古いプロジェクター(TH-AE500)のランプを安く交換したった

昨年末に天吊り金具まで導入して実家に設置したプロジェクターTH-AE500のランプが点かなくなりました。現象としては公式FAQの「Q05 ランプ(LAMP)モニターが点滅する」という状態で、

  • ランプ回路の異常を検知しています。 電源を切ってからすぐに電源を入れなおしていませんか、光源ランプが冷えるまでしばらく待って電源を入れてください。
  • 電源を手順どうり(冷却ファンが回転している間は主電源を切ったり電源コードを抜いたりしないでください)に切り、販売店にご相談ください。

とあります。ランプは夏に交換したばかりだし、ランプ寿命に関してはQ04に「LAMPモニターの点灯」というのがあるので、本体側の不具合かと思いメーカー修理に出したところ、「ランプの不具合なので交換で3万強」という見積もりが返って来ました。うーむ、ランプは交換したばかりな上にその後たいして使ってないんだけどなぁ、と思いつつも、どのみち交換なら通販で買って自分で交換した方が2.5万程度なのでキャンセル。で、ネットで交換ランプの型番ET-LAE500で検索したところ、純正品の他に互換品があることが判明。2万円程度。そしてそれがあるということはおそらく海外製なのでeBayとかで探せば更に安く買えるんじゃね?ってことで調べてみると、なんとハウジングは再利用して中のバルブユニットだけ売っているのを発見。eBay.co.ukでUS $85、しかも国際送料無料でした。メーカー修理の1/3、互換品と比べても1/2の価格です。5日で到着。

そして見事復活しました!修理担当者の診断が雑で、実はランプが原因じゃなかった場合どうしてくれよう、と思っててごめんなさいw。交換時期ではないけど不良が発生していた、ということなんでしょうかね。いちおうこのバルブは120日保証がつくみたいです。

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写真は交換後の古いバルブ。作業手順は、本体裏のパネルを外し(ネジ2本)、ランプユニットを取り出します(ネジ2本)。そしてランプユニットをバルブとケースにバラすわけですが、写真の黒いコネクタ部分がネジ1本で、あとはフタがツメでひっかかる形で固定しているだけ。σ(^^)はちょっと力を入れすぎてツメを片方割ってしまいましたorz。あとこのバルブにも当てはまるかどうか不明ですが、ガラスには極力指紋をつけないように作業しました。電球一般の話として、脂分が熱を持ってガラスが割れやすくなるっていいますし。

 

さすがに結構古いモデルなので、今更正規料金払って延命させるのもなー、とお考えの方も一考に値するんじゃないでしょうか?

多機能リモコンとしてのSONY Tablet S

おとんが営業仕事の客先で動画を手軽に見せたい(iPhoneじゃ小さい)というので、最近使っていない初代Galaxy Tabを譲ることになり、さりとて手元にAndroid端末が一台もないのは仕事柄どうよ?ってことで、遅ればせながらSONY Tablet Sを買って見ました。ちょうど4.0.3アップデートが始まり、SONYレコーダーとの連携アプリである「レコプラ」がリリースされた折だったので興味津々だったのが選択の理由です。より小型で防水のN-06Dと最後まで悩みましたが、nasneとか来るしSONY端末の方が対応が期待できるよなぁ、ということと、赤外線リモコンアプリもヨサゲだったので。ちなみにレコプラは保証外ながら720p以上の端末ならSONY製ではなくても動くらしいです。

■ハード周り

出てからだいぶ経っているので今更詳しくレビューしても速報性は薄いので簡単に。

ぶっちゃけイマイチです。まず横持ちした時の重量バランスが悪い。分厚い方が上側に来るのでどうにも安定感に欠けます。iPadと違い180度逆向き持ちに対応したアプリはほとんど(全く?)無く、基本横向きでは分厚い方を上にしなければなりません。じゃぁ縦持ちする時はホールド感あっていいか、っていうとそうでもなく。そもそも電子書籍とか読んでても割と頻繁に左右の手で持ち替えますしねぇ。薄い方はすごくホールドしづらいし、厚い方もちと厚すぎな感じで、この非対称形状はまったくメリットを感じません。

