カラーキャリブレーターでモニターの色味を統一する

我が家のメインデスクトップは最近モニターをアップグレードしました。

また配信現場用に購入したモバイルディスプレイもビデオ編集作業やOBS使用時のクリーンプレビュー用として普段はサブディプレイ化しています。

10.8インチのフルHDをメインモニタに比べてとても小さいのでなにかウインドウをもっていって作業、ということはほぼできず、あくまで映像のプレビュー用という感じです。

ただこの2つのモニターの色味が大きく違うため、どちらを基準として信じるべきか悩ましいことに。またどちらもHDRを有効化できるものの、それをするとさらに色味が食い違います。特にサブモニタ側はかなり青味が強くなり明らかにおかしい。

フラストレーションがたまるので久しぶりにキャリブレーションに手を出すことに。以前Spider4を購入したのが2012年らしいので9年ぶりのキャリブレーターです。

まだどこかに埋もれているとは思いますが、さすがに古いし、LGのモニターがハードウェアキャリブレーションに対応していて、その対応機種が後継のSpider 5かSpider Xシリーズということだったので、買い換えることに。

Spider XにはProとELITEがあり価格差も結構あります。

1万円以上違うので悩みましたが、比較表をみるとデュアルモニタで色を揃えるビジュアルファインチューニングというまさに今回の目的に沿った機能があるので思い切ってELITEにしました。というか、

  • マルチモニターサポート(複数のディスプレイをキャリブレーションする機能)
  • ビジュアルファインチューニング(複数台のディスプレイをチューニングする機能)

と違いがわからなすぎる。前者はPro/ELITEともに対応。後者はELITEのみです。DataColorの日本語訳が雑なのは10年近く経っても変わらずなようです。まぁたぶんですが、前者は単にUI的にどちらのキャリブレーションをするのか接続されたディスプレイを選択が可能、ということで、後者は両者間の色味を揃えるという意味合いでしょう。いくら基準に揃えようとしたところで再現できない部分はあって、それも含めてとにかく2者間を揃える、ということではないかと。まぁそこまで厳密なキャリブレーションを期待するわけではなく、見比べて違和感ない程度に色温度やガンマが大筋あっていてくれればいいんですが。ただもうひとつ、

  • ビデオ/シネマキャリブレーション用ターゲット(映像編集用キャリブレーションターゲット)

というのがELITEのみの機能として挙がっていて、実態はよくわからないものの、気になってしまったというのもELITEにした理由です。Rec.709等のガンマにキャリブレできるってことかな?

ちなみにLGモニタのハードウェアキャリブレーションを使うだけならProでも問題なさそう。

■ハードウェアキャリブレーションと大ポカ

LGモニタ側はハードウェアキャリブレーションに対応しています。通常のソフトウェアキャリブレーションの場合、調整データはOS上のカラープロファイル情報として保存され、OSがディスプレイ出力に加味して調整出力を行います。つまり常にそのカラーフィルター分の負荷がPC側にかかっているということですね。一方ハードウェアキャリブレーションの場合、モニター側の調整データとして保存/適用される為、PC側に負荷はかからないし、たぶんですがPCを替えても同じ補正がかかり続けるということになります。体感差が出るような負荷ではないかもですがなんとなく精神衛生上ハードウェアキャリブレーションの方がヨサゲですね。ただし今回のように2つのモニタ間で揃えるとなるとソフトを使うことになる気がします。

いずれにせよ、ディスプレイ側でハード的に補正をかけた上で、さらにソフトキャリブレーションする方が、ソフトの調整幅が軽くて済みそうな気がしたので、まずはハードウェアキャリブレーションを実施することに。

