ショップでやってくれないiモード端末からiPhoneへのデータ移行術

母がiPhone 4sからiPhone5cへ、叔母がiモードガラケーからiPhone5sにまとめて機種変更したので色々移行支援など。

■[参考] 価格差

母はSoftbank、叔母はdocomoで、二人とも16GBモデル。母の5cは実質負担が月140円x24、docomo 5sは実質0円でした。どちらも愛知県田原市のキャリアショップ。docomoは5cの16GB、32GBともに0円なのでSoftbank負けてんぞ、って感じ。ただdocomo発売当初からの傾向として、機種代と購入サポート代がともに高くて相殺しているので、2年未満で解約、機種変更した時のダメージはdocomoの方が大きいんじゃないかと。保険必須ですな。

■サービスの違い

docomoがいまだにビジュアルボイスメール(GUI留守電)非対応なのには驚き。あれ便利で、有料オプションでも人に薦めまくってるんだけども。またdocomo.ne.jpもMMSとして「メッセージ」アプリで扱えず、ドコモメール扱いで「メール」アプリからIMAPで送るしかないんですね。しかもプッシュではなくフェッチのみ。SMS通知だけはあるというiPhone導入初期のSoftbankレベル。正直ガッカリしました。自分ではdocomoはちょっと選択肢から外れるレベルです。

■データ移行

母の方はiPhone->iPhoneで特に書くことはないので割愛。問題はiモードからの移行になる叔母の方。

・電話帳

ドコモショップでケーブル接続で移行が可能とのことでした。AppleID(iCloud)に依存しない方法だからAppleIDをその場で作ったり「パスワード教えろ」とか傍若無人なこと言われたりせずにコピーできるという。すげぇ。ただ今回叔母はiPod touch 4thからの復元を前提にしていたので断って自力でやることにしました。

その場合、ドコモ公式サイトに案内があります。ざっと書くと、

  1. ガラケー側でmicroSDに電話帳を全件コピー
  2. 単一のvcf(vCard形式)ファイルができるので、ドコモが配布している電話帳変換ツール(AddressBookConverter)に食わせる
  3. 変換済みのvcfファイルができるのでメールでiPhoneに送る

という手順。上記サイトに画像入りで詳細に説明してあるのでまぁ普通にPCリテラシーがあればどうにかなるでしょう。今回、適当なメールアドレスが未設定だったので、自サーバーにおいてSafariから直接vcfファイルを開いてぶっこみました。MacからならiMessageで送っても良かったかも。

・写真

microSDのDCIMフォルダの中身をPCにコピー。フォルダ名を「ケータイの写真」などとして、iTunesのiPhone画面の「写真」タブからフォルダを指定。これで同期すると、iPhoneの「写真」アプリで「アルバム」タブの中に「カメラロール」とは別に「ケータイの写真」という項目が出て閲覧できるようになります。

叔母はPC使ってないので困ったけど、σ(^^)のマシンにアカウント付くって同期しちゃいました。

あと、microSDカードのDCIMフォルダ意外にもJPEG写真があった(おそらくメールの添付で受信したもの?)ので、それも同じフォルダに移動しときました。

・メール履歴

これが一番の難関。基本的にキャリアでは「できん」といってるものを自己責任でなんとかするしかありません。今回は以下の方法で、「ドコモメール」の受信箱に機種変更後のメールと区別なく表示することに成功しました。概要手順は、

  1. microSDに全件保存
  2. 単一の.vmgファイルが保存されるのでPCにコピー
  3. vmg2emlを使って、eml(1通1ファイル)に変換
  4. Microsoft系のメーラー(Windows LiveメールやOutlook)に取り込む
  5. 同メーラーでドコモメールをIMAP設定
  6. ドコモメールの受信箱フォルダにコピー

という感じ。ググると、eml2imapというツールで直接gmailなどのIMAPなアカウントに送信もできるみたいだったんですが、一応目で確認しつつ薦めたかったので。まぁ結果的に結構面倒だったので、eml2imapでIMAPサーバーとしてドコモメールを使うのが一番いいかも。

