[宣伝] iOSアプリ「独りブレスト!発想会議」リリースされました

3月からプログラミングを担当していたU’eyes Design製のiOS(iPhone)アプリ「独りブレスト!発想会議」がリリースされました。5月の某研究会でβ版を初お披露目した時に「(Apple絡みだけに)泳げる頃までには(ってこのネタわかるのオサーン)」なんて言ってましたがなんとか実現して良かったです。

ちなみに審査にかかった時間ですが、Appleからのメール着信時刻で言うと、

  • 11/06/20 17:05  Waiting for Review (審査待ち)
  • 11/06/22 22:05  In Review (審査中)
  • 11/06/23 12:44  Processing for App Store (AppStore向けに処理中)
  • 11/06/23 12:51  Ready for Sale (販売準備完了)

という感じで、三日程で通ってしまいました。しかも一発合格。初めてにしては上出来じゃないすか?

AppStoreの審査は、例えばテーブルビュ-(リスト画面)で下位階層に遷移してから上位階層に戻った時に、最初のフォーカスがじわっと消える効果が入ってないとリジェクトされる、とか細かいガイドライン準拠もチェックされると聞いていたので、あれこれ気をつけつつもかなり不安だったんですが、ホント一安心です。

■アプリ紹介

せっかくなので公開したアプリの紹介も。

端的にいうと、商品企画などで新商品、新サービスの企画アイデアを生み出す為の支援ツールで、新しい発想を採り入れたいテーマ(下の写真の例では「扇風機」)を設定すると、1枚目の写真のように発想のトリガとなるキーワードが付箋紙として表示されます(写真1枚目)。このキーワードが全部で117種類あって、スワイプで次々めくったり、下部の「101」と出ている吹き出しをドラッグして好きなものを出したり、あるいは左下のシャッフルボタンでランダムに表示したりできます。

テーマに対して何か閃きをくれそうなキーワードに出会ったらタップして赤丸をつけます(写真2枚目)。「“自然の美しさを持つ”扇風機ねぇ…そうか!例えば花びら型とか?」なんて閃いたらミニ付箋にメモを書き込んでおくこともできます。

このアプリでは赤丸をつけることを「クリップ」と呼んでいて、トップ画面から「クリップリスト」を開いてテーマを選択すると赤丸をつけた付箋とそのメモ内容を一覧したり、メモの編集を行ったりすることもできます(写真3枚目)。またこのデータはExcel等で読み込みやすいCSV(カンマ区切りテキスト)形式にして、メールで送信したり、iTunesから取り出したりできます。CSV形式でクリップボードにコピーすることもできるので、Evernote等に貼り付けても良し、です。

 

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で、ここで使われている117の発想刺激ワードというのが、単に思いつきで書き殴ったものではなく、U’eyes Designのリサーチに基づいたものであることがこのアプリの価値となっています。簡単にいうと、「あなたが最近感動したものは?」というアンケート調査をして、その回答(感動シチュエーション)を分析して抽出された、いわば感動エッセンスとでも言うべきワード集なんです。これをU’eyes DesignではXB法(クロスビーと発音)としてチームで発想会議をする手法として導入しセミナー等を行ってきました。これをスマートフォン向けアプリとしてスピンアウトし、一人でも実践できるようにしたのがこの「独りブレスト!発想会議」というワケです。「独りなのにブレスト?会議?」というツッコミ待ちのネーミングが秀逸ですよね(σ(^^)の発案ではないので自画自賛ではない)。

商品企画に携わっていない人でも、家族や友人へのプレゼント選びのような「感動」させたい発想の支援に幅広く利用できると思います。お値段230円!プライベートでもご利用いただきやすいお手頃価格となっております。是非お試しあれ!

2011.07.14追記:

2011.07.12頃、ついにビジネス有料ランキングで1位を獲りました!ありがとうございます。

あとYouTubeに解説動画がアップされました。動いている様子をご覧いただけます!

