Atom Camなどネットワークカメラの延長用に適したmicroUSBケーブル

Atom Camいいですよね。3,000円前後の低価格ながら、画質良し、マイク、スピーカーも搭載、初期設定が簡単、スタンドが優秀で取り付け自由度が高い、USB 5V給電で稼働、アプリも使いやすい、モーション検知、クラウド録画、別売りセンサーと弱点無しです。

先日ついに防水モデルのAtom Cam2も登場(残念ながらセンサーは非対応に)。ケーブルを通す場所さえあれば屋外監視にも使えるようになりました。価格ほほぼ変わらず。

我が家ではIO-DATAの1万円超のカメラを使っていましたがもはや完全にこちらに移行し、猫の隠れ家監視なども含め5台が稼働しています。IO-DATAのは12Vくらいの専用ACアダプタが必要で取り回しがイマイチでしたが、Atom CamはmicroUSB端子のUSB 5V給電なのでとても汎用性が高いです。既にAnkerの他ポート充電器がある場所からなら一緒にそこから電源とることもできますし、市販ケーブルで長さを最適化したり壁の色にあわせたケーブル色を選ぶこともできます。

さて、最近猫の新たなお気に入りスポットとして、天井ギリギリの本棚の上があることがわかりました。Atom Camもまとめ買いして余っていたので設置しようとしたのですが壁コンセントは足元のやや離れた場所にしかなく付属ケーブルでは届きませんでした。AC延長ケーブルを使うという手もあったんですが、配線経路の途中にコネクタやUSB充電器など膨らむのもイヤだなということで、USBケーブル側を長いものに交換することに。

そして見つけたのが5mのコレ。

まさにネットワークカメラ用として売っているもので、壁に止めるためのコードクリップも10個付属していました。ハンマーなどで打って止めるタイプのものです。

付属のコード止め

またAtom CamのmicroUSBジャック部分は強度を出すためだと思われますが少し奥まったところにあり、コネクタ部分が少しでも太いと刺さらない場合があります。しかし本ケーブルは問題なく奥まで刺さりました。ケーブルは本体付属品のようなフラットタイプではありませんが、普通に細くて柔軟で扱い易いタイプだと思います。iPhoneに付属の充電ケーブルくらいと言えばいいでしょうか。もちろんAC 100Vの延長ケーブルを引き回すよりもスマートで目立たないので綺麗に配線することができました。Atom Camを設置したいけど電源の場所が遠くて、、という方は候補に検討してみてください。

AppleTV 4Kを2021年モデルに買い替え

2021年5月発売のApple新製品群の中では、iPad ProもiMacもスルーでしたが、AppleTV 4Kだけゲットしました。これとてある注目要素がカタログ値ではわからないので購入者レポートの報告待ちということで予約もせず発売日を待っていたというところです。

2021 Apple TV 4K(32GB)

2021 Apple TV 4K(32GB)

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その要素とは「Youtubeで4K HDRが再生できるのか?」という点。AppleTVは2017に4Kモデルを発売しており、普通に考えたらなんだって4K対応だと思うのですが、実はそうではありませんでした。Youtubeでは3820p(4K)と1440pについてはVP9というコーデックを使用していたんですが、AppleTVがそれに対応しておらず長いこと4Kは非対応(フルHD再生止まり)だったので。tvOSの更新で低レート(24fpsや30fps)ならば4Kでも再生可能となったのが2020年。それでも4K/60pやHDRには非対応のままだったのです。本体が4K/HDR対応だからといって個別のアプリがそうとは限らないわけです。こういう使用はカタログには可とも不可とも記載がないため、購入したユーザの報告を待つしかなかったというわけです。

■ついにYoutubeの4K/60p/HDRに対応

A12 Bionic搭載のおかげか、わざわざVP9ハードウェアデコーダーを搭載したのかは定かではありませんが、ついに今回のモデルチェンジでYoutubeアプリでも4K/60p/HDRが再生できるようになりました。まぁ日常的に見るコンテンツで4K/60p/HDR率はそう高くはないですが、たまにdrikinさんが実験的にアップする動画や、自分でiPhone 12 Pro Maxで撮った動画など、リファレンス的に検証したい時があります。またこれぞ4K/60p/HDRというのを味わいたい時に、店頭デモ映像のような美麗コンテンツがいつでも無料で見られるのもYoutubeのメリットです。今まではそのためにChromecast with GoogleTVを買っていました。一方AppleTVはHomePod 2台を使って仮想サラウンドを組めるアップデートが提供され、わざわざ買い増しして環境を組んだのに、4K/60p/HDRをとるかシアターサウンドをとるか、みたいな状態でした。これでようやくそのジレンマが解消することになります。

Youtubeで4K/60p/HDR動画を再生した時の統計画面

写真は実際にYoutubeアプリで4K/60p/HDRなコンテンツを再生し、統計データを表示したところです。上から2段目はViewportなので出力画面サイズ(4K TVがつながってますねってこと)。3段目が重要。「Current / Optrimal Res」(現在/最適解像度)で、両方とも「3820 x 2160@60」となっています!またCodecはVP9(5段目)、Colorが「bt2020」つまりHDRであることを示しています(SDRだとここが「bt709」と出ます)。

■ARC/eARCにも対応(ベータ)

同時にたぶん発表イベントでも触れられていなかったサプライズアップデートとして、ARC/eARCへの対応が判明。ARC (Audio Return Channel)は、HDMI経由で出画デバイス(TV)からサウンドデバイス(AVアンプなど)に音声データを逆送りできる規格です。通常HDMI信号は再生デバイス(プレーヤー、ゲーム機など)から出画デバイスに向かって信号が送られます。ホームシアターを組む場合はその途中にAVアンプを経由し、AVアンプがセレクターの役目も兼ねます。この場合、AVアンプが最新規格に対応しなくなると、再生デバイスと出画デバイスが対応していてもその規格では再生できなくなります。過去にも3Dとか4KとかHDRとかいうたびに途中経路のAVアンプまで対応/買い替えを迫られた人も多いんじゃないでしょうか。これがARCであれば、再生デバイス->TV-(ARC)->AVアンプ、のような経路が組めるようになり、(音声規格が刷新されてないなら)AVアンプは古いままでOKということになります。eARCはさらにその進化版でより新しい音声規格が通せるようになります(ウチのリビングのBRAVIA X9300cは非対応)。