さて、もう少し詳しく覚え書き。今回はOffice 2013に含まれるOutlookを使用。一括インポートができるメニューはなく、Explorerから.emlファイルをドラッグ&ドロップすれば一応表示されるんですが、これだとなぜか日付とタイトルが認識されないという結果に。試行錯誤した末、Explorerで.emlファイルを右クリックして「アプリケーションで開く…」からOutlookを開くとちゃんと認識される。しかし、Explorer上で15件以上一括選択して右クリックすると「開く」が選べず7-zip(アーカイバー)行きになってしまう。結局500件余りのメールを15件ずつ選択しては右クリックして「開く」を繰り返しましたw。そうすると15のウインドウが開き1メールずつ表示されます。で、それぞれのリボンから「ケータイメール」など適当に作ったフォルダに保存していきます。Outlookは繰り返してる操作を半自動でワンボタン化してくれるようで、途中からは1クリックで移動できるようになりましたが、ぶっちゃけかなり面倒です。やはりeml2imapの方がいいかも。

なんとか500件をローカルアカウントの「ケータイメール」フォルダに移し終わりました。タイトルや日時も正しく認識されています。ただvmgファイルにはショートメールも含まれており、これに冠しては送信者アドレスがメールアドレス形式ではないので正しく認識されないようでした。試しにiPhoneに移してみても本文以外は見られず誰からのものかわからない状態だったので、叔母と相談し今回はショートメールは諦めることに。Outlook上で「SMS:」等で検索し削除。

次に同じOutlookでドコモメールが読み書きできるようこちらのサーバー情報を使って設定します。事前にdocomoIDを使ってメーラーやWebメールで読み書きできることを許可する設定が必要なんですが、iPhoneに付いてくる冊子にしたがってiPhoneからの設定手順をしてあればOKなようでした。

これでOutlook上のドコモメールアカウントの受信メールに、機種変更後のメールが見えるようになるはずです。あとはここへ「ケータイメール」フォルダにあるメール(のうち必要なもの)をドラッグすれば、機種変更前後をのメールが時系列に並んで読めるようになります。もちろん、iPhoneから見てもドコモメール扱いになるので、そのままdocomo.ne.jpアドレスで返信もできますし、電話帳移行が済んでいれば発信者の名前も表示されます。

最後に、デフォルトではドコモメールは最新一ヶ月分のメールしか表示されない設定になっていたので、「設定」->「メール/連絡先/カレンダー」->「
ドコモメール」->「アカウント (メールアドレス)」->「詳細」と開き、「削除」を「しない」にしてやることで、500件全てが表示されるようになりました。

 

この方法はドコモメールが最近マルチデバイス利用の一貫としてIMAP送受信をサポートしたから可能になります。Softbankの場合は、i.softbank.jpアドレスでないと無理じゃないかと。またauは若干裏技的ながらezweb.ne.jpをIMAP経由で利用できるっぽいので、適宜ググってもらえれば可能じゃないかと思います。それ以外の場合はgmailなどIMAPに対応したアドレスを付くってそちらにコピーし、iPhone上では別フォルダとして閲覧する形になります。これだと返信時に差出人設定を都度かえないといけなかったりやや面倒ですね。

結論としては、eml2imapでdocomo.ne.jpやezwebに丸投げし、必要なフィルタリングは後でPCなどからまとめてやる、というのが楽なんじゃないですかね。業界標準のIMAPメールサーバーにさえ載ってしまえばこっちのものです。

片手持ちのしっくり感は尋常じゃないSH-04Fに機種変更

σ(^^)はメインは3G以来のiPhone派ですが、サブというかおサイフケータイ専用にdocomo回線端末を保持しています。2年ほどXperia SXことSO-05Dを愛用してきました。その前はF-04B、N707iμなどおサイフケータイとしてその時々で最少最薄のものを渡り歩いて来ました。しかし、SX以降4インチ未満の機種は発売される気配はなく(iPhoneとの差別化の意味でも)より大きくなる流れ。もちろん、ネット端末として使うには5インチ、6インチクラスでもいいし実際にXperia Z Ultra Wi-FiNexus7(2013)も愛用していますが、おサイフとしてポケットに入れて持ち歩くには論外。このままずっと壊れるまでSXを使うのかなぁと思ってました。2014夏モデルではXperia A2という比較的小型なモデルがありましたがそれでもデカい。そもそもそれでいいならとっくにZ1-fに特攻していたでしょう。