ハードウェアキャリブレーションの場合、Spider Xのデータを直接モニタが読み取る必要があるので、USBケーブルをモニタ背面のUSBポートに接続します。またモニタとPCもUSBケーブルで接続する必要があります。ソフトはSpider用のものではなく、LGのサイトから落とせるLG Calibration Studioというソフトを使います。めんどくさいですが、検索欄にモデル名を入力すると対応ソフトとしてMac版、Windows版が出てきます。今回の設定目標としては色温度6500K、ガンマは2.2をセット。手順としては画面上にここにセンサーを当てろという枠線が出てくるので簡単なんですが、何度やっても通信エラー。「すわ初期不良か!?」と切り分けのために一旦ソフトウェアキャリブレーションにチャレンジ。こちらも同様にエラーになったんですが、ヘルプをみたら解決。レンズカバーを開かずに液晶にあててました(恥ずかしー)。ケーブルの生え方とか色々おかしいと思ってはいたんですけど、なんか円形のゴム台座みて「あぁ液晶表面に傷つけなくていいな」とか(外縁の小さい穴をみて)「最近のはセンサーちっさいな」とか都合良く解釈してましたw。LG側のエラーでは「USB挿し直せ」とか「ソフトを起動しなおせ」しか言わないので、Spiderの説明書も見ずにいきなりハードウェアキャリブレーションに行く人はご注意ください。ということで無事実行。残り15分とかでますが、体感では少しはやく進んで実質10分強くらいだったと思います。Spider 4ではモニタ上端にケーブルを引っ掛けておけばセンサーから手を離していても安定してたんですが、本製品は軽く手で押さえてないとでした。ケーブルも細いので荷重がかかるのも不安ですし。三脚穴はついてますが、画面にしっかり押しつける方向に力をかけるのは難しそう。というこで手で押さえながら10分以上耐えることに。手元にスマホとか暇つぶしグッズを揃えておくといいかと思います。

で、ハードウェアキャリブレーションが終わるとディスプレー側のプロファイルが「キャリブレーション設定1」となります。デフォルトで入っているプロファイルに追加される感じで、普段使いに別のプロファイルに戻すこともOSDで簡単でできて良いカンジ。

■ソフトウェアキャリブレーションを実施

続いてソフトウェアキャリブレーション。SpiderXもまたパッケージにソフトは同梱されておらずダウンロードなんですが、このリンクすら書かれてないく、公式サイトトップからどうリンクをたどっても見付からず、結局ググってしまいました。たぶんここでよさそう。

Spider4時代にもみた雰囲気。ウィザード形式になっていますが、相変わらずわかりづらい作りです。特に部屋の明るさに関するエラーが出た際にどうすればいいか、日本語のメッセージは解釈に悩む文章になっています。なんか昔も同じようなことで悩んだなと記憶が蘇りました。全然進歩してない…

悩みつつもなんとか両モニタをHDRオフ状態で色温度6500K/ガンマ2.2で補正しました。LG側はハードウェアキャリブレーションをした上でなのに割と色味に変化がありました。それはどうなんだ?と思いつつも、サブモニタとの色味がかなり近づいたので良しとします。調整した設定ファイルには名前をつけて保存でき、Windowsのディスプレイ設定でいつでも切り替えることができます。

■複数モニターで揃えるStudio Match

Spider Xのユーティリティのウィザードの中にStudio Matchというのが出てきます。

「スタジオ内のすべてのディスプレイをできるだけ一致させます」とあるので、機能比較表にある、

  • ビジュアルファインチューニング(複数台のディスプレイをチューニングする機能)
  • のことでしょうか。名称が1単語たりともマッチしません。もしこれのことだとするならDataColorはUXライターを雇った方がよいでしょう。

    しかしまぁ仕方ないので実行してみます。ざっくりとした手順は、

    1. 両モニタの輝度を最大にする
    2. それぞれの輝度をセンサーで測り低い方にあわせたカンデラ目標値を設定する
    3. 再度それぞれの輝度を測り、モニタ側の明るさ調整を下げながら目標値に近づくまで再測定を繰り替える
    4. カラーを含めたキャリブレーションを行う
    5. それぞれの画面の色見本(黄、マゼンダ、シアン、グレースケールバー)を見て手動で微調整

    という感じ、最後で「そこ手作業かい!」ってなりました。自分の感覚が信じ切れないからキャリブレーターなんてものを買っているというのに、、まぁ頑張ってあわせましたとも。

    ハマったのはサブモニタの方がDCRというオート設定をオフにしないと手動で明るさ調整ができなかった点。またこのモニタの輝度調整は10段階しかない為、ソフトが指示するドンピシャの輝度レンジに収めることができませんでした。最終的に5のステップで明るさというか彩度的なところがあわないなと感じましたが、適当なところで妥協し、最後にLG側で適当に輝度を揃えたらおおむね満足のいく感じになりました。

    ■HDR?