タッチ操作のレスポンスも微妙。スワイプするつもりがタップ判定になり項目が選択されてしまうことがiPadよりも多いし、スクロールももっさりしています。

充電コネクタが独自仕様なのも不便極まりないです。別売りの専用クレイドルは載せるだけという感じで使用感は良いです。

プロセッサパワーも生TSなどには不足気味で、いくつかのアプリを試しましたが、ガクガクだったり音声が遅延したりとまともに視聴できない感じ。

WiFiの電波のつかみも弱いみたいで、iPadやiPhoneが余裕で受信できてる場所でもこれだけまともに通信できないことがよくあります。

まぁ、事前リサーチでわかっちゃいたことですが、ハードはイケてないです…

 

一方、メインの想定用途である自宅AV環境の統合コントローラーとしての出来はなかなか良い感じです。

■レコプラ

公式ページを見てもいまひとつ操作感がつかめなかったんですが、実際に試してみると結構使えそうです。

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↑録画番組の一覧画面。左サイドバーでジャンルによる絞り込みができ、右ペインではソート順として日付、タイトル名、サイズが選べます。残念なのは本体側で付与したマークによるフィルタリングができない点。例えば実家の場合、σ(^^)が外付けHDDに撮りためたアニメと、子供がDLNA経由でリビングで見る用のキッズアニメが区別なく「国内アニメ」ジャンルになって見えてしまいます。マークは是非対応してほしいです。

複数一括削除もかなり便利。

番組を選択すると、レコーダーにつながったテレビで再生するかDLNA経由で端末にストリーミング再生するか選べます。残念ながらそれ以外のDLNAクライアントにスローすることはできません。個人的にはDLNAで使うことはあまりなく、テレビでの再生が中心。つまりあくまでGUI操作可能なリモコン、という位置づけです。

 

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↑テレビでの再生を開始した状態。番組の概要が読めるのはなかなか楽しい。そして右ペインでリモコンの主立った操作ができます。CM境界にチャプターが入っているので「次」と「15秒送り」「10秒戻し」でほぼ用が足ります。

 

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↑タブでチャプター一覧に切り替えた状態。チャプターがあやしくて想定以上にジャンプしてしまった時などに確認できます。欲を言えばタイムバーの上にチャプターマーカーを表示しててくれると更に便利なんですけどねぇ。

 

ほぼ満足ですが、気になるのは起動時に新着番組一覧を取得するのに10秒以上待たされることでしょうか。ほんの数分前に起動して同期したばかりのはずでも毎回チェックに行くようです。起動時にチェックしない設定もあるみたいですが、それはそれで困りそうなので、もう少しインテリジェントかつバックグラウンドな同期方法を実装してほしいものです。

なお予約周りはWebサービスのCHAN-TORUにリダイレクトされるだけです。

■「リモコン」アプリ

こちらはプリインストールアプリなのでSONY Tabletならではです。学習機能もついた赤外線リモコンアプリです。

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↑トップ画面。AVアンプやプロジェクター等も含めSONY製品はプリセットされているので選択するだけで使えます。左端は学習機能で作成したBenQの液晶モニタ。アイコンが綺麗で気分が良いですw。

 

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↑レコーダー画面。機種別にこうしたテンプレートが用意されています。スワイプで右にスライドすると他のボタンが出現します。学習時はボタンの文字をカスタマイズすることもできます(文字ラベルのついたボタンのみ)。「その他の機器」を選べば普通にマス目状にボタンが並んだテンプレになります。

「照明器具」テンプレもあるんですが、なぜか先日実家に導入したSHARPのLED照明の信号は学習できませんでした。学習できたように見えるものの、実際に使ってみても反応せず。エアコンと一緒で同じボタンでも時刻情報などが含まれているのかも知れません。

ともあれ、そこそこ自由度も高いので、自宅で使っている古いタッチ式の学習リモコンをリプレイスできそうで、これだけで買って良かったと思えます。

 