 

独りブレスト!発想会議 - U'eyes Design Inc.

iOS開発修行中に参考になった本を紹介 (2)

以前のエントリから更に追加で買いまくったので紹介。今回ほぼボランティアなんだけど、投資だけはこんなにしてしまって大丈夫かw?

■木下誠「iOS開発におけるパターンによるオートマティズム」

今回一番役に立った本です。前回紹介した「たのしいCocoaプログラミング」の木下さんの本で、あれほど砕けたノリではないものの、iOS開発でお約束の定型ルーチンのお手本を示してくれています。特にデータの保存と読み込み周りはこの本のおかげで実装できたといっても過言はないです。


■Dave Mark「はじめてのiPhone3プログラミング」

独立の複数筋から激しくオススメされたので購入。Amazonのレビューで翻訳の質がイケてないという指摘があり、また世代的にも古いので最初は下の原著を買ったんですが、UITableView等の理解がおぼつかなくて少しでも負荷を下げようと結局購入。

誤訳も多いと指摘でしたが重版で直ってるっぽいからいいかと思って買ったのに、帰省中に豊橋で一番大きな書店の店頭在庫を買ったらまさかの初版で激しく落胆(帰宅してから気付いた)。これから買う人はお気を付け下さい。

というか改訂版出ないんですかねぇ。


■Dave mark「Beginning iPhone 4 Development: Exploring the iOS SDK」

上記の原著、改訂バージョンです。Kindle版を買いました。章毎にお題を掲げてサンプルアプリを実装していく形式で、なかなか実用的なお題で、ViewController周りなどは参考にしました。

(洋書では普通かも知れませんが)この人もノリは軽めです。


■安倍吉俊、カワサキタカシ「サルにもできる iPhone 同人誌の創り方」

画像ファイルを差し替えるだけで電子書籍アプリを作れるというウリの本です。今回作ったアプリは書籍ではないですがスワイプでページをめくるという部分は同じだったので、こちらの本のコードを大いに参考にさせていただきました。というかこのソースをベースに機能拡張をしていったので、完成形は似ても似つかないですが、ViewControllerのクラス名がいまだにsABViewerだったりしますw。本当にありがとうございました。

半分は安倍さんのイラスト集なのでファンでないと割高感あるかも(笑)。あと技術サイドの著者であるカワサキさんは掲示板も開設しておられるようです。ユーザ登録まではしましたが結局まだ書き込みはしてませんが。


■森巧尚「よくわかるiPhoneアプリ開発の教科書」

カラーで見やすいレイアウトと丁寧なコード解説ですごくとっつきやすい本でした。こちらもテーブル表示の章はずっとにらめっこして大いに助けになりました。

初めて読む入門書としてはオススメの一冊です。


■畑 圭輔「iOS4プログラミングブック」

こちらも推薦を受けて買いました。Ratinaディスプレイ周りを参考にしました。逆に非RatinaなiPhone3GSなどで1ピクセル幅の線を描画してもアンチエイリアスがかかってボケて2ピクセルになってしまうのを回避する方法などをこれで勉強しました。iOSの表示倍率の考え方についてとても詳しく書かれているので、これから更に機種が増えて互換性をとるのがややこしいことになった時にとても重宝すると思います。


■國居貴浩「iOSデバッグ&最適化技法 for iPad/iPhone」

開発後期段階になって効率化やメモリリーク対応の勉強のために買いました。Xcodeの一部である解析ツールの使い方などについて紹介しています。

ただσ(^^)のメモリ管理に対する理解が浅いせいか、ちと物足りない印象でした。Provosioning周りの説明なんかもあるんですが、そういうのはいらないのでもっとタイトルの内容をつきつめて欲しかった気がします。「実践編」みたいな続編を期待。


■Alasdair Allan「Learning iPhone Programming」

ProvisioningやAppStore申請周りについて詳しく知りたいなぁと思って物色していたところ、こちらが章を割いて解説してるっぽかったので買いました。オライリーですが日本語はまだ出てないっぽいです。Kindle版で買いました。