    本製品がHDR対応かどうかよくわかりませんが、おそらくダメなのでしょう。WindowsでHDRを有効にして計測すると途中でエラーが出まくります。それでもOKでダイアログを消し続けると完走はるすものの色味は微妙。よくて色温度が高め、ひどいと真っ黄色な結果にw。WindowsからするとHDR ONとOFFでプロファイルは別扱いらしく、SDR状態で作ったプロファイルはHDR ONの状態だと選択肢に現れません。SDR(HDR OFF)とHDRでそれぞれプロファイルを作成する必要があります(ON/OFF切り替えると最後に当てたプロファイルが復元されるので、きちんとしたプロファイルさえあれば普段は気にしなくてよさそう)。

    個人的にはたまたま出来たやや色温度の高めのプロファイルはかなり好みの色味なんですが、ターゲットが6500Kということを考えると明らかにおかしいな色になっているんでしょう。またどちらのモニタもWindows側でHDR ONにするとそれ相応のモードに切り替わりOSDで明るさ調整ができなくなったりします(一番明るいところ固定)。それもあって、さらに前述のStudio Matchで2つのモニターの色調を揃えることは不可能に近い感じ。

    いまのところHDRは諦め気味です。

    ■まとめ

    なんだか最後の最後で手動調節させられて納得しきれない感じにはなりましたが、主観で揃えてるだけに主観的にはほぼ同じ感じになったかな?と。趣味でYoutube挙げるくらいであれば問題ない一致度なのかなと。ゼロから手動で揃えようとしてもたぶん無理だったので、使った意味はあったかと思います。コスパはどうかというところですが、上記のStudio MatchがELITE独自の「ビジュアルファインチューニング」のことなんだとしたらまぁ仕方ないかなという感じです。ただまぁ個別に6500K/2.2をターゲットにしてキャリブレーションしただけの状態でもほぼ不満ない出来映えだったので、もしELITEを今回レンタルしていて、やっぱり自分で買うかってなった時にはProでいっか、と考えるかも知れません。ただ今はプロジェクターがないので関係ないですが、おいおいホームシアターを復活させることも視野に入れると、やっぱりELITEを買ってたかなと言う気もします。

    ちなみにRentioだとProが3,980円で3泊4日で借りられるようです。モニタは経年で色味が変わっているのでプロなら毎月のようにキャリブレートしなおすようです。アマチュアで3ヶ月や半年に1回はやろうとすると買ってしまった方がよさげな気がしました。逆に遊んでる間、友人知人に貸してあげようかとも思いましたが、DataColorのSpiderユーティリティはインストール時にシリアルNo.でアクティベートが必要なので、もしかすると台数制限があるのかも?Rentioで貸し出しできてるのはどうなてるんでしょうね。一度アクティベートされると、ライセンス番号が発行され、次からはその番号を打てば良さそう(アクティベート画面では「シリアルNo.またはライセンスNo.を入れろ」的なことを言われる)なんですが、表示されてる凡例とは明らかに桁数やハイフン位置が違っていて、実際にいれてみても弾かれるんですよね。この辺、用語(の和訳?)の統一がとれていないDataColor社の仕事なのでこうなるとお手上げです。

    あと大きなレンズを備えているし、箱には乾燥剤が同梱されていたので、普段の保管は防湿庫とかに入れておくのがいいかもです。

    ZV-E10ファーストインプレ

    ついにZV-E10が発売されました。

    個人的に購入することにした経緯などはこちら。

    まだ外に撮りに持ち出したりはしてないのですが(そもそも仕事用だし)、ざっと触ってみた感じのインプレなど。

    ■身軽?