さてこれがAppleTVにどう関わってくるかというと、前述の通りAppleTVは少し前にHomePod 2台に対して音声を送ってHomePodをホームシアタースピーカーとして鳴らすことが可能になっていました。しかしAppleTV自体は入力端子を持たないため、AppleTV上で再生できるコンテンツでしかHomePodをスピーカーとして使うことができなかったわけです。ところが2021年モデルのAppleTV 4KがARC/eARCに対応したことで、例えばPS5 -> TV -(ARC)-> AppleTV -> HomePodという鳴らし方ができるようになったというわけです。TV側がセレクターとしても機能するのでTVの入力端子数だけ機器をつなげることもできます。高い出費だったHomePod 2台の活躍の場が広がります。

■新型リモコン Siri Remote 2

アップデートの目玉としてリモコンがフルリニューアルされました。従来タッチパッドだった部分に物理的な4方向ボタンが復活。おそらくゲーム利用を促進させる狙いではないかと思います。中心の円部分は従来通りタッチパッドとして使えます。また若干レイアウトがかわり、材質や厚みがかわりました(分厚くなった)。Lightning端子で充電する方式は継続です。

背面がフラットではなくなったため、多少握りやすさは良くなった気もしますが、テーブルなどで安定感がないのは個人的には気になります。そのうちカバー製品が出てきたらつけるかも知れません。

このリモコン、単体販売もされているようなんですが、\6,500円とややお高いです。単価がどうのというより、新型AppleTV 4Kが32GBモデルで2万円であることを考えた時の割高感が否めません。旧モデルユーザなら買い換えて旧型売却費用を新型購入費用の足しにした方が総合的な満足度は高そうです。

Siri Remote

Siri Remote

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■画質補正機能

iPhone X以降のFaceID対応フロントカメラを備えたiPhoneでTV画面を映して画質のキャリブレーションする機能もイベントで発表されました。正直これが一番刺さりました。これを使えばAppleリファレンスに近い画質で映像を楽しめるぞと。しかし直後にリリースされたtvOSで旧モデルでもこの機能が利用できることが判明し、一時的に買い替え良くが萎んでいましたw。でもまぁ良いものです。

BRAVIA X9300cは画質モードを[HDR]にすると微調整できる項目が減りがちなので、あとは再生デバイス側が補正を行ってくれるなら歓迎。キャリブレーション後に補正前後を比較できる画面があるんですが、わずかながら補正後の方が色温度が低くなり「シアター」モード寄りの色味になりました。個人的には普段地上波番組でもシアター寄りの色味が好きなくらい(スタンダードは青白すぎる)なので、満足度の高い補正です。

 

■ファーストインプレ

物理リモコンこそかわれど、画面上のUIは旧モデルとなんら変わりがなく新鮮味はあまりないです。早速ARCを使ってPS5やBDレコーダー(SHARP 4B-C40AT3)でBlu-rayを再生してみましたが、どうもPS5での音はしっくりこなかったです。PS5では音声出力設定としてTV、AVアンプ、サウンドバーが選択でき、AVアンプにした場合は5.1chや7.1chといったチャンネル数の指定ができるようになります。また優先出力コーデックとしてリニアPCM、ドルビー、DTSが選べます。正直細かいんだかおおざっぱななんだかわからない設定画面です。サウンドバーや今回のAppleTV+HomePodだって疑似サラウンドスピーカーとして振る舞うわけなので、「AVアンプ」を選んでおくべき?その場合チャンネルは?となります。コーデックもどうすればいいのかよくわかりません。DTSだったかにドルビーだとセンターチャンネルがならずにセリフがほとんど聞こえない状態になりました。AppleTV側の仕様がはっきりしない問題もありますが、どうもこの組み合わせはしっくり来る設定が見つけられませんでした。

4B-C40AT3の方は特に設定をいじらずともそこそこ良い音で鳴ってくれました。TVと比べて明らかに重低音は増し、PS5と違ってセリフもしっかり聞こえてきます。ちょっとバリバリにサラウンドを感じられるコンテンツ/シーンまでは試せてないので疑似サラウンドの効果までは確認できていませんが、普通にTVで聞くより良い音です。ただまぁHomePod自体が重低音出過ぎな嫌いがあるので、若干やりすぎに感じるシーンがあったり、深夜に使いづらい感はあります。ほんとこれマニュアル調整させてほしい…

BRAVIA側の視聴中メニューで音声出力先を内蔵か外部か切り替えられるので、適宜使い分けかなという気がしています。いずれにせよ映画とかアニメとか音質重視なコンテンツでより良い音が選べるようになったのは買い換えた価値があったなと思います。

一方、ネットコンテンツの複合ブラウズUIとしてChromecast with GoogleTVがなかなか優秀なので、日常使い端末として捨てがたい印象もあり、こちらの音声をARC経由でHomePodで鳴らして使っていくのもアリかなぁと思ったり…

 

5年使った洗濯機を分解大清掃 Panasonic VX9600

2016年に購入した洗濯乾燥機Panasonic NA-VX9600が二度の引越しも経て色々と不調になってきました。

症状は乾燥性能の低下(時間がかかる、「ふつう」では乾ききらず「しっかり」常用)と、トップパネルにある乾燥フィルターの部分に水が残る(フィルターの下1/3位が水に浸かった状態)といったもの。

乾燥フィルターの掃除用に純正のおそうじブラシ(VX用)を買ってみてダクトの埃を取れる限りとってみたものの改善せず。

Panasonic おそうじブラシ AXW22R-9DA0

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1,550円(01/23 17:55時点)
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ヤマダのThe安心に加入しているので(洗濯乾燥機は6年)修理を手配しようと思いつつ、片付けとか面倒で放置していました。

しかし価格.comで分解清掃の話題がいくつも出ているのに気づきDIYチャレンジ。手順についてはYoutubeでザクザク見付かります。わかりやすかったのはコレかな。

作業に手一杯で写真が全然撮れなかったんですが、次回に備えて記憶の限りメモ。

道具立てとしては、長い目のプラスドライバーがあると良いです。後述の脱水受けカバーのネジがかなり奥まったところにあるためで、ネジを落とさないようマグネタイズされたもの、電動ドライバーがあるならロングビットを使うのがいいと思います。ウチで使ったのはたぶんこれ。

脱水受けカバー以外はさほど奥まったネジはなく、ロングビットだと取り回しが悪いので、ほどほどの長さのものと使い分けるのが理想だと思います。あとケーブルを固定しているプラスチックパーツをつまんで引き抜く時に細めのラジオペンチがあると楽です。

