高校生になった姪にPCを組んでやる話~組立て編(2)

こちらの記事の続き。グラボとCPUクーラーが届いたので組み立ててWindowsをセットアップしていきます。

Windows10はメディアクリエーションツールをUSBメモリにセットアップし20H2をインストール。特に問題なく終了。光学ドライブがないのでマザー付属のドライバーDVD-ROMは使わず、ASRockのサイトからドライバー類をダウンロードしてインストール。その後、グラボドライバーやRazer Synapseなどを導入。特に問題なく終了。

■RGBライティング周り

クーラー、メモリ、マザーボード下部、ケース下部のライトが点灯!

とりあえずCPUクーラー、メモリ、マザーボード下部、ケース下部のライトが点灯(写真)。マザー下部にあるLEDはグラボに隠れてほぼ見えない…

このままだとそれぞれが勝手気ままに光っていて統一感がありません。そこでなんらかのRGB制御ツールが必要になりますが、ケース下部のライトが独自実装ぽくRazer Synapseが必要そうなので、こちらに集約するのが良さそうです。しかしそのままではSynapseでCPUクーラーやメモリを発光デバイスとして認識してくれません。CPUクーラーはこちらからWraith Prism LED制御ユーティリティを落としてインストールします。メモリ&マザーはマザーのサポートコーナーからASRock Polychrome RGBをインストール。これでそれぞれ独立にライティング制御ができますが、更にRazer Chroma RGB互換機能を有効化することで、Synapseの設定画面にAMD、ASRockの設定項目が出現する仕組みです。これで各ライトが同期して光るようになります。ちょいと面倒ですね。しかもRazer SynapseからPrismやASRock(メモリ、ARGBファン、マザー)の連動制御するにはそれぞれのアプリも起動してないと駄目。使い勝手はイマイチかな。

Wraith Prismの光り方は上品で良いです。専用ユーティリティだと、リング、ファン、AMDロゴの3つを独立して制御できますが、Synapseからだと3つが同じ色になってしまうぽいです。最終的には姪が好きにカスタムするでしょうが、個人的にはリングはレインボーの方が綺麗かなと思います。

ASRockとRazerのプリセットの中では「オーディオ」という文字通りスピーカ出力に連動して光るものが面白い。どういう味付けか不明ですが輝度が連動するだけでなく色が次々変わっていきます。なんとなく爆発音みたいな音ではちゃんと赤くなってる気がする(音量Max=赤?)。どうせならメモリのところがステレオのレベルメーターみたいになっていれば面白いのに。

ちなみにケースのフロントパネルのRazerロゴは緑単色です。あとこれもしかしてWindowsをスリープにしても消えない??下部ライトの方は「ディスプレイが消えたらOFF」という設定があるんですが、フロントパネルの方は消す設定が見付からない。これはちょっと存在感ありすぎかも…

ケースファンはこれをフロントとリア用に2台購入。リング前後とファンが光りますがUSBではなくアドレッサブルRGBコネクタ1つなので独立制御は不可能。ちょっとケバいので単色用かな?

マザーにARGBコネクタは1つしかないですが、クーラー側がディジーチェーン接続できるようになっているので同じ光り方をさせられます。ファンコネクタは独立なのでマザーのCPU2とCHASSIS1に接続。

■温度

ケースファンがついていない状態で、CPU温度はアイドリングで59℃、Cinebenchを回している状態で78℃くらい。もうちょっと冷えてくれると心穏やかですが、こんなもんですかね。ケースファンを取り付け後にまたテストします。

またグラボと電源は温度が低い時はファンが停止する仕様で、わりと止まってることが多いです。特に電源は壊れないか不安になるレベル。

■ベンチマーク

とりあえず3DMarkとCinebench R23回してみました。注文したモニターを想定してWQHD設定にて。

・3DMark (4258)

CPU+GPUのゲーミング性能を測る3DMarkdでは4200台。自分用のRyzen 3900 + RTX3070マシンが13430なので、おおむね1/3のゲーミング性能ってとこですね。

3DMarkリザルト

温度やクロックの推移グラフをみるに、途中でサーマルスロットリングを起きてる様子もなく完走できてたみたい。ケースファンなしでも。逆にファンつけてもたぶん変わらなそうなのでこれを正式スコアとして載せちゃいます(追記:ケースファンつけたら4278になったけど誤差かな)。

全体での位置づけ

2020年のゲーミングノートには負けるけど、オフィス用ノーとには大差で勝てるって感じだそうです。まぁ価格なりの結果と言えそうです。そもそも3DMarkで測ろうってPCはそれなりのゲーミング性能をもっているものに偏ってると思われますが、全体では下位3割くらい。

・CineBench R23

こちらはCPU単体のスコアを測るCineBench。マルチコアで5933。同じ4C/8TのCore i7-7700Kに僅かに届かないのがなんか悔しい。4GHzの壁ですかね。

CineBench R23

高校生になった姪にPCを組んでやる話~組立て編(1)

こちらの記事の続き。グラボ以外のパーツが揃ったので組み立てていきます。

■追いパーツ

・CPUクーラー

Ryzen 3に付属するWraith Stealth Coolerは冷却性能が微妙らしいということで、より上位のRyzenモデルに付属のWraith Prism Coolerをヤフオクで落としました。ヒートシンクがStealthはアルミ、Prismは銅、という違いもあります。ある実験データでは5°くらい違うぽい。定格ならStealthでもきちんと保証されるんだろうけど、少しでも温度が低くなり回転数落とせたりサーマルスロットリングの可能性を減らせるならばと。あと貴重なChroma RGB対応というのも。どうせケース照明でChroma RGBをインストールするので、それに同期して光らせられるならいいかなと。冷却性のだけを追求するなら鉄板の虎徹MarkIIとかなら更に温度下がるっぽかったけど、せっかくのガラスパネルケースなので見た目も重視。4,000円くらいでした。

先に↓のグリスを買ってしまってましたが、開封してみるとヒートシンクについているクーラーは面ではなくドット状になっていました。あんまりハミ出るハミ出る言われて改良したのかもですね。まぁせっかくグリス買っちゃったし耐久性重視したかったので全部拭き取ってSMZ-02Sを塗り直しました。

・CPUグリス

リテールクーラーなので一応グリスが最初からついてるっぽいですが、AMD純正はやたら盛ってあってハミ出かたがスゴいと(自分の3900はそのまま使ってしまったなぁ)。また実家に送ってしまうと定期的なメンテナンスもできないので、寿命重視のOC Master SMZ-02Sを買ってみました。

前評判通り塗りやすいグリスではないですね。粘度が高くて伸びないので、CPUのヒートスプレッダーにヘラで薄く均一に伸ばして塗る派の人はちょっとイラっとするかも知れません。ヘラで伸ばそうとしてもくっついて剥がれて来てしまう感じ。ドライヤーでヒートスプレッダーを温めると良かったのかも。まぁでもヘラを強く当てすぎないようにして根気よく伸ばせばなんとか、という感じ。盛っておいてクーラーのヒートシンクで押しつぶす方が楽そうですね。非導電性なので多少ハミ出ても気にしない方向で。

■組立開始ィィ!