    大きな特徴である軽量さですが、キットレンズとシューティンググリップGP-VPT2BTに、さらに神マイクECM-B1Mまでつけるとそれなりにズッシリはします。

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    これだけの装備をつけて、例えばGoProと比べてどれだけアドバンテージがあるのか?、またジンバルとかなくてもヌルヌル動画が撮れるのか?といった辺りが焦点になるかなと思います。個人的にはCatalystを使ったジャイロセンサーログによるソフトウェア手ぶれ補正も気になります。

    GP-BPT2BTがリモコン操作は便利なんですが、割とゴッツくて嵩張るので微妙な気がしています。それだったらもう一回り大きくなっても小型ジンバルいっちゃうか?という。RX100系用のもっと小さなグリップがあったと思いますが、あれの無線対応版が出て欲しいですね。

    ■手ぶれ補正周り

    前記事にも書いたとおり、購入動機は三脚室内撮り用なので、さほど重視はしてないのですが、アクティブ手ぶれ補正もCataryst対応機種としても初入手になるので試してみたいとは思います。また静止画はα6600を使えばいいやと思っているので、本機では基本動画撮影時の評価を行っています。

    ボディ内手ぶれ補正がないので、レンズ内手ぶれ補正(OSS)がある場合のみ「スタンダード」の補正が効くようです。あるいは画像処理ベース「アクティブ」はどのレンズでも使えますが割とクロップ(切り取り)が起きます。スタンダードとアクティブは排他利用です。また後からPCでCatalystを使う場合はどちらもOFFで撮影しないと駄目っぽいです。アクティブとCatalystは類似の処理なので排他になるのはわかりますが、せっかく光学式手ぶれ補正がついたレンズならそれで少しでもブレを軽減しておいて、Catalystでのクロップを押さえる、という使い方ができればいいのにと思いますが、そうもいかないようですね。まぁジャイロのログから光学補正した分を取り除くようなことは難しいでしょうから致し方ないのかも知れません。

    私はRAWで撮ってPCでじっくり現像するのが好きなので、手ぶれ補正についてもインボディで行わず、あとでPC上で適用量を見定めてかけることに興味を抱いていました。が、今回実際使ってみて、「思ったよりこっちもクロップするな」という感想をもちました。2up画面で比較しながら適用量を調整できますが、まず「自動」で処理させるとかなり削られます。揺れていれば揺れているだけゴリっと削って見えなくするという感じ。なのでFHDで撮ってFHDで出力する場合、実効解像度がかなり落ちて縦が800とか700とかすぐに行きます。これを最終的にFHDに拡大してレンダリングするのでちょっと厳しいなと。4K->4Kも同様でしょう。唯一FHD出力だけど4K撮影、なんて場合にはあまり害なく使えるのかなという感じ。本機を含めSONYの現行APS-Cセンサー機は6Kをダウンコンバートして4K録画してるはずなので、(実際どういう順序で処理されるか不明ですが)インボディで6K時点で補正できるなら「アクティブ」を使った方がいいのかも知れません。

    Catalystによる手ぶれ補正はハードウェアエンコード支援が使えるので速度はそこまで気にならないものの、手間は手間だし、さらに後でPremiere Proなりで編集する素材とする場合、再エンコードになるのもちょっとイヤ。

    もしこれで本格的に外で手ぶれのない映像作品を撮るとなったらジンバル買うかなぁという気分になっています。

    少しオーバースペックですが買ったままほとんど使っていないRONIN SCを活用するか、これあたりを買うか。

    ■電源周り

    もうひとつの重要ポイントは、仕事で長時間動作させる場合の安定度/バッテリー保ちなどについて。基本的にはHDMIまたはUSBから映像をPCに出してOBS Studioなどで他のカメラ映像と合成して録画することになりますが、本機でもバックアップの意味で録画を回しておけるにこしたことはありません。これについてマニュアルを精査したところ、以下のことが判明しました。