ネジの総数と種類が多いので、白紙にペンで各部位のスケッチを描きその上にネジを並べて置いておくようにしました。

■乾燥フィルターボックスの水溜まり対策

このシリーズの作りとしては、乾燥フィルダーを取り外したボックスの奥にヒートポンプユニットのアルミフィンがあり、手前側は拳大のゴムダクトを通ってドラム側に落ちていきます。まず後者は上記おそうじブラシである程度清掃できますが、いちど分解して仕組みを把握した方がより効率的に掃除できます。ブラシを入れられる口が上の写真の右上に移っている部分で大きな異物が入らないよう水平のガードがついており、手などを直接入れることはできません。最初ここから奥の綿ゴミを一生懸命掻き出すイメージで掃除していましたが、むしろ奥につっこんでドラム室に落としてしまう方が良さそう。最終的には排水とともに排水フィルターの方へ流れてキャッチされるはず。

問題は前者のアルミフィンです。これはトップパネルを外さないとアクセスできません。トップパネルは蓋で隠れているものも含め、9本のネジで止まっていますが割と簡単に外れます。フィルターボックスの奥側のガードも2本のネジを上から抜けば外すことができ、フィンの手前側は露出します。ここにゴミがビッシリ詰まっていて言われなければエアコンのようなアルミフィンだとわからない状態でした。

こちらの動画の5分辺りのところがわかりやすいと思います(ここまでではなかったですが)。

アルミフィンは簡単に曲がってしまうので、乱暴に擦ったりはできませんが、動画のようなブラシもなかったので、価格.comで言われていたDoltzのジェットウォッシャーとスチームクリーナーを試しました。結果的にはスチームよりドルツの方が聞きました。元が髪の毛などの繊維的な綿ゴミが水分吸って重くなっているようなものなので、熱よりは水量と勢いで流したという感じでしょうか。

最近すっかり使わなくなったドルツがまさかこんなところで役立つとは…処分しないでおいて良かった(笑)。

ただフィンの奥へゴミを押し戻すのはよろしくないので、できるだけ上下方向から水圧をかけて手前に押し出すように意識しました。タンクに数杯分の水を吹きかけるので、その水は排水路に溜まります。続けて下部を分解していくと排水フィルターを外した時に水が大量に溢れるので注意してください。ドルツ洗浄の後はいちど電源を入れて脱水(排水)操作をしましょう。

基本、前面の見えている部分を綺麗にしたことで水溜まりは改善されました。が結局後述の事情でもう一度分解することになったので、その時はさらにヒートポンプユニットの天面カバーも外してさらに奥の方までドルツで徹底洗浄しておきました。

■ドラム周辺のゴミ取りと部品交換

次にフロントパネルを外していき、上述のダクトやドラム周辺部のゴミを除去しました。その際、上記写真に写っている白いドラム前面のリングパーツの手前にかぶっている「脱水受けカバー」という部品が破損していることが判明。この方のケース(4:50秒辺り)と同じ。

一度は見なかったことにして組み上げたんですが、同居人がこれを見たあと、「このせいで水が溜まらなくなったのだ!前はもっと水位が高かったと思う」と言うので交換することに。有り難いことに楽天で普通に買えました。

脱水受けカバーと脱水受けパッキングAという2つのパーツがセットになっています。後者は別段劣化は見られなかったですが、セットで売られているということは一緒に替えることが推奨ということでしょうし温存しておいても仕方ないので交換しちゃいました。脱水受けカバーのネジが数が多い上に奥まった場所にあるので、うっかり下に落とさないよう慎重に作業する必要があります。ケチらず上述のロングビットを用意するのが吉。ドラムは手で動くので隙間を広げるように押さえながら脱着します。幸いここのネジは一周全て同一なので、どれがどこのものかは憶えておかなくて大丈夫です。

同居人曰く、洗濯やすすぎ中に常時脱水フィルターの方に水が流れているような音がしていたのが収まったとのこと。ただいまのところ体感できるほど乾燥力が復活した気はしていないです。

■まとめ

2回に渡り写真のところまでバラしを決行し、とりあえず乾燥フィルターボックスの水溜まりは解決することができました。フィルターにつく綿ゴミも乾いているので除去も簡単になりました(本来当たり前)。

乾燥時間や消費電力などについては不明。本機はNFC経由でAndroidアプリにログを転送できるんですが、カスタムコースについてはデータが取れないんですよね…

価格.comの書き込みによるとヒートポンプユニットは保障期間が3年(5年の説/機種も)で、基本的には経年でゴミがどんどん詰まっていくのは構造上避けられないようです。特にペットがいる家庭(ウチも)なんかはどの毛がダメぽい(説明書にはそういうものを洗うなと書かれていますが、そういうワケにもいかないですよね)。ペットの毛が見付かった場合保証対象になるのかは不明ですが、理想は保証期間が切れる前にいちどサービスを呼んで清掃なり交換なりしてもらうのがヨサゲ。ウチはペット用品洗いまくりの後ろめたさもあるし、今回マスターしたDIY清掃を定期的にしていくのがいいかな。

同人ハード、小型マクロパッド(キーボード)AZ-Macro

同人ハードの小型マクロパッド、AZ-Macroを購入、作成してみました。

マクロパッドとは、ショートカットキーやマクロの実行を行うダイレクトキーを並べた小型の専用キーボードのことです。有名なものでは、ElgatoのStream Deckシリーズなのがあります。

クリエーターやYoutuber、ゲーマーな人達が作業効率を挙げるためによく使う機能を一発で呼びだせるようにカスタマイズして使うものです。中でもSteam Deckはキー1つ1つの中に小型ディスプレイがあり、キートップにどんなキーが割り当てられているか文字や色、アイコンを駆使して一目でわかるようにできるスグレモノです(静的にレーザー刻印やテプラなどで表示してしまうと、アプリケーションによってキーの内容を変えたりするのに追従できません)。

これはこれで使ってみたい製品ですが、今回はもう少しお手軽かつユニークな特徴を備えた同人ハードを見つけたのでそちらを使ってみることにしました。

■AZ-Macroとは

AZ-Macroは個人レベルの作家さんが設計開発をして頒布しているいわゆる同人ハードです。BOOTHや自作キーボード専門店の遊舎工房で購入できます(執筆時点で後者は品切れ)。

本製品は一見すると4×2の8ボタンのマクロパッドですが、オンリーワンの特徴として、

  • バッテリーを内蔵したBluetoothキーボードである
  • Wi-Fiにも対応し、設定をWebブラウザから行えたり、スタンドアローンでWebHookを叩いたりできる