後々遠隔サポートしないとならなくなった時のための記録を兼ねて写真を多めにおいておきます。

Mini-ITXマザボ、CPU、メモリ、電源を組み付け、配線を終えた状態

Mini-ITXマザーちっさいですね。このケースはPCIeスロット方向に延びた特殊なサイズのマザーにも対応するようです。選択肢があればPCIeスロットも残せて良かったですがあんま聞いたことがない規格で調べませんでした。Mini-ITXだとグラボを指して終わりですね。>PCIe

電源はSF450の場合奥にスペースがえきケーブルを押し込めて良かったです。電源コネクターがケース背面まで延長する内部ケーブル式になっています。ストレージがM.2だけなのもあり、CPU電源を上から取り回したりして背面含めてなかなか綺麗にとりまわせたと思います。今回のグラボはショートタイプなので、とく見かけるフィギュア置きも電源下のとこでできそう。

マザボのアップ

マザボのケース固定ねじ穴は4箇所。バックパネルも一体型なので手間なくサクっと設定できました。

ケース上面パネル用のケーブルはHDオーディオ(左下)、USB Gen2 Type-C(右下)、USB Gen1 Type-A(その上)、USB 2.0/1.0(その上)という感じ。USB 2.0/1.0はおそらくケース下部の照明LEDコントロール用かと。Wraith Prismにも必要なので分岐を買わないといけなそう。

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背面もシンプルに

ストレージ系がないのもあって、ダイブシンプルになりました。このケースの難点として背面側もガラスパネルのマグネット止めなので、ケーブルが少しでも浮き上がっているとマグネットの力では抑えきれずガラスパネルがぱかーんと開いてしまいます。電源ケーブルやUSBケーブルの束などを普通に丸くケーブルタイで止めるだけでは太くなってしまうので、なんかフラットに並べるソリューションがあるといいかなと思いました。

こういうのの適正なサイズ、数量のものがあれば使ってみたいかも。

背面スルーホールとM.2スロット

マザー下にクーラーなどの固定を楽にする穴があいてるんですが、残念ながら背面M.2スロットは半分隠れてしまっており、将来的にサブのSSDをつけようと思ったらマザーを取り外さないとダメそう。惜しい!

バックパネル部

一体型バックパネルはカラー印刷もされていて、一般のアルミ(?)プレートよりもがっちりしていて表示も見やすいのでナイス。APUではないのでDP/HDMIポートは使えないから間違えて挿さないようにマスキングテープとかで塞いでおこうかな。

■余録:PCIe電源ケーブルがなくて焦った話

今回、電源ユニットはANIME LOCKER機で使っていたCorsairのSF450を流用することにしたんですが、そちらで使っていなかったPCIe用モジュラーケーブルがなくて焦りました。記事によると箱が保証書を兼ねているので一緒に入れておいたと思われるんですが見付からない。引越の間際に捨ててしまったかも?こうしたPC電源の脱着可能なモジュラーケーブルは各社互換性がなく手持ちも合わない。単品で買えないかとググってみたものの、Corsairのものはなんかやたら高い。どうも海外でしか売ってないらしく送料を含めて数千円とかフルセットで1万円以上とか電源買えてしまうような値段がする。

他のケーブルの電源側のコネクタには「Type4」と書いてあるので、どうもこれらしい。型番はCP-8920243。しかしググってもこの公式ページしか見当たらない。「店舗検索」を押すと主要なPCショップ、家電店が出るので、とりあずヨドバシ.comで問い合わせてみるも「取り扱いなし」の返信が。一応また数日後に返事が来そうな書き方ではあるけど望み薄かな?またCorsairの問い合わせページにも投げてみましたがまだ返事がない。

2021.5.10追記:アスクから回答があり「保守部品単体での販売、取り寄せは行っていません」とのこと。アスク税払ってるのにつれないお言葉…

なんてバタバタしてるあいだになんとか発掘できて事なきを得ましたが、こういうモジュラー式の電源は不要ケーブルの収納は気をつけないとなと思いました。入手性も悪いので捨てるとか論外。今回はマザーの空き箱に他の付属品と一緒に閉まっておいたことをここに記録しておきます。これは実家に送らずに自宅の物置においといた方が無難かな。

 

高校生になった姪にPCを組んでやる話~パーツ選定編

この春、姪1号が受験勉強の甲斐会って志望校に合格して晴れて高校生となりました。

一応こんなでも伯父としてなんかお祝いを贈ろうと。もともとIT系弱い妹にかわって、iPhoneを買ってやったりデジタル周りを引き受けていたので、まぁ必要ならPC買ってやるとかかなぁと以前からぼんやりとは考えていました。ただまぁ学校側でどういう形でPCが使われるか、配布とかあるのかなんかがわからず保留にしていました。で実際に高校に通い出していると、コロナ禍もあってスタディサプリを使った自習システムを導入しているとのこと。スタサプは主に動画を閲覧してPDF配布されるテキストを参照し、たまにテストでフォーム操作という感じらしい。iOSアプリがあるので基本iPhoneで動画をみてるらしいのだけど、母親(妹)から大きい画面の方がいいだろうからやっぱりPCがあるといいんじゃないかと相談があったので具体的に検討することに。

ぶっちゃけスタサプ使うだけならたいした性能はいらないわけですが、せっかくならそれ以外にも活用してほしいので本人とも相談。もともとSwitchでスプラトゥーン2とかゴリゴリやってきたのでFPSとかは好きそうなので、ある程度ゲーム性能もあった方がいいかとか、中学時代に絵で県レベルの賞をとったりで高校でも美術部に入ったらしいのでお絵描きとかにも興味あるかなとか。そして、ノートとデスクトップの長所短所やWindowsとMacの違いなんかも説明しつつニーズ聞き取りインタビューした結果判明したこととして、

  • スタサプはiPhoneで良い
  • 自室でゲームできるようにしたい
  • FPSも興味はある(部活で帰り遅いのであんまりやりこめないかもだけど)
  • (Macだとほとんどのゲームができないと説明したので)Windowsがいい
  • (同じ予算ならデスクトップの方が性能が高い、後からパーツ替えて性能を上げていけると説明したので)デスクトップがいい
  • 画面は大きいのがいい
  • 筐体は黒がいい(自分でデコりたい)
  • (例として写真を見せたら)光るの好き
  • だから卓上に置きたい
  • デスクは幅90cm、奥行き60cm