    • 電源がオンになってる間はUSBは給電のみになる(バッテリーに充電されない)
    • USBカメラモードをUSB給電で使ってもバッテリーが減ることがある

    おそらくHDMI出力しながら本体内録画した場合の方が電気を食うと思うので、基本的には「USB電源挿すとバッテリーの減りは遅くはできるがずっとは保たない」ということになります。なるほど夏にα6600で現場に挑んだ時、なぜか突然バッテリーが0%になって切れたことがありました。てっきりケーブルや充電器の不良だと思っていましたが、これと同様な仕様だったとしたら説明がつきます。電源を切れば充電に切り替わるんでしょうが、例えば日をまたぐUT実査なんかだと、その日の最後にはカメラのような高額機材はいちど電源を外してロッカーなどにしまったりすることも多く、本番中に減り続けたバッテリーを翌日までに満充電に戻すタイミングがありません。

    で、当初から気になっていた「電池抜いてUSBケーブルだけで稼働できるか」については試してみたところダメでした。なので、安定して終日レベルの長時間稼働をさせたいと思ったらやはりダミーバッテリー型の外部給電アダプタが必須となることが確定。電池の充放電のよる発熱がない分、4Kなど高負荷録画をする時にもいいかなと。ただ純正はちょっと高いんですよね。

    ソニー ACアダプター AC-PW20

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    電源周りなので互換品は不安がありますが、個人的に

    • USB 5V x2ポートで給電できる
    • 全体にやや小ぶりである

    ことが刺さってこちらを買ってみました。

    どのみち現場にはマルチポートのUSB充電器はあれこれ持ち込むので、それを使って給電できるなら荷物をコンパクトにできるなと。純正品は7.2Vあるらしいですが、こいつは5Vのポートを2口使って電圧を稼ぐっぽくて、とりあえずちゃんと動きました。そのうち、これで終日HDMI出力しっぱなしで動くかテストしておこうと思います。

    ■操作UI(対α6600)

    ハードスイッチ周りはかなり動画特化に変更されているので、相互運用性としてはあまりよろしくないように思います。電源の入り切りからして違います。でもまぁFメニューやメモリセットなどを駆使しておおむねやりたいことがやれるようにはできたかなという気がします。一番気になるのはモードダイヤルがなく、単一のボタンで静止画->動画->S&Q->静止画…とサイクリックに切り替える点。反応がワンテンポ遅くてつい押しすぎて通り過ぎてしまうことも。また動画にしてからさらにP/A/S/MをGUIで切り替えなければならないのも二度手間。これで良いという層がいることは理解できるのですが、せめてサイクリック動作で何を巡回するかをソフト的にカスタマイズできたら良かったなと思います。せめてM1くらいは入れたい。

    どちらかというと、しばらくZV-E10を使った後でα6600に戻った時、ズームのつもりで電源を切ってしまうんじゃないかっていう不安が(笑)。まぁズームレバーと固さが違うので気付けるかなとも。

    特長である、ボケ切り替えや商品レビューモード切り替え機能はまだ活用できてませんが、それぞれのボタンはもったいないので他の機能にアサインするかなと思います。「商品レビューモード」ボタンはα6600でC4ボタンと同じ位置なので、ピント拡大とかにしようかなと。「ボケ切り替え」になってるC1ボタンは現在αではホワイトバランス調整になってますが、そこまで多様してるわけでもないので思案中。C1はシューティンググリップGP-VPT2BT側にもついているのでいい機能をアサインしたいところ。やはりカスタムボタンが少ないのは微妙に頭を悩ませますね。

    ■HDR周り

    せっかくモニターをHDR対応にしたので、これを機にHDR撮影、Youtubeアップにもチャレンジしようと少し調べてみました。こちらのZV-1を使った解説がわかりやすかったです。