といったものがあります。BluetoothキーボードであるということはiOS、iPadOS、Android、Chromebookなどのデバイスでも使いやすいです。また設定モード(左上のキーを押しながら電源ON)で起動するとWi-Fiアクセスポイントとして電波を出し、PCやスマホからつないでブラウザでキーの割当設定などを行うことができます。PCからファームウェアを焼いたり設定ツールを使ったりする必要がないので、原則PCレスで使うことができます(バイナリファイルをフォームでアップロードするファームウェアアップグレードだけはPCでした方が無難かも知れません)。

また単体で既存Wi-Fiにぶらさがることで、WebHook(Webアクセスをスイッチにしてなんらかの機能をは発動させる仕組み)を起動できるスタンドアローン機器として使うこともできます。例えばTwitterに1ボタンで定型文をつぶやかせたり、Nature Remoの任意のリモコン操作を割り当てて8ボタンリモコンとして使うとか。IFTTTのようなワービスを組み合わせればより多くのWebサービスに対して動作を与えることができます。

個人的にはPremiere ProやLighroomなどAdobe系ツールでツールパレットを使わずにツールを持ち替えたりするのを効率化したいのと、タブレット端末で動画を観る時のリモコンにできればというのが導入の狙いです。あとハンダ付け工作がしたかった(笑)。

本当はダイヤルデバイスものっているTONEのような製品の方がPremiere Proで各種数値パラメーターを入力するには良いかなと思うんですが、品切れで買えなくなってましたり、上記Blueooth/Wi-Fi機能というユニークな特徴も捨てがたかったのでまずはAZ-Macroから買ってみました。もしTONEが手に入ればそちらをPC用にして、AZ-Macroはスマートデバイス用と使い分けができるでしょう。同じ4×2ボタン配列というのも良いです。ちなみに配列にこだわらなければ、Quick7という製品もツマミを搭載することができます。

■組立て

今回はハンダ付け工作をたいかったこともあり敢えてキットを購入しました。作者さんのBOOTHでは完成品も購入することができます。差額は1,200円。ただしキットにはキースイッチをキーキャップが含まれていないので、それを別途買い揃えることを思えば、組立工賃としてはタダみたいなものです。電子工作に自信と興味がない人やキースイッチ/キャップを自分で選びたいというこだわりがなければ、完成品を注文しても損はないかと思います。またバッテリーも有り/無し選べますが、もっていなければわざわざ別で買うメリットもないかなと思います。

てことで私は今回キット+バッテリーを購入。

最初にGitHubから最新版のファームウェアをダウンロードしてきて焼き込むのと、ピンセットなどで各キーのスルーホールをショートさせて、Buetoothキーボードとしてabcdefghが入力されることをチェックします。ハンダ付けとかする前に初期不良でないかチェックするためです。この辺りの手順は公式マニュアルが非常にこなれていて迷うことはないでしょう。

・キースイッチ選択

キットに含まれていないキースイッチとキーキャップは遊舎工房で購入しました。キースイッチは定番のCherry MX互換スイッチに加え、低背のKailhロープロファイルスイッチというシリーズに対応しています。Cherry MX互換スイッチの方が圧倒的に選択肢がありますが、本機に限っていえばより低背なスイッチ、キャップの方がマッチするのでKalihロープロファイルスイッチから選ぶことに。リンク先の遊舎工房のページにくと、白軸、茶軸、赤軸、Red Proの4種類がラインナップされています。白軸がもっともカチカチいうメカニカルなタイプ。続いて茶軸がクリック感があるタクタイル型。赤軸が最初から最後まで同じ力で押し超えるリニアタイプの押下圧が約45gで、Red Proは同じリニアでさらに軽い30gタイプとなります。ストロークは共通で3mm。

ちなみに作者さんが完成品として売ってるものは、

  • 白軸 – カチカチ音がするスイッチ
  • 茶軸 – 音が鳴らないスイッチ

の二択になっています。あれ?茶軸より赤軸の方が静かなのかと思ったけどそうでもないの???と混乱。もう触ってみるしかないわということで、それぞれ10個入りを全種類注文しました(笑)。とりあえずカチカチいう白軸はいらないと思ったんですが、まぁ大した価格差でもないし、今後また他の用途で作る時の参考資料にもなるかなと思い。

4種類のスイッチを並べて押し比べ

結果としては、

  • 白軸はかなりカチカチ言うのでメカニカルが好き!っていう人向け
  • 茶軸のクリック感は予想してたほどは無く、赤軸を多少重くした感じ
  • 赤軸、Red Proはクリック感なく、重さの違い

という順当な感じ。茶軸がイメージより赤軸との差がなかったかなという感じですが、目をつぶってシャッフルしても違いがわかる程度には重さに違いがちゃんとあります。高速でヘコヘコ連打した時の音は、茶軸がカシャカシャという感じ。赤軸とRed Proはほぼ無音。もちろんターン!と叩けばどれも音はします。

フルキーボードとして文字入力を行う場合は白軸や茶軸で明確はフィードバックを得た方がよいかもですが、AZ-Macroのような用途であれば静音性を重視したいなと思い、赤系にすることにしました。軽ければ軽い方がいいかなとRed Proにしようと思ったんですが、1点だけ気になったのはスイッチの色です。赤軸は軸だけ赤いのでキーキャップつけてしまえば赤は見えません。一方Red Proはベース部分が赤いという違いがあります。AZ-Macroはデザイン上スイッチがサイドから丸見えになり、Red Proの赤が浮いてしまわないか?と。で、実際に基板に載せてキーキャップもつけてみたのがこちら。

Red Pro(右)は赤ベースが目立つ?