とのこと。本当に花の女子高生か?という(笑)。そういえばiPhoneSEの時も黒をチョイスしてたなぁ(ケースつけたけど)。

ちょうどiMac 24′ 2021が出たばかりで、あぁいうのが好まれるかなという予想は外れた。母親に見せたら絶対それって言ったと思うけど。予算的にはMaxでiMacの一番安いヤツ、それもキーボードやTrackPadまでつけるとしんどいなとは思ってたので、目標10万、最高でもiMacの一番安い本体(15万)を目処にしてBTO PCないし自作PCで、dGPU付きのデスクトップPCをあつらえてやる方針を固めました。

要件目標としては、

  • Celeron/Atom/Athlonみたいな使ってるだけでストレスになるようなレベルのものは除外
  • 自分のメインがRyzenなので将来的にお下がりなども想定してAM4にする
  • ミニPCとかではなくPCIeスロットにdGPUが挿せるようなもの
  • 卓上におけるMIniITX~MicroATXのミニタワー、ミドルタワーのケース
  • デコりやすいシンプルなフロントパネルデザイン
  • サイドはガラス?
  • 後々のアップグレードも楽しみのひとつとして、完璧を求めすぎない
  • 長く使える部品に予算を振り分け(ケース、マザー、モニター)
  • 交換/アップグレードしやすいところは安めのものや中古パーツも視野に(CPU、メモリ、グラボ)
  • 光学ドライブはとりあえずなくてもいい
  • ストレージはSSDでそれなり(250GBか500GB)、容量が必要な用途に使い出したらHDD増設を検討

くらいを想定。ゲームを入り口としてもいいので、追々色々なことに活用してみたくなるようなモチベーションにつながるものにしたいなと。

mouse製のでサイズ、コストがいい感じのmATX BTO PCを見つけたので、性能、価格でこれくらいを目安にしていこうかなとイメージを固めました。

ただ2021年春現在、PCを買うには時期が悪すぎます。テレワーク需要と仮想通貨需要、そして半導体不足でPC周辺機器(モニタ、CPU、グラボ、HDDなど)が品薄&値上がりしまくり。中古すら発売当時の価格に近い値がついたり時に値上がりすらする事態。はたして予算内で良いPCが組めるでしょうか…

■パーツ別選定結果

・モニタ

PCは時間がかかりそうなのでまずは先行してモニタを送って、iPhoneをHDMIでつないでスタサプを見られるようにしたり、Switchでゲームできるようにしてやろうと。

デスクが狭いので21~24がいいかなと思ったけど、本人が大きい方がいいというので27に。27というとフルHDだとドットの荒さが目立ってくるレベル。できればWQHD。まぁゲーミング性能としてはフルHDで高fpsを究めるのも手だけど、ゲーム専用機にしてほしいわけでもないのでw。それでも60Hz止まりでは微妙なのでできるだけハイリフレッシュレートなもの。そう考えるとDisplayPortがあるもの。SwitchやiPhoneもつなぐのできればHDMIは2ポート。できればIPS、更にできればHDR。それくらいあればかなり長く使えるだろうと。あとはデザインが狭額縁(フレームレス)、足がスッキリして卓上が広く使えれば理想。そして決まったのがこちら。

くっ、1万円台で考えてたのにいきなり大幅予算オーバー…。でもまぁ下手すると一番長く使えるパーツだし、作業性や健康にも関わってくるところなので奮発することに。おかげで要求仕様はほぼ満たせたかな。リフレッシュレートが75Hz止まりだけどまぁ仕方ない。あと背面のポート位置が無駄に高いのもちょっと気になる。LGは今自分でも使っていて、入力切替がクソめんどくさくて二度と買いたくないと思いつつ、結局デザインやコスパはいいので候補に挙がってきますね。

これだけは再送すると大変なので実家に直送。自分ではレビューできません。いつか帰省が適ったら見せてもらおう。

・ケース

次に悩んだのがケース。PC沼の手前にいる者にとって見た目大事。また設置面積が小さいことも重要な一方、ATX->mATX->Mini-ITXと小さくなるにつれ、マザーや電源といったパーツの選択肢が狭まり価格も割高になっていくので、落とし所は悩ましい。ATXは論外として、mATXかMiniITXかというところです。自分でも去年買ったScytheのM1がコスパ最強だし中身も見えるしいいかなと思ったんですが、本人の希望もあってこちらに決定。

たっか!Amazonでだいぶ値下がりしてますがそれでも2万超えとか、なんという贅沢。ていうかこれ自分が欲しかったヤツです。M1の記事でも触れてます。ただ自分用にMini-ITXはさすがに拡張性がなさすぎて使う機会はないなと思っていたので、ここで憧れを昇華できるならまぁいいかなとか。メンテナンス性は最高だし、「いいものを贈った」という自己満足にも浸れます。デスクトップPCにいい顔をしないであろう妹も「これならまぁ」と思ってくれるかも知れません。底辺と光るギミックもいいです。むしろパーツの光る要素を抑えて上品に仕上げることもできそう。まぁこれが女子高校生センスでデコられていくんですけどねっ!最悪あんまりPCに馴染めなくて使われないようなら回収して自分で使ってやろうという目論みもあったりなかったりですが、さて原型を留めていられるのか…

一応27インチモニタと並べてなんとか90cm幅のデスクに置けることを計算上で確認。それでも結構PC専用デスクみたいになっちゃうけどいいか?と確認したところ構わないとのこと。とりあえず光のは左側面だから右側に本体置くイメージで準備しておくように伝えました。

さてここまででいきなり予算オーバーを連発してしまったので、ここから締めていきますよ!?