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↑写真はAndroid 4.0.3アップデートで導入されたスモールアプリ版の「リモコン」。GooglePlayアプリ使用中に呼び出した様子。画面下部中央にあるアイコンをタップすると左上の小窓が開きます。ボタン数は限られますが、「Blu-rayレコーダー」の見出しの左右に別の機器名が見えているように、メインアプリで登録した各機器の操作ができます。例えばなにか録画番組を再生しつつ、Tablet側でWebなりメールなりを使ってた場合、ちょっとCMスキップしたいなって時でもいちいち「レコプラ」や「リモコン」アプリに切り替えなくてもさっと「>>|」ボタンが押せます。ハードリモコンに持ち帰る手間すらない。これもかなりイケてます。

惜しいのは使い終わった後に右上の「×」ボタンをタップしないと消えてくれない点。iPadのポップオーバーのように窓の外側をタップしたら消えてくれる方が自然で使いやすいんじゃないかと。

 

我が家のようにSONY製品まみれの環境では、単純にマルチリモコンとしても重宝しそうで満足度が高いです。最近単体の学習リモコンという製品カテゴリが衰退気味なので、貴重な存在なんではないでしょうか。

N BOXへのナビ取り付けにまつわる覚え書き

今月頭、叔母がHONDAのN BOXを購入し、ナビ取り付けを請け負った時のメモ色々。

■車両情報

グレードはGでオーディオレス。「ナビ装着用スペシャルパッケージ」をつけており、バックカメラ、ステアリングにオーディオコントールスイッチ、4スピーカー、マイクロアンテナの4点装備。このマイクロアンテナにしてるかどうかで取り付けキットの品番が変わってくるので要注意。

■ナビ本体

楽ナビLiteのAVIC-MRZ09をチョイス。フラッシュメモリタイプ、地デジ、iPod(要別売りケーブル)、Bluetooth、3年間地図更新対応。地図更新はSDカード経由。PCの専用ソフトでダウンロードして書き込む方式。

■取り付けキット

オーディオレスを選んだ場合、ブラケットも付属してこないので、ハーネスも含めて車種別取り付けキットを買ってしまうのが楽。前述の通り、マイクロアンテナが通常のロッドアンテナかで配線が異なり、マイクロアンテナの場合、日東工業のNKK-H79DかJUST FITのKJ-H56DEが該当。事前にそれらを用意してなくて焦ったものの、オートバックス、イエローハット、jms共にNKK-H79Dが在庫されてました。ただ店頭は6,300円、Amazonで4,777円なので可能であれば事前に手配しておくのが良いでしょう。

オーディオや電源関係は当然ハーネスでサクっと取り出せます。車速もハーネスに含まれています。ただしバック信号がオーディオ裏からは取れず、ステアリングカラムの下を回って運転席足元のヒューズボックス裏の辺りにあるカプラーからワンタッチコネクタで取り出す形でした。詳しい配線図はNKK-H79Dのマニュアルに載っています。ネットで入手した取り付け資料ではシフトレバー裏からも取れるっぽかったんですがパネルの外し方がわからず断念。

取り付け自体は今時の車らしくパネル類ははめ込み中心で簡単な方だと思いました。というか外す必要があったのは、ナビ周りの黒い枠のパーツと、アンテナ配線にAピラーのところだけ。後は配線通しで対応可能でした。

■バックカメラ

N BOXのMOPバックカメラは3アングル切換できるタイプでコネクタが特殊らしく、現状ではN BOX専用の変換キットが必要でした。本稿執筆時点ではDatasystem RCA013HとマッハワンのNBOXバックカメラマルチアダプターの2製品がありますが、どちらも品薄で即時購入はできませんでした。RCA013Hの方がカー用品店、Amazon、楽天などで扱いの多いメーカーなので、いずれ普通に買えるようになるでしょう。マッハワンはおそらく直販のみです。

違いはRCA013Hはアングル固定、マッハワンの方は切り替えスイッチで3アングルをフルに活用できる点です。マッハワンの方はスイッチをどこかに設置しなければならにので、必要なければ割りきってRCA013Hにする手もあるでしょう。価格差は3,000円ほど。今回は叔母に説明したところその価格差なら3アングルの方にしてみる、ということでマッハワンに。オプションとして穴開け加工済みのスイッチパネルも買えるっぽかったですが、みたところ車両側にパネルの空きがなかったので断念。公式動画にあるような位置にドリルで穴空けて取り付ける予定。