実際結構参考になりましたが、後でAppleが日本語PDFで結構詳しいドキュメントを配布しているのに気付き、もしかすると最初からそれだけで済んだかもという気もしています。これからの人はまず先にそちらを熟読してみて下さい。

全体としては普通にプログラミングの本ですが、目的の章以外は読んでません。その意味でもちょっと割高感。まぁ元の値段自体が安いからいいんですけど。

■高山恭介「iPhoneSDK開発のレシピ」

よくある、「○○をしたい」的な小さなテクニックがたくさん詰まった系の本です。UIAlertViewの中に入力欄を持たせたものが標準でなかったので、これを参考に実装しました(結局使わなかったけど)。あとメールにデータを添付して送信するという部分も参考にしたかな。ヒット率(あー、それしたいわと思う率)は結構高いレシピ本だと思います。


■D・H・スタインバーグ「iPadプログラミング (Smart Mobile Developer)」

これはつい最近の購入で、今回のアプリには直接役だってはないですが、iPad(iOS3.2)から実装されたジェスチャー認識機構(GestureRecognizer)についての詳しい説明が参考になりました。オリジナルのジェスチャーコマンドを実装する方法についても紹介されています。また、UIPopoverViewなどiPad独自のGUIパーツはiPhone系の本だとあまり触れられていないので、iPad専用アプリを作るのには重宝します。

GestureRecognizerはもう少し早く知っていれば、今回のアプリにも積極的に活用できたのになぁという印象です。今回のアプリではデバッグ段階で複数のボタンを同時にタップした時に両方反応してしまって思わぬ動作を引き起こす、という現象の抑止にかなり時間を割きました。たぶん、GestureRecognizerを使ってタップ判定を一元化しておけば簡単に抑制できたんじゃないかと予測。


■細谷日出海「iPhoneデジカメプログラミング」

これに至ってはまだ昨日買ったばかりで読んですらいませんが、バーコード読み取りとAmazonから商品情報をひっぱってくる辺りのサンプルが扱われていたので、今やりたいと思ってるアイデアに直接役立つだろうと思って押さえてみました。

バーコードに関しては標準APIではないですが簡単に利用できる外部ライブラリがあるみたいです。またAmazonからの商品情報取得は、Mac用に考えてるアプリで応用できるんじゃないかと。読むのが楽しみです。


 

とまぁ、買いも買ったり、前回分も含めればン万円ですね。申請が済んだ某アプリに対する報酬額が未だに通知されないのですが、元が取れなかったらどうしよう…。まぁ今後の為の投資だと思えばいいんですけどね。こういうのを全部自腹で買わなければならないのは自営業の辛いところです。

ですがまぁ、(震災で大変だったことを別にすれば)総じて楽しい三ヶ月でした。

iOS開発で苦労した点を振り返る

3月からずっとプログラミングを担当していたiOS向けアプリが本日ようやくAppStoreに申請完了しました。Xcode、Objective-Cはもとより、ポインタとかオブジェクト指向プログラミング自体が初めてで本当につまづきまくりでしたが、ホッと一息です。まぁ、まだ審査という大きな壁があるわけですが、とりあえず時間は少し余裕ができるのでこちらのブログもぼちぼち再開していきたいと。

さてまずは表題。PHP、VB.NETあたりはちょいちょいやってきた(だがOOP的なことはほとんどしたことがない)視点から。慣れてしまった今とはってはそれなりによくできてると思うし、何故当初そんなにつまづいたかも徐々に忘れつつあるのですが、なんとか思い出せる範囲で書き留めておこうと思います。同じようなところでつまづいてる人の参考になれば。あと今回教えてもらった人にも「何がわからんのかわからん」と言われたので、そんな指導する側の人にも初学者の陥りがちな(?)勘違いを知らしめる意味で、恥を晒しておきます。