そんな中でふと目についたのはAQUOS ZETAことSH-04F。5.4インチとけして小さくはないんですが3辺狭額縁でフットプリントが小さい(SHARPではEDGESTと呼んでいるようです)!5インチのNexus5と同じくらい。そして手にとってみるとエッジの付け方が上手いのか自分の手にとてもしっくり来ました。往年のPalmやインフォキャリーを彷彿とさせるサイズ感。これで電子小説を読んだらさぞ快適だろうなぁ、と思ったらもう気絶していました。

■ハード周り

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左からXperia SX (SO-05D)、AQUOS ZETA (SH-04F)、Xperia Z Ultra (SGP412JP/B)。

三辺狭額縁なデザインのせいか画面が3:4に見えますが普通にフルHDです。電子書籍的には横が1200だったら言うことなしだったんですけどねぇ。そしてなぜかdpi指定が大きめにしてあるらしくホーム画面のアイコンは4列のみ。画面が小さいことを配慮したんでしょうがいくらなんでも大きすぎ。理論上は表示解像度は高くて綺麗に見えるはずなんですが、実際にはそこまで高解像度なリソースをもっていないアプリが多く、むしろギザギザが目立ってプアな感じ。docomo謹製のまちキャラすらそうです。せめて5列になるようなdpi設定にしてほしかった。ホームアプリをNovaに置き換えて7列にしてますがなんの不便もなし。シニア向け機種というわけでもないんだしもう少し広く使える指定にしても良かったんじゃないですかね。てかdocomo自体もこれをするならまちキャラの画像リソースくらいあわせてくれよと。

防水な点はXperia Z Ultraをリプレイスするという観点で非常に重要でした。もともとがNexus7があるのにわざわざUltraを買った理由がそこだったので。ただあれは逆に薄すぎていまいちホールドしづらいのと、やはり持ち歩くには大きい。そしてちっともAndroid4.4更新が来ないという点で不満が募り、それを一気に解消するという意味でSH-04Fは魅力だったわけです。専用のマグネット充電端子ではなく普通にmicroUSBでしかもそこがキャップレス防水という点も実用上はメリットが大きいです。

色は珍しくホワイトをチョイス。ブラックは背面がツルテカで指紋が目立つ感じだったので真っ先に排除。同じブラック背面なのにマットなオレンジとかなり悩みましたが、ホワイトの背面の質感がよかったしたまにはいいか、と。「動画優先端末なら黒、電子書籍優先端末なら白」という自分ルールもありましたが、本機種は画面周りはブラックなのであまりそこにこだわってはないです。個性のあるデザインだとは思いませんが、手に馴染む感はトップクラスだと思います。

バッテリーが3,300mAhというのも注目点です。サブ機故に数日ポケットや鞄内で放置して電池を切らしてしまいがちなので。IGZO液晶も省電力に貢献しそうなのも興味が。液晶の書き換えレートを落として稼ぐモードもあるようです。動画やゲームはメインの使途ではないのでいいかなとか。まだ買ったばなりでいじまくりなので結構減る気がしますが。あとエコ技ってのをONにしないと効かないのかな?

そのIGZOですが発色は素晴らしいです。色温度的にも尿要素はなく白が綺麗な白に見えます。カラープロファイルも選べてsRGB相当なものもあるようです。気に入らなければそこで調節も利くというのが最近のAndroidのいいところです。

注目のVoLTE(高音質通話)に関してはまだサービスインしてないので未知数ですし、どのみち電話しないからアレなんですが、まぁ新技術オタとしては楽しみではあります。

カメラ位置が画面下というレイアウトなので、顔認証の時のアングルが微妙w。カメラを置くに傾けるようにしないと認証視野に顔が収まりません。また一般的にもっともブサイクに見える煽りアングルを自分で毎回目にしなければならない鬱な側面も…

Screenshot_2014-05-25-15-42-40■独自のユーザビリティ

差別化機能としてグリップマジックとワンハンドアシストというのが秀逸。

グリップアシストでは画面両サイドにセンサが搭載されており、ユーザが端末を手にもっていることを検知します。これにより、

  • 手にとったら画面ON、おいたらOFF
  • おいたら音楽再生音量をUP
  • ポケットの中でもったら着信を振動でフィードバック
  • 縦持ちしたまま寝転がっても画面が回転しない

特に最後が重宝します。ただまだ持ち方でたまに誤検知はあるようですw。最初のもたまにもたつくことがあって、結局電源ボタンおしてしまうことも。

ワンハンドアシストは写真のように画面の実効エリアを限定して、片手持ちで指の届く範囲にUIを制限するモードです。片手持ちでの操作性を重視した動画プレイヤーを開発している(ただしiOS向け)σ(^^)的にはこのコンセプトは共感できます。できればロック画面でパターン認証する時は自動的にこのモードになってほしいですね(左右どちらの手でもってるのかグリップマジックで検知できないかしら)。

■Xperia SXと使い分け?