2012.06.16追記:

取り付けました。一発ですんなり動作。接続は

  • 車体からのカメラコネクタ
  • ナビのバックカメラ端子
  • アース
  • ACC電源

のみ。アングル切換スイッチをつける穴をパネルにあける際はΦ12mmのドリルが必要になります。今回はせっかくアングル切換付きのマッハワン製を買いましたが、楽ナビLite側にガイド線を表示する機能がついていたのでそれを活かすということでアングルは固定で使ってみることに。

画質は良好です。真上視点にしても昔の製品のように画素を引き延ばしたようなブロックノイズ的な画像にはなりません。元々の画素数が高いんでしょうね。>純正カメラ

■ステアリングスイッチ

ステアリングの四方向キーでオーディオ操作できるようにするには、KK-H101STを使います。8,800円と結構するので保留中。叔母がしばらく本体操作で使ってみて不便を感じるようなら取り付ける予定。
また、今検索していてサードパーティ品のGAP-HSW05なんてのも見つけました。こちらだと2,000円ほど安く済みそうですが、どうなんでしょうね。自分の車&財布ならこちらに賭けてみるかも知れません。

iOS Developer Programの期限内更新覚え書き

iOS Developer Progaramの某社名義のライセンスが期限切れ間近だったので更新手続きを行いました。ネット上の掲示板のやりとりとかだと期限切れちゃったけどどうしたらいい?的なものが多く、普通に切れる前に更新する手順が示されておらずちと手探りでした。夏には自分名義のものをしなければならないので覚え書き。

まずAppleから「Don’t let your iOS Developer Program membership expire.」というHTMLメールが来ます(この時点で残り15日と表示。実際は一月前から手続きできるっぽい?)。文中最後に「Renew today」というボタンがあるのでクリック。ここは某社側でやってもらったので細かい手順はわかりませんが、基本は初回同様AppleStoreにリダイレクトされカートに更新ライセンスが入っているので決済すればいいようです。

AppStoreからの「ご注文成立のお知らせ」というメールに少し遅れて「Thank you for renewing your Apple Developer Program」というのが届きます。とりあえずこれで更新は完了しており、iTunes Connect側では有効期限表示が更新されていました。

あわせてdeveloper.apple.comのiOS Probisioning Portalでプロビジョニング周りの更新が必要になります。まずは年間100台まで登録できるテスト用端末のUDIDについて。更新前の注意書きには、更新後の初回ログイン時に限って不要なものを削除できる、と書かれてたので、そういう画面に強制的にとばされるのかなと想像してたんですが、それらしい表示はなにも出ず。削除自体は通常通り「Devices」画面でできたんですが、残り台数は増えませんでした。ちょっと損した感じ。まぁ3台分だからいいんですが。確実なのは更新手続き前に削除をしてしまっておくことだなと。

またプロビジョニングについてはXcodeのOrganizerで一覧を出すと期限が近いものに「Renew」ボタンがついていました。どうも普通はこれをクリックすれば更新できるらしいのですが、何故か上手くいかず。PortalでEditして作り直しても有効期限は延びません。結局、まずは開発者自身のCertificatesを更新ということです。OSXの「キーチェーンアクセス」を起動し、左上で「ログイン」、左下で「自分の証明書」を選び、右ペインのリストから目的の証明書を探します。通常、「iPhone Develpoer: (名前)」と「iPhone Distribution: (名前)」があるはずです。どちらかの左の三角ビュレットをクリックすると、下に鍵アイコンと名前がついた秘密鍵が現れます。これを右クリックし「”(名前)”を使って認証局に証明書を要求…」を選択します。「証明書アシスタント」が開くので、開発者登録に使ったAppleIDのメールアドレスと通称(自分の名前)を入れ、「ディスクに保存」を選択して「続ける」をクリック。これで新しい証明書の発行依頼書(=CSR)が出来ます。あるいは初回申請時に使ったCSRファイル自体が残っていればそちらを再利用もできると思われます。