・宣言ファイル.hと実装ファイル.m

初心者はまずここから躓きますw。新しいクラスhogeを作ると、hoge.h、hoge.m(そしてViewControllerの場合はさらに.xibも)というファイルができます。VB脳からするとなんぞこれ?ですよね。実際のところ宣言と実装という言葉でほとんど説明できてしまってるんですが、最初はとにかく情報量が多すぎるのでこれだけでもビビります。VB的に実際のコードを書くのが実装ファイル(.m)ですね。じゃぁ.hは何かというと、そのオブジェクトが内包しているプロパティオブジェクトやメソッドの一覧が記された設計仕様書という感じ。他のクラスから利用する場合にこの.hファイルをimportしといてやると、そのクラスがもっていないメソッドを呼ぼうとした時にXcodeがそいつはそんなメソッド知らんってよ?と警告してくれます。まぁ、実際には.m側を精査すれば同じ内容は得られるんでしょうし、むしろ.mではちゃんと実装してるのに.hに書いてないからエラーになるなんて本末転倒なこともあったりするんですが、作業面でもまず.hに「こんなメソッド作るぞ-」とかToDo的に書いておけば、未実装の分はやはり警告が出るので便利っちゃ便利です。

・Interface Builder

これも慣れてしまうとどうってことないんですが、Objective-C自体がよくわかってない状態ではハマりました。Interface Builder(以下IB)で配置したボタンなどのオブジェクトを、そっくりコードの上でも宣言して、それを紐づけてやらないといけない、というのはVBにはなかったので。しかもIBAction(GUI部品から操作イベントを受け取るメソッド)とIBOutlet(コードから部品に表示を反映させる先)の双方向を別々にとか。でその方法がCtrl+ドラッグだったりと、あんまし直感的じゃなかったり。なんでもインスペクタからするVB的感覚とだいぶ違いますね。勢い解説書でもひたすら手順を説明するに留まって、読んでる方はすごく「やらされ感」が募ります。D&D操作って静止画のみの書籍での解説とは相性悪いのもあるんでしょうかね。

ただ慣れたせいかもですが、途中で導入したXcode4になってから随分やりやすくなった気がします。前バージョンだとIBは独立アプリという感じで、コードを保存しないでウインドウだけ移っても反映されてない、とか色々不便でしたし。ちょっといじってみようという人には有料になっちゃいますが、これから入門するならXcode4オススメです(一気にDeveloper Programにお布施しちゃうぞー、って人はタダです)。

個人的理解度がいまだにあやしいのはMainWindows.xibの扱いですね。まぁ、各種テンプレートを使ってプロジェクトを作った場合はほとんど触ることなさそうですが。

・delegate

これは悩みました。ググればなんなのかはいくらでも記述があるんですが、どう嬉しいのか、どういう場面で使うべきかがいまいちピンとこない。当初、親ビューなどスコープの届かない別オブジェクト(例えば大元のAppDelegate.m)の中のプロパティに上手くアクセスすることができず、仕方ないのでメソッド自体をその別オブジェクト側に移してそこで処理する為のものだと思って利用してました。だって一番最初のクラスの名前についてるしw。グローバル変数的なプロパティとそれにアクセスするメソッドを全部集めるべきか、とかw。

だが先輩プログラマ(同級生だけど)にそうではないと教わりました(hogeAppDelegate内のプロパティにアクセスする簡単な方法も教わった)。標準のクラスとはちょっとだけ違う振る舞いをするオブジェクトが欲しい時に、次々にカスタムオブジェクトを作っていくと大変(.h/.mペアがどんどん増える)なので、それをまとめて1つの.h/.mで処理するって感じですね。特にUIButton等のGUIパーツをIB上で配置すると本来は.hや.mはいらない訳ですが、そこに1つだけ特殊なことするメソッドが欲しい、なんて時に、そのボタンのdelegate(代行)先を親ビューであるViewController.mにして、そこにメソッドを書く、なんてことをします。うん、今ならこれがないと大変だということがわかる。特にUITableViewはOS側から呼ばれるイベントハンドラが多い(総行数の問い合わせとか)ので、それを実際のデータをもってるオブジェクトに“転送”したりするのに使いまくりでした。うん、イベントハンドラの転送、と考えるとしっくり来る。