・CPU

できれば「フツーに使ってイラつかない」Core i5/Ryzen 5クラスにしたいなと物色。そして先に書いたとおり、Ryzenというか少なくともAM4にしておけば、将来的に自分のをアップグレードした時にお下がりパーツをスライドできるかなという目論み。当初、Radeonを内蔵したAPUである3200Gや3400Gにしてグラボを省略しようと考えたものの、実家の自分用PCがコロナでほぼ帰省できなくなった遊んでいるので、そこについてるGTX1060/6Gを抜いて挿してやろうと。さすがにAPU内蔵GPUよりはかなり上っぽいので。

てことでAPU以外で価格的に2万上限くらいということで挙がるのが、3500(6C6T)、3300X(4C8T)、1600AF(4C8T)辺り。3100もスゴく安ければ検討してもいいかと思ったんですが、そもそもあまり流通がなくお値打ちとはいえなかったので除外。1600AFは発売当時1万円で買える(4C8T)として注目されていたものの、新品で買えるところはほぼなく、3500/3300Xと大差ない値段でZen+世代なことを考えると除外。実売価格もほぼ拮抗する3500と3300Xが最後まで悩みました。コア数では3500ですがスレッド数は3300Xです。そもそも3500はRyzen 5で、3300XはRyzen 3なんですよね。発売当初は3300Xが安いのにベンチでほぼ拮抗すててすげぇという評価。シングルではクロックの高い3300X有利、ゲームや一部マルチコア用途でもスレッド数で3300Xが逆転勝利するものすらあるというとのこと。しかし今では値段は1,000円くらいしか違わない。決定打に欠ける比較です。でもまぁベンチを信じて結局3300Xにしてみました。PCワンズで16,490円。

・グラフィックボード

上に書いたようにありものを再利用することにしたのでGeForce GTX1060/6Gです。購入履歴からして多分これ。当時帰省中でもOculusRift CV1でVRしたいと思いどうにか使えそうなスペックを見極めて選んだものなのでポートも充実しており、DP x2、HDMI x2、DVI-I x1と小さい割に豪華です。PCIeはGen3でRyzen3 3300XのGen4対応が活かせないのが惜しいですがまぁそもそも1060ですし。今の高騰相場の中で1650とかを買うのは愚かしい。

GeForce GTX1060 AERO ITX 6G OC

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一応Pascal世代なのでG-SYNC非対応のFreeSyncモニタでG-SYNCを有効にできるかなという期待も。まぁ今回選んだモニタは75Hz止まりですけど。

性能としては当初検討していたRyzen APUの3400Gや4350Gなどと比べても、しっかりメリットがありそう。こちらで性能スコアでみると、Ryzen APUのRadeon Vegaが1,000台前半のスコアなのに対し、GrForce GTX1060/6Gなら4,210をマークしています。さすがにこれははっきりとした差になるんじゃないでしょうか。その分、120Wの排熱が増えますが…

・マザー

現状3300Xを含むRyzen 2を利用できる最新チップセットはX570かB550になります。それ以前でも使えるものはありますがPCIeがGen3止まりだったりするので除外しました。マザボの交換は大変なので、数千円節約するよりも1世代でも長く使えるものがいいだろうと。ただX570はさすがにオーバースペックな気がするのとチップセットファンが故障リスクになるのがイヤだなと。汎用的なファンなら交換できるのですが、大抵は専用設計のヒートシンクに組み込まれてたりして不安要因です。X570だとM.2スロットが2つある場合、両方Gen4にできますが、そこまでの必要性も感じず。またMini-ITXでPCIeスロットは1つしかないのでそちらのレーン数も問題になりません。てことでB550で探すことに。

ちなみに姪の自室は自宅の2Fにあり、Softbank光のルーターは現状1F。Wi-Fiでの仕様が前提になります。将来的によりレイテンシや速度を求められればWi-Fi6アクセスポイントやLAN配線も検討するかもですがとりあえずはプロバイダ提供ルーターに内蔵のWi-Fi5(802.11ac)で使います。

さて、もともと各社Mini-ITXモデルなんてチップセット毎に1モデルくらいしか出していません。全5種類。ASRockだけ2モデルでしたが片方はWi-Fi5なので一応除外。LAN2.5Gbps、Wi-Fi6での勝負となります。もうひとつ気になったのがフロントパネル用のUSBヘッダー。Razer TomahawkにはUSB 3.2 Gen2のType-C x1、Type-A x2という高級ケースなりのポートが用意されています。折角なのでこれを活用したい。しかしこれが以外と難しい。というかType-A側までGen2になっている選択肢は皆無。Type-CがGen2でType-AがGen1ということならASUSとASRockのROG STRIX B550-I GAMINGとASRockの高い方、B550 Phantom Gaming-ITX/axがありました。どちらも価格が2万超えの高い部類ですが、LANもWi-FiもIntelなのでいいかなと。で、ASRockの方が2千ほど安い、下部にRGBライティング搭載、自機もASRockでなんとなく慣れてる、くらいの理由で決めました。

他社と比べてファームウェアの更新が遅い気がするとかあったんですが、最新版大好きな自分が手元で使うものでないしいいかなと。デザインはオールブラックのASUSの方が好みだったかな。MSIも好き。GIGABYTEはベンチ、温度性能はヨサゲだったけど、フロントはType-Cがないので除外。

・メモリ

Mini-ITXマザーは基本2スロットなので、当初は8GBx1構成にしておいて、必要なら数千円で足せる、という状態にしておこうと思ったんですが、CPU(の付属ファン)もグラボも光らないので、せめてメモリくらいは光らせてやるかと。そうすると1枚だけ買って、あとあと足そうと思った時に同じデザインのものが買える保証がない。じゃぁ4GBx2にするかっていうとそれも無駄だろうということで、最初から8GBx2で入れておくことに。ちょっともったいないかなという気もしましたが、まぁ高校在学中には困らないスペックにしようということで。

容量は盛った分、クロックとブランドはそんなに欲張らずに。遠く離れた実家で初心者が使うものなので、あんまり怪しいブランドは避けたかったんですが、評価はそこそこだったのでいちかばちか。あとケースがRazerでChromaでLED制御をするので、また別のRGB制御ソフトを使わなくて済むよう、Chroma対応というのもひとつの基準としました。

・ストレージ

ここはスペック厨の悪い癖が出ました。まぁいくら安くてもさすがに今500Mbps止まりのSATAはないだろうと。でNVMe M.2になりますが、3,000Mbps級のGen3にするか、6~7,000Mbps級のGen4かというところ。Gen3の中でも安いので1TB、高いので500GB、Gen4で250GBくらいの予算感になりました。そもそも同じモデルでもSSDの特製上、500GBモデルは書き込み性能が半減とかっていうのも悩ましいポイント。モリモリ大作ゲームをやり出すと250GBでは不安だなということでSAMSUNG 980PROみたいな高級モデルにして容量を減らすという案は除外。CFGでGen4な割にお手頃なこちらにしました。

写真にはR 5,000Mbps/W 4,400Mbpsとありますが、ちっちゃく「1TBの場合」と書かれています。500GBモデルの仕様は公式ページまでに見行かないと載っておらず、R 5,000Mbps/W 2,500Mbpsとなっています。Gen3の高級機にはR3,000/W3,000Mbpsというものもあるので悩みましたが、まぁそんなに大きなシーケンシャルライトをする機会も当面はないだろうということでRead性能重視で決めました。10,900円。