次にPortalのCertificatesを開き、Development、Distributionそれぞれのタブから現行の証明書を「Revoke」し、再作成します。その時の画面で上記CSRファイルを指定します。プロビジョニング同様、数秒で新しい証明書ができあがるので少し間を置いてリロードするなりします。「Download」ボタンが出現したらクリックしてダウンロードし、「キーチェーンアクセス」にドラッグ&ドロップして追加。古いものは消してしまった方が無用のトラブルにならないと思います。心配なら右クリックから書き出しもできます。

この状態ならXcodeの「Renew」ボタンでプロビジョニング更新できるかな?と思って試してみたんですがダメ。ちぇ~。

仕方ないのでまたもやPortalに行き、Provisioningを開きます。今まで紐付いていた証明書がRevokeされてるので各Provisioningも無効化されています。EditしてSubmitしなおします(適当にdevicesのチェックをOFF/ONするなどして更新を発生させないとSubmitボタンが押せないかも知れません)。出来上がったプロビジョンファイルをダウンロードしてXcodeのOrganizer上にドロップ。古いものを削除しれば一応完了です。

試しにad-hoc配布用のアーカイブを再度書き出して配布サーバー上のipaファイルを上書きし、iPadで上書きインストールしてみたところ、ちゃんと新しいプロビジョニングプロファイルもインストールされました。古いものが残っていると期限切れ警告が出てウザいので、「設定」->「一般」->「プロファイル」から削除しておきます。

Xcode上のRenewボタンからできなかったのが悔しく、何か他の方法があるのかも知れませんが、まぁとりあえず上手く言ったパターンのログです。

クリック1つで驚きの白さ!モニタキャリブレーターSpyder4 Pro

発表直後から気になってたんですが、たまたまヨドバシ店頭で現物を発見してうっかり気絶してしまいました。

■モニターキャリブレーターって何?

モニターの色合わせをする周辺機器です。モニターはモデルや個体、または経年劣化によって色味が違います。自分の環境で「真っ白!」と思って作成したグラフィックや調整した写真が、他人の環境や印刷後に全然違う色になってビックリ!ということが普通に発生しますし、業務では致命的です。これをある基準に照らして調整するのがキャリブレーターです。お高いモニターにはこれをハードウェアレベルで行う機能がついてたりしますが、今回購入したのはソフト式のもの。調整ソフトが表示した色を画面にあてたスキャナで読み取り、その差を補正するカラープロファイルデータ(例えばMacならColorSyncプロファイル)として書き出してくれます。MacにもWindowsにもこれを目測で行う手動調整ツールが内蔵されていますが、やはり素人がどんだけ頑張っても限界があります。ウチの仕事用環境ではDELLの2405FPWという古めの24インチと、三菱のRDT204WM-Sという20インチのデュアルモニタ構成なんですが、メーカーも製造時期も違うのでなかなか同じ色味にすることができずにいました。仕事でそう厳密な色合わせが必要になることはないですが、Lightroomで現像作業をする時に、二枚のモニタで食い違いがあるとマトモに作業になりません。なので絶対的基準の色合わせが理想ではあるものの、とりあえず2枚が主観的に納得の行く「白さ」で揃えば御の字。

■DataColor Spyder4シリーズ

Spyder4シリーズはいくつかグレードがあります。テレビ/プロジェクターなどAV用のものを別にすれば3つ。Express/Pro/Eliteです。公式比較表はこちら。Expressがもっともお安く1万円強ですが、ガンマが2.2のみ、色温度が6500Kのみ、またマルチモニタ非対応となっています(多分、色温度とガンマの欄が逆ですよね)。他はさておき個人的にはマルチモニタ対応が必須なのでProにしておきました。非対応だとどうなるかわかりません。最悪一台ずつつないで計測すればいいだけな気もしなくもないですが…

最上位のEliteだとフロントプロジェクターにも対応しててホームシアターのある我が家的にはヨサゲでしたが、さすがにExpressの倍するし、いまんところプロジェクターの色味にそう不満はないので自重しました。AV用は正確であることより主観的に魅力的であれば充分ですしねぇ。