・ポインタ

十数年間もσ(^^)が各プラットフォームでネイティブアプリを書く障壁となってきたポインタは、Objective-Cでは思ってたほど意識する必要なかったみたいです。宣言する時に、オブジェクトかどうか見極めて*をつけるかどうか判断する位。INTやBOOLでは不要だけど、文字列(NSString)はオブジェクトだからつけないとダメとか。プロパティやメソッドの引数を宣言するところ以外では*つけなくてもいいので、普段はあんまり意識しなかったです。

ただ高速列挙という、ある配列内のオブジェクトを順に取り出して順に処理していく方法の中で、一次変数オブジェクト作ってそれを取り出して変更を加えた後、元変数に書き戻さないといけないと思ってましたが、実際には取り出してなくてポインタをコピーしてただけなので書き戻し操作は不要だった、なんてことがありしました。

あと開発後半でリーク対策をしようという段になって、ちゃんと理解してないとダメだなと思いました。変数の感覚でポンポン“代入”をしてると、Leakテストした時にビックリしますw。

でもまぁとりあえず始めるにあたっては他のC系言語ほど怖がらなくてもヨサゲ、ってことだけは言えます(って他のC系言語実際に挑戦すらしてないけど)。

・@propertyと@synthesize

この辺も訳わか
らないウチは、なんで同じ様な宣言をあちこちで何度もやらされるんだろう?と混乱しますね。.hファイルの中でプロパティを宣言した上で、同じファイルのすぐ下で@propertyで繰り返し宣言をし、さらに.mで@synthesizeですよ。これらは主にクラス外からプロパティにアクセスする時に必要なもので、@propertyはそのヘッダーファイルをimportした他クラスに対して、自分はこんな“プロパティ”を外部に公開してるよー、と知らしめる為で、クラス内部でしかアクセスしないならなくてもいい。また@synthesizeは.mファイル側で実際にset/getするメソッドを自動で“シンセサイズ”(生成)するためのもの。@synthesize hoge;とするだけなので超簡単ですが、これを使わずに自前でメソッドを作ってもいいので、やっぱりプログラマが任意で書かなきゃダメって訳です。似てるんだけどそれぞれ役割が違う。

 

とまぁこの辺がちょっと壁だったような気がします。というかまだ間違ってるかも知れないので、そこは皆さん追々ちゃんと調べて勉強していって下さい(^^;)。とりあえずこんな感じで理解したら少し前に進めた気がする、ってことで。

まだ涼しいけどGreenFan2導入

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σ(^^)は結構扇風機好きです(いやまぁ家電はたいてい好きなんですけども)。寝付きが病的に悪いので夏場の寝室の快適さを保つのに余念がありません。

  • 節電の為にできればエアコンは切って寝たい
  • でも冷え性でもあるのでずっと扇風機の風あててると冷えすぎる
  • でも切るとすぐ暑くなる
  • タオル地シーツの感触が好き過ぎて長袖長ズボンのパジャマは着たくない

とまぁそんなワケで、優しいそよ風が発生できる扇風機を切望しつづけています。2007年にはそれを売りにする5枚羽根機であるコレも買いましたが、結局暑いやっぱ寒い、と夜中つけたり切ったりしている現状です。

そこへ去年、GreenFanという注目モデルが登場。DCモーターというゆっくり回転させるのが得意なモーターを採用し、また特殊な羽根の形状によって弱い風なんだけど遠くまで届く、という矛盾する要素を両立したモデルです。最安価格帯の扇風機が軽く10台買えるお値段でしたがかなりそそられました。しかし最大の弱点としてリモコンがなかったんです。本当に快適なそよ風なら問題ないのかも知れませんが、やはり今までのリモコン多用度を考えると購入には踏み切れませんでした。