    なるほど、現状Premiere ProがSONY機の書き出すXAVC SのHDRに非対応なんですね…Catalyst Browseを使っていちどSony XAVC-Intra形式変換してやる必要があるぽい。Intra形式はMPEG系の時間方向圧縮を行わずに全てのフレームをIフレーム(基準フレーム)として保持する形式で圧縮がない分、ファイルがめっちゃ大きくなります。またリアルタイムで書き込むビットレートも必要なため、α7SIIIのようなハイグレード機でないと対応していません。一方で一旦オールIntraになったファイルは再生としては軽いので編集ソフト側での対応はしやすいということなんでしょう。仮にPremiere ProがXAVC SのままのHDRに対応してきたとしても、編集するPCのストレージ速度なんかも要求されそうだし、当分はしかたないのかな。てことで、当面はというか、α6600やZV-E10でHDR編集をするには、

    • PP10で撮る(HLG 1/2/3はとりあえず2で良さそう)(この時点では拡張子は.MP4)
    • Catalyst BrowseでXAVC-Intraに書き出し、それなりに速いSSD領域などに保存する(拡張子.MXF)
    • Premiere Proで読み込めばシークエンスが「Rec.2020/HDR」になってればOK
    • 「Apple ProRes 4:2:2 HQ HLG」で書き出す(拡張子.MOV)
    • Youtubeにアップロード

    という感じかな。なるほど読み込みも書き出しも.MP4ではないんですね。近いうちにYoutubeアップロードまでのワークフローにトライしてみたいと思います。

     

     

    ■バリアングル液晶イラネ…

    操作感で一番不満なのはバリアングル液晶。個人的には猫をローアングルで撮ることが多いので、カメラ本体を低く構えて液晶だけクイっとチルトさせることが多かったんですが、バリアングル液晶になってしまうと一旦モニタパネルを左に開いてから回転させるという二度手間になるし、視線もレンズ方向ではなく脇見する感じになるので非常にストレス。急いでやると壊してしまいそうだし。唯一のメリットは液晶を内側にして畳んでおくと持ち運び中に画面を傷つけないかも、というのがありますが、実際いままでやらかしたことはないし、持ち運ぶ時はソフトケースなどに入れそうなんで実効性があるかは不明。

    ■良かった点と次期種への期待

    まぁ色々と不満はありますが、α6600と比べて進化ポイントとして、

    • MIシューのデジタル音声接続
    • USB Type-Cによる高速通信と充電
    • 外部給電によりバッテリーレス稼働

    は個人的に非常に有り難い。これらのためにα7cに行かずに済みました。フルサイズはレンズまで含めると取り回し、コスパがしんどいので自分的にはAPS-Cで踏みとどまりたい。ボディ内手ぶれ補正対応のα6600に上記を追加したマイナーチェンジモデルが出たら写真も撮るメイン機として買い換えてしまいそう。

    ■作例

    カワスイ(川崎水族館)でHDR撮影のテストをしてきました。暗いところが多いのでキットレンズではなくSIGMA 30mm F1.4で。

    実際にはもっと撮ったんですが、ピンボケが多くて取れ高少なめ。あのモニタだとピント確認は厳しいです。MFだとピーク箇所が出るんですがAFは無理。動き回る魚とかはMFでは厳しい。またタッチで指定したオブジェクトを追従しつづけるタッチトラッキングは4Kでは使えないというのも辛いですね。暗さにめげずもう少し絞って撮れば良かった。

    そして案の定モードエラーをやらかした。前半知らず知らずのうちにS&Qでとっていたという失態。やっぱサイクリック動作ボタンは使いづらいです。

    結論として、やはり本機は業務用のカメラデバイスとしての使用がメインになるかなと。持ち出して使うならカメラ内手ぶれ補正があるα6600でいいやって感じ。レンズまで込みで考えるとボディの重量差は誤差の範囲かなと。それよりも使い勝手や性能、バッテリー保ちの方が重要。まぁα6×00持っていてサブ機でこれを買う人はそもそもあんまりいないと思いますが参考まで。

    OBSやATEM MINIのお供に小型なフルHDポータブル液晶を購入

    前々から現場のモニタ用に小さいモニタが欲しいと思っていました。有名なとこだとATOMOSのSHINOBIシリーズとか。

    ATOMOS SHINOBI ATOMSHBH01

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    ただこれらは多機能だし色校正とかもしかりしてるんだろうけど、5インチ、7インチとスマホくらいの大きさで老眼にはちょっと微妙。細かいところまでピント来てるか見分けられる気がしません。しかも結構お高い。あと基本”フィールド”モニターなので電源仕様がバッテリー前提だったりして微妙に使いにくい。マイナーなメーカーのもっと安いものもあるけどいまひとつ決定打に欠けていました。