当初、機種変更後はSIMをXperiaSXに戻し、本機はSIM無し運用またはMVNO運用するかとも考えてました。ただまぁ本機が思いの外快適なのと、おサイフケータイとしての両立が難しいので、少なくとも当面は本機をメインおサイフケータイ機として使ってみようかと。ただしプランは今は亡きパケホーダイダブル維持で、テザリング&Wi-Fi運用なのはかわらず。この機会にパケホーダイフルにすることも検討したものの、やっぱり(iPhoneとの併用としては)高いし、いちどダブルを辞めたらもう戻ってこられない不安があるので。一応ピッタリなベルトケースも見つけたので、これから上着にポケットがないことが多い季節もやっていけるかなと。これ4インチ用って書いてあるのにピッタリはいるSH-04Fのコンパクトさよ。ちなみにテクスチャ違いと思われる型押し無しの姉妹品もありましたがこちらはなぜかフタが締まらず。テクスチャの違いで微妙に固さに差があるようです。質感としてはそちらの方が好みでしたが仕方なし。

ちなみにMVNOのIIJmioはIPv6対応というオンリーワンの特長をもっているので、もしdocomo SIMはSXに戻して使うなら、こっちにそれを指すとIPv6でテザリングできるかなーと期待したんですが、実際にIIJmioのSIMを指してAPN設定画面を見てみたところ、IPv4のみでグレーアウトして選択できませんでした。残念。

■電子書籍端末として

実際にアプリと書籍を入れて見てみましたがやはり快適です。ページめくりに使える音量ボタンの位置もイイカンジ。こうなると読書アプリとして音量ボタンが使えることが必須になってきます。メジャーどころではKinoppy位かな?ただ紀伊國屋は結構売ってないタイトルがあるんですよね。各プラットフォームのリーダーアプリ制作者様におかれましては、早急に

  • 音量ボタンでのページめくり
  • 左右どっちの端をタップしても進む方向へ移動

機能を実装していただきたく。あとKinoppy制作者様は、音量ボタンを使う度にOSの操作音が鳴るのをなんとか抑制できないですかね。マナーモードにしない限り、ページめくりの度にピッピッピと鳴るのが…

さてこうなると自炊小説をiOSのbREADERのようにリフローして読みたくなります。そこで改めてAndroid向けにそういうアプリがないか調べたところ、ありました!MHE Novel Viewer(以下MHE)がそれです。bREADER同様、元々は青空文庫リーダーですが、スキャンした画像の文字組を認識し、画面サイズにあわせてリフローしてくれます。bREADERでは事前にPC/Mac上のbrcというツールで解析処理をして情報ファイルをアーカイブに加えておく必要がありましたが、MHEではそれもAndroid上で別アプリを使って完結できます。認識精度はいまのところ同程度な印象。本来の改行のあったであろう位置に少しマージンが開きすぎてしまうきらいはあるかも。あと、機能はこちらの方が豊富ですが、使い勝手の面でそれらがいまひとつ馴染んでない印象。例えば、白黒反転で読みたい場合、画像認識結果の方の反転をオンにすると同時に、背景壁紙の色も黒に設定しなおさないといけない、とか。4辺のマージンを独立で設定できるのも(画面サイズが異なるAndroidでは特に)便利ですが、設定によっては前ページの最後の行が先頭に見えたりして微妙(これ親切でやってるのかな?)。あと挿絵ページが単独表示されず、普通に直前の文の直後に表示されて、半分見切れてしまうとかも惜しい。Android4.4なので画面下部のツールバーは設定で消して全画面化できますが、小説読むにはむしろ縦に長すぎても目の移動が大きくて辛いので出したままで使っています。