・電源

Mini-ITXなのでSFX電源を使うことになります。これは2019年にANIME LOCKER機が不調で、450W 80PLUS PLATINUMのユニットに交換しましたが、結局不調の原因は別にあったっぽくてちとオーバースペックだったので、コイツを新PCに転用して、ANIME LOCKER用に安い80PLUS GOLDのKRPW-SX400W/90+を購入することになりました。これはかなり古いモデルでCPU電源が4pinのケーブルしかついておらず、今回選んだマザーには適合しません。しかしもっと古いマザーのANIME LOCKER機なら問題なし。逆に現在ANIME LOCKER機についているものは2019年購入なのでCPU電源コネクタは8pinとなっているぽいです。

つまり今回購入したのはこちら↓ですが、

玄人志向 80Plus Gold 400W SFX電源ユニット KRPW-SX400W/90+

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実際に新PCに組み込むのはこちら↓となる予定。

・キーボード&マウス

色々予算オーバー気味なので、ここは悩みました。節約するならばグラボと一緒で実家で埃を被っているRealForceとLogicoolのマウスを使ってもらうのがいいかなと。節約といっても高級キーボードです。人は最初に使ったキーボードタイプを最も好むようになる、と言われますが、高校生がいきなり静電容量スイッチのキーボードなんてむしろ幸せじゃないでしょうか。ゲーミングキーボードとしても光らないことを除けば決して悪い選択でもないかと。ただ机が狭いので、テンキーレスでコンパクトなヤツ、それもワイヤレスの方が、ちょっと除けてておいて教科書を広げる、なんて使い方には向いている気がします。マウスともどもRazerで統一すれば光らせ方の管理も楽じゃね?とか。

でもまぁとりあえず使ってみて具体的な不満点がはっきりしてきたところでまた検討しましょう、ということで一旦RealForce&Logicoolとすることに。

 

■まとめ

という感じで、パーツ手配がほぼ完了。Windows10 Homeライセンスも含めトータルで13万円ちょい。手持ち資産がなければiMac本体くらいかな。モニタも別にすれば本体だけで10万円切れたかなというところでしょうか。最初に挙げたmouseのBTO PCよりは高くなってしまいましたが、見た目もかなりこだわれたのでまぁいいかなと。自分のPCとの互換性を重視したので、将来的に自機をアップグレードしたら、CPU(Ryzen 3900、メモリ、グラボ RTX3070、SSDなどはお下がりで譲ってあげられるかも知れません(その時、買い換えしなくていいだけの資金的に余裕があれば)。とりあえずそういうニーズが生まれるくらい使い込んでもらえれば組んだ甲斐もあるというものですが、はてさて…ぼちぼち組んで行きたいと思います。

 

6年目の正直。スマートロック、SESAME 3を導入

IoT好きな私はスマートロックもAkerunQrioQrio2と買ってきましたが、どれも今ひとつでした。あとRemoLOCKなんてのも販売元にご提供いただいたことがありますが、ドアに改造が必要で賃貸住まいの我が家には導入できず知人に譲ってしましました。これはドア改造が必要な点とクラウドサービスが有料なことを除けば悪くない製品でした。

一番最近買ったQrio2は初代の不満点をきっちり改善して仕上がってきてはいましたが、残念ながら昨年引っ越した我が家のドアにはあわずに結局半年ともたずに撤去してしまいました。

動作も軽くなったQrio2ですが、我が家のドアにあわなかった理由として、

  1. サムターン形状があわなかった
  2. サムターンの回転角度が90°超え
  3. リモコンキーホルダーQrio Keyがイケてなかった
  4. ドア面からの張り出し量が大きく、身体が当たったりしてもげ落ちまくった

と言った点があります。1に関しては自作のサムターンアダプタでどうにか工夫したんですが、それ以降はどうしようもありませんでした。

ウチのドア鍵はサムターンがフリーで360°以上回せるタイプで、そのうちのある角度でロック/アンロックがかかる仕組みです。他方Qrio2は90°、つまりサムターンのツマミ位置が垂直か水平かでガチャ、ガチャっと切り替わるタイプを想定した設計になっています。Qrio2側のツマミもフリー回転する作りですが、スマホアプリで施錠位置と解錠位置を記憶させ、その範囲でモーターが動きます。一見すると鍵がかかる位置と開く位置の角度差が90°以下であれば設定できそうなんですが、実際にやってみると上手くいきません。何故ならば手動で開閉した時にそれ以上の角度を回してしまうこともあるから。Qrio2の回転量の記憶方式は現在位置からの相対角度のみなので、現在の角度から一定角度を回すのみ。人力で想定外の位置まで回されていると、回転が足りなくて鍵が開閉しないということになります。じゃぁもう一切人力では操作しないことにしてスマホでしか開け閉めしないことにすれば?とも思ったんですが、現実的にはそういうわけにもいきません。宅配便とか来て慌てて開く時にスマホが手元になければ手であけますし、自分だけならともかく家族もいるとやっぱりそういうルールを押しつけるのは現実的ではありません。

次にQrio2のした大きな理由のQrio Keyという専用解錠施錠リモコンの使い勝手が良くなかった。スマホ不要でボタンを押すだけなので、スムーズに開け閉めできると期待したんですが、実際はQrio2自身がBleutoothで接続可能な相手端末が1台のみなため、先に他のスマホやAppleWatchと接続が確立してしまうとリモコンは効かなくなります。二人で複数の端末を持ち歩いているため、どれが最初に接続するかは予測不能でイライラが募ります。

そして仮にそれらが解決したとしても残る難点として3.のドア面から高さがあります。例えばドアを狭めに空けてできた隙間にサッと身を滑らすような入り方をすると、通過中の背中腰にQrioがガツンと当たって痛い思いをしたり、時に固定が外れてQrioが落下することもありました(賃貸なのでネジ止めはできず両面テープ固定なので)。そんな日々に嫌気がさして、ある時落下したのを境に再取り付けせず玄関に放置することに、、

■セサミなら万事解決!?3登場を機に購入

Qrio2購入前に比較検討していたセサミという新興ベンチャーの製品も知ってはいて、

  • 本体が小型
  • 回転角度360°まで対応
  • サムターンアダプタが合わない場合、3Dプリンターで作成してくれるらしい

という特徴で個人的には良さそうと思ってたですが、同居人がスマホ操作しなくていいQrio Keyが使いたいというのでQrio2になった経緯があります。

しかし結局イマイチなことがわかり使われなくなった頃、セサミから新型のセサミ3が発表になりました。少し長いですが発表時のライブ動画の録画がみられます。独特の味があるCEOのプレゼンテーションをご覧ください。