■実際の調整をしてみて

すみません、タイトルの「クリック1つで」というのは誇大表現です。キャッチーだったので使ってみたかっただけで、実際はもう少し大変でした。

まず日本語の解説シートが手順をざっと流しているだけで概念や用語に関する説明があまりなく素人にはとっつきづらいです。例えば環境光の測定をした後に、測定値を保存するか推奨値を使用するかという選択肢が出るんですが、それぞれがどういう意味をもっていてメリット、デメリットがなんなのかは全く説明がありません。環境光測定も、付属のドックにセットしろ、と言うんですがそれをどこに置いて測るのが望ましいのか言及されないとか。全体がそんな感じで素人お断りって雰囲気で気後れする作りになっています。またフルキャリブレーションで数分かかるんですが、放置しておくとなんだかんだと確認画面が出て止まっていてガッカリということが。問いかけがある時はビープ音位出してほしいものです。

あとこれはまた仕方ないかもですが、MacBookproは外部モニター端子が足りないのでUSBディスプレイアダプタを使ってRDT204WM-Sをつないでますが、やたらエラーが頻発する。でもエラーについてあまり詳細や解決法が提示されない。Webを参照するボタンが出るんですが機能しなかったり。そういえばキャリブレーション途中で「キャンセル」押しても反応なかったりとユーテリティの作りもいまいちあやしい部分が多いです。結局一時的に配線をかえて計測し、(USB経由とDisplayPort経由で別モニタとして認識されるっぽいので)後でコンパネからプロファイルを選び直す、ということで対処しました。

気になっているのはWindowsで調整結果が反映されたりされなかったりする点。OSやビデオドライバのチューニング処理とバッティングしてるんでしょうかね?特に再起動するとおかしな色になったりします。ディスプレイ->色設定とかいじってるうちにパカっと直ったりします。再起動する度にしばらくその辺を格闘する感じ。

■それでも結果には満足

で、6500Kでキャリブレしてみるとイマイチ青い。まぁ、客観的にそれが正しいんでしょうけど先に書いた通り個人的な好み優先なのでモニタ側で少しいじっちゃってますw。もともとモニタを6500Kにしてから調整するんですが、それだと後の調整が効かないので、2405FPWの場合、R:50 G:50 B:50にしてキャリブレーションを実行した後、R:54 G:44 B:45に。個人的にはそれで「真っ白!」が得られています。まぁ目の慣れに依るので本当はキャリブレーションしたままでしばらく使ってみればいいんですが。同様にRDT204WM-Sでも。こちらはブライトネス最大にしても「暗い」と言われるのでRGBも全て100%にして計測。後でRを98%、Gを94%にして概ねDELLに近い色味になりました。キャリブレーターの意味ねぇぇぇっっ!!とメーカーの人が発狂しそうですが、いままでどんなに頑張っても手作業でここまで2枚の色味を合わせることは敵わなかったので、個人的には使って良かったと思います。どのみちこれ以上厳密に調整するには部屋の照明にまでこだわらなければならないでしょうし。あと同じモニタを切り替えて使うMacとWindowsの間でも色が揃ったと思われるのは気分が良いです。

ただこのレベルの色合わせならSpyder4 Expressでも良かったかも、という気はします。先に書いた通りマルチモニタ非対応、というのがどの程度効いてくるのか不明ですが。Proに2万ってあとちょっと足したら安い(とはいえ今時の)24インチモニタ買えちゃいますしねぇ。実はその手(モニタ買い換え)も考えたんですが、それよりは自宅と実家にある数多くのマシン(モニタ)間でビシっと統一した色味にできると気分よいかも、とということでこちらにしました。ただ気になるのは測定ツールにオンラインアクティベーションが必要な点。一応MacとWindowsでアクティベーションはできましたが、あと何台かで使おうとするとどこかでNG喰らうんでしょうかね?友達に貸したりもできない?そりゃたまにしか使わないものなのでレンタルサービスで使われたり、次々オークションなどで転売されたらたまったもんじゃないかも知れませんが、ハード主体の製品なのであまり使い勝手が落ちるのもなぁ、と思ったり。その辺どうなんでしょう?公式サイト隅々まで見ればどこかに書いてあるのかな?なんかわかったら補足します。