キーキャップも黒でまとめたので、スイッチも赤軸の方がオールブラックでカッコイイかなぁと。でもまぁ使用感を優先したかったので、差し色としてありっちゃありかなと自分を言い聞かせて、今回はRed Proで行くことにしました。

キーキャップも低背のもので黒です。

・一番手間だったのはキースイッチの足のカット

ハンダ付け自体は数も少ないのですんなり終わりましたが、ちと苦戦したのはカット。AZ-Macroでは基板裏側に(耐熱フィルムをはさんで)リチウムイオンバッテリーが直にあたります。リチウムイオンバッテリーは穴があくと発火や爆発の危険性があるので、尖ってる部分は切っておけよ、という指示になっています。フタをすればバッテリーを押さえつける力はほぼかからない構造ですが、バッテリー自体は固定されないので確かに尖ってる箇所があると不安です。最初はよくても、知らず知らずのうちにバッテリーが膨張したら、、とか。

ハンダが終わった足をいざニッパーで切ろうとするもこれがなかなか上手く切れない。ニッパーが一般的な両刃ではなく、模型用などの片刃のものなら簡単だったかも知れませんが、手持ちが両刃しかなく、どう切っても先端が尖ってしまいます。仕方ないので金属ヤスリで削って平らにしました。

スイッチの足を切りそろえたところ

とりあえずスイッチの樹脂の足(赤色)よりも低くなるようにしました。いっそ厚手の両面テープでバッテリーを固定するのも手かも知れません。

完成!

そんなこんなで完成。コントロール基板の部分はスモークのアクリル板で保護されています。ちなみに充電ポートはmicroUSBです。

充電ポート、電源スイッチ部分

■使ってみる

・まずはVLCの再生操作リモコンとして

電源スイッチを左にした状態で、奥側左から0,1,2,3番、手前側も左から4,5,6,7番キーと呼ばれています。0番キーを押しながら電源を入れると設定モードになり「AZMacro-xxxxx」的なWi-Fi電波を出します。PCなどから暗号鍵無しで接続すると自動的に設定画面がブラウザで表示されます、、、というはウチではなぜかmsnのポータルにリダイレクトされてしまいました(Windows10/Chromium Edge)。そういう時は手動で「192.168.4.1」をアドレスバーに入れてアクセスします。

とりあえずこんな感じに設定してバッチリ機能しました。

0: Fキー(フルスクリーン表示ON/OFF)

1:Pキー(前のファイル)

2:Nキー(次のファイル)

3:スペースキー(再生/一時停止)

4:Ctrl + ←(戻る)

5:←(少し戻る)

6:→(少し進む)

7:Ctrl + →(進む)

(進む/戻ると少し進む/戻るの具体的な秒数はVLC側の「ジャンプする長さ」で自由に変更することができます。)

単純なキー押下だけでなく複数キーの組み合わせも指定できます。オートリピート間隔も指定可。

所定の文字列の入力も可能ですが日本語(マルチバイト)文字を直接貼り込むことはできません。あくまでキータイプを再現する装置なので、「t,o,u,k,y,o,u,スペース,リターン」などと指定することはできますが、PC側でIME ON/OFFがどうなっているか、とうきょうを変換して最初に出る候補がなにか、というところまでは制御不可能ということです(IME ONの(トグルではない)キーアサインがあればIME ON固定はできるかもです)。

また前述のWebHook機能で所定のURLにアクセスしたり、その結果をキー入力として貼り付けることもできます。例えばアクセスすると今の日時を返すAPIがあったとすれば、1キーでそこへアクセスして結果である日時タイムスタンプを文字列として貼り付けるといった動作ができます。

ちなみにWebHookを設定したキーが1つでもあると常時Wi-Fiが接続されるためバッテリー消費は増えるようです。

・レイヤーを使う

単純なキーアサインでは8キーあるので8機能しか指定できません。それを回避するために2つの方法があります。共通な点としては「レイヤー」と呼ばれる設定セットを複数もたせておき、随時切り替えて使う方法。その切り替え方法が2つあるのです。

1つ目はあるキーをレイヤー切り替えキーとして使う方法。例えば0番キーを押している間はレイヤーを2にする、みたいなことにすれば、0番キーが使えなくなるので7 x 2で14の機能をアサインできます。レイヤーを3つにして、2つのキーをレイヤー切り替えに割り当てた場合、6 + 6 + 6で18機能ということだろうと(試してない)。レイヤーを増やすほど使えるキーが減っていってしまうし、同時押しも面倒なので個人的には使わないかなと思います。

もう一つの方法は、下段の4~7キーを押しながら電源を入れるとそれぞれ1~4番目のレイヤーが固定されるという方法。これならば常に8キーをフルに使うことも可能です(逆に1つ目の方法を併用も可能でしょうけど)。VLCを使う時は単に電源ON、Premiere Proを使う時は4番キーを押しながらON、といった具合です。面倒っちゃ面倒ですけど、まぁここら辺はPC側に専用ツールを常駐させるStream Deckなどとの違いですね。あちらはフォアグラウンドアプリに応じて自動的にレイヤーを切り替えることができるはずです(多分)。一方こちらは常駐アプリを使用しない分、スマホやタブレットなどの幅広いデバイスに対応するという利点でもあります。WindowsやMacのみでゴリゴリ使うのであればStream Deckの方が利点は大きいでしょう。できれば本機もWindowsやMacオンリーでもいいのでアプリでレイヤーを自動切り替えるしてくれるような常駐ツールが登場してくれたら有り難いですね。将来のバージョンアップに期待。

■まとめ

右手にマウス、左手にキャット、、ではなくマクロパッド

Premiere Pro編集作業に使える左手キーボードが欲しいと思いつつ、Stream Deckやゲーム用左手キーボードではサイズ的にもコスト的にも大仰すぎるなと思っていた中、同人ハードという世界の中でよりフィットした選択肢を色々見つけることができたのは幸いでした。

今後もこの界隈は注視していきたいと思います。

[オマケ] ガシャーン!

6年目の正直。スマートロック、SESAME 3を導入

IoT好きな私はスマートロックもAkerunQrioQrio2と買ってきましたが、どれも今ひとつでした。あとRemoLOCKなんてのも販売元にご提供いただいたことがありますが、ドアに改造が必要で賃貸住まいの我が家には導入できず知人に譲ってしましました。これはドア改造が必要な点とクラウドサービスが有料なことを除けば悪くない製品でした。

一番最近買ったQrio2は初代の不満点をきっちり改善して仕上がってきてはいましたが、残念ながら昨年引っ越した我が家のドアにはあわずに結局半年ともたずに撤去してしまいました。

動作も軽くなったQrio2ですが、我が家のドアにあわなかった理由として、

  1. サムターン形状があわなかった
  2. サムターンの回転角度が90°超え
  3. リモコンキーホルダーQrio Keyがイケてなかった
  4. ドア面からの張り出し量が大きく、身体が当たったりしてもげ落ちまくった