まぁ一度セッティングが決まってしまえばbREADERとほぼ遜色ない読書エクスペリエンスではないかと。bREADERは信奉者も多い一方、もはやあまり開発が活発には行われていないのに対し、こちらは今後の期待ももてます。移動中に手持ちのiPhoneで自炊小説を読むにはbREADERは神アプリなんですが、やはり5インチ&フルHDくらいあると文庫本感が高くて良いです。実際、リフロー無しでも結構普通に読めます。画面サイズとしてはKindle Paperwhiteなどの一般的な電子ペーパー系端末(6インチが多い)より一回り小さいですが解像度は比べるべくもないですし、片手でがっちりホールドできるので、ヘンなハードウェアハックも不要で不安なく読書できます。

■アクセサリー

クレイドルとかもないのであとは液晶保護フィルムくらいですが、これが思わぬ当たりを引きました。iPhone5/5s用ベルトケースで長らくお世話になっているアスデック製品なんですが、アンチグレア(マット)特有のぎらつきを低減[公式サイト]、と書いてあるので買って見ました。アンチグレアのフィルムって光を乱反射させる仕組み上、どうしてもつぶつぶ感が出て、せっかくの高解像度も、フォントの縁などがざわついた感じになりますよね。それがないというわけです。実際ほぼ気にならないレベルだと思います。指滑りも文句なし。ブルーライトカット機能がないのが惜しいかな。でもこれは良いものです。正直アスデック舐めてた。他の端末のも貼り替えたいレベル。

 

 

 

やはり持ち歩くには大きいので自宅専用にしようかなと思って買って見ましたが、読書用など思いの外快適なので、常用に格上げされそうです。少なくとも電車乗る時にはもっていきたい。正そうするとおサイフケータイとしては使い分けが難しいので、普段から我慢して持ち歩くしかなく、でもまぁそれも許容できる快適さをもってるかなという感じです。値段は結構高く8万円以上払っているので、じっくり2年は活用できるといいなぁ。とりあえず、Nexus2013とXperia Z Ultraを処分すれば半額くらいはまかなえる気がするので、後はdocomoの月々サポートで償却していけるかな?

十数年目の浮気。カーナビをKENWOOD 彩速Z701に

σ(^^)の人生初カーナビはPioneerのCD-ROM機でした。たぶんRoad Navigator IIIの世代。あの頃は関東とか中部とかエリア毎にディスクを入れ替えたり面倒でしたね。以降、DVD、HDDと進化を遂げるなら、同社のフラッグシップ機をメジャーモデルチェンジの度に買い続けてきました。しかし2012年にAR HUDという飛び道具をひっさげて登場したAVIC-ZH99HUDがとっても残念(おもに超もっさり)で、Pioneerに対する信者魂が薄らいで来ていました。そして車の買い換えを夏に控え、恒例のGW明けの新型発表。一応のフリック操作は実現したものの相変わらずの感圧式タッチパネル&HDDでドマイナーチェンジ。発表後最初の週末に横浜で開かれたイベントに実機を触りに行ってもみたんですが、やはりKENWOODやPanasonicのようなスマフォライク操作勢に比べると明らかに旧世代感が漂いました。クルーズスカウターやAR HUDといったギミックは大好物なんですが、さすがにもうあのもっさり(地図操作も検索もルート探索も)には嫌気がさして、同乗者からもクレームが出る状態。さらにはレヴォーグにはEye Sight Ver.3があり(注意してくれるだけの)クルーズスカウターは意義が薄いし、AR HUDに至っては取付不可能である可能性が高い。ならばと、仕事絡みで他社製品もじっくり使ってみようという意味合いも含め、レスポンスと操作感で突出していると評判のKENWOOD 彩速に浮気を決意しました。AR HUDまで含めたCyberNaviが20万超えコースなのに対し、彩速は上位モデルでも10万円切りで購入できます。もし来年こそCyberNaviが巻き返しを図ってきたのなら、その時また買い換えてもいいやろ、くらいの覚悟で。

1月に発売された彩速の最上位モデルMDV-Z701の特長は、

  1. ガラス製静電容量方式タッチパネルでドラッグ、フリックといったスマフォライクな操作感
  2. SSDでスクロールや検索が爆速
  3. スマフォ連携やデータ通信にWi-Fiが使える
  4. 地図はPioneerからのOEM供給らしい。SmartLoopにも対応。
  5. HUDユニットも発売!
  6. 不定期ファームアップデートで機能が増える楽しみ