そして今年。気付いたら後継モデルGreenFan2が発売され、バッチリリモコンも装備されてます。今年は更に節電要求も厳しいこともあり、思い切って注文してみました。がしかし発売に気付くのが遅れ、既にどこも品切れ。5月下旬の時点でヨドバシだと納期7月下旬とのことでした。結局販売元がAmazonのマーケットプレイスに出品しているものを注文。二週間弱で到着しました。

6月だというのにこの涼しさなので、肝心の実力についてはまだ評価できませんが、とりあえず設定してみての感想。

■収納性、使い勝手は一般的な国産メーカー機に大きく劣る

部屋が散らかりすぎてて外箱の写真が撮れなかったんですが、家電ウォッチの記事をご覧下さい。ほぼ立方体の箱です。扇風機のような季節家電はオフシーズンは箱に戻してしまっておく人も少なくないので箱自体の収納性は重要です。特に扇風機は分解組み立てを伴うので、その手順や箱の作りにもこだわったものが多いという少し珍しい家電です。その点で本製品は大きくマイナス。大手家電メーカーの製品は極力薄い箱に収まるように工夫してるのに対し、これはそういう工夫があまり感じられません。段ボールの仕切りも複雑で出し入れも結構大変。出すのはいいんですが、忘れたころにまた仕舞うのはちょっとしたパズルです。モーター部の奥行きが今時の扇風機にしては長いので難しいんだとは思いますが、今結構本気でこの箱どうしようか悩んでいます。箱は捨ててゴミ袋とかかけてそのままどっかに置いておくかなぁとか。

SDIM0080また首も伸縮機能がなく、延長パーツをつけはずしすることで2段階の高さが選べるのみ。ただ今回はたまたま置き場所が確保でき写真のようにベリーショートな感じで使うようにしてみました。一般的な扇風機を縮めた状態よりも更に背が低いので卓上置きに使うにはいいかもです(そしてまた延長パーツの置き場所に困る…)。


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待望のリモコンもボタン数の割にデカい。写真左は2007年の三洋電機製の扇風機のカード型リモコン。写真ではわかりづらいですがGreenFan2のリモコンは厚みも結構あります。


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こちらがスタンド部。手前の丸は電源。奥のLED群は風の強度やタイマー設定値を示しています。

 

「綺麗だろ?これどれひとつ押せないんだぜ?」


SDIM0074そう実は操作部は全てモーター上部に並んでいます。うーん、しばらく考えてみましたが、ここにあるメリットはあんまし思いつきませんでした。デザイン家電にありがちな、「とりあえず既成概念ぶっこわしてやったぜ」的なドヤ顔が浮かびます。

普通に前から操作するのにやりづらいし、見つけられない人多そうだし、なにより扇風機の電源なんて足で操作したいですよねw。


SDIM0069こちらがフロントガードを外した状態。なんかスゴそうですね。外側と内側の風をぶつけあって遠くまで届かせるとかいう理屈みたいです(詳しくは公式サイトをどうぞ)。

でね、このファンガードがまた面白いことに外周部に配された5カ所のマグネットで固定する方式なんですよ(クリックして拡大すると見えるかと)。普通の扇風機みたいにクリップとかなくて綺麗ですねー。

 

でも取り外しには付属の専用工具が必要です!

 

的な。まぁ磁石なんでひっぱれば外れるんですが、ファンの隙間が狭いので指は入らないんです(無理に入れると折れそう)。そこで工具が付属してると。扇風機ごときの分解に工具がいるとか予想のナナメ上でした…