SESAME 3は上記のセサミシリーズの特徴を受け継ぎつつ、更に大きな進歩を遂げました。

  • 複数端末と同時にBluetooth接続できるMulti-Task機能
  • 別売りWi-Fiモジュールと組み合わせることでネットワーク常時接続。Bluetoothリンクを待つ必要無く瞬時に操作可能なAlways Connect
  • 先代セサミminiと同サイズでQrioやAkerunより圧倒的に小さい
  • 本体5,800円、Wi-Fiモジュール1,980円と、あわせて買っても1万円しない超コスパ

といった辺りが注目です。これらによって、スマートロックの操作レスポンス遅れの問題が完璧に解消できると期待されます。もうQrio2に絶望した後なので自腹でつけても文句出ないだろうということでこっそり注文、、、しようとしたらさすがに大人気の初回ロットの注文を逃し、2次3次受け付けも見逃し、結局初回ロットが2021年1月末に発送されましたが、我が家に届いたのは3ヶ月も後になってしまいました。

■SESAME 3の特長

改めてSESAME 3の特長をまとめると、

  • 小型(ただし予備バッテリーは非搭載)
  • 海外製も含め多くのサムターン形状に対応
  • 付属部品で対応できないサムターンは3Dプリンターでアダプタ作成(600円?)
  • 回転範囲360°まで対応
  • 超安い(他社の半額以下)
  • iOS/Android対応
  • Multi-Task機能+Always Connect(Wi-Fi経由接続)により爆速
  • AppleWatch対応
  • NFCチップ読取りによる解錠/施錠操作(iPhoneXS以降、SE2含む/Android)
  • iOSのSiriショートカット、ウィジェット対応
  • Androidの通知領域ウィジェット対応
  • Alexa対応
  • Google Homeは間もなく対応予定

(一部、前機種からの特長含む)

という感じで、後発でベンチャーながらハード的にもソフト的にもかなり幅広い対応が優位点だと言えます。

特に我が家では回転範囲が90°しかないQrio2では対応しきれないことがわかっていたので、360°は心強い。またサムターン形状も♦型なので、最悪アダプタの特注もできるというところは安心材料です(注文フォームをみるとタテヨコのサイズを入力するだけなので、このような菱形にピッタリあわせで作れるかは不明)。

ASSA製のサムターン

唯一Qrio Keyによるハードウェアキー端末が存在しない点が負けポイントですが、それを補えるだけのスマホの操作レスポンス、各種ショートカット手段の提供があります。Siriショートカットに対応していることで、iPhoneでは背面ノック2回で施錠操作することも可能です(誤動作が恐いので解錠には使いたくないかな…)。

そりゃ売れるワケです。逆に生産能力はSONYなどより少ないのか、ともかく品薄で手に入らない。現状Amazonにもまだでてないぽい(旧モデルはある)。ただ本記事執筆時点で次回発送5/15分の予約を受け付けているので、半月待ちで買えるようになったとも言えます。

■設置

結論からいうと付属パーツだけでバッチリ取り付けできました。高さを出す金属製土台アダプターは使わずに済み、最低高での設置に。

設置状態

白木の板は、万一にも借家のドアに両面テープ跡を残さないよう、サムターンをバラして土台の下に共締めしたものです。ちょと見た目がアレなので、これで安定運用できるようなら一度バラして塗装やカットも検討しようと思います。

Qrio2との高さ比較

Qrio2を並べてみると、高さ(ドア張り出し量)が圧倒的に小さいことがわかります。ドアハンドルよりも低い。Qrioは嵩上げの土台アダプタ(写真のドア側の分割線のところまでの厚み)が必要で、その分厚みが出ていましたが、Sesami 3はそれを使わなくて良かった点も差になりました。これならば腰や背を攻撃されることもなさそう。またQrioシリーズはCR123A電池x2本駆動で、予備電池をさらに1ペア、計4本のバッテリースペースがあるのに対し、Sesame 3は駆動は同じですが予備を搭載しないので2本となります。万一電池切れしても予備で賄うか、適切なタイミングで電池交換を促して済ますかという設計思想の違いですね。物理鍵を絶対に持ち歩きたくないし、置き鍵もできないという人はQrioの方が無難かもは知れません。

サムターンを掴むところは幅を左右二段階(左右同じでなくてもいいので3パターン)、高さを3パターンに組み替えられます。我が家ではどちらも最大に組み替えました。菱形のサムターンに対して、普通に直線の板で挟み込む形だし、ピッタリでもないですが、イイカンジに滑って左右どちら周りの時も充分なモータートルクがサムターンに伝わっているようです。

とりあえずハード面では大勝利を収めた気分です。

■使ってみた

続いてアプリ設定。Sesami 3(Sesami OS2)の特長としてユーザー登録不要で使えるというのがありますが、管理者くらいはIDもってた方がいいだろうし、iOSとAndroidの複数端末で使いたかったのでサクっとメアド登録しました。面白いのはこの会社のWebストアも含めてパスワードを一切廃している点。メールアドレスを入力するとそこに4桁のワンタイムパスコードが届き、それを入力すればログイン完了です。ログインか新規登録かの選択すらありません。未登録アドレスなら自動的にアカウントが作られるという感じ。毎回パスコードの受信をメーラーで確認して、というのがじれったいという人もいるかも知れませんが、基本はそんなに頻繁にログイン操作を要する製品ではないので、忘れたころに思い出せなくてパスワードリカバリー処理をするよりはいっそ潔い仕様かなと思います。

・回転位置のリアルタイム補足

アプリで鍵毎の表示部がこんな感じ(施錠されている状態)。

アプリのステータス兼操作部

注目すべきは鍵アイコンの周りを囲う衛星リングです。なんとリング上の●印がリアルのサムターン位置に応じて動くのです。単に解錠、施錠操作をした時に動作アニメーションとして回るのではなく、(リンクしている状態なら)手で本体側を回した分もリアルタイムで追従します。ということはつまり、Sesame 3は回転位置をQrioのような相対制御ではなく絶対位置制御で管理しているということです。手で余計に空回りさせた状態からでも常に正しい位置までモーターで回してくれます。これはウチのようなクルクル空回りするタイプのサムターンには決定的に重要な要素となります。普通の水平<->垂直で90°しか稼働範囲がないサムターンにはオーバースペックかも知れませんが、コスト的にも半額なので文句のつけようもありません。

ここでまたしても脳内で冬月先生が「勝ったな」とつぶやきました。

2021.07.10追記:

その後、ウチのサムターンは360度ですら足りていないということが判明。またSesamiアプリでは開錠位置と施錠位置をそれぞれ学習させることができますが、これが「モーターでここまで回したら開錠できる」という基準と、「手動でここまで回されたら開錠判定する」という位置を兼ねています。ですがウチのサムターン特有なのかわかりませんが、双方の位置が微妙に食い違う。なので、手動で回すと実際に施錠されていないのに施錠された判定される瞬間というのが発生してしまいます。これは鍵としては致命的ですね。AppStoreのレビューでも同じ指摘がされていましたが、ソフト的な改良でなんとかなってほしいものです。