など。1.は単に地図がドラッグスクロールできるというだけでなく、画面外からのスワイプでUIパネルが出現するなどスマフォ的なインタラクションで、次世代感というかナビもやっとタブレット端末並になったなという感慨があります。また音楽録音容量にこだわってかいまだにもっさり要因のHDDを採用し続けるCyberNaviに比べ、2.は大きなアドバンテージです。実際速いです。3.に関してはUSB型のFOMAデバイスを3年無料提供するPionnerとは違ったアプローチですが、これは一長一短だと思います。CyberNaviはオールインワンでなんでもやってしまおうという姿勢、KENWOODは音声認識処理なども含めスマフォのリソースを積極的に活用しコストを抑えようアプローチで、設定にややスキルを要するという短所があります。4.は元信者としては安心材料。ただ配色までは同じではないのでまだ慣れないです。5.は購入した翌日に発表があってサプライズだったのですが、まぁどのみちレヴォーグにはつけられない予感…

■感涙の爆速レスポンス!

現行より更にもっさりなZH99世代と比べると別次元です。スクロールやUI表示のレスポンスもサクサクですし、検索やルート探索も一瞬。CyberNaviはいちいち通信でサーバーに問い合わせるのか、施設名検索すらひどく待たされる状態でしたが、こいつはほぼインクリメンタルサーチといえるレベル。CyberNaviも昔はこうだった時があった気がするなぁ…。また周辺検索後に地図スクロールすると改めてその場所で再検索してピンが振ってくる。初期のiOSの地図アプリのようなインタラクションでこれが地味に便利。ルート探索も速いですが、まだその質を評価するほどは走り込んでません。やはりネットでもCynerNaviを見限って彩速に乗り換えた人が多いようですが、ルート案内の質と音質についてはCyberNaviの方が良かったという意見をよく見ます。追々検証が楽しみです。

■UI周り

数年前からALPINE辺りから始まった印象の「ルート案内時以外のナビ画面ってただ地図を表示しとく以外にもう少し活用できんじゃね?」アプローチを採用していますね。HOME画面は見やすさよりもオシャレさを優先した3D地図表示が半分とオーディオ情報、また天気や時計などのウィジェット要素も盛り込まれています。「現在地」ボタンで従来の地図表示もできますが、どちらかというとこちらが基本画面という雰囲気。SONYのレコーダーがテレビ画面よりホーム画面がデフォルトになってるのと近いコンセプトです。悪くない発想だと思いますが、まだたまに間違えてボタンを押してしまうことも。

画面上部枠から下に指をスワイプするとスマフォの通知領域のようなパネルが下りてきて音量や画面の明るさがさっと替えられるのはナイス。他にも任意のショートカットが置けるといいなぁ。また画面左右枠の上下それぞれからも4つの操作パネルがスワイプで呼び出せます。オーディオの切換とかはパネルが長いのでやや煩雑な気もしますがまぁ次世代UXという意味ではアリ。

■スマフォ連携

・テザリング

スマフォのWi-Fiテザリングにぶらさがってデータ通信(SmartLoop、地図開通情報更新、天気、駐車場満空情報など)できるのは合理的だし体感的に速度も速い気がしますが、単に車に乗っただけだと自動で接続されなかったり少し手間が煩雑な気も(まぁこれはiOSのテザリングが腐ってるせいな気も。またWiMAXルーター車載しようかな…)。

またSmartLoopを使ったり一部のサービスは有料です。旧モデルからの過渡期で仕方ないのかも知れませんが少しシステムが複雑です。1つはKENWOOD Drive InfoというアプリをBluetoothでペアリングして、そのアプリ上でアプリ内課金する方法。もうひとつはスマフォ向けWebサービスであるMapFan for KENWOODにキャリア請求購読で契約する方法。どうもZ701世代では後者推しらしく、1年継続することで年次地図更新が無料になる特典があるのですが、当初この2つの区別がついておらず(前者のアプリにもMapFanのロゴがついてるんだもの!)うっかりそちらを1年分課金してしまった後で判明。前者で得られる付加機能は後者でも得られるので、無料地図更新特典も考えると後者のみを契約すれば良かったわけですが、なんか騙された気分。

