、エンコードタスクの実行時間を録画時間帯から外したり、電源を交換しても改善がなかったANIME LOCKERの地デジdrop問題、結局USBの外付けチューナーを追加しました。

PLEX USB接続 地上デジタル・BS・CS対応TVチューナー PX-Q3U4

PLEX USB接続 地上デジタル・BS・CS対応TVチューナー PX-Q3U4

32,100円(11/19 03:13時点)
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最初に使っていたのがPX-Q3PEで、これは地デジは問題ないもののBSでちょいちょいブロックノイズが発生していました。システムを6.0系に更新するついでに交換したPX-Q3PE4では逆にBSは完璧な一方、地デジはdropが頻繁に発生して、MP4で音ズレをしたりブロックノイズになったりしていました。とりあえず好調なPX-Q3PE4のBS録画はそのままに、地デジだけをQ3U4で録るにはどうしたらいいかについてメモ。

まず現在のANIME LOCKERではチューナーは自動認識されます。なので、USBチューナーの場合差し込むだけで「設定・管理」->「チューナー状態確認」のページにズダダっと項目が増えます。Q3PE4+Q3U4で16チューナーが出てきます。これを司っているのが、/home/foltia/perl/count_tuner.plであることを突き止めました。80行目辺りにBS、135行目辺りに地デジチューナーのデバイス名を定義している配列宣言があります。ここで無効化したいチューナーの行をコメントアウトしておくと、「チューナー状態確認」画面に現れなくなりますので、おそらく認識から外れて録画にも使われなくなるものと思われます。たとえば上記チューナーだと、BSは以下の8つ。

地デジは、

なので、それぞれ4つずつコメントアウトしました。ただしここでトラップがあります。PCIExpressのQ3PE4とUSBのQ3U4、最初にUSBを追加接続した時は、当然ながらDTV8-15で認識されました。なので、BDの8,9,12,13、地デジの2,3,6,7をコメントしていました。ところがシステムを再起動した後はUSBのQ3U4により若い番号が割り振られ、意図と逆のチューナーが無効化されてしまいました。現在は上記のような設定になっていますが、今後また再起動した後に常にUSBが先に認識されてくれるのか、はたまた毎回バラバラなのかは余談を許さない感じです。

いっそUSBチューナーだけでBSも地デジも完璧に録れるならばいっそPCIExpressのQ3PE4は外してしまう方が安定運用できるのかも知れません。現状、USBの帯域的な面でも併用して分散させた方が安心な気がしているので、BSはQ3PE4、地デジはQ3U4という担当でいいかなぁと考えています。

 

とまだ完全解決の確証はないですが、2日ほど録った感じではQ3U4での地デジ録画は(db的な数値は変わらないものの)音ズレとかもなく良好。まぁ電源は交換してしまったのでそのまま続行しつつ、エンコード遅延は外して元通りにして、しばらく様子見です。