まぁ一応頑張ってパーツを折らないように気をつけつつ素手でも外せることは確認しましたけども。

■もうひとつの特長は超省電力

とまぁ使い勝手の面では大手家電メーカーに遙かに遅れをとる本製品。同じDCモーターを使っていて実売価格が1万円も安い値段で先日発売された東芝のSIENTにしようかとも悩んだんですが(これはこれでヨドバシ納期8月…)、結局初志貫徹してこっちを選んだ理由がもうひとつ。DCモーターが低消費電力なのもあって、この製品の最弱モードの消費電力はなんと3W(これはSIENTも同じ)。電源は12VのACアダプターで、なんとかわりに充電式バッテリーを使うこともできるんです(別売り)。公式サイトではミニゴリラという汎用バッテリーに専用ケーブルをつけて販売しています。まだ調べてないですがおそらく手持ちのノートPC用汎用バッテリーが使えると思うし、緊急用としてなら余ってるカーバッテリーでもいけるんじゃないかとかw。そのうちコネクタの規格を調べて実験してみようと思います。万一また計画停電が実施される事態になっても扇風機だけは使えるぞと。

まぁメーカー保証を無視するなら、SIENTもACアダプタなので同じことはできるはずですけどね。

SIENTは既存の羽根枚数を増やしてく程風が優しくなるというアプローチの延長で7枚羽根。そしてまた新製品で評価が少ない。しかも納期がGF2より長い。GF2の方が羽根の形だけみるとブレークスルーがありそうな印象だったのと、去年のモデルを買った人達の絶賛っぷりがすごかったのも決め手ですかね。これから買うならSIENTの評判を眺めて悪くなさそうならそっちにした方が、コストパフォーマンス、使い勝手ともに上なのかも知れません。

COLTにクルーズコントロールを装着

まずは用語解説。

・クルーズコントロール(クルコン)

アクセルを踏まなくても車速を一定に維持してくれる機能。高速道路などを長時間巡航する時に楽ちん。燃費的にも有利。実は結構昔から高級車には密かについてた。

・スロットルコントローラー(スロコン)

実際のアクセルペダル踏み込み量とエンジンのスロットル開度の相関係数をいじって、ちょっとしか踏んでないのにググっと加速させてパワフルに見せかけたり、踏んでもいまいち加速しないようにして燃費を稼ぐ装置。

昔と違い、最近の車はアクセルペダルの踏み込み量は電気信号でECUに伝達されているので、カプラー(コネクタ)に割り込んで信号を制御してやれば、割と簡単にこれらの機能を実現することができます。

σ(^^)は2,3ヶ月に一度実家に帰省したりと割と長距離運転をするのでクルコン大好きで、SERAの時も後付けの製品を自分で取り付けていたんですが、ワイヤー制御だったSERAと電子制御スロットルになったCOLTでは互換性がなく移植はできずにいました。そして当然電制スロットル車に使えるクルコンユニットというのもググってはみたんですが当時は見つけられず4年半が経ちました。

で、何かの拍子にふと再度検索してみたところ、いつのまにか販売されてるではないですか!しかも複数。COLTに対応するハーネス(コネクタを分岐させる二股のような部品)もある。電子制御だけあって部品構成もシンプルで取り付けも簡単そう(ワイヤー式の場合、ワイヤーを引っ張る力を発生させるエアーポンプをエンジンルームに取り付けたりと大変だった)。

見つけた選択肢としては、i-CruiseとPivot 3 drive ACがありました。3 driveはスロコンとしての存在は認知してたんですが、新モデルでクルコン機能が搭載されたようですね。SERAにとりつけた時に、やはりコントローラーは純正式にステアリングコラムから伸びるレバー式のが使いやすかったなと思ったので、i-Cruiseをチョイス。COLT用のハーネスが同梱されたキットを注文しました。

■取り付けも比較的簡単

届いて取り付けマニュアルを見ると、ブレーキ信号線への接続は接触不良があるといけないのでワンタッチコネクタ禁止、必ず半田付けを、と書いてありましたが、場所的に半田作業はしたくなかったので、Pivotから出ているブレーキ用のハーネスを流用しました。COLT用はBR-2という型番のものが適合しました(Pivot側では他社製品への転用を認めていないので自己責任です)。ブレーキ信号の他、ACC電源もこのハーネスから取り出せたので、後は車速信号とバック信号、アース、そしてアクセルペダルのカプラーにハーネスをかますだけです。車速もバックもカーナビ用に取り出し済みだったのでワンタッチコネクタで分岐。ギボシ加工すら不要って感じで、SERAの時の苦労がウソのようにシンプル。