・音声フリーワード、音声住所入力

残念ながらAndroid版しかないんですが、ナビのマイクで発した音をリンクしたアプリ「VOIPUT」側で処理しクラウドで認識させることでナビ内蔵の音声認識よりも精度と付加価値が高い結果を返す仕組み。場所を探すことに限って言えばSiriやしゃべってコンシェル程度に適当な内容でも識別してくれますし、住所検索は都道府県名から番地まで一息にしゃべっても見事認識してくれました。iOSで使えないのが残念でなりません。単に対応が遅れてるだけで、技術/規約的制約じゃないといいなぁ。そのうち出るかなぁ。

iOSの場合はSiriアイズフリー相当の機能が使えます。Siriアイズフリーとはどこにも書いてないですが、画面上部に紫のバーも出るし、挙動としては同等のもののようです。BluetoothやUSBでリンクした状態で、電話操作パネルを引っ張り出し、音声認識ボタンを押すとiPhoneがSiri聞き取り状態になります。音声はナビのマイクが使われ、フィードバックはナビのスピーカーから出るのでiPhone端末はポケットやカバンの中にいても利用可能です。ただし画面表示を伴うような検索操作などは使えません。またロック中のSiri利用を不可に設定していると正しく機能しないようです。セキュリティ面からロック中のSiriは無効にするのが定番ですが、魅力に負けて有効化してしまいましたw。

NaviConにも対応

NaviConはDENSO製品のスマフォアプリで、他のアプリから受け取った位置情報をBluetoothやUSB経由でナビに渡してルート探索などに使うことができます。σ(^^)も以前作ったアプリをNaviConに対応させたことがありますが、ようやく自分で活用できるようになります。また久しぶりにNaviConを起動したら「友達を探す」的な機能も追加されているようです。iOSとAndroid間で使えるので誰かと待ち合わせする時に重宝しそうです。相手の位置情報に向かって走る、みたいなことが簡単にできるわけですね。

■音楽・動画周り

σ(^^)の糞耳で聞いた限りではCyberNaviとそう遜色ない気がします。ただCyberNaviの方がもう少しハッとする瞬間があったかも。一方でZ701は24bitのWAVやFLACといったハイレゾ音源に対応していたり、動画も1280×720のH.264/MP4までとメディアファイルのフォーマット対応が進んでいます。ウチでソフトエンコしてるライブラリの動画も再生できました。ただし残念ながらANIME LOCKERによるMP4はそのままでは再生できないようでした。もう少し検証してみます。Bluetoothがapt-X/AACに対応しているよのもポイント高いです。

CyberNaviでは少し前にやめてしまったDSPエフェクトがまだ生き残ってますね。基本的にイコライザで充分、むしろヘンな効果はいらない派ですが、同乗者は当面喜ぶかも。走行ノイズ(というか車速?)に応じて音量を調節する機能はこちらにもありました。またエンジン始動後に少し音量を抑える機能もおっ、と思いましたが元ボリュームへの復帰が結構遅めなので結局OFFに。

 

スマフォ連携などは複雑すぎてまだ全貌が見えてない気がしますが、これだけできて10万円というのはコストパフォーマンスは非常に高いと思います。そして運転状況の中で大事なレスポンスはとても気持ちが良いものです。開発者が「信号待ちに全て終わらせられるのを目指した」というのも納得。同乗者に毎度「こいつおっそいんだよー」って言い訳しなければならなかったAVIC-ZH99HUDとは大違いです。今のところ完全にPioneerを見限ったつもりはなく、この値段なら来年半額くらいで売り、もしまたCyberNavi復権の兆しがあったらいつでも戻ってくるぜ!くらいの気分です。ただそれには次期CyberNaviには見違えるほどの進化を果たしてもらわないとならない気がしてきました。とりあえずCDリッピング機能とかもういらないんでHDDをやめてSSDにし、タッチパネルは静電容量式にしてほしいものです。

foltia ANIME LOCKERでmp4変換されなくなった時の覚え書き

ANIME LOCKERで正常にTS録画はされるもの、mp4変換がパッタリされなくなりました。折角のLinuxサーバーなので他のファイルも置いたりしようと思ってDocumentRootに置いたら、結構小さいシステムパーティションで残0にしてしまったことがあって、どうもその時にゴミデータができるとかしたみたい。最初エラーログにat(時間指定実行デーモン)由来のエラーがどっさり出ていたので、atqとかでいじってサイズゼロのタスクを消してみたんだけど効果無し。そしてググっていてこの記事を発見。なるほど、1つ変換できないTSファイルがあるとそれ以降全部ダメになるのか(一応自動で諦める処理も入ってるらしいが)。