と言った点があります。1に関しては自作のサムターンアダプタでどうにか工夫したんですが、それ以降はどうしようもありませんでした。

ウチのドア鍵はサムターンがフリーで360°以上回せるタイプで、そのうちのある角度でロック/アンロックがかかる仕組みです。他方Qrio2は90°、つまりサムターンのツマミ位置が垂直か水平かでガチャ、ガチャっと切り替わるタイプを想定した設計になっています。Qrio2側のツマミもフリー回転する作りですが、スマホアプリで施錠位置と解錠位置を記憶させ、その範囲でモーターが動きます。一見すると鍵がかかる位置と開く位置の角度差が90°以下であれば設定できそうなんですが、実際にやってみると上手くいきません。何故ならば手動で開閉した時にそれ以上の角度を回してしまうこともあるから。Qrio2の回転量の記憶方式は現在位置からの相対角度のみなので、現在の角度から一定角度を回すのみ。人力で想定外の位置まで回されていると、回転が足りなくて鍵が開閉しないということになります。じゃぁもう一切人力では操作しないことにしてスマホでしか開け閉めしないことにすれば?とも思ったんですが、現実的にはそういうわけにもいきません。宅配便とか来て慌てて開く時にスマホが手元になければ手であけますし、自分だけならともかく家族もいるとやっぱりそういうルールを押しつけるのは現実的ではありません。

次にQrio2のした大きな理由のQrio Keyという専用解錠施錠リモコンの使い勝手が良くなかった。スマホ不要でボタンを押すだけなので、スムーズに開け閉めできると期待したんですが、実際はQrio2自身がBleutoothで接続可能な相手端末が1台のみなため、先に他のスマホやAppleWatchと接続が確立してしまうとリモコンは効かなくなります。二人で複数の端末を持ち歩いているため、どれが最初に接続するかは予測不能でイライラが募ります。

そして仮にそれらが解決したとしても残る難点として3.のドア面から高さがあります。例えばドアを狭めに空けてできた隙間にサッと身を滑らすような入り方をすると、通過中の背中腰にQrioがガツンと当たって痛い思いをしたり、時に固定が外れてQrioが落下することもありました(賃貸なのでネジ止めはできず両面テープ固定なので)。そんな日々に嫌気がさして、ある時落下したのを境に再取り付けせず玄関に放置することに、、

■セサミなら万事解決!?3登場を機に購入

Qrio2購入前に比較検討していたセサミという新興ベンチャーの製品も知ってはいて、

  • 本体が小型
  • 回転角度360°まで対応
  • サムターンアダプタが合わない場合、3Dプリンターで作成してくれるらしい

という特徴で個人的には良さそうと思ってたですが、同居人がスマホ操作しなくていいQrio Keyが使いたいというのでQrio2になった経緯があります。

しかし結局イマイチなことがわかり使われなくなった頃、セサミから新型のセサミ3が発表になりました。少し長いですが発表時のライブ動画の録画がみられます。独特の味があるCEOのプレゼンテーションをご覧ください。

SESAME 3は上記のセサミシリーズの特徴を受け継ぎつつ、更に大きな進歩を遂げました。

  • 複数端末と同時にBluetooth接続できるMulti-Task機能
  • 別売りWi-Fiモジュールと組み合わせることでネットワーク常時接続。Bluetoothリンクを待つ必要無く瞬時に操作可能なAlways Connect
  • 先代セサミminiと同サイズでQrioやAkerunより圧倒的に小さい
  • 本体5,800円、Wi-Fiモジュール1,980円と、あわせて買っても1万円しない超コスパ

といった辺りが注目です。これらによって、スマートロックの操作レスポンス遅れの問題が完璧に解消できると期待されます。もうQrio2に絶望した後なので自腹でつけても文句出ないだろうということでこっそり注文、、、しようとしたらさすがに大人気の初回ロットの注文を逃し、2次3次受け付けも見逃し、結局初回ロットが2021年1月末に発送されましたが、我が家に届いたのは3ヶ月も後になってしまいました。

■SESAME 3の特長

改めてSESAME 3の特長をまとめると、

  • 小型(ただし予備バッテリーは非搭載)
  • 海外製も含め多くのサムターン形状に対応
  • 付属部品で対応できないサムターンは3Dプリンターでアダプタ作成(600円?)
  • 回転範囲360°まで対応
  • 超安い(他社の半額以下)
  • iOS/Android対応
  • Multi-Task機能+Always Connect(Wi-Fi経由接続)により爆速
  • AppleWatch対応
  • NFCチップ読取りによる解錠/施錠操作(iPhoneXS以降、SE2含む/Android)
  • iOSのSiriショートカット、ウィジェット対応
  • Androidの通知領域ウィジェット対応
  • Alexa対応
  • Google Homeは間もなく対応予定

(一部、前機種からの特長含む)

という感じで、後発でベンチャーながらハード的にもソフト的にもかなり幅広い対応が優位点だと言えます。

特に我が家では回転範囲が90°しかないQrio2では対応しきれないことがわかっていたので、360°は心強い。またサムターン形状も♦型なので、最悪アダプタの特注もできるというところは安心材料です(注文フォームをみるとタテヨコのサイズを入力するだけなので、このような菱形にピッタリあわせで作れるかは不明)。

ASSA製のサムターン

唯一Qrio Keyによるハードウェアキー端末が存在しない点が負けポイントですが、それを補えるだけのスマホの操作レスポンス、各種ショートカット手段の提供があります。Siriショートカットに対応していることで、iPhoneでは背面ノック2回で施錠操作することも可能です(誤動作が恐いので解錠には使いたくないかな…)。

そりゃ売れるワケです。逆に生産能力はSONYなどより少ないのか、ともかく品薄で手に入らない。現状Amazonにもまだでてないぽい(旧モデルはある)。ただ本記事執筆時点で次回発送5/15分の予約を受け付けているので、半月待ちで買えるようになったとも言えます。

■設置

結論からいうと付属パーツだけでバッチリ取り付けできました。高さを出す金属製土台アダプターは使わずに済み、最低高での設置に。

設置状態

白木の板は、万一にも借家のドアに両面テープ跡を残さないよう、サムターンをバラして土台の下に共締めしたものです。ちょと見た目がアレなので、これで安定運用できるようなら一度バラして塗装やカットも検討しようと思います。