現状は仕方ないので手動でも180度回転以内でしか動かさない、もしくはできるだけ手動で回さないという運用とし、サムターンが物理的にある位置以上に回らないようなストッパーをDIYであれこれ実装中です。回転するものなので右からも左からもつまみが来るので絶対に一か所でしか止められず下弦の位置に固いものをつけるイメージです。

・Wi-Fiモジュールの設定

これが宅内に存在すると、Sesame 3からのBluetooth信号を自宅のWi-Fiを経由してインターネットに常時中継できるようになり、宅外にいても鍵の状態を確認したり遠隔操作が可能になります。またAlways Connectと呼ばれる機能で、2,3秒かかるBluetoothリンクを待たずにより高速に操作できるのも利点です。

USB 5V駆動ですがUSB充電器は付属しません。わかってる人、余ってる人にはむしろ有り難いコスト削減策ですね。不安な人、デザイン/色をピッタリ揃えたい人向けに公式ストアで一緒に買えるようにしてくれてもいいんじゃないかとも思いましたが、まぁそれはそれで利幅も低いしコスト負担になるのかも知れません。

本製品は2.4GHz専用ですが、我が家が2.4GHzと5GHzを同一SSIDで運用しているせいか、(玄関に近い)リビングは中継機があるせいか不明ですが、リビングに設置した状態ではアプリからのSSID/暗号鍵設定が完了できませんでした。一旦2Fのメインアクセスポイントの直近で起動して設定、その後で再度リビングに移動させました。ドアのSesame 3から4m以内に設置する必要があります。ドアとWi-Fiアクセスポイント(ルーター)の距離が離れている場合、その中間点でどちらの電波も程良く届く場所、かつコンセントがあるところを吟味する必要があります。

・音声操作

iOSではSiriショートカットに対応しており、好きな音声コマンドで施錠/解錠ができます。基本は外では使わないし、誤動作すると危ないので施錠だけを「玄関をロック」という音声コマンドで設定しています。

Alexaでも「(鍵名)でロック」が固定コマンドのようです。

我が家ではGoogle Homeで「おやすみ」と言うと全ての照明が点灯するようにルーティンを組んでいます。Sesami 3がGoogle Homeに対応してくれれば、同時に玄関の鍵を施錠ということも可能になるので楽しみです。まぁAlexaでも定型アクションで同じ事ができるので、しばらくはそっちを使ってもいいんですが。

・AppleWatch

文字盤に配置できるコンプリケーションに対応しているので、モジュラー系の文字盤ならショートカットアイコンを配置して2タップで解錠/施錠操作ができます。Sesame 3が複数のBluetooth端末と同時接続できるMulti-Task機能に対応しているので、Sesame設定をしたスマホ、Apple Watchがその場に複数いても通信権を取り合ってもたつくようなこともなく、レスポンス、安定度も上々です。

2021.07.10追記:

やはり若干の遅延というかもたつきがあります。AppleWatchアプリの仕様でしょうが、前回の最後に表示した画面がまず起動します。つまり必ずしも赤(施錠)が緑(開錠)かの表示が正しいとは限らない。そもそも接続してないのに接続したかのように見せて状態を反転させるためにボタンをタッチ。それが無視されることもあれば、タッチする瞬間につながって、状態表示が反転して、結果タッチのせいでまた状態が判定され、希望とは逆の操作になってしまう、みたいなことがちょくちょくあります。昔初期のQrioでも同じようなことがあった気がしますが、開錠と施錠がワンボタンのトグル操作故の問題ですね。

きちんと動けば未通信の黄色という状態があるんですが、これが瞬時に出ないのが問題な気がします。なまじWi-Fiモジュールでインターネットを経由したパスがあるので通信タイムアウトを待っているんでしょうか。

・NFCタッチによる操作

NFCとはおサイフケータイなどで使う非接触通信規格です。機器同士の通信だけでなく、こういうシール状の”タグ”に固有IDが割り振られており、値札シール代わりに使われたりします。最近ではUNIQLOのセルフレジが有名ですね。

Sesame 3ではSesamiアプリの設定が済んだスマホをNFCタグにかざすことでスマホ内で解錠/施錠コマンドを起動することができます。製品にもセサミロゴ入りのNFCタグが1枚付属してきますが、なんとなくもったいないので予め購入してあった市販のNFCタグを使って設定しました。

NFCタグは電源もいらないただのシールのようなものなので、好きな場所に貼り付けられます。レスポンスの遅延を考えて、玄関のドア自体に貼るのではなく、その手前のポストとか、なんなら車の運転席に貼っておいて到着時にそこにスマホをかざすでもOKです。NFCタグ自体は固有IDをもっているだけで、Sesami 3に対してアクセスして認証するのはあくまでスマホ側です。万一見知らぬ人がそのNFCタグにスマホをかざしても鍵が開いてしまうことはありません。

iPhoneの場合とAndroidで設定方法、仕様が若干違うようです。

iPhoneでは「ショートカット」アプリで動作トリガに「特定IDのNFCをスキャンすること」を割り当てられるので、これを使って、アクションとしてセサミアプリでの解錠、施錠、解錠/施錠トグルのいずれかを割当てます。複数のNFCタグを割り当て放題なので、解錠専用のタグと施錠専用のタグを用意して使い分けることも可能です。ただし対応機種が「iOS13.1以上を搭載したiPhone XS以降の機種」となっています。おサイフケータイ対応機種ならOKということではないので注意が必要です。

一方AndroidはOSレベルでそうした仕組みがないため、セサミアプリ上で特定の鍵に対して特定のNFCタグを割り当てます。説明書きにも明記されておらず、試してもないですが設定手順的にみて、1つの鍵に1つのNFCタグしか割り当てられない気がします。施錠か解錠かトグルかを指定する場所もなく、1つのNFCタグでトグル動作させることのみじゃないかと思います。つまり、iOSのように解錠と施錠でタグをわけたり、玄関ドアと車など複数箇所にタグを設置したりといったことはできなそげ。

仕方ないので(同居人がメインで使っている)Androidにあわせて、解錠/施錠のトグル動作のNFCタグを自宅のポストに貼り付けてみました。

2021.07.10追記:

コメントで感想を求められてこの追記をしていますが、正直あまり使っていませんw。スマホをポケットから取り出して当てるよりは、AppleWatchでやっちゃいます。そして上記のように私はメインがiPhoneなので本来は複数の箇所にNFCをつけたり、開錠/施錠で独立させたりできるはずなんですが、Android事情にあわせてひとつのNFCに集約するのが使いづらくて、、