あとは操作レバーをステアリングコラムに取り付ける訳ですが、こちらは14mmのドリルが必要でした。文字ラベルは両面にシルク印刷してあり、コラムの右側でも左側でもつけられるようになっています。ドリルで開けた穴に通してナットで締めるだけです。

こちらが取り付けた様子。見た目割と綺麗につきますね。

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レバーのスイッチ部分は若干のガタツキがあり、自動車の純正部品レベルの質感にはやや届かないものの、実用上は問題ない、という感じ。写真ではスポークを避けてますが、COLTみたいなT字スポークだとステアリングを正位置にした時には隠れて見えません。先端の白い部分が青色LEDで光るので、夜はなんとなくわかるんですけどねw。後上についてる小さなぽっちも二色LEDでスロコンのモード表示等に使われます(赤がパワー、緑がエコ)。

■ファーストインプレ

まだ長距離巡航で試したワケではないですが、とりあえずの感触をば。

やはりレバー式なのでステアリングから手を離さず操作できるのは良いです。純正式を使ったことがあれば操作方法も同じで違和感ないですが、全くの初めてという人にはややとっつきづらいかもです。ざっと手順を書くと、

  1. 先端(READYボタン)押し込み待機モードに(青色LEDが点滅しはじめるが、この時点では変化なし)
  2. 希望の車速まで加速した後、レバーを下に押す(SET)と動作開始し、その速度を維持
  3. 動作中にレバーを上下(▲/▼)すると巡航速度が調節できる
  4. もう一度READYボタンを押すかブレーキを踏むと動作解除(待機モード)

って感じ。待機モードでレバー上(RES=RESUME)すると解除前の速度まで復帰。もしくはSETで現在の速度を維持、という感じです。やっぱ文章で書いてもわからんですねw。わかってしまうとよく考えてあるなという印象なんですが。巡航中にちょっと前がつまってきたらどっちみちブレーキ踏みますよね?そうすると解除はされるものの、設定速度は記憶してくれてるので、また道が空いてきたらRESUMEすれば元の速度まで加速してくれるって感じです。

物理的にアクセルペダルを操作するワイヤー式と違って、ペダル自体は動かないのでちょっと違和感ありますね。足下でペダルが動いてる=クルコン制御で加速しているというフィードバックになってたんですが、電子制御式だとブラックボックス的に加減速されてる感じ。ちなみにフィードバックという意味では別売りの表示ユニットなるものも販売されています。

街中などクルコンとしては動作していない場合、スロコンとして利用することもできます。別売り表示ユニットをつけない状態ではPOWER、NORMAL(動作OFF)、ECOの3段階で、単純にレバーの上下で切り替えられます(エンジン切っても最後に使ってたモードを記憶)。POWERだとLEDが赤(オレンジ?)、ECOだと緑に点灯するのでわかりやすい。で、試しにECOにしてしばらく走ってみましたが、確かに少しトルクが落ちるというかもっさり感が出ます。発進はまだしも、上り坂とかちょっとかったるいですね。この辺りは単純にxx%強める/弱めるというだけではなく非線形の方程式になっていてそのチューニング具合が各社の腕の見せ所というとこなんでしょうね(そもそも自動車メーカーの制御も非線形なんでしょうし)。しかしこれ、確かにいつもの感覚で踏んでるとスロースタートになるので燃費はよくなりそうなんですが、しばらくすると足が適応していつもより余計に踏むようになるだけなんじゃないんですかね(笑)。多くの人はアクセル開度ではなく体感スピードを基準に速度調節をしていると思われるので…まぁせっかくだから次の給油サイクルでECOにして走ってみようかな。