Qrio2との高さ比較

Qrio2を並べてみると、高さ(ドア張り出し量)が圧倒的に小さいことがわかります。ドアハンドルよりも低い。Qrioは嵩上げの土台アダプタ(写真のドア側の分割線のところまでの厚み)が必要で、その分厚みが出ていましたが、Sesami 3はそれを使わなくて良かった点も差になりました。これならば腰や背を攻撃されることもなさそう。またQrioシリーズはCR123A電池x2本駆動で、予備電池をさらに1ペア、計4本のバッテリースペースがあるのに対し、Sesame 3は駆動は同じですが予備を搭載しないので2本となります。万一電池切れしても予備で賄うか、適切なタイミングで電池交換を促して済ますかという設計思想の違いですね。物理鍵を絶対に持ち歩きたくないし、置き鍵もできないという人はQrioの方が無難かもは知れません。

サムターンを掴むところは幅を左右二段階(左右同じでなくてもいいので3パターン)、高さを3パターンに組み替えられます。我が家ではどちらも最大に組み替えました。菱形のサムターンに対して、普通に直線の板で挟み込む形だし、ピッタリでもないですが、イイカンジに滑って左右どちら周りの時も充分なモータートルクがサムターンに伝わっているようです。

とりあえずハード面では大勝利を収めた気分です。

■使ってみた

続いてアプリ設定。Sesami 3(Sesami OS2)の特長としてユーザー登録不要で使えるというのがありますが、管理者くらいはIDもってた方がいいだろうし、iOSとAndroidの複数端末で使いたかったのでサクっとメアド登録しました。面白いのはこの会社のWebストアも含めてパスワードを一切廃している点。メールアドレスを入力するとそこに4桁のワンタイムパスコードが届き、それを入力すればログイン完了です。ログインか新規登録かの選択すらありません。未登録アドレスなら自動的にアカウントが作られるという感じ。毎回パスコードの受信をメーラーで確認して、というのがじれったいという人もいるかも知れませんが、基本はそんなに頻繁にログイン操作を要する製品ではないので、忘れたころに思い出せなくてパスワードリカバリー処理をするよりはいっそ潔い仕様かなと思います。

・回転位置のリアルタイム補足

アプリで鍵毎の表示部がこんな感じ(施錠されている状態)。

アプリのステータス兼操作部

注目すべきは鍵アイコンの周りを囲う衛星リングです。なんとリング上の●印がリアルのサムターン位置に応じて動くのです。単に解錠、施錠操作をした時に動作アニメーションとして回るのではなく、(リンクしている状態なら)手で本体側を回した分もリアルタイムで追従します。ということはつまり、Sesame 3は回転位置をQrioのような相対制御ではなく絶対位置制御で管理しているということです。手で余計に空回りさせた状態からでも常に正しい位置までモーターで回してくれます。これはウチのようなクルクル空回りするタイプのサムターンには決定的に重要な要素となります。普通の水平<->垂直で90°しか稼働範囲がないサムターンにはオーバースペックかも知れませんが、コスト的にも半額なので文句のつけようもありません。

ここでまたしても脳内で冬月先生が「勝ったな」とつぶやきました。

2021.07.10追記:

その後、ウチのサムターンは360度ですら足りていないということが判明。またSesamiアプリでは開錠位置と施錠位置をそれぞれ学習させることができますが、これが「モーターでここまで回したら開錠できる」という基準と、「手動でここまで回されたら開錠判定する」という位置を兼ねています。ですがウチのサムターン特有なのかわかりませんが、双方の位置が微妙に食い違う。なので、手動で回すと実際に施錠されていないのに施錠された判定される瞬間というのが発生してしまいます。これは鍵としては致命的ですね。AppStoreのレビューでも同じ指摘がされていましたが、ソフト的な改良でなんとかなってほしいものです。

現状は仕方ないので手動でも180度回転以内でしか動かさない、もしくはできるだけ手動で回さないという運用とし、サムターンが物理的にある位置以上に回らないようなストッパーをDIYであれこれ実装中です。回転するものなので右からも左からもつまみが来るので絶対に一か所でしか止められず下弦の位置に固いものをつけるイメージです。

・Wi-Fiモジュールの設定

これが宅内に存在すると、Sesame 3からのBluetooth信号を自宅のWi-Fiを経由してインターネットに常時中継できるようになり、宅外にいても鍵の状態を確認したり遠隔操作が可能になります。またAlways Connectと呼ばれる機能で、2,3秒かかるBluetoothリンクを待たずにより高速に操作できるのも利点です。

USB 5V駆動ですがUSB充電器は付属しません。わかってる人、余ってる人にはむしろ有り難いコスト削減策ですね。不安な人、デザイン/色をピッタリ揃えたい人向けに公式ストアで一緒に買えるようにしてくれてもいいんじゃないかとも思いましたが、まぁそれはそれで利幅も低いしコスト負担になるのかも知れません。

本製品は2.4GHz専用ですが、我が家が2.4GHzと5GHzを同一SSIDで運用しているせいか、(玄関に近い)リビングは中継機があるせいか不明ですが、リビングに設置した状態ではアプリからのSSID/暗号鍵設定が完了できませんでした。一旦2Fのメインアクセスポイントの直近で起動して設定、その後で再度リビングに移動させました。ドアのSesame 3から4m以内に設置する必要があります。ドアとWi-Fiアクセスポイント(ルーター)の距離が離れている場合、その中間点でどちらの電波も程良く届く場所、かつコンセントがあるところを吟味する必要があります。

・音声操作

iOSではSiriショートカットに対応しており、好きな音声コマンドで施錠/解錠ができます。基本は外では使わないし、誤動作すると危ないので施錠だけを「玄関をロック」という音声コマンドで設定しています。

Alexaでも「(鍵名)でロック」が固定コマンドのようです。

我が家ではGoogle Homeで「おやすみ」と言うと全ての照明が点灯するようにルーティンを組んでいます。Sesami 3がGoogle Homeに対応してくれれば、同時に玄関の鍵を施錠ということも可能になるので楽しみです。まぁAlexaでも定型アクションで同じ事ができるので、しばらくはそっちを使ってもいいんですが。

・AppleWatch

文字盤に配置できるコンプリケーションに対応しているので、モジュラー系の文字盤ならショートカットアイコンを配置して2タップで解錠/施錠操作ができます。Sesame 3が複数のBluetooth端末と同時接続できるMulti-Task機能に対応しているので、Sesame設定をしたスマホ、Apple Watchがその場に複数いても通信権を取り合ってもたつくようなこともなく、レスポンス、安定度も上々です。

2021.07.10追記:

やはり若干の遅延というかもたつきがあります。AppleWatchアプリの仕様でしょうが、前回の最後に表示した画面がまず起動します。つまり必ずしも赤(施錠)が緑(開錠)かの表示が正しいとは限らない。そもそも接続してないのに接続したかのように見せて状態を反転させるためにボタンをタッチ。それが無視されることもあれば、タッチする瞬間につながって、状態表示が反転して、結果タッチのせいでまた状態が判定され、希望とは逆の操作になってしまう、みたいなことがちょくちょくあります。昔初期のQrioでも同じようなことがあった気がしますが、開錠と施錠がワンボタンのトグル操作故の問題ですね。

きちんと動けば未通信の黄色という状態があるんですが、これが瞬時に出ないのが問題な気がします。なまじWi-Fiモジュールでインターネットを経由したパスがあるので通信タイムアウトを待っているんでしょうか。

・NFCタッチによる操作

NFCとはおサイフケータイなどで使う非接触通信規格です。機器同士の通信だけでなく、こういうシール状の”タグ”に固有IDが割り振られており、値札シール代わりに使われたりします。最近ではUNIQLOのセルフレジが有名ですね。

Sesame 3ではSesamiアプリの設定が済んだスマホをNFCタグにかざすことでスマホ内で解錠/施錠コマンドを起動することができます。製品にもセサミロゴ入りのNFCタグが1枚付属してきますが、なんとなくもったいないので予め購入してあった市販のNFCタグを使って設定しました。

NFCタグは電源もいらないただのシールのようなものなので、好きな場所に貼り付けられます。レスポンスの遅延を考えて、玄関のドア自体に貼るのではなく、その手前のポストとか、なんなら車の運転席に貼っておいて到着時にそこにスマホをかざすでもOKです。NFCタグ自体は固有IDをもっているだけで、Sesami 3に対してアクセスして認証するのはあくまでスマホ側です。万一見知らぬ人がそのNFCタグにスマホをかざしても鍵が開いてしまうことはありません。

iPhoneの場合とAndroidで設定方法、仕様が若干違うようです。

iPhoneでは「ショートカット」アプリで動作トリガに「特定IDのNFCをスキャンすること」を割り当てられるので、これを使って、アクションとしてセサミアプリでの解錠、施錠、解錠/施錠トグルのいずれかを割当てます。複数のNFCタグを割り当て放題なので、解錠専用のタグと施錠専用のタグを用意して使い分けることも可能です。ただし対応機種が「iOS13.1以上を搭載したiPhone XS以降の機種」となっています。おサイフケータイ対応機種ならOKということではないので注意が必要です。

一方AndroidはOSレベルでそうした仕組みがないため、セサミアプリ上で特定の鍵に対して特定のNFCタグを割り当てます。説明書きにも明記されておらず、試してもないですが設定手順的にみて、1つの鍵に1つのNFCタグしか割り当てられない気がします。施錠か解錠かトグルかを指定する場所もなく、1つのNFCタグでトグル動作させることのみじゃないかと思います。つまり、iOSのように解錠と施錠でタグをわけたり、玄関ドアと車など複数箇所にタグを設置したりといったことはできなそげ。

仕方ないので(同居人がメインで使っている)Androidにあわせて、解錠/施錠のトグル動作のNFCタグを自宅のポストに貼り付けてみました。

2021.07.10追記:

コメントで感想を求められてこの追記をしていますが、正直あまり使っていませんw。スマホをポケットから取り出して当てるよりは、AppleWatchでやっちゃいます。そして上記のように私はメインがiPhoneなので本来は複数の箇所にNFCをつけたり、開錠/施錠で独立させたりできるはずなんですが、Android事情にあわせてひとつのNFCに集約するのが使いづらくて、、

ただ私より普段常用している同居人によると、ちゃんと反応しているとのことです。

・手ぶら解錠

AppleWatchやNFC解錠の安定感を味わいたくて、現状はオフにしていますが、基本的にはGPSを使った「手ぶら解錠」機能で帰宅時の解錠は自動化できそうです。GPS測定誤差で意図しないタイミングで誤動作しないよう、自宅から一定距離をジオフェンスとして設定しておきます。この範囲を一旦出ることで「出かけた」と判定され、その後でまたエリアに入ることで「戻って来た」というフラグが立ちます。この状態でないとBluetoothが通信圏内に入っても手ぶら解錠は実行されないことになります。この辺のおおまかな仕組みはQrioと同じですね。Qrioはドアセンサーが付属していてドアの開閉を手ぶら解錠やオートロックのフラグに使っていましたが、Sesame 3にはそういう機構がありません。この違いが動作精度にどう影響するかは不明です。

いずれにせよ、手ぶら解除は常時GPSを使うのでアプリがバックグラウンドで起動している必要があり、その分バッテリー消費もある程度覚悟しなければなりません。しばらく使ってみて常用するだけの精度と価値があるか見極めていきたいと思います。

■まとめ

まだ使い始めて日は浅いですが、過去に試してきたどのスマートロックよりもスマートで安定してストレスなく動いてくれる気がします。それでいて価格も非常に安いので、品薄が解消されたらもりもりシェアを奪っていきそうですね。

2021.07.10追記:

購入から二ヶ月位経って、いくつか使い心地の面で追記をしました。細かい点で若干不満点も見えてきていますが、同居人も「Qrio/2とは段違いに快適」といってくれており、買い換えたことは正解だったのは間違いありません。あとは回転位置の施錠判定位置とモーター目標点を別々に設定できるようになってくれると完璧かなと思っています。

2022.08.22追記:

試用開始から1年と3ヶ月。電池残量表示が30%くらいになったところで不安定になりました。電池を抜き差しするなどして延命していたものの、

  • 第一段階:スマホから操作を受け付けなくなる(認識はする)
  • 第二段階:手動でもサムターンが回せなくなり、認識もしなくなる

という感じ。認識しないのはまだしも、サムターンがロックされるのはヤバい。たまたま在宅中に気付いたのでSesame本体を外すことができましたが、外からだったら物理キーでも解錠できなかったんじゃないかと。思い切り回したら一度だけ動きましたが、その後は更にガッチリロックされてしまった感じです。これが仕様なのかは不明ですが、電池を替えたらあっさりゆるゆる回るようになりました。

30%というか1年くらいで予防的に電池交換するのがいいかも知れません。

ちなみに純正はPanasonicのこちらの電池だったようで、公式サイトでも比較的安く売ってるようでしたが、発送が少し遅かったのでAmazonで並行輸入品というのを4本セットで買いました(Sesameに必要なのは2本)。

Panasonic CR123A リチウム電池 1550mAh (4本組) [並行輸入品]

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