    そんな中で今回見つけたのがこちら。

    SECOUというメーカーかな?型番もよくわからん商品ですが、

    • 10.8インチ フルHD(1920×1080)60Hz
    • 非光沢IPS液晶
    • HDR対応
    • miniHDMIおよびUSB Type-C接続
    • スタンドにもなるマグネット式カバー付属
    • VESA穴は無し

    という仕様。これで1.4万円(購入時更に1,000円クーポンあり、レビュー書くと500ポイント)とお手頃価格です。同じメーカーが作ったとしか思えない類似仕様の4K 15.6インチのものをもってますが、VESA穴がついてて自宅に壁掛けしちゃってるし、現場にもっていって並べるには若干大きかった。OBSやATEM MINIなどで配信画像をモニタするにはフルHD、10.8インチは過不足ないなという印象。折りしもOBSの全画面プレビューという機能を知ったばかりで、外付けフルHDモニタがあるのなにかと便利そうと思っていた矢先だったので飛びついてしまいました。

    付属品に、

    • USB Type C to Cケーブル
    • USB Type A to Cケーブル(給電用)
    • USB A充電器(5V 3A)
    • miniHDMI – HDMIケーブル
    • スタンド兼カバー
    • プラスチック製スタンド

    と必要なケーブル一式も含まれているので実質のコスパはさらに安い印象。

    ■フォトレビュー

    外観はこんな感じ。

    マグネット式カバーは2段階アングルのスタンドにもなる

    ヘアラインのフレームなど、Amazonに溢れている中華モニターのデザイン、質感です。さほど悪くない。背面はフラットで、写真のカバー右寄りの部分がマグネットでモニタ背面上側にひっつく感じ。できればVESA穴があると、普段自宅でサブモニタとして使いやすいんですが、そうなればなったでまた持ち出すのが億劫になりそうなので、これはこれで持ち出し専用として割りきった方がいいかなとも思っています。

    背面はフラットでVESA穴は無し(惜しい)

    ただウマ娘用(笑)に縦サブモニタが流行ってるようなので、それ用に使うならやっぱりアームはつけたいかもですね。これくらいならタブレット用ホルダーでも固定できるかも?

    残念さを感じるのはカバーを閉じた時。微妙にマチが足りないのかピッタリと閉じずにこんな感じ↓で浮いてしまいます。バッグなどに入れてしまう分には実用上の問題はなさそうですが、ちょっと設計精度か個体差の問題か不明ですが中華クオリティ感を感じてしまいます。

    カバーは若干浮く

    カバースタンドとは別にプラスチック製の可変式スタンドも付属。こちらの方が多段階に角度を調整可能です。

    プラスタンドも付属

    プラスタンドで立てた状態

    持ち出しを想定してとりあえずDELL XPS 9575のUSB-Cポートにケーブル1本で接続して移してみましたが、特に色味や解像度感で違和感はないです。きちんとHDRも有効化できましたし、当然ながらOBSの外部モニターとしても指定OK。ただしその辺にあったAmazonブランドのType-CケーブルではUSBデバイス接続音はするものの画面は映らず。USB2.0ケーブルだからかな。USB Type-Cは見た目同じでも規格違いがものすごくあるので、付属ケーブル以外を使う時はきちんとテストしておかないと現場で慌てることになりますね。

    ■まとめ

    10インチクラスの小型モニタは以前に買ったCENTURY製品もまだ手元にありますがあちらは1366×768止まり。そこから10年近く、解像度も上がりHDR対応し薄くなり、USB Type-Cケーブル1本での使用にも対応し、1万円台で買えるなんて。薄くてノートPCなどと一緒に持ち出すなどハンドリングも楽でこれからの現場仕事で活躍してくれそうです。