ただ私より普段常用している同居人によると、ちゃんと反応しているとのことです。

・手ぶら解錠

AppleWatchやNFC解錠の安定感を味わいたくて、現状はオフにしていますが、基本的にはGPSを使った「手ぶら解錠」機能で帰宅時の解錠は自動化できそうです。GPS測定誤差で意図しないタイミングで誤動作しないよう、自宅から一定距離をジオフェンスとして設定しておきます。この範囲を一旦出ることで「出かけた」と判定され、その後でまたエリアに入ることで「戻って来た」というフラグが立ちます。この状態でないとBluetoothが通信圏内に入っても手ぶら解錠は実行されないことになります。この辺のおおまかな仕組みはQrioと同じですね。Qrioはドアセンサーが付属していてドアの開閉を手ぶら解錠やオートロックのフラグに使っていましたが、Sesame 3にはそういう機構がありません。この違いが動作精度にどう影響するかは不明です。

いずれにせよ、手ぶら解除は常時GPSを使うのでアプリがバックグラウンドで起動している必要があり、その分バッテリー消費もある程度覚悟しなければなりません。しばらく使ってみて常用するだけの精度と価値があるか見極めていきたいと思います。

■まとめ

まだ使い始めて日は浅いですが、過去に試してきたどのスマートロックよりもスマートで安定してストレスなく動いてくれる気がします。それでいて価格も非常に安いので、品薄が解消されたらもりもりシェアを奪っていきそうですね。

2021.07.10追記:

購入から二ヶ月位経って、いくつか使い心地の面で追記をしました。細かい点で若干不満点も見えてきていますが、同居人も「Qrio/2とは段違いに快適」といってくれており、買い換えたことは正解だったのは間違いありません。あとは回転位置の施錠判定位置とモーター目標点を別々に設定できるようになってくれると完璧かなと思っています。

2022.08.22追記:

試用開始から1年と3ヶ月。電池残量表示が30%くらいになったところで不安定になりました。電池を抜き差しするなどして延命していたものの、

  • 第一段階:スマホから操作を受け付けなくなる(認識はする)
  • 第二段階:手動でもサムターンが回せなくなり、認識もしなくなる

という感じ。認識しないのはまだしも、サムターンがロックされるのはヤバい。たまたま在宅中に気付いたのでSesame本体を外すことができましたが、外からだったら物理キーでも解錠できなかったんじゃないかと。思い切り回したら一度だけ動きましたが、その後は更にガッチリロックされてしまった感じです。これが仕様なのかは不明ですが、電池を替えたらあっさりゆるゆる回るようになりました。

30%というか1年くらいで予防的に電池交換するのがいいかも知れません。

ちなみに純正はPanasonicのこちらの電池だったようで、公式サイトでも比較的安く売ってるようでしたが、発送が少し遅かったのでAmazonで並行輸入品というのを4本セットで買いました(Sesameに必要なのは2本)。

Panasonic CR123A リチウム電池 1550mAh (4本組) [並行輸入品]

Panasonic CR123A リチウム電池 1550mAh (4本組) [並行輸入品]

1,380円(04/21 17:28時点)
Amazonの情報を掲載しています

AirTag到着!財布の中で収まりをよくするハック

AirTag到着しました。様子見でとりあえず1つだけ。使い道も定まっていないのでケース類も買っていません。

届いたパッケージ

最新 Apple AirTag 4個入り

最新 Apple AirTag 4個入り

15,300円(04/21 17:36時点)
Amazonの情報を掲載しています

小さなパッケージの割に、AppleStoreの茶箱は無駄にデカかったです。次はなるべく店頭で買おうかな…

パッと見の印象は想像よりちょっとだけ小さく、それでも財布に入れるのはやっぱり大きい(厚い)という感じですね。

硬貨とサイズ比較

鏡面はとても綺麗ですが、モバイルグッズとしては無駄に傷に気を遣うアレです。使用シーンなんて微塵も考えていない伝統のAppleデザインです。鏡面+白って初期のiPodの組み合わせですやん。あの頃からなんにも進歩してません。カッコいいんだけど気軽に使えない。

まぁAirTagは高価なものではないし、たぶん使わなくなってもオークションで売るとまではいかないので、割りきればいいんですが。Mamorioが最近のモデルでわざわざ目立たないようロゴまで消してきたのに対し、コイツは「Apple様のAirTagだぞ!」という存在感みせまくりです。携行品についていたら盗難者がまっさきにちぎって捨てるヤツです。

裏面(?)は大きな碁石というかホワイトボード用のマグネットそっくり。存在隠しとしてはむしろ両面これで良かったんじゃ、、とも思いますが、AirTagであることをアピールすることでNFCスマホあてて情報読み取らせる意図もあるので悩ましいところですね。初代モデルとしてはまずは世間の認知度を上げて(盗難追跡よりは)紛失追跡が上手くいくことを優先したというところでしょうか。

ホワイトボード用のマグネットと言われて疑うものはいまい

セットアップはあっけないほど簡単で、とりたてて語ることもなし。(iPhone11以降を使っていて)室内にあればかなりの精度で発見できます。MamorioのAR機能の苦労などウソのよう。そもそも音が鳴らせるだけでも全然違いますね。気になったのはNFCタッチした時の持ち主情報として表示されるメールアドレスがAppleID用のものであった点。できればこれはあまり外に出したくないんだけど、他のメールアドレスに変更は出来ないのかな?

あぁ、これでMamorioやTileくらい軽薄短小だったら、、と思わざるを得ません。せめてフラットでなにかに貼ったりしやすい形状だったら、、

とりあえず一番よく探す財布に入れてみましたが、やはりそこだけもっこりしてしまいます。女性がもってるような大きくて分厚いお財布なら誤差の範囲かも知れませんが、男性が尻ポケットに入れるような平べったい長財布とかだと厳しい。そんなとを思いながらふと目がいったのが梱包時の固定に使われていた紙の内ケース部分。AirTagの両側部分に高さがでて膨らむようになっていて、全体に末広がりになっていく構造です。

パッケージの一部を切り取って使うといいカンジ

実際にはこの両側に扉があって、AirPodsのイヤピースの梱包のように、左右にフタを開くと本体とご対面、という作りなんですが、その左右のフタを切り取っています。この状態で財布の背側のポケットにいれると、かなり違和感が無くなります。一箇所だけこんもりしてる感がなくなり、より自然なラインになります。全体的に厚くなるってことかもは知れませんが、手に持ったり尻ポケットに入れた時の違和感が激減するので良き。

最終的には財布に入れて使うのは無理なので、キーホルダーケースに入れて鍵束にでもぶら下げようかなーと思ってましたが、これなら財布常用でもいいかも。もう1,2個買い足そうかな?