ウチでもさっそく管理画面からphpPgAdminを開いて、テーブル「foltia_subtitle」中身を表示。録った覚えのないものまでどっさりでてくるので、m2pfilenameフィールドがNOT NULLなものだけにフィルタ。すると確かにfilestatusが正常を示す200のもの意外に、70のものが数個と90のものが1つ。90のものが変換されてない中で一番先頭のものっぽい。これを999(強制スキップ)に変更しシステム再起動。外出して帰ってきたら残りの70のものが全て変換されていました。基本的にはシステムパーティションの残量が0になるなんていう人為ミスさえやらなければ大丈夫だと思いますが、一応覚え書き。

foltia ANIME LOCKERと「おやゆびでお」のいい関係(ステマ)

先日導入したfoltia ANIME LOCKERの、ポッドキャスト機能を試してみました。ポッドキャストは新しいコンテンツをRSSベースで通知する仕組みで、動画コンテンツを含むものはビデオポッドキャストと呼ばれます。iOS7ではその名の通り「Podcast」という純正アプリが提供されており、RSSに含まれるコンテンツをストリーミング再生したり、最新の指定話数を予めダウンロードしておきオフラインで見ることができます。一方ANIME LOCKERは録画したコンテンツを全てまたは予約毎にRSS配信する仕組み(Folcast)になっており、iPhoneなどでそれを購読しておけば、いつでも最新録画が再生できるわけです。さらに「Podcast」アプリでDLしたコンテンツはiOSの標準メディアライブラリに配置されるため、拙作「おやゆびでお」からもアクセスでき、フリック操作でCMを飛ばしまくりながらの視聴が可能です!

いか、「おやゆびでお」を使っての視聴操作に触れておきます。

■通常ストリーミング

Podcastは関係なくアプリ内蔵のブラウザ「Web」タブから行います。なお写真は近日リリース予定(のまま半年が過ぎてしまっていて申し訳ない)3.0のものになります。

「Web」画面でANIME LOCKERの録画一覧画面にアクセスし、各番組の「MP4-HD」または「MP4-SD」ボタンをタップすれば再生されます(各ボタンはそれぞれの画質でMP4自動変換を有効にしてないと表示されません)。

folcast1

HTMLがスマートフォンに最適化されていないのでスクロールをしまくらないとなりませんが、再生が始まってしまえば快適です(MP4-HDの場合、ローカルネットワークでないと読み込みが追いつかないかも知れません。またルーターのポートを開放しインターネットからアクセスできるようにする場合は認証をかけ自己責任で。)

「おやゆびでお」側の機能によりレジューム再生も効きます。

■Podcast経由でのダウンロード再生

1. AppStoreからPodcastアプリをインストールしておく
2. Folcastを購読する

まずSafariでANIME LOCKERの録画一覧を開き、赤丸の「この番組のFolcast」と書かれたリンクをタップします。予約番組別のページ等にも同様のリンクがあります。

folcast2

すると自動的に「Podcast」アプリに切り替わり、購読確認が出るので購読します。無事購読ができるとこんな感じで最新コンテンツが表示されます(件数などは設定による)。

folcast3

写真はDLが済んでいる状態ですが、未DLの場合はクラウドアイコンが出るのでそれをタップします。自動DL設定などは「設定」からできます。またANIME LOCKERにBASIC認証がかかっている状態だと上手くDLできないようです(ストリーミング再生はOK)。σ(^^)はANIME LOCKERマシンにSSHでアクセスし、.htaccessを手で書き換えてローカルネットワークからは認証が出ないようにしました。

そして「Podcast」アプリでDLが完了している状態で、「おやゆびでお」の「iTunesライブラリ」タブを開いた状態がこちら。「ビデオポッドキャスト」セクションの中にタイトルが見えます。

folcast4

残念ながら、PodcastでiTunesライブラリにDLしてしまうと内部的なファイル名がかわるので、「Web」タブでストリーミング視聴した時のレジューム情報は引き継がれません。同一タブ内でならちゃんとレジュームされます。

 

ANIME LOCKER導入時にはあまり意識してなかったFolcast機能ですが思わぬところでメリットが生じました。Windows系の録画環境や家電レコーダーと違って、Apache(Webサーバー)を持っているが故のオイシサですね。